AGRI SMILEは、サイエンス・テクノロジーからの農業支援により、農業界が抱える課題にアプローチし、持続可能な農業の実現を目指します
▼農業界の課題について
【課題1:地球温暖化】
・高温による農作物の作物障害・品質低下
→ 地球温暖化の進行により、猛暑日や熱帯夜の増加、異常気象の頻発などが農業生産に深刻な影響を与えています。気温上昇は作物の開花・結実異常、日焼け果や裂果の増加を引き起こし、収量の減少や品質低下を招きます。また、病害虫の発生時期や分布の変化にもつながり、従来の農業管理手法では対応が難しくなっています。
【課題2:肥料価格の高騰】
・肥料依存による安全保障上の脆弱性
→ 日本の農業は、化学肥料の多くを海外からの輸入に依存しており、原料のリン鉱石やカリウムなどは特定国に偏っています。近年は国際的な需給ひっ迫や地政学リスク、円安の影響により、肥料価格が高騰しています。このような構造は、肥料供給の不安定化によって農業生産が制約を受けるリスクを高めており、農業の食料安全保障上の脆弱性として課題となっています。
【課題3:SDGsと資源活用】
・農業経営に大きな負担となる廃棄費用
→ 規格外品や病害虫被害による収穫物の廃棄、剪定枝・根などの副産物処理など、農業では多くの未利用資源が発生しています。これらの処理にはコストと労力がかかり、特に中小規模の生産者にとっては経営負担の一因となっています。廃棄を減らし、再資源化・有効活用を図ることは、SDGsの観点からも重要であり、循環型農業への転換が求められています。
【課題4:労働力確保と省力化】
・生産者の減少・高齢化、JAの営農指導員の減少
→ 若年層の就農者が少なく、作業の重労働化と長時間化が進んでおり、担い手不足が農業の継続性と生産力に深刻な影響を及ぼしています。
→農業協同組合(JA)において、組合員への栽培技術指導を行う営農指導員の数は減少傾向にあります。 農林水産省の「平成30年度総合農協統計表」によれば、全国のJA正組合員は3,592,545戸、営農指導員は14,834人と報告されています。単純計算で、指導員1人あたり約242人の生産者を担当していることになります。さらに、JAグループのデータによると、2021年度の営農指導員数は12,612人であり、平成30年度から約15%減少しています。