◆AI人材不足を解消するために
2020年現在、世界で100万人のAI人材が必要と報告されていますが、80万人近く不足しているというデータがあります。さらに、日本の先進国ワースト2位のIT人材不足が報告されており、2030年には数十万人の規模で不足すると言われています。
こうしたIT人材、特に先端技術分野は、学習に関して以下のようなハードルが非常に高いと考えています。
1. 3000円以上する高額で説明の難解な専門書
2. コードを書くまでに必要な環境構築
3. GPU環境などの専用マシンの準備
この課題を解決すべく、'16年にAI(機械学習)などの最先端技術を WEB ブラウザを起動してから10秒で学べる学習サービス「Aidemy」を提供し始めました。
◆”先端技術を経済実装する”ために
そこから法人向け教育サービスや、機械学習モデルの運用プラットフォームのリリースも重なり、企業のAI支援を強化する動きも加速し、会社を取り巻く構造が大きく変わっていきました。
私達のこれからの大きな挑戦は「教育プラットフォーマーにとどまらず事業創造に伴走する」ことです。
私達がサービスを設計する上で大切にしているゴールは、「ユーザーを教育・研修すること」ではなく、「AIプロジェクトが成功し、利益を生む状態にすること」です。その上で、AIにまつわるシステムを受託開発する、というやり方を取らずに、AIのプロジェクトをユーザー主導で作り上げるため、教育研修サービスや運用プラットフォームサービス、ソリューション支援等を提供するというビジネスを展開していきます。
そして私達が目指す「先端技術が経済実装された」状態の先には人々の幸せがあると考えています。
人間が今より幸せになり、利便性を享受する大きなドライバーには「先端技術の浸透がある」と思っています。
iPhoneが登場した2007年、高速化されたモバイルデータ通信、自然なタッチパネルディスプレイ、豊富な楽曲を格納できるストレージなど、(当時の)先端技術が様々ありました。こうした先端技術がiPhoneという形で経済実装されたことによって、私達はいつでもLINEでメッセージし、UberEatsでフードを注文し、mercariで不用品をお金にできるようになりました。生活の利便性が大きく向上しました。
18世紀イギリスの農業革命によって、農家の生産性が一気に向上し人々の生活は豊かになり、産業革命を支える土壌が出来上がりさらなるイノベーションを産み出す種ができました。この農業革命を支えたのも(当時の)先端技術である、新しい農具や肥料だったはずです。
技術は最終的には人間の生活を幸せにするためのツールだと思いますが、人間の生活を飛躍的に幸せにするには、こうした先端技術の経済実装が欠かせないと思っています。