社会には、本来大人が担うと想定されている家族のケアを行う、子どもや若者がたくさんいます。
彼らは、18歳未満の場合“ヤングケアラー”、19歳〜30代の場合“若者ケアラー”と呼ばれています。
ケアラーたちを取り巻く大きな課題は、そのケアが自分の犠牲の上に成り立ってしまっていることです。
例えば、勉強や進学、部活、友達との遊びといった、子どもとして当たり前なことでも、責任や負担の重さにより諦めてしまっているケースが多々あります。
私たちヤングケアラー協会は、元ヤングケアラーのメンバーを中心に構成された、ケアラーのための団体です。
相談窓口の運営をはじめ、ヤングケアラー、若者ケアラーという言葉が社会に認知されるための啓発活動などを行うことで、ケアラーに支援の手を差し伸べています。
◆事業内容
・LINE相談窓口
LINEを用いたケアラー向けの相談窓口を開設しています。
自宅、進学、介護、就労など、相談いただく内容は様々。詳細に相談を進めていく場合には、オンラインや対面での相談に移ります。
・ヤングケアラーコーディネーター
ヤングケアラーコーディネーターには、学校を始めとする関係機関や地域住民の方の窓口となり、助言や適切な相談先を調整する役割があります。
2022年から全国の自治体で設置が努力義務となったことを受け、現在私たちは7つの自治体から委託を受けています。
・啓蒙、啓発活動(ルールメイキング)
n=1への支援だけではなく、社会のルールを変えていくことにも取り組んでいます。自治体や省庁との取り組みも重ねることで、社会の仕組み自体の変革を目指しています。
その他、全国各地でのイベント・講演会の実施や、オンラインコミュニティの運営など、幅広い支援を行なっています。
◆支援の特徴
一般的なキャリアカウンセリングでは、決まった期間でのサポートを行うことが多いですが、介護は明確に終わりが見えるものではありません。だからこそ私たちは、終わりを設けず緩やかに繋がり続ける形でサポートを行なっています。
また活動の中では、ヤングケアラー・若者ケアラーに与えるインパクトを最優先に考えています。
対当事者へのn=1の支援と合わせて、長期的な視点で国や自治体とルール作りを行うという両側面をミッションと捉え、ケアラーを取り巻く課題の根本解決を目指していきます。