ベンチャー企業の採用は難しい?知名度で勝てなくても採用できる手法

「知名度・実績があまりないので、応募が集まらない」

「即戦力となる人材を見つけたいけれど、方法が分からない」

このような悩みを抱える、ベンチャー企業の採用担当者の方は多いのではないでしょうか。

本記事では、ベンチャー企業が採用を成功させるために必要な具体的な手法や、押さえるべきポイントを成功事例付きで紹介します。

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ベンチャー企業の採用は難しいのか? 

売り手市場のため、大企業でも採用に苦戦している

ベンチャー企業かどうかに関わらず、少子高齢化社会の日本では人手不足が急激に進んでいます。

また、企業の求める人材要件は高度化の一途をたどっています。優秀な人材ほど、現職で好条件を提示されていることが多く、採用市場に現れづらくなっているのです。

そのため、大企業でさえ欲しい人材を思うように採用できておらず、大企業よりも採用にかけられるコストが少ないベンチャー企業はより採用に苦戦しています。

ベンチャー企業へのネガティブなイメージ 

大企業では、知名度や実績、雇用条件や充実した福利厚生など、就職における一定の心理的安全性が保たれています。一方、ベンチャー企業は、知名度や実績があまりないために、「休みが少なく、勤務時間が長そう」「研修や評価制度も整っていなさそう」というネガティブなイメージが先行しがちです。

企業が欲しい人材を獲得するには、候補者がこのような印象を抱いていることを考慮した上での、採用戦略とコミュニケーションの取り方が求められます。

採用を成功させるポイント

1.転職潜在層にアプローチする

現在、求人広告を掲載して応募を待つ受け身の採用では、優秀な人材はなかなか採用できません。

とくにIT人材においては、すでに人材獲得競争が激化しており、2030年には45万人の人材不足になると試算されています。(経済産業省 IT人材需給に関する調査
このような状況下で必要なのは、転職潜在層へのアプローチです。

転職を意識していない優秀な人材層に対し、自社を知ってもらいファン化を促します。そして転職のタイミングが来たときに、自社をその候補に考えてもらう手法です。

具体的には、企業の認知度をあげるために採用広報に力を入れてファン層を増やしたり、ダイレクトリクルーティングを取り入れたりすることが挙げられます。

2.共感で採用する 

「共感採用」とは、給与や業務内容、雇用条件などの待遇ではなく、企業のビジョンやミッションに対する共感を重視した採用活動のことです。

共感採用で入社した人材は、入社後の定着率が高く、エンゲージメントも高いとも言われています。

条件面で大手企業に負けてしまうベンチャー企業でも、内発的動機付け(やりがい・達成感)を意識して情報発信をすることで、採用が可能になります。

3.ミスマッチに注意する 

人数が多くないベンチャー企業にとって、入社後のミスマッチは大きな痛手となります。ベンチャー企業がミスマッチを起こさないために取り組めることを、3点紹介します。

ターゲット設計

経歴やキャリアが優れている候補者が現れると、つい採用したくなりますが、「自社にその人物が適しているかどうか」の視点を忘れてはいけません。

自社にはどんな事業計画があり、それを遂行させるためにはどのような人物が必要なのか、しっかりとターゲットを設定し、それをもとに採用活動を行いましょう。

また、人材要件は「Must(必須)」と「Want(あれば良い)」に分け、現実的なターゲット設計を行うことも大切です。

スキルマッチの見極め

採用担当者が採用ポジションの仕事に詳しくない場合、ミスマッチが起こりやすくなります。人材要件の作成段階から現場スタッフの協力を得れば、正確なマッチングができるようになります。

スキルとは?
・テクニカルスキル(業務遂行能力)
・ヒューマンスキル(対人会計能力)

見極め方法
・テストや課題提出などでスキルを試す
・インターンシップで実際に業務に取り組んでもらう
・リファレンスチェックを行う

カルチャーフィットの見極め

企業と社員の価値観がマッチしているかどうかは、企業の生産性や社員の定着率にも関わってきます。

企業理念や行動指針などのカルチャーだけでなく、社員数が多くないベンチャー企業の場合は、人間関係にまつわるカルチャーが合うかどうかも見極めが必要です。

カジュアル面談で複数の社員に会ってもらう、数日インターンで実際に働いてもらう、など接点をたくさん持つことが大切です。

ベンチャー企業におすすめの手法 

おすすめの採用手法は、「リファラル採用」「ダイレクトリクルーティング」「採用広報」の3つです。

1.リファラル採用 

リファラル採用とは、社員の知り合いや友人を紹介してもらう採用手法のことです。

求人広告や人材紹介比べ、コストを大きく削減できる上に、マッチング率の高い人材へ直接アプローチできます。

気を付けるべきことは、リファラル採用には、アプローチできる母数(候補者)に限りがあることです。事業の成長スピードによっては、他の採用手法を組み合わせたりするなど、新たな採用戦略が必要になります。

【参考】リファラル採用とは|メリットや成功の鍵、成功事例を徹底紹介
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/refferal_top

2.ダイレクトリクルーティング

ダイレクトリクルーティングとは、スカウトサービスのデータベースから候補者を探し、直接メッセージを送る採用手法です。

ダイレクトリクルーティングは、候補者に認知をされていなくても企業側からアプローチできるため、直接興味付けが可能です。認知度が高くないベンチャー企業にとって、有効な採用手法です。

以下の記事では、中途採用向けのダイレクトリクルーティングの12サービスを比較しています。

【参考】ダイレクトリクルーティングとは?全14サービスの比較表を公開
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/directscout_comparison/

3.採用広報 

採用広報とは、欲しい人材層に自社の魅力を発信し、就職先・転職先の候補として検討してもらうための広報活動のことです。

自社でサーバーをたて、採用オウンドメディアをつくる企業も増えていますが、まずはブログサービスを利用するなど、コストをかけずに始められるところからスタートしてみましょう。

採用広報のツール
・情報ストック:オウンドメディア、自社ブログ
・情報フロー:SNS(Twitter、Facebook、Instagram)
・上記の発展としての外部メディア掲載
・ミートアップなどのイベント実施

採用広報で訴求する内容
・企業ビジョン/ミッション(事業の過去・今・未来)
・技術軸(プロダクト、技術など)
・環境軸(働き方、福利厚生、賃金など)
・ヒト軸(社員のキャリア、チームカルチャーなど)


以下の記事では、採用広報の具体的な取り組み方を成功事例付きで紹介しています。

【参考】採用広報とは?成功させるポイント・メリットを徹底解説【事例付き】
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/recruiting_pr

立ち上げ期の採用に成功したベンチャー企業の事例 

有効な採用手法が分かったところで、実際に採用に成功したベンチャー企業の事例を見てみましょう。

1年で10名から23名へ急拡大|株式会社EventHub

株式会社EventHubは、オンラインイベントのマネジメントツール「EventHub」を開発・提供している企業です。

オンラインのニーズの高まりにより、約半年で利用企業は約3.5倍、売り上げは約20倍となり、2020年はじめ10名程度だったチームは現在23名となり、2021年には50名規模のチームとなることを目指して現在も採用を進めています。

株式会社EventHubが立ち上げ期に取り組んだこと
・3ヶ月でおよそ700通以上のスカウトを実施

・一次面談はCEOか共同創業者が担当

・オープンオフィス

知名度も高くなく、採用広報にあてるリソースもなかったため、Wantedlyのスカウト機能をメインで利用し、採用活動を行いました。

具体的には一次面談から創業者が候補者と会い、ビジョンや現状を明確に伝え、候補者の目指すキャリアや職場に求める条件も丁寧にヒアリング。これは、候補者の志望度を上げ、ミスマッチを防ぐために有効な施策となりました。

他にも、ハイレイヤークラスの面接では、機密保持契約を挟んで社内データを公開し、具体的な施策や実行期限を一緒に話し合う取り組みも行っており、優秀層の獲得に繋がっています。

カルチャーフィットを確認するため、オフィスの雰囲気を感じてもらうため、直接交流の場を提供できるオープンオフィスも積極的に行っていました。

【参考】シード期の採用で私が心がけたこと
https://www.wantedly.com/hiringeek/interview/rc_nur1

「1人目人事」として行ったこと|株式会社ビビッドガーデン

株式会社ビビッドガーデンは、「生産者のこだわりが正当に評価される世界」をつくることを掲げ、生産者と消費者を直接繋げる産直ECサイト「食べチョク」を運営する企業です。

株式会社ビビッドガーデンが立ち上げ期に取り組んだこと

・ATS(採用管理システム)の導入

・候補者に合わせたコミュニケーション設計

・全ポジションの業務理解

採用戦略がない状態からのスタート。まずは課題の洗い出しのために、ATSを導入し、自社の強みや弱みの見極めから始めました。

WantedlyやTwitter上での認知度は低くない一方で、候補者に対する自社の魅力付けが弱かったため、アプローチ段階では「興味の醸成」、最初の面談では「ファン化」など、採用プロセス毎の目的を明確化しました。

カジュアル面談では、候補者のキャリアやビジョンを徹底的にヒアリングし、候補者と志向性が近いメンバーや候補者のロールモデルになるメンバーを同席させるようにしています。

また、採用担当者が採用ポジションの業務理解を深めるために、現場の会議に参加する取り組みも行っています。

【参考】スタートアップ企業の「1人目人事」として私が行ったこと
https://www.wantedly.com/hiringeek/interview/rc_nur3/

まとめ

ベンチャー企業において採用活動は、非常に重要なミッションと言えます。

採用を事業戦略のひとつとして捉え、「自社の魅力をどう候補者に届けるか」、リファラル採用やダイレクトリクルーティング、採用広報など、攻めの採用活動に取り組んでみましょう。

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