スタートアップはエンジニア採用をどう乗り越えればいいのか|手法・事例を紹介

創業したばかりの会社の中には、社内に開発チームはおろか、システムをゼロから組みあげるだけの人材がいないことはよくある状況です。

創業間もない事業を成長させるためには、優秀なエンジニアの確保は重要な要素です。しかし実績や資金の少ないスタートアップは、エンジニア採用に苦戦しているのが実情です。

今回は、スタートアップがエンジニア採用を成功させるための手法や、採用に成功している事例を紹介します。

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優秀なエンジニアを採用するコツを公開

自社にマッチした優秀なエンジニアにアプローチできていますか?

開発に馴染みのない採用担当者や経営者にとって、エンジニア採用の要件を正しく設定することは容易ではありません。

そこで、優秀なエンジニアを採用するために押さえておきたいポイントを、1つの資料にまとめました。

専門知識を持たない採用担当者の方にも簡単に理解できる内容になっていますので、ぜひご覧ください。

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スタートアップがエンジニア採用で直面する課題

近年はビッグデータ、IoT等の新しい技術やサービスの登場により、国内のエンジニア需要は大幅に増加している状況です。

拡大するエンジニア人材マーケットの中で、多くのスタートアップが採用で直面する課題について解説します。

1.エンジニアの転職顕在層がいない

第一の課題は、エンジニア候補者の絶対数が少ないことです。エンジニアのマクロ人口から見ていきましょう。

2010年代の後半から2020年にかけて、大型のIT関連投資が続いたことに加え、昨今の情報セキュリティ等に対するニーズの増大により、エンジニア人材の需要が高まっています。

しかし一方で、需要をカバーするエンジニア層の絶対人数は不足しています。

経済産業省の試算によると、エンジニア人口の絶対数は2019年の100万人弱をピークに徐々に減少傾向に転じ、2030年には市場規模に対して約60万人程度の人材不足に陥る予測となっています。ただでさえ少ないエンジニア人口ですが、転職顕在層に絞るとさらに数は減少します。

国内のエンジニアのうち、転職活動をアクティブに行なっているのは2%足らずです。一方で、約70%のエンジニアが「より良い仕事があれば転職したい」と考えていながらも、特に転職活動等のアクションを起こしているわけではありません。(HR TECH LAB 「採用者の8割が転職潜在層!LAPRASのエンジニア採用手法と実績」

ただでさえ数が少ないエンジニアの転職顕在層は、採用力の高い企業に奪われる可能性が高いため、スタートアップは転職潜在層の掘り起こしを視野に入れた採用活動を展開する必要があるのです。

2.知名度がなく興味を持ってもらえない

スタートアップは大手企業と異なり世の中での知名度が低く、一般的にはあまり知られていないことがほとんどです。

転職求人サイトに社名や求人情報を掲載しているだけでは、応募者に自社を見つけてもらうことは難しいでしょう。

スタートアップのみに限っても、その数は2000社ほどにのぼります。報酬が飛びぬけて良いなどハード面での好材料があるスタートアップであれば、応募者が興味を持ってくれる可能性はあります。

しかし応募者の興味がひけるようなハード面の条件が提供できない多くのスタートアップは、仕事の面白さや社会的意義などのソフト面で応募者に興味を持ってもらう必要があるのです。

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スタートアップのエンジニア採用成功のポイント

競争が激しいエンジニア採用の世界で知名度がないスタートアップが採用成功するには、いくつかの工夫が必須になってきます。

コストやリソースが限られるなか、ちょっとした“知恵の絞り方”で採用を成功に導けるポイントについて紹介します。

1.能動的な採用手法を使う

スタートアップの採用で第一歩目として目指すのは「認知してもらう」ことです。

従来型の転職サイトや自社サイトに募集要項を掲載するだけのプル型(受動的)な手法だけでは、なかなか見つけてもらえません。

転職潜在層のエンジニアにアプローチするには、プッシュ型(能動的)の採用手法を使う必要があります。

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ダイレクトリクルーティング

多くの企業はオウンドメディアやSNSなどの情報発信で認知の獲得を狙うと思います。中長期目線では採用広報は必要な取り組みにはなりますが、成果が出るまでには時間がかかります。

とくに「すぐにエンジニアを採用したい」というスタートアップの逼迫した状況では、広報活動強化だけでは少々物足りないかもしれません。

そんなときに「認知」のステップと同時に、候補者に直接「興味」を持ってもらうステップまで実現するのがダイレクトリクルーティングなのです。

転職潜在層のエンジニアは自分から応募するほどの意欲はなくても、「良い会社があれば」というスタンスで転職サイトなどに登録しているケースが多いです。

スタートアップは、長期化する採用活動やミスマッチによる早期離職に耐える体力がない場合がほとんどです。ダイレクトリクルーティングを活用すれば、アプローチする対象者を絞ったうえで相手に合わせたスカウトメッセージを送ることができます。

スカウトメールを送る費用やリソースがかかるのがデメリットですが、ピンポイントで確度の高い採用が出来ると思えば、むしろ費用対効果は高いと思います。

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採用広報 

採用広報とは、求める人材からの応募を促すための企業広報活動のことです。

自社サイトでの情報提供やSNSでの情報発信、ミートアップの開催など、採用を目的として行う発信活動は、広義の意味ではすべて採用広報と考えて良いでしょう。

応募者は数社で入社を迷った際には、多方面から情報収集を行います。応募した企業サイトの他に、退職者や転職者の口コミを参考にする人も多く、あらゆるルートから企業情報を収集しています。

そのため、企業自らが自社の情報を積極的に発信し、採用広報をする重要性は高まっているのです。

広報活動は地道なものが多く、成果が出るのに時間がかかる傾向があるため、情報発信が頓挫しがちなのが課題です。

しかし長い目で見ると、採用広報は入社だけでなく、入社後定着にも効いてくる活動です。自社のありのままの姿を情報発信することで、応募者の自社理解が高まるでしょう。

とくに近年は、自社のシステムや技術に関する情報を発信する「技術広報」が注目を集めています。技術広報は、意欲的に情報収集している優秀層に対して、自社の技術力・やりがい・成長環境などをアピールできる点がメリットです。詳細は以下の記事で解説していますので、ぜひあわせてご確認ください。

【参考】技術広報とは?目的・施策例・成功のコツを解説|事例つき
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/technical_pr/

なおWantedlyでは、ブログ機能である「ストーリー」を活用できます。構成や内容に決まりはなく、自由な情報発信が可能です。日常の会社の様子やメンバーの紹介、ストーリーを投稿でき、募集だけでは伝わらない会社や社員の魅力を届けることができます。

Wantedlyでできることや具体的な料金は以下のサービス資料にまとめています。ぜひ一度ご確認ください。

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リファラル採用

能動的な採用手法として最初に取り組みやすいのが、リファラル採用でしょう。

リファラル採用とは英語で「紹介」という意味があるreferralに由来がある、自社の社員などに人材を紹介してもらう採用形態のことです。

リファラル採用のメリットは、手軽に始められてコストがかからない点です。候補者のスキルやレピュテーションの見極めが容易なため、選考体制が整っていない創業初期の採用には非常に有効です。

一方、良い人材が獲得できるかどうかは偶発的で、なおかつアプローチできる母数が少なくならざるを得ない点がデメリットです。

リファラル採用の取り組み方はこちらの記事で解説していますので、合わせてご確認ください。

2.エンジニアに注目される情報発信をする 

応募者の注目が集まりにくいスタートアップは、何かしら応募者の興味を刺激するような情報発信が重要になります。

エンジニア目線で具体的な業務内容を記載する

一つ目の工夫ポイントは、エンジニア目線で具体的な業務内容を記載する点です。

採用者の活躍可能性が開発言語や使用技術に依存するエンジニア職は、曖昧な求人票ではミスマッチ人材が集まるリスクがあります。可能な限り具体的な業務範囲や期待したい成果について記載をしてください。

スタートアップならではの作戦としては、あえて現状の課題をつまびらかにすることです。思わぬ効果を生む可能性があります。社内の事情や問題を開示するのは抵抗があるかもしれませんが、チャレンジ意欲が高いエンジニアに刺さる可能性はあります。

むろん、業務内容には正確な固有名詞を使うことにも注意してください。

特にエンジニアは固有名詞が正しい表記かどうかを気にする人が多い傾向にあります。専門用語が多い世界ですが、正確な綴りで書かれていなかったり、大文字と小文字を間違えているだけでエンジニア目線では「レベルの低い会社」と捉えられてしまう可能性があります。

人事部門が主導で求人票を書いたとしても、必ず現場のエンジニアに内容をチェックしてもらうようにしてください。

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働き方について記載する

二つ目のポイントは、働き方についての記述を行う点です。

「エンジニアのタコツボ化」という言葉を聞いたことがある方は多いかと思いますが、これは今や古い日本企業ならではのエンジニアの問題といえます。

昨今はワークライフバランスなどの影響で、エンジニアも自由で多様な働き方を重視する傾向が強まっています。

具体的には、働く場所や時間を自由に選べるリモートワークやフレックスタイム制があるなら、積極的にアピールをするようにしてください。

単なる制度としての紹介だけではなく、その制度を設けることで「エンジニアにどんな働き方をしてほしいか」などの想いや背景情報があればなお良いでしょう。

また力量のあるエンジニアは組織に定着せず、フリーランスとして働きたいと希望する人材も多いです。

正社員採用にこだわりすぎず、業務委託などの雇用形態の多様性も、エンジニアには働き方が選べる魅力的なポイントになるはずです。

エンジニアがぜひ働きたいと思える情報を提示できれば、スタートアップでも優秀なエンジニアからの注目を集めることができます。

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3.ミッション・ビジョンへの共感を大切にする

一般的にエンジニアの採用にはスキルや経験などの要素が重要視されますが、スタートアップはカルチャーフィットが重要です。

スタートアップの現場では少人数体制で開発を行うケースが多く、決して楽な環境とは言えないでしょう。事業の仮説検証を繰り返すプロセスが発生するため、環境変化も多くなりがちです。

このような環境で何らかの問題やトラブルが発生したとしても、企業のミッション・ビジョンに共感しているエンジニアであれば、「自分こそが企業成長の原動力になりたい」という踏ん張りがききやすくなります。

ミッション・ビジョンが共有されていない場合、エンジニアは「なんでこんなことをやっているんだろう?」と不審を抱き始め、創業メンバーに反発しかねません。

エンジニアはニーズが高い職種なので、「この風土にはフィットしない」と感じてしまうと早期離職されてしまうリスクがあります。採用段階でミッション・ビジョンへ共感する人を見つけることで、会社に馴染みやすく、定着するエンジニア採用が期待できるようになります。

スタートアップと相性の良い採用サービスはWantedly

Wantedlyは給与などの条件ではなく、やりがいで企業と求職者がマッチングできるサービスです。

6ヶ月30万円から求人を掲載することができ、求人の掲載数に制限がなく成果報酬もないため、他の媒体や手法よりも採用単価を抑えることができます。

登録者としては20~30代の若手人材が多く、エンジニア、デザイナーなどのIT人材の登録が半数近くを占めています。

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有名スタートアップ企業はエンジニア採用をどう乗り越えたのか?

最後に、スタートアップがシード期、アーリー期に直面しがちな困難を乗り越え、成長を成し遂げた有名企業2社の事例を紹介します。

事例①【BASE株式会社】

ネットショップ作成サービス「BASE」や、ショップオーナー向け金融サービス「YELL BANK」など、さまざまなEC関連サービスを提供するBASE社の採用事例です。

BASE社は2016年に大型の資金調達を行ったタイミングで、エンジニア採用に力を入れ始めます。

具体的には現場のCTO自らがプッシュ型のダイレクトリクルーティングに取り組みました。内容も工夫し「なぜあなたに注目したのか」「あなたに何をしてほしいか」「自分たちならどんな環境が提供できるか」とラブレターのような書き方にすることで、返信率を向上させたそうです。

またプッシュ型アプローチと合わせて、テックブログやイベント開催などのプル型の情報提供にも力を入れました。プル型の工夫としては、スタートアップならではのカルチャーや事業コンセプトを情報発信の中心に据えた点です。

その結果、BASE社では2014年にはエンジニアは10人以下だったにも関わらず、2021年には社員の約4割を占める40名ほどにエンジニアを増強するまでに至りました。

【参考】『大企業も苦戦するエンジニア採用。苦しくてもやり抜く気構えを』 / BASE株式会社
https://www.wantedly.com/hiringeek/interview/rc_ttb4

事例②【株式会社リンクアンドモチベーション】

リンクアンドモチベーションは2016年に従業員エンゲージメントを測定する「モチベーションクラウド」をリリース。2019年には「コミュニケーションクラウド」「チームワーククラウド」と新サービスを同時リリースし、HRテックカンパニーとしての存在感を高めてきました。

しかし当時は外部パートナーが開発のメインで、現場は混乱をきたしていました。そこで内部でエンジニアを育成する体制への変換を狙い、2019年から中途採用に力を入れ始めました。

知名度をカバーするべく、まず始めにプッシュ型のダイレクトリクルーティングやリファラル採用を実行。

エンジニアにとって魅力的な働き方や報酬が整っていなかったため、当初は苦戦を強いられたそうですが、リンクアンドモチベーションはむしろそこを逆手にとったユニークな作戦を打ち出すことに。

報酬などの条件ではなく自社文化や実情を生々しくさらけ出すことによって、即戦力エンジニアではなくビジョン共感型人材の潜在層を掘り起こすことができました。

またエンジニアの採用と並行して、マネジメントを担うエンジニアリングマネージャーやテックリードの採用にも力を入れました。HRを事業ドメインとするリンクアンドモチベーションならではの、マネジメントを含めた組織開発的なアプローチといえます。

【参考】『カオスから脱却し、開発パートナーと一体化したアジャイル組織を立ち上げるまで』 / リンクアンドモチベーション
https://www.wantedly.com/hiringeek/interview/rc_ttb6

まとめ

いかがでしたか。スタートアップのエンジニア採用は非常に難しいもの。しかし、その中でも工夫して行い、採用に結びつけている企業はたくさん存在します。

この記事の情報を参考にして、自社の採用戦略、施策の精度を高めていってください。

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