SNSの普及にともない、近年はSNSを使って採用活動する企業が増えています。しかし、従来とは異なる手法のため「具体的なメリット・デメリットがわからない」「どのように取り組めばよいかわからない」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、SNSを使った採用活動である「ソーシャルリクルーティング」の概要・進め方・運用のポイントなどを徹底解説します。各SNSの特徴や成功事例も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
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ソーシャルリクルーティングとは?
ソーシャルリクルーティングとは、X(旧Twitter)・Facebook・InstagramなどのSNSを活用した採用活動のことです。SNSを使った採用広報活動や、SNSのメッセージ機能を使ったスカウトなどは、すべてソーシャルリクルーティングに含まれます。
東海ビジネスサービス株式会社の調査によると、今では約6割の企業がソーシャルリクルーティングを実施。なかでも、X(旧Twitter)・Facebook・Instagramの利用率が高い傾向にあります。
また、株式会社リソースクリエイションの調査では、就活生の9割以上が企業のSNSアカウントは必要と回答。「社員の雰囲気が知りたい」「気軽に情報収集したい」という理由でSNSを利用する学生が多く、約9割の学生が「企業のSNSアカウントを見て入社意欲が高まった」と回答しています。
このように、求職者のニーズが高く、動機づけも期待できるため、近年の採用においてSNSの活用は必須といえるでしょう。
Wantedlyでは、これからの採用に必要な考え方やトレンドをわかりやすくまとめています。採用が上手くいかずに悩んでいる方は、ぜひこちらもご一読ください。
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ダイレクトリクルーティングとの違い
ソーシャルリクルーティングと似ている言葉として「ダイレクトリクルーティング」がありますが、それぞれ以下のように定義が異なります。
ダイレクトリクルーティング
企業から求職者へ直接アプローチする手法のこと(スカウト媒体やSNSを活用)ソーシャルリクルーティング
SNSを活用した採用活動全般のこと(採用広報やスカウトなど)
つまり、SNSのメッセージ機能を活用して直接アプローチした場合は、ダイレクトリクルーティングでもあり、ソーシャルリクルーティングでもあるといえます。ダイレクトリクルーティングの詳細はこちらで解説していますので、ぜひあわせてご確認ください。
【参考】ダイレクトリクルーティングとは?全17媒体を比較【新卒・中途別】
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/directscout_comparison/
ソーシャルリクルーティング3つのメリット
なぜ近年ソーシャルリクルーティングが注目されているのでしょうか。企業が得られるメリットは大きく分けて次の3つです。
1.採用コストが抑えられる
SNSは基本的に無料でアカウント作成・運用できます。無料で採用広報・求人掲載・ダイレクトスカウトができるため、他の採用手法と比べてコストがかかりません。
また、SNSでの情報発信は、認知度向上や採用ブランディングの効果も期待できます。有料のプロモーションを利用する際も予算にあわせて調整できるため、「認知度を上げたいが予算が少ない」と悩む企業にはとくにオススメの手法です。
2.転職潜在層にもアプローチできる
求人サイトや人材紹介サービスの場合、アプローチできるのは転職顕在層に限られます。
しかしSNSは、転職目的ではなく日常的に使うサービスのため、まだ転職サービスに登録していない「転職潜在層」や、数年後に就職活動を始める大学1〜2年生に対してもアプローチできるのがメリットです。
また、シェア機能による拡散性が高いため、フォロワー以外の人材にも広くリーチできます。
3.ミスマッチ防止につながる
SNSでは気軽に情報発信できるため、公式サイトとは違った視点でリアルな雰囲気や魅力をタイムリーに伝えられるのがメリットです。
また、投稿内容から候補者の等身大の姿が知れたり、メッセージ機能を使って双方向のコミュニケーションが取れるため、候補者と自社のマッチングを見極められます。
互いの投稿内容やメッセージ上でのやり取りにて相互理解を深められるため、ミスマッチ防止につながるでしょう。
ソーシャルリクルーティング3つのデメリット
ソーシャルリクルーティングはメリットが大きい反面、デメリットともいえる注意点があります。次の3点は導入前に必ず押さえておきましょう。
1.継続的に取り組む必要がある
SNSでは、企業から個人まで数多くのユーザーが情報発信しているうえに、新着情報から上位表示されるため、更新頻度が低ければすぐに埋もれてしまいます。
そのため、継続的に情報発信できるよう、運用やコンテンツ制作に十分なリソースを割かなければなりません。
2.効果を実感するまで時間がかかる
SNSは転職目的のサービスではないため、通常の採用サービスと比べて成果が出るまで時間がかかります。
フォロワー数・応募数などの数字を伸ばすためには、ある程度の時間と投稿数が必要なため、長期的な視点で取り組む必要があるでしょう。
3.炎上リスクがある
SNSは拡散力および即時性が高いため、投稿内容によっては企業イメージが著しく低下してしまう恐れがあります。
また、社外秘が映り込んだ写真を投稿してしまうなど、情報漏洩のリスクも考えられます。したがって、SNS運用者のITリテラシーや万全な管理体制が重要です。
ソーシャルリクルーティングで活用されるSNSの種類と特徴
ソーシャルリクルーティングでは、主に以下のSNSが活用されています。それぞれのユーザー層や特徴を押さえ、もっとも自社にあう媒体を選定しましょう。
サービス名 | メインユーザー | 特徴 |
---|---|---|
X(旧Twitter) | 20代(78.8%) | ・拡散性が高く、フォロワー以外へも広くリーチできる |
30代(46.5%) | ・実名で登録しているユーザーが多く、リアルな交友関係が反映されている | |
20代(73.3%) | ・画像や「リール」と呼ばれる短尺動画によって視覚的な訴求ができる | |
TikTok | 10代(66.4%) | ・音楽に合わせた短尺動画によって視覚的な訴求ができる |
LINE | 10代〜50代(9割以上) | ・メルマガ形式で情報発信したり、連絡ツールとして活用できる |
YouTube | 10代〜50代(8割以上) | ・動画によって多くの情報をわかりやすく伝えられる |
引用:総務省「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」
Wantedlyでは、採用にSNSを活用したいと考えている方々のために、SNSごとの登録属性や必要な専門知識、活用時に失敗しないコツなどのノウハウを1つの資料にわかりやすくまとめています。ぜひ一度確認してみてください。
ビジネス特化型SNS
ソーシャルリクルーティングでは、前述の日常的に使われるSNSだけでなく、「ビジネス特化型SNS」も活用されます。
ビジネス特化型SNSとは、社会人同士の交流・情報収集・スカウトなどを目的として使われるSNSのことです。通常のSNSと比較して、キャリアアップ意欲や転職意欲の高いユーザーが多く登録しているため、優秀な人材に効率よくアプローチできます。
ビジネス特化型SNSとしては、次の2つのサービスが有名です。
Wantedly
Wantedlyは、給与などの条件ではなく、企業が掲げる「想い」への共感を通じて求職者とのマッチングをはかるビジネスSNSです。ユーザー数は約370万人で、7割以上が20代〜30代の若手人材です。
企業側は募集が掲載し放題で、ダイレクトスカウトも行えます。Wantedly上でブログを投稿したり、社員をメンバーとして公開できるため、企業の魅力やリアルな雰囲気を伝えやすいのが特徴です。
Wantedlyでできることや具体的な料金は以下のサービス資料にまとめています。ぜひ一度確認してみてください。
LinkedIn(リンクトイン)は、アメリカ発のビジネスSNSで、日本のユーザー数は300万人以上。オンライン学習ツールが充実しており、ITエンジニア・SIer・戦略コンサルタントなどのハイクラス層が多く登録しているのが特徴です。
企業側は採用ピッチ資料や募集を掲載でき、ユーザーに対して直接メッセージを送れます。
ソーシャルリクルーティングの進め方
続いて、ソーシャルリクルーティングの具体的な進め方を解説します。無駄なく高い成果を得るためには、次の5ステップにしたがって進めてみてください。
1.ペルソナを設計する
まずは、「誰に対して」情報発信するか決めましょう。
SNSを通じてアプローチしたい人物像、つまり採用したい人物像である「ペルソナ」を明確にすることで、どんな情報を発信すべきか、どのSNSを活用すべきかが見えてきます。
ペルソナの設計方法は以下の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
【参考】「採用ペルソナ」が「採用ターゲット」より重要な理由|設計方法も解説
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/persona/
2.発信したい情報を整理する
ペルソナが設計できたら、「どんな情報を」発信するか決めていきます。次の5つの要素をもとに、ペルソナに刺さる魅力や自社ならではの魅力を洗い出してみましょう。
企業の魅力を構成する5つの要素
・仕事内容:どんな仕事をするのか。やりがいに感じる部分は何か。
・事業内容 :どんなビジネスモデルなのか。社会のどんな役に立っているのか。
・社員 :どんな社員が働いているのか。どんな想いで入社している人がいるのか。
・文化 :企業で大切にしていることは何か。他社と違う企業文化は何か。
・制度 :どんな制度があり、どのような背景でその制度が作られたのか。
もし「自社の魅力や独自性がわからない」という場合は、以下の記事をご確認ください。視点や切り口を変えることで、自社ならではの魅力や価値を見つけられるでしょう。
【採用の新常識】上手くいかない採用から脱却するために必要な考え方
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/recruiting_textbook
3.自社にあうSNSを選ぶ
発信すべき情報が整理できたら、「どのように」発信するか決めていきます。前述のSNS比較表を参考にして、ペルソナの利用率が高く、企業の魅力を伝えやすいSNSを選びましょう。
近年では複数のSNSを活用している企業も多いですが、最初から2つ以上のSNSを同時運用するのは人的リソースの観点からあまりオススメしません。まずは1つのSNSに注力し、ある程度フォロワー数が増えてきてから他のSNSと掛け合わせるのがオススメです。
4.コンテンツを発信する
「誰に対して」「どんな情報を」「どのように」発信するか決まったら、あとはひた向きにペルソナに刺さるコンテンツを発信していきます。
前述の通り、更新頻度が低いとすぐに埋もれてしまうのがSNSのデメリットです。継続的に情報発信できるよう、コンテンツ制作のリソースを日単位または週単位で確保し、投稿頻度・投稿数などのコントロール可能な指標をKPIとして設定しましょう。
ソーシャルリクルーティングは成果が得られるまで時間がかかるため、長期的な視点で取り組むのがポイントです。
5.効果検証・アプローチを行う
数週間〜1ヶ月程度運用したら、これまでの投稿に対する求職者からの反応や数字を分析し、コンテンツの改善をはかりましょう。社名やイベント名などをSNS上で検索し、求職者のリアルな意見や感想を参考にするのもオススメです。
また、SNS上で気になる人材が見つかった場合は、メッセージ機能などを活用して直接アプローチしてみましょう。
ソーシャルリクルーティングを運用するときのポイント
続いて、ソーシャルリクルーティングを成功させるためのポイントを解説します。次の3点に留意すれば、企業イメージの向上や応募数の増加が期待できます。
1.「ファンづくり」を意識する
ソーシャルリクルーティングでは継続的な情報発信が重要です。しかし、投稿すること自体が目標とならないよう注意しましょう。
投稿頻度や投稿数などの「量」を徹底することも大事ですが、もっとも重要なのは企業の魅力を伝えることです。魅力あふれる質の高いコンテンツを、採用担当者自身が楽しみながら発信することが成果につながります。
また、一方的に情報発信するのではなく、フォローを返したり、コメントに返信したりするなど、双方向のコミュニケーションを意識しましょう。SNS上での情報発信や交流を楽しむことが、自社のファンづくりにつながります。
これからの採用は、従来の短期決戦の採用スタイルから、ファンづくりやタレントプールによる「ストック採用」への切り替えが必須です。ファンづくりの重要性やストック採用の詳細は以下の記事で解説していますので、ぜひあわせてご確認ください。
【採用の新常識】なぜ採用に”ファンづくり”と”カジュアル面談”が必要なのか
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/recruiting_textbook_2/
2.Wチェックしてから投稿する
ソーシャルリクルーティングの運用・管理が1名体制だと、炎上リスクが高まります。写真・文章に問題がないか、必ず2名以上で確認してから投稿しましょう。
あらかじめ社内でガイドラインやチェックリストを作成しておくのもオススメです。漏れがなく、効率的にWチェックできるでしょう。
3.個別アプローチは迅速かつ丁寧に行う
SNSのメッセージ機能などで求職者から連絡がきた場合は、迅速かつ丁寧に返信しましょう。
当日〜翌日中に返信するのが理想ですが、どうしても返信が遅れる場合は、「◯日ごろお返事いたします」と具体的な返信日を添えて、メッセージを受け取った旨だけでもすぐに伝えるのがオススメです。
また、企業側からメッセージ機能を使ってアプローチする場合は、定型文にならないよう注意しましょう。
テンプレートのメッセージでは候補者の心に響きません。「なぜスカウトしたのか」「どんな点に惹かれたのか」を必ず伝えて、特別感のあるメッセージを送りましょう。
【参考】スカウトの返信率は何%まで目指せる?高返信率のコツ
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/scoutmail_reply/
自社にマッチした人材をコストを抑えて採用するならWantedly
Wantedlyは、給与などの条件ではなく、企業が掲げる「想い」への共感を通じて求職者とのマッチングをはかるビジネスSNSです。
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Wantedlyでできることや具体的な料金は以下のサービス資料にまとめています。ぜひ一度確認してみてください。
WantedlyとSNSを掛け合わせて採用成功した事例3選
最後に、Wantedlyと他のSNSを掛け合わせて採用成功した事例を3つご紹介します。ぜひ各社の施策を参考にしてみてください。
1.株式会社OpenFashion
株式会社OpenFashionは、ファッションとデジタルを組み合わせたファッションテックサービスの開発を手がけている企業です。同社は採用担当が2名しかいないため、認知度向上の施策に工数をかけられないことが悩みでした。
そこで同社は、募集の自由度が高く、知名度よりも「企業の技術的な強み」で勝負できるWantedlyの利用を開始。募集記事の露出を高めるため、Wantedlyのサイト内広告である「トップページ広告」と、SNSへ拡散できる「SNS広告」を活用しました。
その結果、2週間で応募数が2倍に増加。WantedlyとSNSを掛け合わせたことで、工数をかけることなく一気に認知度を高められ、採用単価も従来の4分の1まで削減できました。
▶︎OpenFashion社(旧オムニス)の採用施策事例を無料ダウンロードする
2.株式会社ココナラ
株式会社ココナラは、スキルシェアサービスを展開している企業です。同社は初のテレビCM放映にあたり、採用における認知も同時に獲得するため、Wantedlyの「トップページ広告」と「SNS広告」のオプションを活用しました。
テレビCM放映期間とオプション広告のタイミングを合わせたところ、募集ページのPVは10倍以上に増加。その結果、インフラエンジニア・機械学習エンジニア・マーケティングエンジニアなど、若手からミドルの優秀層の採用に成功しています。
【参考】一度の広告掲載で6名の採用に成功|ココナラが考えるWantedly広告オプション活用術
https://www.wantedly.com/customer_stories/169
3.株式会社KOMPEITO
株式会社KOMPEITOは、「世の中にシゲキをつくる」というミッションを掲げ、食の福利厚生サービス「オフィスでやさい」「オフィスでごはん」を提供している企業です。
同社はX(旧Twitter)での採用広報に注力しており、ハッシュタグや画像を用いて多くの人の目に留まるよう工夫しています。SNSでの情報発信を強化した結果、社内の採用活動に対する理解も深まり、リファラル採用の活性化にもつながったようです。
【参考】リファラル採用を成功に導く空気づくりの極意とは|Lab W,【Event Report】
https://www.wantedly.com/hiringeek/interview/labw_02/
まとめ
SNSを使った採用活動である「ソーシャルリクルーティング」は、採用コストの削減・転職潜在層へのアプローチ・ミスマッチ防止につながる有効な手法です。ただし、即効性のある手法ではないため、長期的な視点で取り組む必要があります。
ソーシャルリクルーティングで活用されるSNSはさまざまですが、ビジネスSNSのWantedlyならフォロワーが少ない段階でも多くの求職者にリーチできるため、比較的短い期間でも成果が見込めます。
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