リファラル採用が失敗する理由とは?7つの対策・成功事例も紹介

社員に友人や知人を紹介してもらうことで、優秀な人材を低コストで採用できるリファラル採用(リファーラル採用)。

しかしリファラル採用を導入しても、「なかなかリファラル採用の制度が社内に浸透しない」「社員からの紹介人数が伸びない」などのように成果につながらず、失敗に終わる企業は少なくありません。

そこで今回は、リファラル採用が失敗する理由と対策について解説していきます。

リファラル採用に成功した企業の具体的な取り組みも紹介しますので、リファラル採用が上手くいかずに悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。

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リファラル採用が失敗する6つの理由

リファラル採用を導入しても、社員からの紹介がなく失敗に終わるケースは少なくありません。

ここでは、リファラル採用が失敗する理由について解説します。

1.目的・目標が明確でない

組織としての目的・目標が不明確な状態では、リファラル採用は上手く運用できません。

求めている人材像やどの部署に何名必要かなどが不明確では、社員も協力しようがないためです。

目的・目標が明確に打ち出されない限り、社内のリファラル採用に対する協力意識は喚起されず、成果は得られないでしょう。

2.経営者層や管理職層の協力を得られていない

リファラル採用を社内に浸透させるためには、経営層や管理職の理解と協力が必要です。

一般社員も経営者層や管理職層が前向きでないなかでは、自らの親族や友人・知人を紹介しようとは思えません。

あらためて、経営者層や管理職層のリファラル採用に対する認識を確認する必要があるでしょう。

3.社員に認知されていない

リファラル採用が失敗してしまう理由の1つとして、そもそもリファラル採用の取り組みが社員に認知されていないことが挙げられます。

リファラル採用を行っていること自体が認知されなければ、社員からの紹介人数を増やすことは不可能です。

またリファラル採用の取り組みは認知されていても、紹介の仕方が知られていないことが原因で成果に繋がっていない可能性もあります。

4.なぜ取り組むべきかが社員に理解されていない

リファラル採用の目的・目標が明確に設定されていても、取り組むべき理由が社員に理解されていない場合は失敗の原因になります。

なぜリファラル採用を導入したのか、なぜ今後注力していきたいのか、その理由や背景が分からなければ社員は当事者意識を持てず、なかなか行動を起こす気になれません。

必要性を理解されていない状況での定期的な告知は社員にとってはただのノイズになる可能性があります。

5.紹介したくなる仕掛けづくりが不十分

社員が親族や友人・知人を紹介したくなる仕組みや制度が不十分な場合もリファラル採用は上手く運用できません。

単純に告知やお願いだけでは、社員の行動は喚起されないでしょう。

本来の目的を理解することは前提ですが、紹介に応じた報酬などインセンティブも検討が必要です。

6.短期間での成果を求めている

リファラル採用の成果を短期間で求めてはいけません。

リファラル採用は、社員の理解と積極的な協力があって初めて成果につながる採用施策です。

短期間で期限を区切ってノルマのように取り組んでしまうとリファラル採用に対するイメージダウンにつながり、かえって社員からの紹介を得られなくなってしまいます。

以下の記事では、これからの採用に必要な基本的な考え方や、採用のトレンドについてわかりやすくまとめています。

「なぜ採用活動がうまくいかないのか」と悩んでいる方は、ぜひご一読ください。

【採用の新常識】上手くいかない採用から脱却するために必要な考え方
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/recruiting_textbook

リファラル採用の失敗を避ける7つの対策

リファラル採用の失敗を避けて成功に導くためには、リファラル採用を担う社員の目線になって考えることが重要です。

ここでは、リファラル採用の失敗を避けるための対策について解説します。

1.目的・目標を明確にする

リファラル採用を社内で運用するための前提として、組織としての目的・目標を明確にしましょう。

具体的には、「何のために」という目的と「いつまでに・どの部署に・どんな人材を・何人採用するのか」の目標を、経営層や管理職層の総意をもって決定します。

社員からの協力を得るために、まずは組織としてのリファラル採用の目的・目標を明確にしておくことが重要です。

2.社内の認知度を向上させる

社内での認知度を上げるために、社内ポータルサイトや、社内チャット、メーリングリストなどを活用して積極的に情報発信していきましょう。

リファラル採用は、近年導入され始めた新しい採用手法です。

あまり馴染みがなく、リファラル採用の仕組みを正しく理解していない社員も多いでしょう。

したがって社内告知する際は、リファラル採用を導入していることだけでなく、次の内容も併せて発信していく必要があります。

・リファラル採用の目的・メリット
・募集しているポジション
・採用したい人物像
・紹介の仕方

とくに紹介の仕方は具体的かつ分かりやすく説明し、相談窓口も併せて記載するようにしましょう。

また告知は一度だけでなく、定期的に行うことが重要です。一度きりの告知では、社員の目に留まらず認知されない可能性があります。

とくにリファラル採用は、社員が協力したいという意識があって初めて成立します。社員のリファラル採用に対する理解を徐々に深めていき、協力意思を引き出せるように働きかけましょう。

リファラル採用の社内告知についてはこちらの記事で詳しく解説しています。ぜひこちらもあわせて読んでみてください。

【参考】リファラル採用の社内告知を成功させるには?ステップ毎のタスクを紹介https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/referral_announce/

3.リファラル採用の必要性を周知する

目的や必要性を明確に伝えることで、リファラル採用への本気度や熱意も伝わりやすくなります。

またリファラル採用を導入した理由を伝える際は、社内ポータルサイトや社内報などで伝えるだけではなく、各部署のトップから部下へ直接伝える方法も有効です。

メディアを通して一方的に伝えるよりも、直属の上司から伝えることでリファラル採用の目的や本気度がより明確に伝わり、社員一人ひとりの当事者意識を高められます。

「社内の認知度はあるものの、なかなか成果が出ない」と悩んでいる場合は、リファラル採用の目的までしっかり伝えられているか、各部署のトップを巻き込んで告知できているか確認してみましょう。

4.インセンティブを設定する

リファラル採用において、インセンティブの設定は非常に重要です。

友人や知人を紹介した見返りが少なければ、自分の時間を割いてまで行動を起こす気にはなれません。

「とにかくまずは紹介人数を増やしたい」と質より量を重視する場合は、「採用になったら◯円」といった設定ではなく、「1人紹介につき◯円」や「◯次面接まで行ったら◯円」などの、より報酬が発生しやすい制度の方が効果的です。

採用の質を重視するか、それとも量を重視するか検討した上で、社員が積極的にリファラル採用に参加したくなるようなインセンティブを設定しましょう。

【参考】リファラル採用の報酬制度(インセンティブ)のつくり方
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/referral_incentive/

5.途中経過を可視化する

リファラル採用の途中経過を可視化し、社員全員が進捗状況を確認できるようにするのも有効です。今まで関心がなかった社員の目にも留まるようになり、目標を達成しようという社内の一体感も生まれます。

また、部署別・個人別での成果を開示すれば、ポジティブな競争心を喚起できます。

キャディ社では、知人を面談に招待したら1ポイント、候補者が選考へ進んだら5ポイントなど、チーム対抗でポイントを競う方式を導入。優勝チームにはノベルティを贈呈し、社員が能動的に協力する体制をつくっています。

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6.社員の不安要素を取り除く

紹介をすることに対する社員の不安要素を取り除くことも心がける必要があります。

リファラル採用に対して、「人の人生を左右するようなことは怖くてできない」「もし不採用になったら、友人との関係が気まずくなりそう」と、ネガティブなイメージをもつ人は少なくありません。

こうした不安を払拭するためには、採用フローの設計がポイントです。

とくに紹介後すぐ面接を実施している場合は、採用フローを見直してみてください。

最初のステップを面接としてしまうと、万が一不採用となった場合、社員と友人の関係が気まずくなる可能性があります。

リファラル採用での最初のステップは、面談や企業説明会などの合否に関係がなく企業理解を深められるイベントにしましょう。

企業理解を深めた後に選考に進むかどうかを判断できるようにすればで、紹介する不安を払拭できます。

【参考】リファラル採用で起こりうるトラブルとは?5つの防止策を紹介
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/referral_trouble/

7.自社の魅力を積極的に発信する

リファラル採用の存在を知っていても、「知人に企業説明するのが面倒くさい」「友人に紹介したいと思えるほど自社に魅力を感じていない」という社員もいます。

そのため、リファラル採用の紹介数を増やすためには、社内外に向けた採用広報に注力するのがポイントです。

採用サイト・ブログ・SNSを通じて企業の魅力を発信すれば、求職者の動機づけと同時に、社員のエンゲージメント向上がはかれます。採用情報や働き方に関する情報が充実していれば、社員も知人や友人を紹介しやすくなるでしょう。

KOMPEITO社では、社内広報用にリファラル採用のQ&A資料を作成し、紹介のハードルを下げることに成功しています。また、求職者に向けたSNSでの発信が社員の目に留まり、結果として採用方針に対する社内の理解も深まったそうです。

【参考】リファラル採用を成功に導く空気づくりの極意とは|Lab W,【Event Report】
https://www.wantedly.com/hiringeek/interview/labw_02/

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リファラル採用に成功している企業事例5選

最後に、リファラル採用に成功している企業事例を5つご紹介します。

1.株式会社アンドパッド

株式会社アンドパッドは、以下の方法でリファラル採用を促進し、1か月あたりの紹介数が6 倍に飛躍し、かつ紹介から選考に進 んだ候補者の90%が内部承諾という結果を出しました。

・数ではなく質のこだわり、具体的なペルソナを設ける機会を社員と設ける
・リファラル採用のプロジェクトにアサインするメンバーを絞る

株式会社アンドパッド様が行った採用施策の詳細と類似の事例を1つの資料にわかりやすくまとめました。ぜひ一度確認してみてください。

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2.キャディ株式会社

注目のスタートアップ企業の1社であるキャディ株式会社は、創業期から数々の採用施策を積極的に行っています。具体的な施策はこちらです。

・各採用ポジションのペルソナの言語化
・候補者とより密度が高くなるようなクローズドなミートア ップの作成
・全社でのチーム対抗戦・優勝チームへのノベルティの設計

キャディ株式会社が行った採用施策の詳細と類似の事例を1つの資料にわかりやすくまとめました。ぜひ一度確認してみてください。

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3.株式会社セールスフォース・ドットコム

株式会社セールスフォース・ドットコムは、CRMプラットフォーム“Salesforce”を販売し、世界中の顧客から高い評価を集める企業です。

経営陣からの「会社のために社員紹介を!」という強いメッセージと共に、「こういう枠(ポジション)が空いているので力を貸して欲しい」という具体的な内容を、社内コミュニケーションツールで配信しています。

また、紹介してくれた社員に対して旅行券をプレゼントするなど、社員が進んで社員紹介をしたくなるようなキャンペーンも実施しています。

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4.株式会社KOMPEITO

株式会社KOMPEITOは、「世の中にシゲキをつくる」をミッションに、食の福利厚生サービス「オフィスでやさい」「オフィスでごはん」を提供している企業です。

同社は以下の施策を行った結果、社員の3分の2がリファラル経由で入社。リファラル入社した人がリファラルする「2次リファラル」も多いようです。

・社内広報用にリファラル採用のQ&A資料を作成

・面談はランチをしながらカジュアルな雰囲気で実施(飲み会をすることも)

・面接もカジュアルな形式で実施(コミュニケーションを重視)

・内定通知〜内定承諾までは焦らない
→「リファラルだから断りにくい」とならないよう、対等かつ相談しやすい距離感を確保

【参考】リファラル採用を成功に導く空気づくりの極意とは|Lab W,【Event Report】
https://www.wantedly.com/hiringeek/interview/labw_02/

5.Ubie株式会社

Ubie株式会社は、「テクノロジーで世界中の人々を適切な医療に案内する」というミッションを掲げるヘルステックのスタートアップ企業です。

同社は専任人事を置かず、全メンバーが採用にコミットする珍しい採用体制をとっていますが、以下の施策により内定者の7割以上がリファラル経由となっています。

・技術スキルではなく、カルチャーフィットを重視して採用

・社員一人ひとりがnoteで積極的に採用広報を実施

・現場の声を起点とした採用活動
→「こんな職務・役割を担う人がほしい」と実際に声を挙げたメンバー主導で、採用要件・採用手法を決定

【参考】ナイル渡邉が気になる、あの会社の採用広報 #2 Ubie湊谷海斗氏|エンジニア起点のスクラム採用でリファラル70%を実現
https://www.wantedly.com/hiringeek/interview/rc_sk2/

まとめ

リファラル採用の失敗の要因は、「目的・目標が不明確」「経営層や管理職層の協力がない」「認知度が低い」「社員が取組む理由を理解していない」「紹介したくなる仕掛けづくりが不十分」「短期間で成果を求めている」の6つであることをお伝えしました。

リファラル採用を導入していることだけでなく、導入した理由や目的も併せて社内告知し、インセンティブや採用フローの見直しが成功のカギとなるでしょう。

ぜひ今回解説した失敗事例と対策方法、そして成功事例を参考に自社のリファラル採用を見直してみてください。

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