リファラル採用で起こりうるトラブルとは?5つの防止策を紹介

「リファラル採用(リファーラル採用)を円滑に進めるため、起こりうるトラブルや注意点を知っておきたい」
「リファラル採用(リファーラル採用)のトラブルを防ぐ方法や、運用のポイントが知りたい」

社員に友人や知人を紹介してもらうことで候補者を募るリファラル採用(リファーラル採用)。しかし、近年注目を浴びはじめた新しい採用手法であることから、運用方法や今後起こりうるトラブルに不安を感じている方は多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、リファラル採用(リファーラル採用)で起こりうるトラブルと、トラブルを未然に防ぐための施策を5つ紹介します。トラブルを回避し、リファラル採用(リファーラル採用)に成功した企業事例もあわせて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

低コストで自社にマッチする人材を採用する方法

月額5万円から利用できるWantedlyは、会社の目指すミッションや価値観への共感でマッチングする採用サービスです。

成果報酬0円、募集の掲載も無制限なため、採用単価を大幅に抑えることができます。

350万人いる登録ユーザーの特徴や、詳しい料金を知りたい方は、ぜひ資料をダウンロードしてください。

まずは無料ダウンロード

▶︎採用担当者なら知っておきたいマーケティング知識を公開中|資料を無料ダウンロードする

リファラル採用(リファーラル採用)が注目される背景

リファラル採用(リファーラル採用)とは、社員に友人や知人を紹介してもらうことで候補者を募る採用手法のことです。

少子高齢化が続く日本では、労働人口の減少にともない採用競争率激化。求人広告を掲載して応募を「待つ」従来の採用手法では、優秀な人材を確保するのが難しい状況となっています。

そこで、転職潜在層や優秀層に対して企業側からアプローチできる「攻め」の採用手法の一つとして、リファラル採用(リファーラル採用)が注目されはじめました。

実際、すでに4割以上の企業がリファラル採用(リファーラル採用)を導入しており、厚生労働省の雇用動向調査によると、転職者のおよそ4人に1人がリファラル経由で入社しています。

採用競争が激化し、多様な働き方・価値観が求められる昨今、リファラル採用(リファーラル採用)はスタンダードな手法として今後さらに拡大していくでしょう。

引用:HR総研「キャリア採用に関する調査」

リファラル採用(リファーラル採用)のメリット・デメリット

メリットデメリット
・転職潜在層へアプローチできる
・採用コストが削減できる
・ミスマッチを防げる
・社員の協力が必須
・社員の志向性が偏りやすい

リファラル採用(リファーラル採用)は、採用活動における3大課題といっても過言ではない「ターゲット層の獲得」「採用コストの削減」「ミスマッチの低減」のすべての解決につながる手法です。

リファラル採用(リファーラル採用)では、企業と候補者の両者をよく知る社員がリクルーターとなるため、ミスマッチとなる可能性が低く、コストをかけずに母集団形成できます。また、社員と似た価値観やスキルをもつ人材を効率よく見つけられ、転職サイトや人材紹介サービスに登録していない転職潜在層へもアプローチできるのが魅力です。

しかし、リファラル採用(リファーラル採用)は社員の協力があってはじめて成り立つ採用手法のため、多くの社員を巻き込む工夫や努力が必要です。リファラル採用(リファーラル採用)の社内認知度を上げ、新たな文化を浸透させるためには時間もかかるため、中長期的に取り組む必要があります。

またリファラル採用(リファーラル採用)では、社員の友人や知人のみで母集団形成されるため、他の採用手法における母集団と比較すると人材層が偏りがち。カルチャーマッチした人材が採用しやすい反面、組織の多様性が失われる恐れがあるため注意が必要です。

【参考】リファラル採用(リファーラル採用)とは?メリット・デメリットを解説
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/refferal_top/

リファラル採用(リファーラル採用)で起こりうる3つのトラブル

リファラル採用(リファーラル採用)は、採用担当者・候補者・既存社員の三者が関わる採用手法。求人広告やダイレクトリクルーティングと違い、すでに候補者と関係構築を成している社員が関わります。

全員が気持ちよく採用活動できるよう、リファラル採用(リファーラル採用)で起こりがちなトラブルを事前に把握しておきましょう。

1.紹介者と候補者の関係が悪化する

1つ目は、紹介者と候補者の関係に不和が生じてしまうケースです。

リファラル採用(リファーラル採用)はあくまで推薦制度。「コネ入社」と呼ばれる縁故採用と違い、採用基準は一般選考と同じです。紹介した友人や知人が選考に落ちることもあります。

しかしリファラル採用(リファーラル採用)は、まだ馴染みのない手法だからこそ「一般選考よりも有利で合格率が高い」と思われがち。そのため不採用となった場合、紹介者と候補者の両者が気まずい思いをしてしまう可能性があります。

リファラル採用(リファーラル採用)を成功させるためには、不採用時に配慮した事前説明とフォローが必須です。紹介者・候補者双方の立場を考慮したうえで、選考フローを設計しましょう。

2.紹介者からの信用を失う

2つ目は、紹介者報酬(インセンティブ)の金額や支払いのタイミングが不明瞭で、紹介者である社員からの信用を失ってしまうケースです。

リファラル採用(リファーラル採用)を促進するため、多くの企業が報酬制度を導入しています。しかし、制度に不備や不手際があれば社員の不満が募り、リファラル採用(リファーラル採用)に協力してくれる人数が減ってしまうでしょう。

とくにリファラル採用(リファーラル採用)をはじめたばかりの頃は、試行錯誤を続けるあまり、ルールが頻繁に変わりがちです。紹介数に応じて報酬が発生するのか、それとも候補者が合格した場合に報酬が発生するのかなど、ルールを明確にしてから社内告知しましょう。

3.紹介者報酬(インセンティブ)が違法とみなされる

3つ目は、紹介者報酬(インセンティブ)が違法となってしまうケースです。

社員に職業紹介の報酬を支払うことは、職業安定法により禁止されています。したがってリファラル採用(リファーラル採用)で報酬制度を設ける場合は、人材紹介を社員の業務の一部として位置づけ、人材紹介業務だけに対して報酬を与えているのではないことを就業規則・賃金規程に記載しなければなりません。

また、紹介者報酬があまりに高額だと、厚生労働省の許可なく人材紹介業を行ったと判断される可能性があるため、人材紹介会社に支払う報酬(年収の30%~40%程度)よりも低い金額に設定する必要があります。

「知らない間に違法行為をしていた」とならないよう、職業安定法および労働基準法を確認したうえで慎重にインセンティブ設計しましょう。

【参考】リファラル採用(リファーラル採用)の報酬制度のつくり方|相場や違法にならないために注意すること
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/referral_incentive/

リファラル採用(リファーラル採用)でのトラブルを防ぐ5つのポイント

リファラル採用(リファーラル採用)は、事前にリスクを把握して対策を立てていれば、採用コストの削減・優秀な人材の確保・ミスマッチの防止など、さまざまな恩恵を得られる手法です。トラブルを未然に防いで採用成功するためには、次の5点を押さえましょう。

1.ペルソナ・募集ポジションを明確化する

1つ目のポイントは、ペルソナ・募集ポジションを明確にすることです。

志向性や保有スキルなど、紹介してほしい人物像を社員にきちんと理解してもらえれば、母集団の質を高められます。母集団の質が高ければ不採用となる確率が下がるため、不採用時に生じる「紹介者と候補者の関係が悪化するトラブル」を回避できます。

2.採用基準は一般選考と同じであることを事前に伝えておく

2つ目のポイントは、採用基準は一般選考と同じであることを、紹介者・候補者の両者へ事前に伝えておくことです。

リファラル採用(リファーラル採用)は、「コネ入社」と呼ばれる縁故採用と混同されがちです。紹介者・候補者ともに「紹介=合格」と勘違いしてしまう人もいるでしょう。

そのため、リファラル採用(リファーラル採用)の仕組みを十分に伝えられていないと、不採用時に候補者を落胆させてしまうだけでなく、紹介者の反感を買う恐れがあります。「リファラル採用(リファーラル採用)なのに落ちた」とならないよう、紹介者・候補者の両者にあくまで推薦制度であることを了承してもらってから選考へ案内しましょう。

3.ミートアップに招待してから選考案内する

3つ目のポイントは、いきなり面接するのではなく、まずはミートアップや面談などを通して企業理解を深めてもらってから面接へ案内することです。

紹介者と候補者の関係に不和を生じさせないためには、あくまで「候補者本人の意思」で選考に参加するかどうか決めてもらうことが重要です。

「友人に勧められたから」という理由のみで面接に進んでしまうと、万が一不採用になった場合、候補者は自尊心を傷つけられ、紹介者も気まずい思いをしてしまいます。それに合格したとしても、企業理解がなく志望度が低い状態であれば、入社後のモチベーションが保てずに早期離職してしまうでしょう。

不採用時のトラブルを防ぐためだけでなく、早期離職を防ぐためにも、面接前の動機づけは必須です。ミートアップや面談を面接前に組み込み、十分に企業理解したうえで選考に進んでもらえるようにしましょう。

4.紹介者報酬(インセンティブ)のルールを整備する

4つ目のポイントは、紹介者報酬(インセンティブ)のルールを整備することです。

リファラル採用(リファーラル採用)の紹介者報酬は、「就業規則・賃金規程への記載」および「適切な金額設定」が必須。違法とならないよう、職業安定法および労働基準法を必ず確認したうえでルールを明記する必要があります。

また、紹介者である社員とのトラブルを防ぐため、報酬金額だけでなく、支払いのタイミングや会食費の精算方法なども明確にしましょう。リファラル採用(リファーラル採用)は社員の協力があってはじめて成り立つ手法のため、社員の負担やストレスとならないよう、精算や申告方法はわかりやすく簡易的なルールにするのがポイントです。

5.他の採用手法も併用する

5つ目のポイントは、リファラル採用(リファーラル採用)だけに頼るのではなく、他の採用手法も併用することです。

リファラル採用(リファーラル採用)のデメリットは、人材層が偏りやすいこと。さまざまな経験やスキル、考え方をもつ人材と出会うには、人材紹介や求人広告などの別の採用手法を取り入れる必要があります。

またリファラル採用(リファーラル採用)では、一気に母集団形成するのは難しく、時間をかけて文化を浸透させなければなりません。そのため、採用目標が数十人〜数百人規模の場合、リファラルのみで採用成功するのは非現実的です。

高い目標を掲げるあまり、社員に協力を強要してしまったり、部署別にノルマを設けてしまったりすれば、エンゲージメント低下やトラブルを引き起こします。無理のない範囲で目標設定し、他の採用手法も併用しながら中長期的に取り組むことで、安定的な組織成長を目指しましょう。

【参考】採用手法比較8選|メリット・デメリットと新卒・中途別の想定料金を解説
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/method/

リファラル採用(リファーラル採用)の成功事例5選

最後に、リファラル採用(リファーラル採用)に成功した5社の事例を紹介します。トラブル防止策や紹介数を増やす工夫など、各企業の施策をぜひ参考にしてみてください。

1.株式会社アンドパッド

株式会社アンドパッドは、クラウド型建設プロジェクト管理アプリ「ANDPAD」を提供するスタートアップ企業。ハイレイヤー層を獲得するためリファラル採用(リファーラル採用)をはじめました。

リファラル採用(リファーラル採用)における施策

・ペルソナを明確化し、数ではなく質にこだわる
・リファラル採用(リファーラル採用)のプロジェクトにアサインする社員を絞る
→全社で取り組むのではなく、ターゲット人材が多い業界出身の社員や、SaaS界隈で影響力が強い社員をピックアップし、効率よく質の高い母集団を形成

上記の施策により、1ヶ月あたりの紹介数は従来の6倍にまで増加。また、リファラル経由で選考に進んだ候補者の90%が内定承諾となり、非常に質が高く効率のよい採用ができています。

採用率の高さが、結果として不採用時のトラブル回避につながっているといえるでしょう。

▶株式会社アンドパッドの採用成功事例をダウンロードする

URL:https://www.wantedly.com/companies/andpad

2.キャディ株式会社

創業期から数々の採用施策を実施しているキャディ株式会社。リファラル採用(リファーラル採用)では「社員が気軽に紹介できる文化」が必要だと感じ、以下の施策を行いました。

リファラル採用(リファーラル採用)における施策

・Slackでの活動報告および全社MTGでの定期発信
・オープンなミートアップに加え、クローズドなミートアップを開催
→候補者との関係性をさらに深める
・チーム対抗戦および優勝チームへノベルティを贈呈
→ミートアップに友人を招待したら1ポイント、候補者が選考へ進んだら5ポイントなど、ゲーム要素を取り入れて社員が能動的に協力する体制をつくる

上記の施策により、社員の約86%がリファラル採用(リファーラル採用)に協力。結果として約600人の母集団を獲得できました。

▶株式会社キャディの採用成功事例をダウンロードする

URL:https://www.wantedly.com/companies/caddi

3.株式会社セールスフォース・ドットコム

株式会社セールスフォース・ドットコムは、CRMプラットフォーム「Salesforce」を販売し、世界中の顧客から高い評価を集める企業。毎年数百人規模の採用を実施しており、リファラル採用(リファーラル採用)では以下の施策を行いました。

リファラル採用(リファーラル採用)における施策

・紹介してくれた社員へ旅行券をプレゼント
・コアバリューに共感してくれる人材を採用
→エンゲージメントの高い職場環境となり、連鎖的に紹介者数が増えていく
・エンプロイージャーニーに沿った呼びかけを実施
→入社1ヶ月後にリファラル採用(リファーラル採用)の宣伝および協力依頼、入社1年後には転職クチコミサイトへの入力依頼など、段階的に採用活動に対する当事者意識を高めていく

従来の採用は人材紹介がメインでしたが、長期的な視点で取り組み、徐々に文化を浸透させたことで、現在では内定者の約半数がリファラル経由となっています。

【参考】約半数をリファラルで採用するSalesforceの成果を支える「コアバリュー採用」とは / 株式会社セールスフォース・ドットコムへのインタビュー
https://www.wantedly.com/hiringeek/interview/eventreport_20210909

URL:https://www.wantedly.com/companies/salesforce2

4.株式会社SmartHR

株式会社SmartHRは、クラウド人事労務ソフト「SmartHR」で人事労務の効率化を提供し、急成長している企業。社員が16名の頃からリファラル採用(リファーラル採用)をはじめています。

リファラル採用(リファーラル採用)における施策

・応募促進のための会食費は企業が負担
・インセンティブとして「いい人紹介ありがとう手当」を用意
・「ごめんねごはん制度」により社員の心理的負担を軽減
→採用に至らなかった場合、企業負担で候補者を会食に誘える制度

上記の施策により、現在では内定者の約3割がリファラル経由となっています。

引用:株式会社SmartHRオープン社内報

URL:https://www.wantedly.com/companies/smarthr

5.freee株式会社

freee株式会社は、スモールビジネスを行う経営者向けの全自動クラウド会計ソフト「freee」を開発している企業です。母集団の質を高めるため、リファラル採用(リファーラル採用)をはじめました。

リファラル採用(リファーラル採用)における施策

・月1回、全社に向けてリファラル採用(リファーラル採用)の情報発信および協力依頼
・友人をオフィスに招待してお弁当を食べる「お弁当制度」を導入
・採用が決定した際は、インセンティブとして限定Tシャツを贈呈
・周年パーティーにてリファラル採用(リファーラル採用)に貢献した社員を表彰

上記の施策により、現在では内定者の約半数がリファラル経由となっています。

URL:https://www.wantedly.com/companies/freee

まとめ

今回は、リファラル採用(リファーラル採用)で起こりうるトラブルと、トラブルを未然に防ぐための施策を紹介しました。

リファラル採用(リファーラル採用)は、採用担当者・候補者・既存社員の三者が関わる特殊な手法です。トラブルを防ぐためには、候補者・社員双方への配慮および慎重なインセンティブ設計が必須です。

ぜひ今回紹介したトラブル防止策を参考にし、先回りした対処で採用成功を実現させましょう。

Wantedlyのサービス資料を見る
タイトルとURLをコピーしました