多くの企業にとって、自社の魅力を伝えるための取り組みが課題になっています。マッチする人材からの応募を増やすためには、魅力を正しく伝える必要があるためです。
採用メッセージは、企業が自社の魅力を的確に発信するために用いられます。そこで今回は、採用メッセージを作る目的や作り方、また作る際のポイントを解説します。
採用メッセージの最適化を通じて、ターゲット人材からの応募を増やしましょう。
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採用メッセージとは
採用サイトや採用メディア、採用パンフレットに会社説明会など、採用活動には多くのタッチポイントが存在しています。自社の魅力を正しく伝えるためには、それぞれのタッチポイントに共通するキャッチコピーの存在が欠かせません。
採用メッセージとは採用活動で利用されるキャッチコピーを指し、ふたつの役割を持っています。ひとつは求職者に対して自社の魅力をわかりやすく伝え、興味を持ってもらう役割です。
印象に残る効果的なワードで構成されている採用メッセージは、求職者の心に残るフレーズとして企業への関心を高めるためです。ふたつめには、求職者に対し求める人材像を示す役割があります。
求職者は採用メッセージによって企業の価値観や方向性が自身にマッチしているか判断できるからです。効果的な採用メッセージを作成すればターゲット人材からの関心を高められるため、多くの企業が力を入れています。
採用メッセージを作る目的
採用活動の成否に大きな影響を与える採用メッセージを作る目的を2つの点にまとめ、説明します。
1.自社の発信情報を統一するため
採用活動では、会社説明会やカジュアル面談、面接などさまざまなタッチポイントで複数の社員が候補者と接点を持ちます。
会社説明会で採用担当者が語っていた内容とカジュアル面談における現場社員の話に食い違いがあれば、候補者は不信感を抱いてしまいます。経営層や管理職が面接で語る内容も同様です。
採用メッセージを作成すれば、経営陣から管理職、そして現場社員や採用担当者など、全社的に認識を統一し共有できます。そのため採用活動に一貫性が生じ、候補者に安心感を与えるだけでなく、採用ブランディングにも効果的です。
採用メッセージを作成する目的のひとつは、企業の発信情報を統一し、各タッチポイントにおける食い違いを防止できる点にあります。
参考:【採用の新常識】内定辞退を回避する、候補者視点の選考フローとは
2.自社の魅力を効果的に伝えるため
人材不足が続き、若年層の減少によって企業は採用活動に力を注ぎ続けています。しかし、求職者は数多くの採用情報を目にしているので、自社に興味を持ってもらうための難易度は高まるばかりです。
参考:【採用の新常識】上手くいかない採用から脱却するために必要な考え方
また、ダイレクトスカウトの普及などIT技術の進展により、求職者と採用情報の接点は増え続けています。
採用活動の難易度が高まる中で、企業の魅力を伝える最適化された採用メッセージの重要性が高まっています。採用メッセージは求職者が最初に目にする企業からの発信情報であるためです。
印象的な採用メッセージなら、求職者は採用情報の詳細まで読み、応募を検討してくれるでしょう。自社の魅力を効果的に伝えるのも採用メッセージを作成する目的のひとつです。
採用メッセージの作り方
採用メッセージを作るためのプロセスを3つに分けて説明します。
1.採用ターゲットを明確にする
採用メッセージを作成するためには、まず採用ターゲットを定めることが重要です。採用活動は要件にマッチする人材の獲得が目的ですから、自社が求める人材に響くメッセージを作成する必要があります。
応募して欲しい人物像や自社で活躍できる人材をイメージして採用ターゲットを設定しましょう。採用ターゲットを設定するには、ペルソナを利用するのが一般的です。
ペルソナは年齢や性別、学歴をはじめ趣味や生活環境、価値観まで詳細に定義し、パーソナリティを持つ架空の人物像として作り込みます。採用ターゲットの明確化によって、人材が仕事に何を求めるか、どのような点に共感できるのかを想定しやすくなるメリットもあります。
ペルソナについて詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
参考:「採用ペルソナ」が「採用ターゲット」より重要な理由|設計方法も解説
2.自社の魅力を分析する
次に、自社の現状を整理するとともに、魅力をしっかりと分析します。競合他社との比較における現在のポジションや強み・弱みを認識した上で採用ターゲットに何をアピールすべきかを検討するためです。
採用ターゲットとして設定した人物像の価値観に照らして、共感してもらえるような自社の強みや魅力を引き出します。自社を分析するにあたっては、フレームワークを利用しましょう。
フレームワークには3C分析や4C分析、4P分析などが用いられます。
3C分析はCustomer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の「3つのC」で採用市場における自社の立ち位置を分析するためのフレームワークです。
また4C分析はCustomer Value(価値)、Cost(負担)、Convenience(利便性)、Communication(コミュニケーション)の「4つのC」で求職者から選ばれる採用戦略を練るためのフレームワークです。
そして4P分析はPhilosophy(理念・目的)、Profession(事業)、People(人材・文化)、Privilege(働き方・待遇)の「4つのP」で自社の魅力を整理するためのフレームワークです。
フレームワークはこちらの記事でも詳しく解説しています。
参考:採用マーケティングの戦略策定に活用できる4つのフレームワークとは?
3.メッセージを決定する
採用ターゲットを明確化し、自社の魅力を分析できたら、最後に採用メッセージを作り込みます。企業理念や将来の姿、カルチャー、競合他社よりも優れている点などをもとに、採用ターゲットに響くメッセージを作成しましょう。
採用メッセージを決める上では、これまでの作業で抽出できたキーワードをもとに、ブレーンストーミングしながら具体化していきます。もちろん、キーワードをすべて採用メッセージに含めることはできませんから、採用ターゲットを念頭に掘り下げながら自社がもっとも訴求したいフレーズを考えましょう。
印象に残るキャッチコピーと、キャッチコピーを補足説明する文章で構成している企業も多くあります。求職者の耳に残りやすい表現を心がけ、採用メッセージを目にすれば自社を想起してもらえるのが理想です。
また、採用メッセージは採用サイトや採用メディアをはじめ、求職者とのタッチポイントで数多く利用されますので、メッセージの決定は慎重に、時間をかけて行いましょう。
採用メッセージを作る際の3つのポイント
魅力的な採用メッセージを作成するためのポイントを、3つの点から説明します。
1.簡潔に理解しやすくする
魅力的な採用メッセージを作成するには、簡潔さと理解しやすさを重視しましょう。長い文章で構成されたメッセージには、情報量が多く意図を伝えやすいメリットがありますが、一方で覚えてもらいにくいデメリットもあります。
また、最後まで読んでもらえない可能性が少なくありません。求職者は多くの企業による採用メッセージを目にしています。そのため、簡潔で理解しやすい表現で自社を印象づける必要があります。
簡潔さの目安となる文字数は、Yahoo!ニュース トピックスの見出し文字数を参考にしましょう。人間が一瞬で正確に理解できる文字数が考慮されているからです。
Yahoo!では、見出しの文字数を複数用意し、それぞれの見出しを認識するのにかかった時間と正確に理解できたかを調査しました。その結果、Yahoo!ニュースでは、2022年1月からトピックスの見出し文字数を最大15.5文字に設定しています。
必ずしも15.5文字以内である必要はありませんが、短時間で記憶に残りやすい、簡潔さと理解しやすさを兼ね備えた採用メッセージで、求職者の心をつかみましょう。
引用:【newsHACK】Yahoo!ニュース トピックスの見出し文字数を最大15.5文字に変更します
2.競合と差別化する
求職者は自分が興味を持っている業種や業界において、複数の企業を比較検討しています。
ありふれた表現の採用メッセージでは、求職者の印象に残らず応募する企業の候補にもなりません。そのため、競合企業より印象に残る採用メッセージである必要があります。
同一の業種・業界で事業内容が似ていると、同じような採用メッセージになってしまいがちです。そこで、競合他社がどのような採用メッセージを打ち出しているか、調査しましょう。
そのうえで、自社の強みを整理します。技術力など事業展開上の優位性なのか、ビジョンやパーパスなのか、勤務環境なのか、競合企業に対して差別化できる点を洗い出します。
自社だけが可能なオリジナルの表現で競合企業と差別化し、求職者の記憶に残る採用メッセージを作成しましょう。
3.社員の意見を集める
採用メッセージを作る際には、社員の声を反映させるのも重要なポイントです。自社の魅力が正しく伝えられておらず、作成する担当者の自己満足になってしまっている可能性もあるためです。
採用メッセージを決める上では、必ず多くの社員から意見を集め反映させましょう。求職者に響く採用メッセージとするためにも、社内の声は貴重です。
とくに採用ターゲットに近い年齢層や新入社員の意見は参考になります。求める人材像と似た感性を持っているためです。
採用メッセージの案を提示し、どのような印象を受けるか、どれが記憶に残るか、改良するためにはどうしたらいいかなどブラッシュアップするために役立てます。全社が納得でき、採用ターゲットに響く採用メッセージを作成し、採用活動を成功させましょう。
採用メッセージの活用事例
求職者の印象に残る採用メッセージで採用活動に成功した企業や、採用メッセージを設定せず反省材料とした企業など、3つの事例を紹介します。
1.フラー株式会社
参考:「柏の葉で働きませんか?」心を動かされたメッセージは「交通広告」|フラー サーバーサイドエンジニア 筒井規子氏 |Career Insight~求職者の心理~ #7
千葉県や新潟県、沖縄県でITビジネスを展開しているフラー株式会社では、郊外に拠点を持つ企業である点を利用した採用活動で優秀な人材を獲得しています。
同社では、通勤時間に不満を持つエンジニアをターゲットにオフィスのある路線の沿線で交通広告を展開。「通勤、辛くないですか?」という裏メッセージを込め、採用メッセージを「柏の葉で、一緒に世界的なIT企業を創りませんか?」としました。
また、周辺の在住者をターゲットにしている点を「TX沿線にお住まいのみなさまへ」と呼びかけて明確に訴求したところ、複数の優秀なエンジニアから応募があったそうです。同社でサーバーサイドエンジニアとして活躍している社員はこの採用メッセージを見て、自分に向けたキャッチコピーだと感じたといいます。
オフィスの周辺に住む優秀な人材に対し通勤時間の短さを自社の強みとして、最適な採用チャネルである交通広告を利用して採用活動を成功させている事例です。
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2.キャディ株式会社
参考:ナイル渡邉が気になる、あの会社の採用広報 #3 キャディ浅野 麻妃氏|わずか3年で15人から220人へ拡大。MVCフィットを軸に採用チャネルの底上げを狙う
東京都でサプライチェーンのDX事業を展開しているキャディ株式会社では以前、さまざまな施策を取り入れ、積極的な採用活動を行っていました。しかし、当時は採用のブランドやメッセージをそれほど見定めていなかったため、たとえばダイレクトスカウトを送信しても返信率は低かったといいます。
ブランディングができておらず、届けるものがない状態だったからです。採用メッセージ、それにターゲットに対するアプローチを見定めるべきと考えた同社では、採用活動を土台からしっかりと作り込む重要性を認識し再構築しました。
現在ではミッション、ビジョン、カルチャーのフィットを重視したメッセージやコンテンツを意識して、急成長を支える人材を獲得するための採用活動を成功させています。
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3.株式会社グッドパッチ
参考:意義を伝えるグッドパッチ流「共感採用」の考え方【Event Report】
東京都でデザイン事業を展開する株式会社グッドパッチでは、パーパスに基づいた採用・組織づくりを推し進めています。
同社ではミッションを「デザインの力で証明する」、ビジョンを「ハートを揺さぶるデザインで世界を前進させる」と定めており、社員は全員がビジョン・ミッションを空で言えるといいます。そのため、社員ひとりひとりが「自分たちがなぜここに集まっているか」を語れ、社内のモチベーションも向上した結果、アワードで表彰されるほどになりました。
社員数が急増しても求心力の高さを保っているグッドパッチでは、採用メッセージを含むタッチポイントすべてをミッション、ビジョン、バリューに紐づけているそうです。そのため、パーパスに共感した人材が入社するようになり、全社的なモチベーションの高さにつながっていると分析しています。
パーパスを重視する人材は直近の5年間で倍増しているとの調査データもあり、パーパスを起点とした採用メッセージがグッドパッチの採用活動を支えています。
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自社にマッチする人材を採用するためには、パーパスやミッションへの共感が欠かせません。Wantedlyには、求職者の共感を生み出し、マッチングするための仕組みが数多く用意されています。
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まとめ
今回は効果的な採用メッセージを作る目的や作り方、ポイントを解説しました。
採用メッセージは求職者とのさまざまなタッチポイントで共通して利用する重要なキャッチコピーです。そして、自社の想いを簡潔に理解しやすい形で伝えられなければならず、魅力を端的に伝える力も必要です。
求職者の興味を引き、共感を醸成できる効果的な採用メッセージは、採用活動の成功に役立ちます。競合企業とも差別化できる効果的な採用メッセージを、社員の意見も聞きながら全社で取り組み作り上げましょう。