なぜ採用に”ファンづくり”と”カジュアル面談”が必要なのか【採用の新常識】

採用活動には新しい考え方が求められています。
詳しくは、前回の【採用の新常識】上手くいかない採用から脱却するために必要な考え方をご覧ください。

本記事は、前回に引き続きWantedly人事責任者による執筆「すごい採用」の内容から、より実践的な採用活動についての解説した内容です。

採用市場から「人」がどんどん減っていく中、「フロー(流れ)」で人を採るには限界があり、これからの採用活動は継続に重きを置く「ストック採用」のスタイルを取り入れる必要があります。

今回は「ストック採用」に必要なポイントについて、採用活動における「ソフトな選考」「タレントプール」という点から説明します。

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カジュアル面談を効果的に実施するコツを紹介

カジュアル面談を実施してもなかなか成果が出せない、と感じていませんか?

カジュアル面談には採用に繋がるメリットがたくさんありますが、効果的に進めるためには、正しいやり方が必要不可欠です。
そこで、カジュアル面談の実施方法やポイントをまとめた資料をご用意しました。

時間だけが取られてしまうマイナスな面談ではなく、採用に繋がる面談にしたい方は、ぜひ資料をご覧ください。

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【中途採用】カジュアル面談でソフトに選考する

(Wantedly人事責任者執筆「すごい採用」P.104)

従来の採用活動のプロセスは、応募書類の提出を通じた候補者側への負担を前提に組み立てられていました。しかし情報技術の発達によってあらゆる分野で効率化が進んだため、人々は気軽で負担の少ない選択肢を好むようになっています。

就職や転職活動においても同じであり、候補者はエントリーシートや職務経歴書の作成を伴わない「ソフトな選考」への関心を高めています。応募に伴う大きな労力の負担がなく、企業の話を聞いて自分のキャリアを語る程度の「ソフトな選考」であれば応じてもいい、という候補者が増えてきたのです。

ここでは、主に中途採用で導入する企業が増えている「ソフトな選考」であるカジュアル面談について解説します。

カジュアル面談とは?

カジュアル面談とは名前の通りカジュアルな面談スタイルで、本選考の前に位置づけられるプロセスです。採用面接とは異なり、選考とは関係なく一度お話しましょうという対話の場であるため、候補者は履歴書やエントリーシートを提出しません。

あくまでも、お互いの意向度や転職についての意識、企業が提供できる仕事のやりがいなどについて意見交換するのが目的であり、採用面接にはつながらないケースも多くあります。企業側の選考プロセスは増えますが、大きなメリットがあります。

候補者側のハードルが低下し、従来の採用活動では出会えなかったレベルの高い人材に会えるようになるためです。優秀な人材であっても活躍できない環境にある、現在の環境に満足していても自社ならもっと活躍できる、というケースがあります。

これまでの採用活動では、こうした人材と会うためには求人媒体の露出量を増やす必要がありました。カジュアル面談は候補者側の心理的な負担の除去によってこの課題を解決できるのが特徴です。

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カジュアル面談を設定するには

カジュアル面談では、求人への候補者をはじめ、さまざまな人材と会う機会を作ります。FacebookやTwitterなどのSNSで、本人が開示している情報から職歴やスキル、人柄などを見て採用要件やペルソナに合いそうならメッセージを送ります。

気になる人材にコンタクトしてみましょう。

ただしカジュアル面談は企業にとって採用プロセスの一環ですから、声がけする相手に一定のスクリーニングが必要となります。候補者がSNSに投稿した仕事に関する情報からスキルレベルを判断したり、日常的な投稿内容からカルチャーフィットするかどうか判断します。

スクリーニングの精度を高めるためには、現場の知見を活用するのが効果的です。候補者のプロフィールURLを現場部門のマネージャーと共有し「この人どう思います?」と聞いてみるなど、社内の協力を得ながらトライしてみましょう。

選考前にゆるやかな見極めを

カジュアル面談とはいえ、採用プロセスの中で構築されますから、単なる雑談に終わってはいけません。キャリアに関する話を中心とすべきであり、お互いがある程度転職や採用に対して前向きであれば本選考に進みます。

そのため、カジュアル面談は「ソフトな選考(ソフトセレクション)」と呼ばれています。カジュアル面談を通じた「ソフトな選考」で大切なのはカルチャーマッチの見極めです。

お互いが大事にしたい価値基準や考え方、仕事の進め方、将来に対するビジョンなど履歴書に表れない部分がどれだけマッチングするかを判断するのです。履歴書や職務経歴書がベースとなるスキルマッチは、候補者が過去に行ってきた情報から「どの程度のパフォーマンスを発揮してくれそうか」をチェックします。

一方、カルチャーマッチは企業が向いている方向と候補者が進みたいキャリアの「未来」をベースに互いの相性を判断し、ベクトルがどれだけ重なっているかを確認します。そのため、カルチャーマッチしていれば入社後により深く・長く良好な関係を築ける可能性が高まるのです。

候補者のスキルを見定めるのは重要ですが、スキル評価は本選考に進んでからでも遅くありません。選考前のゆるやかな見極めである「ソフトな選考」では、カルチャーマッチを重視しましょう。

カジュアル面談の効果

1.候補者の負担が少なく、志望度がまだ高くない優秀な人材とも出会える
2.カルチャーマッチを軸に、入社後の活躍を占う志向性の判断ができる
3.採用に至らない場合でも候補者との関係を維持しやすい

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【新卒採用】インターンでソフトに選考する

「ソフトな選考」は中途採用におけるカジュアル面談だけを指すというわけではありません。「自社イベントへの参加」や「長期インターンシップ」などさまざまな手法があてはまります。

ここでは、新卒採用における「ソフトな選考」の手法として長期的なインターンシップの活用について説明します。

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インターンで変化する新卒採用

新卒採用は従来まで、就活ルールの存在によってヨーイドンで一斉に開始される就活スタイルが主流でした。就業経験に乏しい学生は右も左もわからない状態での仕事選びを余儀なくされていました。

企業は新卒採用で、楽しそうに仕事する和気あいあいとした職場環境など表面的にキラキラした印象を学生に対して与えようとする傾向があります。もっとも楽しそうな場面を抜き出しているという点で嘘というわけではありませんが、実際の職場では泥臭い、地味な仕事も多くあります。

すると、イメージと実際とのギャップからミスマッチが生じ、すぐに辞めてしまうという事態が起こりがちです。入社後の早期退職を減らすには、イメージと実態を正しく理解してもらう必要があります。

「長期インターン」なら実際に社員と一緒に働く経験を通じて自社の飾らないありのままの姿を見てもらえます。そのため、学生は入社後にイメージとのギャップを感じずに企業に定着してくれるのです。

企業を取り巻く環境も、長期インターンの普及を後押ししています。経団連が就活ルールの廃止を打ち出したのをきっかけに、採用市場のスケジュール慣習が形骸化し、新卒採用はより一層早期化、通年化する流れになっているからです。

これまで優秀な学生の囲い込みにおいて外資系企業やベンチャー企業に遅れを取っていた日本企業も、長期インターンを積極的に導入しはじめています。実務経験を通して学生に事業やカルチャーへの理解を深めてもらえる長期インターンは、今後さらに注目され有効活用されていくでしょう。

インターンを実施するには

企業が学生に早期接触する手段としては短期や1dayインターンが職場体験のような意味合いで利用されていました。これに対して長期インターンの場合、短くても数週間、理想的には3ヶ月以上など、ある程度長い期間にわたって実際の就業に近い形で参加してもらうのが特徴です。

長期インターンのメリットは大きくわけて2つあります。

1.就活生に実態に即した就労イメージを持ってもらう
2.企業が優秀な学生とのパイプを築く

職業体験を通して実態に近い入社イメージを持ってもらえば、学生は長期インターンに参加した企業だけでなく、業界の向き・不向きについても肌感覚で理解できるようになります。そのためミスマッチの削減につながるのです。

長期インターンには、企業が優秀な学生に出会うための有効な窓口になるという利点もあります。

学生は知名度の低い企業を就職活動の候補から外してしまう可能性があります。長期インターンは学生にとって企業に対する心理的なハードルを下げ、間口を広げる効果があり、企業側にとっておも大きなメリットになります。

インターンで何を見極めるか

実際に仕事ができるか、あるいは自分たちの働き方や価値観とマッチするかを面接だけで見抜くのは非常に困難です。提示される情報がすべて正しいかどうかもわかりませんし、学生時代の成功体験は必ずしもビジネスに直結するわけではないからです。

その点、長期インターンは学生と一緒に働くため、より確実な見極めの方法となります。どのような姿勢で仕事に臨むのか、周囲へどんな影響を与えるのかを判断できるからです。

企業のカルチャーや実務を体験してもらい、達成できなかったタスクをできるようになる成長の速さを見れば、今後どのような能力を開花させるか予想しやすくなります。また、学生にとっても企業のあり方を見て志望度を高めたり、ズレを認識できるため相思相愛の関係になれる可能性が高まります。

仕事の泥臭さに嫌気が差して、入社してからのモチベーションが下がるケースは少なくありません。しかし、長期インターンを通じて、泥臭さの裏にある哲学(ビジョン)や顧客の成功を見届ける経験があれば、そのズレは大部分なくなります。

もしズレが消えない場合には、あわなかったという形で採用を見送ればお互いに損はしません。

企業は、将来の可能性も含め一緒に働く学生について深く理解する。そして学生の側でも「自分はこの環境に社会人として挑戦したい対象があるか、ないか」をじっくりと考える。

この双方向性こそが、長期インターンシップに求められる基本姿勢です。

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タレントプールによりストック採用を実現する

労働人口の減少や新卒一括採用の廃止など環境変化の影響で、採用活動は「フロー採用」から「ストック採用」への移行が進んでいます。

企業は中途採用にカジュアル面談、新卒採用に長期インターンという「ソフトな選考」を取り入れはじめていますが、「ストック採用」の実現にあたってはもうひとつタレントプールを形成する必要があります。タレントプールの形成によって、ソフトな選考の効果が高まるためです。

そこで、「タレントプール」について詳しく説明します。

焼き畑式採用スタイルの限界とファンづくり

短期決戦のフロー採用から長期型のストック採用へと、採用市場が根本的に移り変わろうとしています。ストック採用とは従来の一発勝負による「焼き畑農業的な採用スタイル」ではなく、タイミングを絞らずにマッチする候補者と継続的な接触をはかり「優れた人材を狙い撃ち」する長期的な採用手法です。

ストック採用にはタレントプールの形成が欠かせません。過去に企業と何らかの接点を持った好ましい人材(タレント)をプールして、採用につなげていくという考え方です。

好ましい人材を収集してリスト化し、彼らに働きかけて入社してもらう手法で、上手に運用すればタレントプールがオリジナルの人材データベースとして機能します。

候補者が入社に至らなかった理由はさまざまです。志望度が低かったための内定辞退だけではありません。

事業のフェーズとマッチしなかったり、カルチャーフィットしているがスキルセットが不足しているなどの原因で採用できなかったケースも多くあるでしょう。こうした「惜しい人材」をそのまま放っておくのが従来のフロー採用です。

タレントプールを活用したストック採用は「惜しい人材」を放置せず、一緒に働ける機会を常に留保しておくのが特徴です。タレントプール内の候補者とは継続的に接触し、相手の現在の興味関心や転職意向の変化をアップデートしつつ、自社の現在や成長、課題などを伝え情報交換します。

候補者の転職意欲が高まったり、転職に対する障害が除去されれば、マッチングして入社に至る可能性が高まります。中途採用におけるカジュアル面談と新卒採用における長期インターンは、タレントプールを形成する際の有力なツールです。

長期的な接触を通じて自社のファンとなってもらい、ストック採用を実現しましょう。

タレントプールを設計するには

タレントプールは企業にとって望ましい特徴を持っている人材にすぐにアクセスできるのがメリットです。運用はスプレッドシートなどで候補者ごとに「カルチャーフィット」「スキルセット」「転職意向度」「最初の接触」「最終連絡日」「最終確認日」などをまとめておきます。

個人情報に該当する項目も含まれますので、勝手な収集はせず、採用目的で利用する旨を伝えた上で管理しましょう。社内でも採用に関わる社員のみにアクセス許可を与えるなどの注意が必要です。

タレントプールを設計する際には、自社に対する理解度や共感度、職種を問わず求められるスキルや資質などを各候補者ごとに評価しておきましょう。評価の高い人材から連絡できるようにしておくためです。

タレントプールはあくまで「人と人とのつながりを大切にする」という当たり前の心構えをベースに、企業ごとに合った方法で工夫しながら構築していきましょう。

アプローチを最適化する

(Wantedly人事責任者執筆「すごい採用」P.168)

カジュアル面談などのソフトな選考を導入し、タレントプールを構築しても、採用活動が突然成功するわけではありません。候補者の入社意向度は「いきなり上がらない」からです。

ターゲットの意向度を高めるためには、働きかけ(ナーチャリング)が重要になってきます。継続的な関係性を維持するために、どんなタイミングでどのように接触するのかなど、アプローチの最適化を図ります。

アプローチを最適化するためには、候補者を「両思い」「高嶺の花」「ファン」「ミスマッチ」と分類します。

「両思い」の候補者は転職希望タイミングさえ合えばすぐに採用に進められるでしょう。タレントプールによって「育む」対象としてもっとも重要なのが、共通ジャッジ項目をクリアしながら自社への共感度が低い「高嶺の花」の候補者です。

「高嶺の花」へのアプローチは、カルチャーやビジョンへの興味喚起によって志望度を高めますが、性急なアプローチは禁物です。自社イベントへの招待や役員などメンバーとの会食によって、自社の魅力を伝えるよう働きかけていきます。

また共感度が高い一方でスキルマッチの低い「ファン」もタレントプールによる「育む」対象です。勉強会や長期インターンなどのスキル育成アプローチを活用しながら、長期的な接触を継続しましょう。

フロー採用における企業と候補者の接触機会は、それぞれに合ったタイミングでの「点と点」でした。タレントプールの活用によって接触機会は継続的な「線」での接触や、多彩な接点による「面」での接触となり、採用につながりやすくなります。

カジュアル面談や長期インターンなどのソフトな選考とタレントプールによって、ストック採用を成功させましょう。

Wantedlyなら「ソフトな選考」を実現できる

ストック採用に必要なタレントプールを構築するための候補者を集めるためには、候補者にとって抵抗感が少ないソフトな選考を活用しましょう。中途採用のカジュアル面談や新卒採用の長期インターンなどソフトな選考で多くの候補者と出会うにはWantedlyが効果的です。

Wantedlyならソフトな選考を実現できる理由を3つの点から説明します。

カジュアル面談に対応している

Wantedlyは人と会社の出会いをフォーマルからカジュアルに変え、想いや価値観への共感によって人と会社をつなぐサービスです。

そこで、人が面白いシゴトと1日でも早く出会えるようサポートする機能を数多くご提供しています。その中のひとつが、募集ページの「話を聞きに行きたい」ボタンです。

「話を聞きに行きたい」ボタンは、候補者が企業にカジュアル面談を申し込むために設置されています。カジュアル面談は企業が候補者を見極めるための面接とは異なり、企業と候補者がお互いを理解するための機会です。

志望動機や自己PRではなく、候補者のキャリア志向や興味ある分野について語ってもらい、企業はビジョンや価値観、抱えている課題についてお互い飾らずに共有しあい理解を深めます。企業と候補者がフラットに話せるため、候補者は抵抗感なく「話を聞きに行きたい」ボタンからカジュアル面談を申し込めます。

企業にとっては、間口の広いカジュアル面談を通じて優秀な人材と出会う機会を入手できるのです。Wantedlyなら「話を聞きに行きたい」ボタンを活用して、カジュアル面談によるソフトな選考を実現できます。

インターンを募集できる

Wantedlyでは毎日たくさんの企業が募集ページを公開しています。

その理由は、Wantedlyなら新卒採用、中途採用、パートタイム、副業など就業形態や職種を問わず無制限に募集ページを作成し公開できるためです。従来の求人媒体では、募集要項を記載したページは一定期間掲載されますが、職種の追加や新規の募集には追加のコストがかかるなど自由度に劣るケースが少なくありませんでした。

Wantedlyなら募集ページを自由に作れるため、臨機応変な採用活動が可能です。

就業形態に「中途」や「フリーランス」と並んで「学生インターン」が含まれているため、学生側にも利用しやすいのが特徴です。企業による長期インターンの募集も数多く掲載されています。

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リーチできるプラットフォームである

自社の採用ページでインターンを募集したりカジュアル面談の申込みボタンを設置しても、候補者が集まるとは限りません。採用ページを閲覧するユーザーが多くないためです。

その点、Wantedlyなら会員数は350万以上。優秀な人材や学生も多く含まれています。

数多くの候補者にリーチ可能であるという特徴から、Wantedlyの利用企業は4万社を超えています。またダイレクトスカウトを活用すれば、人材要件にマッチする候補者に対して直接アプローチも可能です

▶Wantedlyのサービス資料をダウンロードする

まとめ

採用活動は「フロー採用」から「ストック採用」への移行が進行しています。中途採用のカジュアル面談や新卒採用の長期インターンなどの「ソフトな選考」と、ストック採用に不可欠な「タレントプール」によって、新しい時代の採用活動へと切り替えましょう。

カジュアル面談を設定できる「話を聞きに行きたい」ボタンやインターン募集ができるWantedlyは「ソフトな選考」に最適なプラットフォームです。採用活動に課題を抱えている企業の皆さんは、ぜひWantedlyで新たな採用活動を開始しましょう。

Wantedlyでは採用マーケティング(リクルートメント・マーケティング)をテーマに書籍を出版しています。より詳しく学びたい方や、事例についてさらに知りたい方はこちらもぜひご一読ください。

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