パーパス採用とは?注目の背景からメリットまで詳しく解説

近年注目されているパーパス採用。パーパスを通じた共感採用を行うことで、入社後のミスマッチ防止や社員エンゲージメントの向上、企業のポジティブな革新などあらゆるメリットを得られます。

そこで今回はパーパス採用の基礎知識から成功事例まで詳しく解説します。

採用広報を始めたいけど、何から始めれば良いかわからない方へ

Wantedlyなら、誰でも簡単に会社のページや採用ブログを作成することができます

作成したページはGoogleの検索結果の1ページ目に表示されやすく、オウンドメディアとしても活用できます。

まずは手軽に採用広報を開始したい方、ぜひ資料をダウンロードして詳細を確認してみてください。

まずは無料ダウンロード

パーパス採用とは

そもそもパーパスとは目的・意図といった意味がありますが、ビジネスシーンでは何のために会社が生まれたのか、という企業の存在意義を表す言葉として使われます。

したがってパーパス採用とは、企業と求職者がパーパスでつながり合う採用のことです。

企業の存在意義を言語化し、共感してくれる人を採用することで、本質的に企業とマッチした人材と一緒に働けるようになります。

パーパスとミッションの違い

パーパスと似た意味の言葉でミッション(Mission)・ビジョン(Vision)・バリュー(Value)があります。

ミッションは企業が果たすべき使命、ビジョンは企業の展望、バリューはミッションとビジョンを達成するために必要な価値観や行動指針を指します。

つまり未来に実現したい姿を描くのがミッション・ビジョン・バリュー、企業が社会に存在している意義(何をするために生まれてきたのか)を示すのがパーパスです。

パーパスが重視されている背景

パーパスは、企業の採用活動に留まらず経営などあらゆる観点で取り入れられています。そもそもなぜパーパスが重視されはじめたのか、背景を知ることで理解を深めていきましょう。

1.DXの推進による拡大

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、IT技術を浸透させて人々の生活をより良いものへ変革させる取り組みのことです。しかし現状ではITツールの導入に留まってしまい、組織までDXが広まらない課題を抱えている企業が多く存在しています。

組織までDXを浸透させるためには、社員一人ひとりがDXの重要性を理解することが必要です。

なぜ企業にDXが必要なのか、推進することでどんな価値を社会に提供できるようになるのかなど、DXの必要性を伝えるためにはパーパスが欠かせません。

企業が成長を続けるため、今一度存在意義の言語化や見直しが重要視されています。

2.SDGsとESGの登場

パーパスが重要視されはじめた背景には、国連が採択したSDGsとESGの取り組みも影響しています。

SDGsとは、国連サミットで採択された2030年までに達成するべき17の世界目標のことです。一般的には持続可能な開発目標と呼ばれ、企業が取り組むべき課題も多く含まれています。

企業の売上・利益だけを追い求めるのではなく、自然環境・社会・経済にも目を向けた事業活動を行おうとする取り組みです。サステナビリティ経営(持続可能性のある経営)と呼ばれる場合もあります。

そしてSDGs登場以前から国連が提唱していたESG。ESGとは持続可能な世界を実現するため、企業の長期的成長に重要な3つの観点、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)の頭文字を組みあわせた言葉です。

投資家の間では企業の成長性を見極める指標の1つとして注視されていて、ESGを推進する企業に積極的に投資をする人も増えています。

売上だけでなく、環境や社会、経済などに目を向けた事業活動をするには、何のために企業が存在しているのかを明確に定義する必要があるのです。

3.ミレニアル世代とZ世代の台頭

ミレニアル世代とは一般的に、1980年〜1990年代半ば辺りに生まれた世代と定義されています。インターネットに触れて育ってきたデジタルネイティブでもあり、就職氷河期も過ごしてきた世代です。

そして1990年代半ばから2000年代終盤辺りに生まれた世代のことをZ世代と呼びます。ソーシャルメディアに囲まれて育ってきた、情報感度の高い世代です。

ミレニアル世代とZ世代は従来と異なる志向性や感覚を持ち合わせていることから、従来のマーケティング手法を手放し、新しい切り口でアプローチする必要があります。

Z世代の志向性を調査したデータからも、企業やブランドに対して社会貢献性の高さを期待し、環境に配慮した商品にお金を使いたいと考えていることがわかります。

ミレニアル世代とZ世代の人材は、採用活動においてもパーパスを重視します。

社会にどんな価値を提供しているのか、自分が入社することで人々にどんな喜びを届けられるのか、企業の存在意義と自分の存在価値を照らしあわせて、より価値観のあう企業を選ぶでしょう。

だからこそ、求職者に興味を持ってもらうには待遇・環境面のアップデートだけでなく、パーパスを明確に提唱・広報できる力が重要になります。

パーパスを打ち出すメリット

企業がパーパスを打ち出すことで得られるメリットを4つ解説します。企業のよりよい採用のため、ポイントを理解してから実践していきましょう。

1.マッチング率の高い共感採用ができる

パーパス採用とは企業の存在意義を広報し、近しい価値観や考えをもった求職者とつながりあう採用のことです。パーパスを発信することで企業の考え方にマッチする求職者と出会いやすく、経験・スキルに偏らない共感型の採用が可能となります。

さらに共感して入社できることで、自身の仕事に意義や楽しみを抱いて活躍してくれるでしょう。

【参考】採用のミスマッチを防ぐためには|原因と有効な対策【事例つき】
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/mismatch

2.社員のエンゲージメント向上になる

企業のパーパスを社員が理解し共感できていると、社員のエンゲージメントが向上する傾向にあります。エンゲージメントとは企業への信頼度や貢献意欲のことです。

何のために働いているのか、目の前の仕事に意味があるからこそ社員は一生懸命に向き合えます。

自身の仕事に意義を見出せれば自然と成果は生まれ、社員の成長のきかっけや人生の喜びにもつながるでしょう。

【参考】従業員エンゲージメントとは?向上のための施策と事例
https://www.wantedly.com/hiringeek/organization/engagement

3.ステークホルダーの支持率向上になる

ステークホルダーとは、企業が活動を行うことで影響を受ける利害関係者を指します。たとえば株主・経営者・従業員・顧客・取引先などがあげられます。

パーパスを軸に活動をすることでステークホルダーからの信頼を得たり、パーパスに共感を抱いて支持してくれたりと、今以上に深いつながりを持てるようになるでしょう。

4.企業の革新や成長のきっかけになる

パーパスが明確かつ社員が同じ考えのもと活動できる企業は、驚くほどのスピードで成長を遂げます。パーパスで企業と社員がつながりあうことで、存在意義を感じながら活動ができるからです。

社員エンゲージメント向上とも通ずる部分ですが、組織の指揮が上がるほど企業のポジティブな革新や成長のきかっけになるでしょう。

パーパス採用を成功させるポイント

パーパス採用を成功させるには、広く伝える力と求職者に共感・実行してもらうための体験を提供できるかどうかが重要です。パーパス採用を成功させるポイントを2つ紹介します。

1.採用ブランディングをする

パーパス採用には採用ブランディングが欠かせません。採用ブランディングとは企業を1つのブランドとして捉え、求職者に企業を選んでもらえる魅力づくりと発信を行う活動を指します。

簡単にいうと企業のブランドイメージを形成して広報をする活動のことです。

企業のブランドイメージはパーパスに直結します。何のために生まれたのか、社会にどんな価値を提供するために存在しているのか、企業の根源となる部分を明確化し、わかりやすい言葉で伝えることで自然とブランドは形成されていきます。

【参考】採用ブランディングとは?成功事例と失敗しないための方法を解説
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/branding

2.採用CXを重視する

パーパス採用では採用CXを重視して採用活動を行いましょう。採用CXとは採用活動を通じて求職者が得る体験価値を指します。採用の合否に関わらず、求職者が有意義な時間を過ごせたと感じてもらえることが大切です。

採用CXの高い活動をするにはパーパスの共有が重要となります。企業から業務内容を説明したり、求職者から経歴を話したり、スキル観点のマッチも大切ですが、互いの価値観の合致は何よりも重要な指標です。

企業が目指すゴール、社会にもたらす価値、具体的に行動していることなど、納得感をもって伝えられるようにパーパスの言語化を行いましょう。また面接官自身も積極的に自己開示を行い、求職者が自分の考えを話しやすくなるような雰囲気づくりも心がけましょう。

【参考】採用CXとは?注目の理由とメリット、導入事例を徹底解説
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/recruiting_cx

パーパス採用にオススメな手法3選

パーパス採用に注力する際に、オススメな手法を3つ紹介します。

1.Wantedly

Wantedlyは、はたらくすべての人が共感を通じて、であい・つながり・つながりを深めるためのビジネスSNSです。企業と求職者が気軽に出会い、想いを共有できます。

想い・実績などを自由に発信できるブログ機能や、気軽に求職者と意見交換やディスカッションができるミートアップなどさまざまな機能があります。企業のパーパスをあらゆる手法で発信できるのが特徴です。

まさに企業と求職者が価値観を共有しあい、パーパスでつながりあえるサービスだといえるでしょう。

▶Wantedlyのサービス資料を無料ダウンロードする

2.note pro

note proとは、クリエイター向けメディアプラットフォームnoteの法人向け有料サービスです。ブログ感覚で企業や社員のストーリーを発信できます。

さらに独自ドメインやオリジナルメニューのカスタマイズ、テーマカラーの変更などデザイン面も自由に設計可能です。視覚的なブランドイメージも形成しながら、より良い形でパーパスを広報できるでしょう。

3.オウンドメディア

パーパスを広く浸透させるにはオウンドメディアの活用も最適でしょう。決まった型がないため、企業独自のフォーマットで設計・発信が可能です。

内容の充実度が高いほど採用効果も期待できます。

ただメディアを立ち上げる場合、専門的な知識が必要になったり、高額な外注費がかかったりする場合も珍しくありません。さらには完成までに数ヶ月の時間も要します。

自社での立ち上げが難しい場合や今すぐ開始したい時には、オウンドメディアの代わりにWantedlyを活用するのがオススメです。

Wantedlyを活用している企業の88%が、Googleの検索エンジンで企業名を検索した時に、Wantedlyで作成した会社ページが検索結果の1ページ目に表示されています。オウンドメディア代わりに運用しても、認知拡大の役割を十分果たしてくれるでしょう。

▶Wantedlyのサービス資料を無料ダウンロードする

【参考】採用オウンドメディアとは?5社の成功事例から考えるはじめ方
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/media

パーパスを活用した成功事例

最後に、パーパスの活用によって成功を収めた企業事例を紹介します。パーパスが明確であれば、自然と社会貢献が実現し、あらゆる人からの支持を受けられます。

株式会社estie

株式会社estieは不動産データプラットフォームの開発・提供を行っている企業です。

創業当時はミッションやビジョンを持たずにリファラル採用を行っていた同社。採用は順調でしたが、組織が大きくなるにつれて「社長が何を考えているのかわからない」という声があがるようになり、企業の指標が言語化されていないことが課題となっていきました。

同社は課題解決のため、ディズニーやマッキンゼー・アンド・カンパニーなど、アメリカの有名企業の手法を真似てパーパスを作成します。

これまでなんとなく抱いていた「なぜ事業を行っているのか」を言語化しました。

パーパスの発信にはWantedlyを活用。ブログ機能などでオープンに発信を開始した結果、必然的にパーパスに共感した人と面接ができるようになり、採用活動に多大な効果をもたらしました。

同社の事例ではパーパスを軸にした情報発信は大きな価値を生むことがわかります。これからの時代、パーパスの発信力は企業の採用力に大きく貢献していくことでしょう。

以下の記事は、同社社長のインタビューです。

パーパスの策定から情報発信、採用までの一連のフェーズをお話しているため、より詳しく知りたい方はご覧ください。

【参考】ミッション・ビジョンではなく、バリューとパーパスを重要指標に/株式会社estie https://www.wantedly.com/hiringeek/interview/rc_nur10

パタゴニア

アウトドア用品メーカーとして世界的に名高いパタゴニア。1965年の設立当時から『われらの故郷である地球を守ろう』というパーパスを掲げ、ペットボトルをリサイクルして製作したグッズ販売からスタート。今では世界中から愛されるメーカーへと成長を遂げています。

そんな同社が、パーパスに基づいた姿勢を見せたことで世の中から支持を受けた出来事があります。

2020年、当時の大統領であったトランプ氏が国立公園を縮小すると宣言したことに対して「大統領が自然保護区を盗むのを阻止する」ためのメッセージを発信したのです。

同社の行動は多くの共感を生み、消費者や環境保護団体、さらには競合企業まであらゆる人々からの支持を得る結果となりました。

パタゴニアの事例からも読み取れるように、パーパスには人々の心を動かす力があることがわかります。採用市場においても、企業が実現したいと願う想いが個人の想いと通じ合うことで、最良の結果を生み出すでしょう。

下記の記事では、パーパスとなる企業の想いを起点にストーリーを生み出すナラティブの力について解説しています。

未来の顧客体験でサービスを判断しようとするナラティブづくり(物語づくり)は、組織の変革に欠かせない要素となります。ぜひ、ご覧ください。

【参考】組織づくりを「再定義」せよ。 変革をもたらす「ナラティブ」の力
https://www.wantedly.com/hiringeek/interview/eventreport_fuze2021_session_b

まとめ

今回はパーパス採用に関して解説してきました。パーパスを通じた共感採用はマッチング率の高い人材との出会いだけでなく、社員エンゲージメントや企業のブランド力・発信力の向上など、あらゆるメリットが生まれます。

パーパス採用力を高めるため、採用ブランディングおよび採用CXの向上に努めていきましょう。

Wantedlyのサービス資料を見る
タイトルとURLをコピーしました