テレワークの普及を背景に、会社説明会や面接など選考プロセスまでオンラインに移行する企業が増加しています。オンライン採用は企業と候補者それぞれにとって利便性にすぐれている一方、新たな課題に直面するケースも少なくありません。
今回はオンライン採用がもたらすメリットとデメリット、成功させるためのポイントについて紹介します。
▶採用担当者が知っておきたい、採用におけるマーケティングの基礎知識|資料を無料ダウンロード
カジュアル面談を効果的に実施するコツを紹介 カジュアル面談を実施してもなかなか成果が出せない、と感じていませんか? カジュアル面談には採用に繋がるメリットがたくさんありますが、効果的に進めるためには、正しいやり方が必要不可欠です。 時間だけが取られてしまうマイナスな面談ではなく、採用に繋がる面談にしたい方は、ぜひ資料をご覧ください。
そこで、カジュアル面談の実施方法やポイントをまとめた資料をご用意しました。
オンライン採用増加の背景
オンライン採用は各種ツールの活用によりプロセスの一部、あるいはすべてをオンラインで行う採用活動を指します。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言によって、対面の面接などオフラインを前提とした採用活動が成立しなくなりました。そこで企業は会社説明会や面接のプロセスをオンラインへ移行する取り組みをはじめたのです。
2020年に株式会社ビズリーチが実施した採用活動のオンライン化に関する企業調査では、71%の企業が対応・対応を検討中と回答しました。
また「dodaエージェントサービス」の集計では2021年7月の求人案件のうち、「Web面接可」が63.8%を占めており、1年前の38.4%から大きく増加しています。
一方、候補者側もオンライン採用にメリットを感じています。
エン・ジャパン株式会社が2022年卒業予定の新卒候補者に「オンライン就活」に関するアンケートを行ったところ、92%が「メリットを感じる」と回答しています。
売り手市場における候補者側の高いニーズを背景に、オンライン採用の導入は今後も進んでいくものとみられます。
引用:
【BIZREACH】新型コロナウイルス感染症拡大を受け、企業の採用担当者へアンケート
【doda】面接はオンラインより対面の方が有利?メリット・デメリットは?Web面接の実態調査
【エン・ジャパン】22卒学生650名に聞く!「オンライン就活」意識調査2021ー『iroots』ユーザーアンケート-
オンライン採用のメリット
企業にとってオンライン採用にはいくつものメリットがあります。ここでは、オフライン採用と比べたオンライン採用のメリットについて4つ説明します。
1.採用コストの削減
会社説明会や面接のオンライン化は採用コストの削減につながります。とくにの候補者が多い企業の中には、会社説明会を開催するために会場を社外に用意するケースが多くあります。
また一定の期間に多数の学生から応募が集中する新卒採用でも、会社説明会や面接を行うための場所が不足する企業が少なくありません。オンライン採用の導入によって、社外に設置する会場費や設営コストの削減が可能です。
さらにオンライン採用の導入は採用担当者の出張や移動が不要となるため、コスト削減につながります。
▶採用コストを30%以上削減した企業事例を紹介|資料を無料ダウンロードする
2.アプローチ対象の拡大
候補者はこれまで地理的な要因や時間的な要因で、企業にエントリーできない場合がありました。
面接をオンラインで実施すれば、遠方からの候補者も距離を気にせずエントリーすることが可能です。さらに会社説明会動画をオンデマンド配信すれば、好きな時間に視聴が可能です。
オンライン採用によって時間と場所という制約がなくなるため、応募するためのハードルが下がるのです。
3.採用活動の効率化・早期化
オンライン採用は採用活動の効率化をもたらします。従来、採用活動の各プロセスにおいて企業側にはさまざまな管理業務が求められました。
たとえば、会場の準備や候補者リストの作成、当日の出欠確認や都合で参加できなくなった候補者への対応、会社説明会から適性検査などです。
オンラインの採用活動であれば、候補者のデータは一括管理されるため、1次面接と2次面接の担当者間で求められる引き継ぎ作業をスムーズに行うことができます。
採用活動の効率化についてはこちらの記事でも解説していますので、あわせてご覧ください。
4.採用活動の可視化
企業はオンライン採用によって採用活動の各プロセスを可視化し、採用活動の改善につなげることができます。会社説明会や面接の録画をもとに振り返りを実施することによって、課題を抽出できるからです。
「会社説明会で参加者の多くが関心を示したのはどのような内容か」
「面接なら質問に対する面接官の回答は適切であったか」
「候補者の動機づけに結びつく内容であったか」
など、可視化された各プロセスの課題分析を通じ、採用活動の改善を図ることができます。
オンライン採用のデメリット
一方でオンライン採用ならではのデメリットにも着目しておく必要があります。ここでは3つ説明します。
1.情報量の低下
面接では、候補者の表情変化から性格や思考を判断することも大切な要素です。
しかし面接をオンラインで実施する場合は、離れた場所からモニター越しに候補者を観察することになります。そのため、相手の情報を十分に取得することが難しくなります。表情・視線・身振り・姿勢・相手との距離など、言葉以外の方法で交わす非言語コミュニケーションが不足してしまうのです。
さらに回線を通じた会話の場合、相手の話が聞き取りにくく、勘違いなど認識のズレを生みやすいという欠点もあります。
2.ミスマッチの増加
企業理解が浅い状態のまま選考が進むとミスマッチを引き起こす場合もあります。
またオンライン採用の場合、社内の雰囲気などについて知るタイミングがなく入社後のミスマッチにつながってしまうのです。
採用活動でミスマッチがもたらす影響と対策については、こちらの記事をご覧ください。
3.ツール導入の必要性
会社説明会や面接をオンラインで実施する場合、ツールの選定と導入が必要です。オンライン説明会には参加者が聴講するだけのウェビナー形式、参加者の発言を前提とするWeb会議形式などいくつかの形態があります。
他にも事前に撮影した動画を配信し参加者が視聴する形式もあるため、自社に最適なツールを利用するようにしましょう。
オンライン面接をスムーズに進めるためのポイントについてはこちらの記事もご覧ください。オンライン面接の活用事例もご紹介しています。
オンライン採用成功のポイント
ここからはオンライン採用を成功させるためのポイントについて、採用フローの最適化と候補者への配慮という2つの点から解説します。
採用フローの最適化
オンライン採用を成功させるためには従来のオフライン採用との違いに着目し、選考プロセスを最適化させることが重要です。
カジュアル面談の導入
カジュアル面談は、選考前に企業と候補者が自由にコミュニケーションすることです。一般的に採用担当者ではなく実務に携わっている社員が対応するため、業務についてわかりやすく説明できます。
企業や業務についての理解や社内雰囲気の伝達などがオンライン採用の課題となっている場合、カジュアル面談の導入を検討してみましょう。
▶カジュアル面談を成功させるコツを公開中|資料を無料ダウンロードする
選考プロセスの再設計
オンライン採用の導入においては、どこまでをオンライン化するのか検討が必要です。採用活動のすべてをオンライン化している企業もあれば、対面式と併用するハイブリッド型として運用している企業もあります。
オンライン採用と対面式の違いがもたらす欠点をどのように補完するのかを考えた上で、選考プロセスを置き換えていくのが重要です。
トラブル対策
オンラインを活用した採用フローの最適化においては、トラブルが発生した際の対策を準備しておくことも重要です。
映像や音声が途切れたり通信回線が切断されてしまった際の対処法を考えておきましょう。トラブルが発生した際の対応について候補者に事前告知を行っておくことも大切なポイントと言えます。
また採用担当者側が落ち着いてトラブルに対応できるよう、ツールや手順についての情報を社内で共有しておくと良いでしょう。
候補者への配慮
オンライン採用を成功させるためのもうひとつのポイントは、対面式とは異なる候補者への配慮です。ここでは2つの点から説明します。
選考から入社後まで意識すべき候補者体験については以下の記事で解説しています。ぜひ合わせてご覧ください。
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/recruiting_textbook_3
面接の事前準備
面接をオンラインで実施する場合、候補者に対する評価は発言内容や質疑応答といった言語コミュニケーションに依存することとなります。
そのため、面接では相手からの発言を多く引き出すための工夫が求められます。履歴書や職務経歴書、エントリーシートなどの事前資料をもとに候補者についての情報を把握しておきましょう。
またオンライン面接を実施する場所の選定も重要なポイントです。採用担当者の自席ではなく、対面式の面接と同様に会議室や応接室などプライバシーが確保される場所を選ぶ必要があります。
候補者の不安除去
オンライン面接は非言語コミュニケーションが不足するため、候補者に不安を感じさせない取り組みも欠かすことができません。
相手の話に大きくうなずきながら傾聴する姿勢を示せば、候補者は安心して発言を続けることができるでしょう。
また面接開始直後に緊張感をほぐすための工夫も効果的です。雑談を挟んで雰囲気を和ませることで候補者はリラックスでき、自然な表情を見せやすくなります。
カジュアル面談導入による採用成功事例
ここでは、先ほど紹介したカジュアル面談を導入して採用に成功した事例をご紹介します。
Dreamly Ltd
Dreamly Ltdでは、カジュアル面談を通してフロントエンジニア2名の採用に成功。
自社のよい点だけでなく過去の失敗やまだ整っていない部分まで、カジュアル面談の時点で率直に伝えるようにし、価値観の合う人材を採用しています。
▶Dreamly Ltd社が採用成功したWantedlyのサービス資料をダウンロードする
株式会社スリーシェイク
株式会社スリーシェイクでは、カジュアル面談を通してエンジニアを中心に20名以上の採用に成功。
複数名の社員と雑談する形式でカジュアル面談をし、候補者が知りたいことに答えるスタンスで実施しています。
▶スリーシェイク社が採用成功したWantedlyのサービス資料をダウンロードする
メトロエンジン株式会社
メトロエンジン株式会社では、カジュアル面談を通して営業担当2名、カスタマーサクセス1名の採用。
知名度のある会社ではないからこそ、カジュアル面談にてざっくばらんに自社の魅力を伝えることで志望度を上げ、その後の選考・内定までつなげることに成功しています。
▶メトロエンジン社が採用成功したWantedlyのサービス資料をダウンロードする
まとめ
新型コロナウイルス感染拡大でオンライン採用を導入する企業が増加しています。
また、候補者側がオンライン採用のメリットを好感していることから、売り手市場では導入の拡大が続いていくと考えられます。
採用活動のオンライン化は避けられない潮流と考え、自社の採用フローをどこまでオンラインに置き換えることができるのか検討してみましょう。