社員の生産性と定着率を向上させる新しい採用の考え方【ミッションフィットの重要性】

「社員のモチベーションが低い」「入社してもすぐに辞めてしまう」

社員の生産性や定着率を高めようと、働きやすい環境づくりや適切な人員配置、人事評価制度の整備など、さまざまな施策を行っている企業は多いと思います。

もちろんどれも重要な施策ですが、社員の生産性や定着率を高めるためには、採用活動のやり方や考え方を見直すのがもっとも本質的な方法です。

スキルばかりを重視した従来の採用活動では、入社後のモチベーションはなかなか維持できません。「企業の方向性(ミッション)」と「個人が実現したいこと」が一致していなければ、社員は日々の業務に意味を見出せず、結果的に離職してしまいます。

本記事では、社員の生産性と定着率の向上につながる「ミッションフィット」の重要性と、これからの採用に必要なマッチングの考え方を解説します。

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ミッションへの「共感」が生産性と定着率を向上させる

ウォンテッドリー株式会社が行った調査によると、パーパス(企業の存在目的や社会的意義)に共感している人ほど、仕事のモチベーションが高いことが明らかになっています。

※パーパス」とは「企業の存在目的や社会的意義」の意味で、企業によっては「ミッション」や「ビジョン」と表現されています。

【参考】ウォンテッドリー、パーパスとエンゲージメントに関する調査結果を発表
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/pr_20230221/

企業の存在目的や社会的意義に共感している状態、つまり「企業の方向性(ミッション)」と「個人が実現したいこと」が一致(ミッションフィット)している状態であれば、仕事のモチベーションが高まり、生産性や成長速度が大きく向上します。

一方、企業の存在目的や社会的意義に共感していない状態、つまりミッションフィットしていない状態だと、社員は日々の業務に意味を見出せず、モチベーションが低下してしまいます。

その結果、「もっと有意義な仕事や、自分にあう職場があるのではないか」という迷いから転職を検討しはじめ、最終的には離職してしまうこともあるでしょう。

したがって、条件や知名度だけで採用できても、その後の活躍・定着はあまり期待できません。

「企業の存在目的や社会的意義に共感しているかどうか」というミッションフィットも考慮して採用することで、「優秀な人材の活躍・定着」という採用活動の本来の目的が達成できるようになります。

求職者も「仕事のやりがい」を求めている

ミッションフィットは社員の活躍・定着を目指す企業側だけでなく、仕事のやりがいを求める求職者にとっても重要です。

ウォンテッドリー株式会社の調査によると、転職活動においてパーパス(企業の存在目的や社会的意義)を重視する人は年々増加。給与水準などの待遇面も重視しつつ、仕事のやりがいや価値観のマッチングを求める人が増えています。

【参考】ウォンテッドリー、パーパスとエンゲージメントに関する調査結果を発表
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/pr_20230221/

したがって、「企業の存在目的や社会的意義に共感しているかどうか」というミッションフィットを考慮した採用活動は、企業側と求職者の双方にとって好都合といえます。

ミッションフィットしていれば、社員はやりがいを感じる仕事ができ、企業側は生産性の高い人材に長く活躍してもらえます。

また、ミッションフィットを考慮した採用活動は、候補者の層を広げられる点もメリットです。

通常、求職者が転職先を探す際、まずは年収でフィルターをかける傾向にあります。

しかし、オウンドメディアやSNSを通じて自社のミッションを発信し、「条件」ではなく「価値観」に訴えることができれば、オファー上の不利を覆すことも可能です。

もちろん、能力に見合う条件を出せるようにするのも企業努力の一環として必要ですが、ミッションを前面に打ち出すことで、今まで取りこぼしていたパーパス重視の人材層にもリーチできるようになるでしょう。

ミッションフィットを見極める「カジュアル面談」とは

ここまでミッションフィットの重要性を解説してきましたが、実際にミッションフィットしているかどうか見極めるためには「カジュアル面談」の導入がオススメです。

合否判定のある採用面接では、候補者の本音はなかなか引き出せません。対等な立場で意見交換できるカジュアル面談だからこそ、候補者の純粋な興味関心を知ることができます。

カジュアル面談とは

選考前に候補者と社員がカジュアルに話をして、互いの知りたい情報を交換する機会のこと。

企業が候補者に対して一方的に質問する面接とは異なり、双方向に質問することで相互理解を深める。

面接のような合否判定が無いうえに、企業が候補者に対してアピールするケースも多く、企業が評価される場でもある。

【参考】カジュアル面談とは?面接との違い・メリット・進め方のコツを解説
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/casual_interview/

選考の前段階であるカジュアル面談なら、互いに「採用したい・採用されたい」のバイアスがかかりません。

そのため、本音ベースで候補者の興味関心や将来のビジョンについて聞くことができ、履歴書や採用面接ではわからない価値観のマッチングを見極められます。

また、等身大の企業情報を伝えて、互いに背伸びせず意見交換することで、自社にマッチしない人材からの応募を抑制する「セルフスクリーニング効果」も期待できます。

カジュアル面談を導入すれば採用工数こそ増えますが、企業理解度が高く、自社のミッションに共感している人材からの応募が集まるため、結果的に母集団の質が高まり、採用効率の向上も期待できるでしょう。

さらに、カジュアル面談には以下のメリットがあります。

1.転職潜在層にリーチできる
→「選考」ではないからこそ、候補者側の応募・参加のハードルが低く、通常の選考では出会えないような優秀層や転職潜在層にもリーチできる。

2.1on1で効果的に動機づけできる
→はじめは選考を受ける気のなかった候補者が、カジュアル面談を通じて企業の魅力を知り、応募や内定に至る場合がある。

3.入社後のギャップによる早期離職を防げる
→「選考」ではないため、双方が対等な立場でマッチングを見極められる。企業のよい部分だけでなく、まだ整っていない部分も包み隠さず話すことで期待値を合わせられる。

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これからの採用に必要な「マッチング」の考え方

ここまで解説した通り、「企業の存在目的や社会的意義に共感しているかどうか」というミッションフィットは、社員の生産性や定着率を左右します。

従来のスキルマッチのみを考慮した採用では、入社後のモチベーションが維持できず、社員の活躍・定着ははかれません。

採用活動の目的は、優秀な人材に入社してもらい、できるだけ長く活躍してもらうことです。

そのためこれからの採用は、スキルマッチに加えて、ミッションフィットやカルチャーフィットも加えた複合的なマッチングが必須です。

ミッションフィットすれば社員の生産性や定着率が向上し、仕事の進め方・価値基準・社風などのカルチャーがマッチすれば、社員のポテンシャルは最大化され、大いなる活躍や成長が見込めます。

ただ人員を補充するだけなら、アウトソーシングでも可能です。しかし、同じ方向を向いて事業を前に進めたり、周囲にポジティブな影響を与えられる仲間と出会うためには、ミッションフィットやカルチャーフィットが欠かせません

欠員補充をくり返し、コストが増大する採用活動から脱却するためにも、これからはミッションフィット・カルチャーフィットに着目した新しい採用をはじめてみてはいかがでしょうか。

なお、社員の働きやすさを実現し、入社後の活躍・定着につながる「カルチャーフィット」の重要性はこちらで解説しています。

▶︎なぜ社員が定着しないのか?定着まで見据えた新しい採用の考え方【カルチャーフィットの重要性】

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