「せっかく採用した人材が早期退職してしまった」「採用した人材が思ったより活躍しない」と採用のミスマッチに悩む担当者は少なくありません。
本記事では、ミスマッチの実態から原因と対策、実際にミスマッチを乗り越えた会社の採用事例を紹介しています。ミスマッチを防いで人材定着につなげましょう。
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採用ミスマッチと早期離職率の現状
まずは、早期離職率の現状および平均値を確認してみましょう。
厚生労働省の調査によると、新卒社員(大学卒)の就職後3年以内の離職率は31.2%です。早期離職率は業界別で大きな差があり、もっとも高いのは宿泊・飲食サービス業界で51.5%、もっとも低いのは電気・ガスなどのインフラ業界で11.1%となっています。
また、中途採用も含めた全体での離職率(常用労働者数に対する離職者数の割合)は15%前後で推移しています。新卒採用より離職者が少ない傾向にありますが、1年間で従業員100人のうち15人が退職している計算になるため、決して低い数値とはいえないでしょう。
採用ミスマッチの要因は「人間関係」と「労働環境」
なぜ、新卒・中途ともに多くの人が離職してしまうのでしょうか。
転職クチコミサイト「転職会議」の調査によると、20〜40代が「入社後に失敗したと感じた理由」の上位は「人間関係」および「労働環境」となっています。
引用:転職ミスマッチはなぜ起こる?三大理由に見る各世代のホンネ|転職会議
調査結果を詳しく見てみると、「人間関係」では上司の統率力の低さ・風通しの悪さに対する不満が多く、「労働環境」では長時間労働・杜撰な教育体制に対する不満の声があがっています。
入社前に上司や同僚との相性を確認するのは難しいですが、カルチャー・残業時間・研修制度などにおける「入社後のギャップ」は、企業側の積極的な情報開示によって最小限に抑えられるでしょう。
採用ミスマッチによる4つのダメージ
企業側・候補者側の認識やニーズにズレがある「採用ミスマッチ」の状態は、入社後のギャップや早期離職を引き起こします。
労力をかけて採用した人材が早期離職してしまえば、これまでの努力やコストが無駄になってしまうだけでなく、既存社員や企業イメージにも悪影響を及ぼします。採用ミスマッチが続くと、職場の雰囲気が悪くなり、採用ブランディングも低下するため、採用活動はさらに難しくなってしまうでしょう。
採用ミスマッチによる企業側のダメージ
・金銭的なコストの損失(採用・教育にかかったコスト、在籍期間の給与など)
・欠員補充のための採用コストの発生
・既存社員のストレス増加やモチベーション低下
・離職率の高さによる企業イメージの低下
【参考】採用ブランディングとは?メリットや成功事例を紹介
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/branding/
採用ミスマッチが生じる5つの要因
採用ミスマッチは、企業側・候補者側の認識やニーズにズレがある場合、つまり、以下のいずれかの状態のときに発生します。
・「候補者が企業に抱いているイメージ」と「企業の実態」に差がある
・「企業が候補者に期待しているパフォーマンス」と「候補者のスキル・性格」に差がある
では具体的に、どのような採用体制だと上記の状態に陥ってしまうのでしょうか。採用ミスマッチが生じる5つの要因を解説します。
1.開示している情報が少ない
企業情報を積極的に開示していない場合、採用ミスマッチが生じやすくなります。
前章で解説した通り、採用ミスマッチの要因は、カルチャー・残業時間・研修制度などにおける「入社後のギャップ」です。募集要項などに記載する基本的な情報だけでなく、企業の価値観や働き方を十分に理解したうえで入社してもらう必要があります。
「どんな情報を、どのように発信すればよいかわからない」という方は、以下の記事をご確認ください。企業の魅力の見つけ方や、自社にマッチする人材への情報の届け方を解説しています。
【採用の新常識】上手くいかない採用から脱却するために必要な考え方https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/recruiting_textbook
2.よい情報しか伝えていない
企業情報を積極的に発信していても、よい面ばかりを伝えていては採用ミスマッチにつながります。
候補者を引きつけようと自社をよく見せたくなる気持ちはわかりますが、自社のまだ足りない部分やリアルな情報を伝えてこそ、入社後のギャップや早期離職が防げます。
また、企業のマイナス面を隠したり、プラスの情報ばかりを伝えようとする姿は、候補者の不信感や企業イメージの低下につながるため注意が必要です。
3.候補者の適性を見極められていない
候補者の企業理解が十分でも、企業が候補者をきちんと見極められていない場合は採用ミスマッチが生じます。候補者側の不満はないため早期離職とはならないかもしれませんが、採用要件を満たす人材でなければ、当初予定していた事業計画・組織成長に支障をきたしてしまいます。
ただ、どんなにスキルや経験のある面接官でも、候補者のスキルや性格を完璧に見極めることはできません。内定を得るために、見栄をはったり、話を誇張したりする候補者もいるでしょう。
したがって、面接のみで候補者の適性を判断するのは危険です。後ほど詳しく解説しますが、面接の精度を高めるとともに、適性テスト・インターン・カジュアル面談を導入することで、採用ミスマッチを最小限に抑えられるようにしましょう。
【参考】候補者の本音を引き出す|面接官のための質問集
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/interview_question/
4.候補者に求めるポジション・キャリアイメージを伝えていない
入社後どのように活躍してほしいか、候補者に求めるポジション・キャリアイメージをきちんと伝えていない場合も採用ミスマッチが生じます。
「採用担当者や現場が期待しているパフォーマンス」と「候補者本人がイメージしている業務内容・役割」にギャップがあると、既存社員および新入社員の不満やモチベーション低下の要因となります。採用要件を満たす人材を採用できたとしても、双方の「活躍イメージ」が合致しなければ定着化は難しいでしょう。
「活躍イメージ」は、内定通知の際にすり合わせるのがオススメです。入社後に貢献してもらいたい領域・期待していることに加えて「採用した理由」も伝えれば、候補者の入社意欲を高められ、内定辞退防止もはかれます。
5.入社後のフォローアップが不足している
入社後のサポート体制や研修制度など、新入社員に対するフォローアップ不足も採用ミスマッチの要因です。どんなにスキルの高い人材でも、周囲のサポートがなければ本来の実力を発揮できませんし、職場に馴染むまで時間がかかってしまいます。
前章で解説した通り、採用ミスマッチの最大の要因は「人間関係」です。新入社員の早期活躍・定着を目的とした「オンボーディング」を実施することで、風通しのよい職場を目指しましょう。
【参考】オンボーディングとは?施策事例と導入の流れ・ポイントを解説
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/onboarding/
採用ミスマッチの防止策5選
続いて、採用ミスマッチを防ぐための具体的な施策を5つご紹介します。
1.採用基準を明確化し、構造化面接を行う
候補者と自社のマッチングを正しく見極めるためには、採用基準を明確化し、構造化面接によって面接官の主観や評価のズレを防ぐことが重要です。
構造化面接とは、一定の評価基準・質問項目に沿って面接を進める手法のことです。面接官の技量・経験に依存せず、公正な評価ができるようになるため、「採用すべき人材を不合格にしてしまった」「採用基準を満たさない人材を合格にしてしまった」といった選考上のミスを防げます。
構造化面接の進め方はこちらで詳しく解説していますので、ぜひあわせてご確認ください。
【参考】構造化面接とは?メリット・デメリットとやり方を解説【質問例あり】https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/structuralization/
2.適性テストを行う
二つ目は適性テストの実施です。適性テストとは求職者の人格面を網羅的に把握する助けとなるものであり、受けた人の素質や考え方を判定・診断でき、目に見えにくいストレス耐性や組織適正なども見極めることができます。
また、自社の優秀人材の適正テストの結果を採用の参考にすることもできます。似た傾向の人を採用することで、活躍可能性が高い方の採用につながると考えられています。
3.お試し入社(長期インターン)を活用する
三つ目の方法は、お試し入社(長期インターン)の活用です。お試し入社とは、入社する前に実際の業務を体験することです。
お試し入社や長期インターンシップが増えてきた背景として、「インターンシップ経験者の離職率が未経験者に比べて低い」といった結果がわかってきたことが挙げられます。
※参考:パーソル総合研究所『企業がインターンシップを実施するメリットを調査』
パーソル総合研究所の調査によると、インターン非参加入社者の3年離職率は34.1%だったのに対し、インターン企業入社者は16.5%でした(※2)。インターンがミスマッチを防ぎ、離職率低下につながっていると推測できます。
お試し入社(長期インターンシップ)から採用につなげる方法には3つのポイントがあります。
成果・成長機会を提供する
自社や業務に愛着をもってもらうには「貢献できた」「できない仕事ができるようになった」という充実感が大切です。候補者が貢献できる・成長できる機会を提供するよう心がけましょう。
現場に協力してもらう
会社に愛着を感じてもらうためには、受け入れ先の組織(現場)の協力が欠かせません。業務における求職者のフォローや動機づけなど、人事では手が届かない部分を現場に協力してもらいましょう。
志望度が高まったら選考する
お試し入社から入った場合、求職者の意向が上がってきたタイミングで選考を提案してみましょう。選考前から業務内容や会社の文化、社員を理解しているため、内定が出次第、入社を決めてくれる可能性が高くなります。
承諾後も入社まで再度一緒にインターンシップとして就業してもらえれば、承諾後辞退リスクの軽減にも繋がります。
Wantedlyでは、インターン採用に悩む方々のために、必ず知っておくべき専門知識や採用要件の考え方、募集・選考でのコツなどのノウハウを1つの資料にわかりやすくまとめました。ぜひ一度確認してみてください。
4.カジュアル面談を活用する
カジュアル面談とは、採用担当者と求職者が対話してお互いを知る場であり、面接と異なり選考が前提でないので、リラックスした雰囲気で話せることが特徴です。
カジュアル面談の活用により、面接より本音が話しやすく相互理解につながりやすいため、ミスマッチが防ぎやすくなります。
仮にカジュアル面談で「この会社とは合わない」と判断されて選考に進むことを断られても、その後にかかるはずだった面接の時間が節約できます。
効果的なカジュアル面談を実施するポイントは以下の2点です。
リアルな情報を伝えて魅力をアピールする
カジュアル面談は、文章や動画だけでは伝えきれない自社の文化と雰囲気、ビジョンなどのリアルな情報を話すよう心がけましょう。
いいところも悪いところも伝えることで、自社への信頼と好印象につながります。アピールしたい項目は5つあり、「仕事内容」「事業内容」「社員」「文化」「制度」です。とくに学生や若手社員は「先輩社員はどんな人か」を重視する傾向があります。
どんな想いを抱いて入社した社員がいるかなどを丁寧に伝えましょう。
面接の場ではないと認識してもらう
カジュアル面談はお互いを知るための対話の場であり、自社の魅力を知ってもらうためのプレゼンテーションの場です。
手順としては、まずカジュアル面談は選考要素がないことを伝えます。求職者に参加した目的を尋ね、転職が目的なのか業界研究が目的なのかに応じた会社説明を行いましょう。
最後に、選考へ進みたいかどうかを確認します。聞きすぎない程度にさりげなく求職者のスキルを把握することも大切です。
また、カジュアル面談は、「求職者の知りたい情報」をもっている社員や求職者と似た経歴の社員に実施してもらいましょう。とくにエンジニアなど専門職の場合は現場の社員がオススメです。
Wantedlyでは、カジュアル面談の運用に悩む方々のために、カジュアル面談で必ず知っておくべき知識や失敗しないための方法などのノウハウを1つの資料にわかりやすくまとめました。ぜひ一度確認してみてください。
5.企業情報を発信する
採用活動を進めるにあたってサービス選びも重要ですが、まずは土台となる発信を強化しましょう。
「どんな人が働いているのか?」「どんな創業ストーリーがあるのか?」など、入社後のイメージが膨らむコンテンツや、会社の想いを伝えると効果的です。
こちらの資料では、なぜ会社の魅力の発信が重要かについて詳しく記載しています。その上で、会社の魅力を発信するためのWantedlyの活用方法を説明しています。ぜひご覧ください。
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入社後に実施すべき社員定着化の施策3選
社員の早期離職を防ぐためには、ミスマッチ防止に加えて入社後のフォローも大切です。以下3つの施策により、社員の定着化をはかりましょう。
1.メンター制度を導入する
新入社員のフォローを担当するメンター制度は、定着率向上の施策として非常に有効です。
入社して間もない新入社員は、わからないことがあっても誰に質問したらいいのかわからず、一人で不安を抱えてしまいがちです。いつでも気軽に相談できる相手がいれば、業務をスムーズに進められるうえに、精神的な負担も少なくなるでしょう。
2.1on1ミーティングを行う
1on1ミーティングとは、上司と部下が1対1で行うミーティングのことです。新入社員の業務内容・不安・悩みなどを上司が細かくヒアリングすることで、業務負担の軽減・人間関係のトラブル防止・精神的ストレスの低減をはかります。
ただし、継続的に実施することではじめて新入社員との信頼関係が築けるため、月1回など定期的に行うようにしましょう。
3.キャリアパスを提示する
将来像や長期目標が不明瞭な状態だと、社員の成長意欲や向上心は徐々に薄れていってしまいます。そのため、働き続けた先にどのようなキャリアがあるのか提示することで、社員のモチベーションアップをはかりましょう。
マネージャーを目指すのか、それともスペシャリストを目指すのかなど、社員のキャリア志向や部署別にロールモデルを提示したり、スキルアップ支援やジョブ・ローテーション制度を導入するのもオススメです。
採用ミスマッチを防ぐならWantedly
Wantedlyは、企業のミッションや価値観への「共感」で求職者とのマッチングをはかる採用サービスです。
Wantedlyには「ストーリー」というブログ機能があり、カルチャー・職場の雰囲気・社員紹介など、リアルな企業情報を自由に発信できます。
また、Wantedlyの募集ページには「話を聞きに行きたい」ボタンがあり、候補者側からカジュアル面談を申し込めるようになっているのが特徴です。
Wantedlyでできることや具体的な料金は、以下のサービス資料にまとめています。ぜひ一度確認してみてください。
採用ミスマッチの防止に成功した企業事例3選
最後に、かつてはミスマッチに悩まされたものの、採用手法や採用フローを工夫したことで自社にマッチした人材の獲得に成功した企業事例を3つご紹介します。
ぜひ自社でも真似できる部分を見つけていただき、ミスマッチの防止策として取り入れてみてください。
1.株式会社八百鮮
株式会社八百鮮は大阪と名古屋で八百屋の店舗運営をしていて、4年間で売上を5倍に伸ばすなど急成長中の企業です。
これまで人員補充のため年間1,500万円をかけて採用活動を行っていましたが、20代の求職者が少ないなどミスマッチが続きました。
そのため1年前からWantedlyを活用し、採用ブランディングを意識した結果、半年で八百屋スタッフ4名と人事スタッフ1名の採用につなげました。
Wantedlyの情報を載せたTwitter経由の応募も合わせると総勢12名の採用に成功しています。求職者は20代が多く人材の質も高いため、八百鮮が求める人材像ともマッチしています。採用費用は300万円にコストダウンしました。
2.Dreamly Ltd
Dreamly Ltdはスウェーデン出身のCEOが香川で創業したITコンサルを行う社員5名のIT企業です。海外から人材を採用していましたが、仕事に対する基本的な部分のミスマッチがありました。県外から社員2名の採用に成功したのは、カジュアル面談を導入したからです。
カジュアル面談で成功できた理由は「とりあえず会ってみる」という気軽さと「ありのままを伝える」という情報開示量の多さでした。気軽に会えるスタンスは人事専門職ではないスタッフにとってやりやすく、双方の心理的ハードルを下げたとのことです。
会社の等身大の姿を伝えることで、入社後に生じやすいギャップも未然に防いでいます。
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3.株式会社フロネシス
株式会社フロネシスは、不動産に関わる業務支援を提供する企業です。従来は人材紹介会社を利用していましたが、価値観面でのミスマッチが多く、費用対効果の低さに悩まされていました。
そこで同社はWantedlyを導入し、企業情報を積極的に発信していく手法に切り替えます。企業に親しみを抱いてもらうことを目的として社内トピックを発信し、自社に興味をもってくれた候補者とは積極的にカジュアル面談を実施しました。
その結果、営業職と事務職で各1名ずつの採用に成功。採用コストの大幅削減も実現できました。
【参考】不動産事業会社にとって良い人材を見極めるためのWantedly活用方法https://www.wantedly.com/customer_stories/126
まとめ
採用ミスマッチを防ぐためには、企業情報を積極的に開示したり、カジュアル面談などを通して候補者と企業の相互理解を深めることが重要です。
ぜひ今回紹介した施策や事例を参考にし、自社にマッチした人材の獲得と社員定着化を目指しましょう。