近年、採用市場や求職者を取り巻く環境に大きな変化が起こり、優秀な人材の獲得に向け、自社保有のメディア(オウンドメディア)を使った採用手法が注目を浴びています。
こちらでは、採用オウンドメディアの定義や必要性、具体的な取り組み方法を事例付きで解説していきます。
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採用オウンドメディアを手軽に開始するには?
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採用オウンドメディアとは?採用サイトとの違い
オウンドメディアとは、企業や組織が保有するWebサイトやブログのことです。広義では、X(旧Twitter)・Facebook・InstagramなどのSNSアカウントも含まれます。
そしてオウンドメディアの中でも、転職潜在層に向けて情報発信するサイトを「採用オウンドメディア」と呼びます。
採用オウンドメディアの特徴は、能動的かつ戦略的に企業の魅力を発信し、自社にマッチした人材やファンの獲得を目指す点です。「採用サイト」とよく混同されますが、目的や内容は以下のように異なります。
採用オウンドメディア | 採用サイト | |
---|---|---|
対象 | 転職潜在層 | 求職者 |
目的 | ・認知度向上 ・採用ブランディング ・企業理解の促進 | ・求人情報の提供 ・応募窓口 ・企業理解の促進 |
内容 | 企業の魅力を能動的かつ戦略的に発信 ・ミッションやビジョン ・カルチャーや価値観 ・働き方 など | 求職者が知りたい情報を中心に掲載 ・会社概要 ・部署紹介 ・募集要項 など |
採用サイトの詳細やポイントは、以下の記事で解説しています。
【参考】採用サイトの作り方|手順や費用、魅力的なサイトの共通点を紹介
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/newgrads_site/
採用オウンドメディアに取り組むべき2つの理由
株式会社TalentXの調査によると、採用オウンドメディアの開設率は約6割です。
なぜ多くの企業が採用オウンドメディアに注力しているのでしょうか。理由は、採用市場と求職者の変化にあります。
「転職潜在層」に向けたアプローチの必要性
近年では、少子高齢化にともなう労働人口の減少によって採用競争が激化しています。従来の「求職者からの応募を待つ」採用スタイルでは優秀層の獲得が難しく、最低限の応募数の確保すら危うい状況となっています。
そこで注目されはじめたのが「転職潜在層へのアプローチ」です。採用オウンドメディアを通じて企業の魅力を発信すれば、転職潜在層にリーチでき、意向上げや企業理解の促進を効果的に行えます。
まだ転職意思が表面化していない段階で「この企業に入社したら面白そう」と自社を転職先候補として意識してもらえれば、採用競争が激しい中でも優秀層を獲得できます。
これからの採用は、従来の「人材が必要になったタイミングで募集・選考する短期決戦の採用スタイル」から、転職潜在層に想起される存在となるための「リクルートメント・マーケティング」への切り替えが必須です。マーケティング起点の新しい採用の考え方は以下の記事で解説していますので、採用が上手くいかずに悩んでいる方はぜひご一読ください。
【採用の新常識】上手くいかない採用から脱却するために必要な考え方https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/recruiting_textbook/
「シゴト観の変化」と「選職リテラシーの高まり」
求職者を取り巻く環境も大きく変化しています。終身雇用に代表されるような画一的な働き方の時代は終わり、ワークライフバランスや多様な働き方が求められる潮流があります。
また、長寿化により「教育→仕事→リタイア」という人生の3ステージは、それぞれのステージを行き来する移行期を何度も挟み「マルチステージ化」すると予測されています。
働くという行為そのものの意義や価値を問われる機会が増え、求職者の「シゴト観の変化」が起こっています。
さらに、デジタルデバイスの普及によって、個人が手にできる情報量が増え、「選職リテラシー」の高まり、つまり、求職者の企業・仕事選びにおける情報収集や選別能力も高まっています。
求職のWeb検索方法においては、これまでの「30代 転職」のような“事柄”検索ではなく、職種×「在宅 ワークライフバランス 有給消化率」などの働き方や、「正当な評価 ユニーク ものづくり」のような企業の特徴も検索されるようになり、複数のキーワードの組み合わせが主流になりつつあります。
企業は、仕事選びが“働き方やそこで働くことで得られる経験”を重視するフェーズに移行したことを理解し、求職者がどのように情報収集を行うか、その探索行動を把握した上で能動的な情報発信を行う必要があるのです。
採用オウンドメディアのメリット・デメリット
続いて、採用オウンドメディアのメリット・デメリットを解説します。
採用オウンドメディアのメリット
採用オウンドメディアのメリットは次の3つです。
1.ミスマッチ防止につながる
採用オウンドメディアでは、ミッション・社員紹介・オフィス風景など、自由に企業情報を発信できます。求人広告よりも多くの情報かつリアルな働き方を伝えられるため、入社後のミスマッチ軽減が期待できます。
2.企業認知度を高められる
採用オウンドメディアを開設することで、「デザイナー 在宅」「エンジニア フルリモート」など、特定のキーワードで求人情報を検索する候補者にリーチできるようになります。知名度が低い企業でも、採用オウンドメディアのコンテンツを充実させれば、Web検索を通じて多くの候補者に認知してもらえるでしょう。
また、採用オウンドメディアをTwitterやInstagramなどのSNSで拡散すれば、より一層認知度を高められます。
3.掲載情報が資産として残る
求人広告の場合、企業情報の掲載期間が限られるうえに、契約終了後はデータを削除されてしまいます。
しかし採用オウンドメディアなら、永続的に情報公開でき、コンテンツが資産として残り続けます。年度ごとに0からやり直す必要がなく、コンテンツを積み上げ、継続的に取り組むほど効果が増していく手法です。
採用オウンドメディアのデメリット
採用オウンドメディアはメリットが大きい反面、以下のデメリットもあります。
・制作コストが高い
・成果が出るまで時間がかかる
オウンドメディアの制作は専門知識が必要なため、外部委託する企業がほとんどです。制作費用は約10万円〜500万円と、委託先やデザインによって大きく変動します。
また、Webサイトの立ち上げ・コンテンツ作成・認知度向上のためのSEO施策には時間がかかるため、成果を実感できるまでには時間がかかるでしょう。
しかし、Wantedlyを採用オウンドメディアとして活用すれば、制作コストを抑えつつ、スピーディーな認知度UPが可能です。
Wantedlyでは、フォーマットに沿って画像・文章を作成するだけで簡単にモダンな採用ページを作れます。ミッション・カルチャー・社員紹介など自由に企業の情報を発信できるうえに、作成したページは高い確率でGoogle検索の1ページ目に表示されるため、SEO施策に頭を抱える必要はありません。
Wantedlyでできることや具体的な料金は以下のサービス資料にまとめていますので、ぜひ一度確認してみてください。
採用オウンドメディアのはじめ方
では、具体的にはどのように取り組んでいけばいいのでしょうか?発信すべき内容と発信するために必要なことについて解説していきます。
何を発信するか
採用オウンドメディアで発信すべき内容は、自社の社会的価値・魅力となる「WHY」を核としたメッセージです。
「自分たちの事業がなぜ存在しているのか」というビジョン/ミッションを伝え、共感を促すことで、潜在的な候補者を増やします。
なお、これらのメッセージングは、企業理念として単に文字として書きおこすだけではなく、社員インタビューや社内風土・文化を感じられるコンテンツを通して発信することで、より効果を期待できます。
かつて人は、報酬や待遇といった要素によって行動を起こしているとされてました。しかしキャリア観が多様化した現代では、やりがいによって行動が促されるように変化してきています。
このやりがいによる動機付けを、採用オウンドメディアで「何を発信すべきか」の軸として据えるようにしましょう。
【参考】採用サイトの効果的なコンテンツとは?ポイントや成功事例を紹介
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/contents/
発信するために必要なこと
発信する前に行いたいこと、それは「ペルソナの設計」と「採用ブランディング」です。必要な人材要件とどの層にどのような情報を届けたいかを明確にすることで、効果的な採用活動が可能になります。
“ペルソナ”とは、マーケティング関連の用語として使われている言葉で、ユーザーの具体像をさします。ターゲットを「層」の設定とするならば、ペルソナは「個人」の設定を意味します。年齢、性別、居住地、職業、役職、性格、趣味、家族構成、価値観など、ひとりの人物像を固めるイメージです。
採用におけるペルソナを設計することで、潜在層の求めている情報や探索行動がより明確になり、効果的なアプローチが可能になります。
【参考】採用ペルソナとは?作り方や項目例を解説|テンプレート付き
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/persona/
“採用ブランディング”では、候補者に「どのような自社イメージを持ってもらうか」、「それをどのようなストーリーラインで伝えるか」という戦略設計を行います。
採用ブランディングの具体的な取り組み方は以下の記事で詳しく解説しています。
【参考】採用ブランディングとは?成功した事例と失敗しないための方法を解説
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/branding/
採用オウンドメディアを成功させる3つのポイント
続いて、採用オウンドメディアを成功させるコツをご紹介します。
1.業界・職種にまつわるコンテンツを発信する
採用オウンドメディアは、業界の最新トレンドをチェックしている優秀層や、「デザイナー 在宅」「エンジニア フルリモート」など、特定のキーワードで求人情報を検索する人材にリーチできるのが特徴です。
そのため、ミッション・カルチャーの発信に加えて、業界全体にまつわるコンテンツや、特定の職種の働き方に関するコンテンツも充実させるとよいでしょう。Web検索を通じて多くの転職潜在層にリーチでき、認知度向上やファン獲得につながります。
とくにエンジニア採用では、自社のシステムや技術に関する情報を発信する「技術広報」が注目を集めています。意欲的に情報収集している優秀層に対して、自社の技術力・やりがい・成長環境などをアピールできる点がメリットです。
技術広報の詳細は以下の記事で解説しています。ぜひあわせてご確認ください。
【参考】技術広報とは?目的・施策例・成功のコツを解説|事例つき
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/technical_pr/
2.社内への周知もはかる
採用オウンドメディアは、外部だけでなく、社内に向けても発信しましょう。採用オウンドメディアの周知は、従業員エンゲージメントの向上につながります。
採用オウンドメディアの記事を読むことで、企業の魅力を再発見する社員や、仲間の活躍に刺激を受けて仕事のモチベーションが高まる社員が増えるでしょう。従業員エンゲージメントが向上すれば、リファラル採用(社員紹介)の活性化が期待できます。
【参考】従業員エンゲージメントとは?3つの高める方法を紹介|事例つき
https://www.wantedly.com/hiringeek/organization/engagement/
3.中長期的に運用する
採用オウンドメディアは「潜在的な候補者」を増やすことが目的であり、効果が実感できるまで時間がかかります。そのため、長期目標・短期目標を設定し、中長期的に運用するのがポイントです。
目標設定の例
長期目標:採用活動全体のKPI
・応募数(認知度UP)
・選考通過率(母集団の質UP)
・入社後の定着率(ミスマッチの軽減)短期目標:メディアとしてのKPI
・採用オウンドメディアのPV数
・ターゲットキーワードの検索順位
・SNSのフォロワー数やインプレッション
短期目標を設定することで、モチベーションを維持しながら、定期的な効果検証・改善ができるようになります。KPIの設定手順は以下で解説していますので、ぜひあわせてご確認ください。
【参考】採用KPIの設定方法4ステップ|項目例や運用のポイントも解説https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/kpi/
採用オウンドメディアの成功事例5選
採用オウンドメディアの必要性や取り組み方の理解が進んだところで、事例を見てみましょう。一括りにオウンドメディアと言っても、コンテンツの作り方はさまざまです。
次に紹介する5社は、採用オウンドメディアで成果をあげている企業です。
1.株式会社 LINE【OnLINE】
Wantedly:https://www.wantedly.com/companies/line/feed
LINEは、採用手法を人材紹介からダイレクトリクルーティングに転向して成果をあげた企業のひとつです。2020年8月17日、採用担当者ブログ LINE HR BLOGをOneLINEに移設して運用が始まりました。“LINEでは、こうしています。”をメッセージテーマに、VISION(なぜ・事業の取り組み)CULTURE(社員インタビュー・WOWな出来事)WORKS(仕事・働き方)を発信しています。
2.株式会社サイボウズ【サイボウズ式】
URL:https://cybozushiki.cybozu.co.jp/
Wantedly:https://www.wantedly.com/companies/cybozu/feed
“カイシャ・組織”情報の発信だけではなく、社員にフォーカスした”働き方・生き方”、“家族と仕事”のカテゴリーが目を引く、サイボウズのオウンドメディア。“サイボウズのことを全く知らない人にサイボウズを好きになってもらう”をコンセプトに、チームワークの良さ、従業員エンゲージメントの高さを感じさせるコンテンツとなっています。なお、サイボウズ式のグローバルメディアとして“Kintopia”も運用しています。
3.エン・ジャパン株式会社【キャリアハック CAREER HACK】
URL:https://careerhack.en-japan.com/
Wantedly:https://www.wantedly.com/companies/en-japanrecruit/feed
エン・ジャパンが運用するのは、IT・WEB業界で働く人のためのメディア。業界の有名人インタビューやクリエイターの働き方、さまざまなキャリアストーリーの紹介をメインに配信しています。また、“新社会人のみなさんへ”、“読書をしよう”、“勇気がもらえる言葉たち”という特集も組まれており、IT・WEB業界で働く人を通してトレンドに触れたり、ライフスタイルを学べるメディアになっています。
4.株式会社メルカリ【mercan メルカン】
URL:https://mercan.mercari.com/
Wantedly:https://www.wantedly.com/companies/mercariapp-com/feed
mercanは、メルカリグループのメンバー全員が発信することができるコンテンツプラットフォームです。“メルカリの人を伝える”をテーマに、働く人に焦点をあてた“1on1”、“All for one”の記事を始め、職種ごとにカテゴライジングされた記事は、まさに転職潜在層へのアプローチに秀でたコンテンツと言えます。“エンジニアと立ち話”や“グローバル”といったタグも見られ、求職者の探索行動を正確に掴んでいます。
5.株式会社サイバーエージェント【FEATUReS】
URL:https://www.cyberagent.co.jp/way/features/
Wantedly:https://www.wantedly.com/companies/cyberagent/feed
FEATUReSは、豊富な画像や動画素材を使い、“採用”、“サービス”、“技術・デザイン”、“IR”の4つを主軸として配信するサイバーエージェントの公式オウンドメディアです。また、サイバーエージェントでは、インターネット広告に関する最新事例や手法を紹介する情報サイトの運用も行っています。CyberAgent AD.AGENCYhttps://ownedmedia-library.com/1071-cyberagent-agency/
採用オウンドメディアの代わりにWantedlyを活用している事例
オウンドメディアを0から立ち上げるのも1つの手ですが、Wantedlyを採用オウンドメディアとして活用すれば、制作コストを抑えつつ、スピーディーな認知度UPが可能です。
Wantedlyでは、フォーマットに沿って画像・文章を作成するだけで簡単にモダンな採用ページを作れます。ミッション・カルチャー・社員紹介など自由に企業の情報を発信できるうえに、作成したページは高い確率でGoogle検索の1ページ目に表示されるため、SEO施策に頭を抱える必要はありません。
実際にWantedlyを活用している企業事例を3社ご紹介しますので、ぜひ各社の施策やコンテンツを参考にしてみてください。
1.株式会社Gunosy
株式会社Gunosyは2020年12月以降、オウンドメディアをWantedlyに移行しています。さまざまな社員のインタビューや体験談、社内イベントである懇親会や忘年会などのレポートを掲載することで、企業カルチャーを積極的に発信しています。
URL:https://www.wantedly.com/companies/gunosy/stories
▶︎Gunosy社が活用しているWantedlyのサービス資料をダウンロードする
2.株式会社マネーフォワード
株式会社マネーフォワードは、社員インタビュー・役員メッセージ・イベントレポートなど、Wantedly上で年間数十本の記事を公開しています。
同社はWantedlyのダイレクトスカウトサービスも利用しているため、認知度向上とターゲット層へのアプローチを同時に実現し、採用につなげています。
URL:https://www.wantedly.com/companies/moneyforward/stories
▶︎マネーフォワード社が活用しているWantedlyのサービス資料をダウンロードする
3.and factory株式会社
and factory株式会社は、代表メッセージ・社員インタビュー・オフィス風景・福利厚生などを積極的に発信しています。社内メンバーの交流を目的としたボルダリング部の活動レポートでは、活気あふれるカルチャーが伝わってきます。
URL:https://www.wantedly.com/companies/andfactory/stories
▶︎and factory社が活用しているWantedlyのサービス資料をダウンロードする
まとめ
採用オウンドメディアは、企業の魅力を広く発信し、ミスマッチを防ぐために効果的な手法です。採用競争が激化し、転職潜在層へのアプローチが重要になってきている今、オウンドメディアでの情報発信は採用成功のカギといえるでしょう。
もしオウンドメディアを立ち上げる手間やコストが理由で導入を決めかねているなら、ぜひ低コストで簡単に採用ページが作れるWantedlyを検討してみてください。