採用活動におけるマッチング率の重要性に注目が集まっています。
転職希望者にとっての売り手市場が続き、企業側が多くの内定を出す傾向にある中で、入社後のミスマッチが会社に及ぼす影響にも目が向き始めているためです。
求職者が会社を選ぶ基準が多様化しており、働きやすさや社内の雰囲気、それにスキルアップ出来るかといった待遇以外の要素もミスマッチを増やす要因となっています。
早期の退職は、採用する企業側だけでなく転職する求職者側にとっても不幸です。
そこで就職活動の質がクローズアップされ、マッチング率つまり質の高い採用活動・就職活動が求められているのです。
採用活動でミスマッチがどんな影響をもたらすのでしょうか。マッチングに失敗する原因やマッチング率を高めるための手法に加え、「厳選採用」について見ていきましょう。
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採用マッチングに失敗する原因とは
採用活動におけるマッチングとは、企業側と候補者側のニーズ・認識が合致していることを指します。
一方、「候補者が企業に抱いているイメージ」と「企業の実態」に差がある場合、または「企業が候補者に期待しているパフォーマンス」と「候補者のスキル・性格」に差がある場合は、ミスマッチが生じていることとなります。
採用ミスマッチが生じる要因は次の5つです。採用ミスマッチによる早期離職率の高さに悩まされている場合は、自社の採用体制を見直してみましょう。
採用ミスマッチが生じる要因
1.開示している情報が少ない
2.よい情報しか伝えていない
3.候補者の適性を見極められていない
4.候補者に求めるポジション・キャリアイメージを伝えていない
5.入社後のフォローアップが不足している
詳細は以下の記事で解説しています。ぜひあわせてご確認ください。
【参考】採用ミスマッチが生じる原因とは?防止策と企業事例を紹介
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/mismatch/
採用ミスマッチがもたらす4つのダメージ
採用マッチングに失敗して早期離職者が出てしまうと、これまでの採用活動が無駄になってしまうだけでなく、既存社員や企業イメージにも悪影響を及ぼします。
採用ミスマッチによる企業側のダメージ
・金銭的なコストの損失(採用・教育にかかったコスト、在籍期間の給与など)
・欠員補充のための採用コストの発生
・既存社員のストレス増加やモチベーション低下
・離職率の高さによる企業イメージの低下
採用ミスマッチが続くと、職場の雰囲気が悪くなり、採用ブランディングも低下するため、採用活動はさらに難しくなってしまうでしょう。人材不足だからと闇雲に採用活動するのではなく、自社にマッチした人材に絞って丁寧に採用活動していく必要があります。
これからの採用は、母集団の「量」から「質」への思考転換がカギです。以下の記事にて、採用の新しい考え方・トレンドを解説していますので、採用が上手くいかずに悩んでいる方はぜひご一読ください。
【採用の新常識】上手くいかない採用から脱却するために必要な考え方https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/recruiting_textbook
採用マッチング率を高める4つの手法
企業が採用活動においてミスマッチを防止し、マッチング率を高めるためにはどのような対策を講じるべきなのでしょうか。
ここでは、4つの点から採用活動のマッチング率を高めるための手法について解説します。
1.採用基準の明確化
採用活動のマッチング率を高めるために効果的な手法のひとつが、採用基準の明確化です。
事業計画や採用計画から、どのような人材が必要であるのかスキルや経験、条件をしっかりと定義しておくこと。
そのためには経営陣と採用担当者だけでなく、配属先となる部署と条件を擦り合わせた上で採用活動に臨む必要があります。
また適性検査の実施も検討しましょう。適性検査では、応募者の性格や能力の特性を客観的に測ることができます。
現在社内で活躍している人材の特性に似た傾向であれば、マッチングの可能性も高いと考えることができるなど、ミスマッチを防ぐ効果の高い手法です。
正しい採用要件のつくり方に関しては、以下の記事をご覧ください。
【参考】採用要件の正しいつくり方|職種別のサンプルも紹介
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/requirements/
2.情報発信の強化
企業としての情報発信を強化することも、採用活動のマッチング率を高めるためには欠かすことのできない手法です。
自社のコーポレートサイトや採用サイトに最新の情報が掲載されているだけでなく、社内の雰囲気や経営者の考え方をしっかりと伝えることが重要です。
より深い理解を促し、共感を獲得するコンテンツであると良いでしょう。
もちろんオウンドメディアや採用アプリ、それにSNSを通じてファンを増やしておけば、転職潜在層が求職を考える上での候補となり、採用活動のマッチング率向上にも役立つはずです。
自社の魅力を伝え、働きがいのある会社であることを積極的な情報発信によってアピールしましょう。
採用広報とも言われるこうした活動に当たっては、会社ページや自社ブログをカンタンに作成・運営できるWantedlyを利用すると効率的です。
採用広報を成功させるポイントについては以下の記事で解説していますので、合わせてご覧ください。
【参考】採用広報とは?成功させるポイント・メリットを徹底解説【事例付き】
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/recruiting_pr/
3.採用手法の拡大
人材を採用するための手法は、求人広告の掲載だけではありません。
求人広告は多数の企業が利用するため埋もれてしまうことも多く、ターゲットとなる人材にリーチできていない可能性があります。
マッチング率を高めミスマッチのリスクを減らすためには、採用手法の見直しも視野に入れましょう。
例えば、既存の社員からの紹介によるリファラル採用はマッチング率が高いことで知られています。
社内でリファラル採用を制度化するのも良いでしょう。
また、採用基準が明確であれば、ダイレクトリクルーティングを活用して求める採用要件に合致する人材を積極的にスカウトする手法も効果的です。
以下の記事では採用手法について解説していますので、合わせてご覧ください。
【参考】採用手法比較8選|メリット・デメリットと新卒・中途別の想定料金を解説【比較表付き】
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/method/
4.採用プロセスの改善
マッチング率向上には、採用担当者のスキルアップや内定までのスピード、そして入社後のフォロー体制といった一連の採用プロセスを改善することも重要です。
面接の担当者には自社の魅力をしっかりと伝え、応募者の入社意欲を高める能力やRJP(現実的な仕事情報の事前開示)によるリアルで正直な情報伝達が求められます。
また、応募者が入社後に活躍できる人材であるかどうかを正しく見極めるスキルも必要です。
企業側が面接官のトレーニングという視点を持つことで、採用担当者のスキルアップを図っておくことが大切です。
他にも、選考スピードの遅さや選考回数の多さといった点が、採用活動のミスマッチに影響する可能性があります。選考通過の通知や選考回数は可能な限り早く、少なくを心がけましょう。
そして内定後や入社後のフォロー体制の整備も、ミスマッチ防止には欠かすことができません。
内定してから入社までの期間に社員との交流イベントを開催したり、入社後は人材が仕事内容や配置に満足しているかなどのフォローが必須と言えます。
採用プロセスにおいて、うまく情報開示をすることで、ミスマッチの防止にもつながります。
以下の記事も、ぜひ参考にしてください。
【参考】採用のミスマッチを防ぐためには|原因と有効な対策4選【事例つき】
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/mismatch/
採用活動を成功に導く厳選採用
採用活動においては、マッチング率が重要です。
応募者不足や選考・内定段階での辞退を防止するための手法、それに入社した人材が早期退職したり戦力不足とならないための取り組みが大切であることについて解説しました。
ミスマッチがもたらす企業への影響は、既存従業員の労働環境悪化やモチベーションの低下につながるだけでなく、将来的な人材不足や業績悪化を引き起こしかねないからです。
企業側は、ミスマッチの発生に備える対策として採用人数を増やすといった対応を取ることがあります。
しなしながら、ミスマッチによる人材流出を繰り返すだけの結果に終わってしまう可能性もあるのです。
売り手優位の就職活動市場においては、優秀な人材の獲得が困難です。
そのため企業は、「大量採用」の方針を取りがちですが、マッチング率を高め採用活動を成功させるという観点からは、「厳選採用」の方針をしっかりと社内で共有しておくことが重要です。
厳選採用とは
厳選採用とは、採用活動にあたり設けた採用枠に満たない場合でも、採用基準を満たす応募者がいない場合には採用しないという方針を言います。
売り手市場では人材の獲得が難しいため、企業は採用基準に満たない場合でも内定を出してしまいがちです。しかし、採用基準に満たない状態で入社するとミスマッチとなってしまう可能性が少なくありません。
そこで、採用基準を満たしていない場合には採用しないという「厳選採用」の方針を掲げることが、マッチング率を重視する採用活動で重要なポイントとなるのです。
厳選採用は企業規模がそれほど大きくなく、入社した人材が社内に与える影響の大きいベンチャー企業で取り入れられています。
売り手市場の中でも、マッチング率を重視した採用活動方針として定着しています。
厳選採用普及の背景
終身雇用制度が崩壊し人材の流動化が進むにつれ、企業の採用方針は量から質へと移り変わり、大量採用から厳選採用へとシフトしてきました。
また、2008年のリーマンショックによる求人倍率の低下で売り手市場から買い手市場へと変化した際に、企業の採用基準が上昇したことも、厳選採用の普及に影響しています。
そして2021年4月30日に厚生労働省は、2020年度の有効求人倍率が1.10倍と前年度の1.55倍から0.45ポイントと大幅に低下したことを発表。
リーマンショック後の市場変化と同様の採用基準上昇の流れが見込まれることに加え、新型コロナ禍からの景気回復を見越した企業が徐々に採用活動を積極化する動きの中で、厳選採用の方針が改めて注目を集め始めているのです。
【厚生労働省】一般職業紹介状況(令和3年3月分及び令和2年度分)について
厳選採用のメリット
厳選採用を取り入れるメリットは、2つの点から述べることができます。
1つはこれまで述べてきた通り、採用活動におけるミスマッチを抑制する効果です。
厳選採用では採用活動に妥協がなく、基準を満たす応募者だけを採用するため、内定辞退や早期退職、それに戦力不足となるなどのミスマッチを防止できる可能性が高まります。
また、厳選採用がもたらす2つ目のメリットとして、採用活動にかかるコストを長期的に抑えることができる点も見逃せません。
特に早期退職につながった場合には、入社してからの研修・教育にかかる多大なコストが無駄になってしまいますが、厳選採用によってうまくマッチングした場合には、このような損失を防ぐことができます。
採用マッチング率を高めるならWantedly
Wantedlyは、企業のミッションや価値観への「共感」で求職者とのマッチングをはかる採用サービスです。
Wantedlyには「ストーリー」というブログ機能があり、カルチャー・職場の雰囲気・社員紹介など、リアルな企業情報を自由に発信できます。
また、スカウトの送信も可能なため、自社にマッチした人材に絞ってアプローチできるのも特徴です。
Wantedlyでできることや具体的な料金は、以下のサービス資料にまとめています。ぜひ一度確認してみてください。
自社にマッチした人材の採用に成功した企業事例3選
最後に、採用マッチング率を高める手法として紹介した「採用広報」「リファラル採用」「ダイレクトリクルーティング」を活用して採用成功した企業事例を3つご紹介します。ぜひ各社の施策を参考にしてみてください。
1.and factory株式会社
and factory株式会社は「カルチャーマッチ」を重視しており、企業理念や社風への共感を高めるために採用広報を行っています。
同社が発信しているコンテンツは、代表メッセージ・社員インタビュー・オフィス風景・福利厚生など。Wantedlyのブログ機能である「ストーリー」を活用して、活気あふれる社員の様子がよくわかる記事を数多く投稿しています。
また、人材紹介会社と求める人物像のすり合わせをする際にブログ記事を活用。社員インタビュー記事を先方に読んでもらうことで、採用マッチング率の向上・コミュニケーションの効率化に成功しています。
Wantedlyでは、採用広報を活用して採用成功した2社をお招きし、持続可能な採用広報の施策についてトークセッションを行いました。イベントの内容は以下の資料にまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
2.株式会社アンドパッド
株式会社アンドパッドは、クラウド型建設プロジェクト管理アプリ「ANDPAD」を提供するスタートアップ企業です。同社は、自社にマッチした人材を採用するため、以下の施策にてリファラル採用を行いました。
・ペルソナを明確化し、数ではなく質にこだわる
・リファラル採用のプロジェクトにアサインする社員を絞る
→全社で取り組むのではなく、自社とマッチング率の高い業界出身の社員や、SaaS界隈で影響力が強い社員をピックアップし、効率よく質の高い母集団を形成
上記の施策により、1ヶ月あたりの紹介数は従来の6倍に増加。また、リファラル経由で選考に進んだ候補者の90%が内定承諾となり、非常に質が高く効率のよい採用ができています。
Wantedlyでは、注目のスタートアップ2社をお招きし、採用成功の秘訣や工夫のポイントについてトークセッションを行いました。イベントの内容は以下の資料にまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
3.Retty株式会社
Retty株式会社は、Wantedlyを活用してダイレクトリクルーティングを行っています。同社は以下の施策によって、自社の求める人材へピンポイントにアプローチし、返信率25%という候補者の心をつかむスカウトに成功しています。
・現場メンバー主導の採用体制
・スカウト文面の「質」だけでなく、スカウト送信の「量」にもこだわる
・スカウト文面にテックブログのURLを添付
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まとめ
採用活動におけるマッチング率の重要性と厳選採用について解説しました。
ミスマッチが企業に及ぼす影響は多岐に渡ります。
大量採用から厳選採用へと移り変わっている採用市場の現状を理解し、マッチング率を高めるための手法を取り入れて採用活動を成功させましょう。