売り手市場が続いている昨今、地方までアプローチ対象を広げている企業は少なくありません。現に、地方学生の採用は母集団形成以上のメリットをもたらします。
本記事では、地方学生を採用するメリット・デメリットや、採用成功のポイントを紹介します。知名度に左右されることなく地方学生を採用できる方法や、地方・都市部の採用が両立できるコストパフォーマンスの高い採用手法も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
新卒採用を成功させる新常識を解説
ここ最近の新卒採用は難易度が高く、既存の就活ナビサイトだけでは難しい時代が続いています。
新卒採用に悩む方々のために、就活ナビサイトに頼った採用から脱却し、優秀な学生を継続して採用できる方法を1つの資料にまとめました。
以下から資料をダウンロードして、これからの新卒採用に必要な知識を身につけましょう。
地方学生の採用が注目されている背景
少子高齢化にともなう労働人口の減少により、新卒採用では売り手市場が続いています。企業が候補者を「選ぶ側」として優位に立っていた時代は終わり、従来の「学生からの応募を待つ」スタイルが通用しなくなっているのが現状です。
そのため最近は、自社にマッチする人材を求めて、地方学生を含む多くの人材へ能動的にアプローチする企業が増えてきています。
SNSの普及や採用活動のオンライン化が進んでいる今、企業の所在地や学生の居住地はほとんど関係ありません。遠方の学生にも気軽にリーチできるようになった今だからこそ、自社にマッチする人材を求めて地方採用にも注力すべきでしょう。
以下の記事では、これからの採用に必要な考え方をわかりやすくまとめています。採用が上手くいかずに悩んでいる方や、最新のトレンドが知りたい方はぜひご一読ください。
【採用の新常識】上手くいかない採用から脱却するために必要な考え方
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/recruiting_textbook
地方学生の傾向と最新動向
地方に住む学生は、企業の面接を受ける度に交通費・宿泊費がかかるため、都市部の学生よりも就職活動にお金がかかります。選考のオンライン化が進んでいる今でも、就職活動費用は地域間で約1〜3万円の差があるのが現状です。
そのため地方学生は、「試しに面接を受けてみよう」と気軽に応募することはあまりなく、志望企業をある程度絞ってから応募する傾向にあります。
実際、学生のプレエントリー社数の平均を地域別で比較してみると、関東は24.9社であるのに対し、北海道・東北は11.3社、九州は11.0社です。応募数が都市部の半分以下になるほど、地方学生は企業選びに慎重かつ企業との接触機会が少ないといえるでしょう。
また、就職内定率も地域間で大きな差があります。関東の就職内定率は92.5%であるのに対し、北海道・東北は86.8%、九州は87.8%です。したがって地方学生は、企業側から積極的にアプローチすれば採用できる可能性が高いといえるでしょう。
引用:株式会社ディスコ 学生モニター調査結果(就職活動費用)、公益社団法人全国求人情報協会 就職活動の実態に関する調査(プレエントリー社数)、文部科学省・厚生労働省 就職内定状況調査(就職内定率)
地方学生を採用する5つのメリット
企業にとって、地方までアプローチ対象を広げることは容易ではありません。しかし地方学生の採用は、以下の5つのメリットをもたらします。
1.自社にマッチした人材と出会える可能性が高くなる
2.採用競合が少ない
3.配属先による内定辞退・早期離職の防止につながる
4.採用ブランディングにつながる
5.リファラル採用が強化しやすい
それぞれ詳しく解説していきます。
1.自社にマッチした人材と出会える可能性が高くなる
アプローチ対象を拡大することで、今まで出会えなかった人材にもリーチできるようになります。
母集団の数を増やせると同時に、さまざまな価値観・スキルをもつ候補者と出会えるため、自社にマッチした人材を採用できる確率が高くなるでしょう。
2.採用競合が少ない
前述の通り、地方学生の応募社数は、都市部の学生より少ない傾向にあります。
採用競合が少ないため、企業側から積極的にアプローチすれば採用につながる可能性が高いでしょう。
3.配属先による内定辞退・早期離職の防止につながる
全国に拠点をもつ企業の場合、配属先が地方であることが原因で内定辞退されてしまうケースがよくあります。
しかし地方学生なら、都市部の学生と比較して地方配属にそこまで抵抗がありません。むしろ地方配属を自ら望む人材もいるため、配属先の希望をとった際、エリアごとの倍率が均等になる可能性があります。
社員全員の希望が通りやすくなれば、内定辞退だけでなく早期離職も防げるでしょう。
4.採用ブランディングにつながる
現地に足を運んで企業説明会やミートアップを行えば、「採用活動に真摯に取り組んでいる企業」「地方学生の就職活動に協力的な企業」といったプラスのイメージを与えられます。
また、地方学生にリーチできるよう、採用広報やSNSでの発信を強化することも、採用ブランディングの一環になります。
【参考】採用ブランディングとは?成功のポイントや手法を紹介|事例つきhttps://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/branding/
5.リファラル採用が強化しやすい
地方学生は、都市部の学生よりコミュニティが狭く深い傾向にあります。ゼミやサークルの後輩との関係性も強いため、一度採用成功すれば、一気にリファラル採用を強化できるでしょう。
また、企業説明会や選考を通してよいイメージを与えられれば、内定に至らなかった候補者からもよい口コミが広がります。最初こそ応募の獲得に苦戦するかもしれませんが、次年度以降の母集団形成は徐々に容易になっていくでしょう。
【参考】リファラル採用とは?メリットや成功のポイントを紹介|事例つき
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/refferal_top/
地方学生を採用する2つのデメリット
地方学生の採用はメリットが多い反面、デメリットとも言える注意点があります。次の2点を押さえたうえで、地方学生にアプローチすべきか判断しましょう。
1.地元での就職を希望する学生が多い
株式会社マイナビの調査によると、地元就職を希望する学生は6割以上おり、年々増加傾向にあります。そのため地方学生は、その地域での就職を希望している可能性が高いです。
学生が「地元で働けること」を企業選びの絶対条件としている場合、どんなに自社の魅力を伝えても、地元企業より優位に立つことはできないため注意しましょう。
引用:株式会社マイナビ 大学生Uターン・地元就職に関する調査
2.採用コストがかかる
アプローチ対象を地方学生にまで拡大させれば、採用担当者の出張費や、学生の交通費・宿泊費などの費用負担は増えます。また、地方採用を強化するために新たな手法・サービスを導入することとなれば、その分コストが発生します。
前述した5つのメリットと自社の予算を照らし合わせたうえで、地方学生の採用を強化するかどうか判断しましょう。次章にてコストパフォーマンスの高い採用手法を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
【参考】採用コストの平均相場は?採用単価の削減ポイント
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/unit_price/
地方学生の採用手法3選|オススメサービスも紹介
都市部の学生と同様のアプローチ手法では、なかなか地方学生は採用できません。地方学生からの応募を多く集め、コストパフォーマンスの高い採用を実現するためには、以下3つの手法がオススメです。
1.ダイレクトリクルーティング
2.地方に特化した採用サービス
3.学内企業説明会
それぞれの特徴やメリットを詳しく解説していきます。
1.ダイレクトリクルーティングを活用する
ダイレクトリクルーティングとは、自社にマッチした人材を企業自らが探し、スカウトを送ることで直接アプローチする採用手法のことです。求職者からの応募を「待つ」のではなく、企業側からアプローチする「攻め」の採用手法として近年注目されています。
居住エリアや大学名でユーザー検索できるため、地方学生に個別アプローチできるのがメリット。また、スカウト文面にて企業の魅力や候補者への熱意を伝えられるため、知名度に左右されることなく採用できるのが特徴です。
近年では、就活生の3人に1人がダイレクトスカウトサービスに登録しています。1つのサービスで全国の学生にアプローチできるため、地方・都市部の採用が両立できるもっともコストパフォーマンスの高い採用手法といえるでしょう。
ダイレクトリクルーティングのサービスはいくつかありますが、Wantedlyならミッションに共感する人材やカルチャーフィットした人材の採用が可能です。スカウト返信率は他媒体と比較しても高く、募集は掲載し放題。Wantedly上でブログを投稿できるため、リアルな企業情報を自由に発信できます。
Wantedlyでできることや具体的な料金は以下のサービス資料にまとめていますので、ぜひ一度確認してみてください。
【参考】新卒ダイレクトリクルーティングサービス10選|比較表・成功事例つき
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/directrecruiting_newgrads/
2.地方に特化した採用サービスを導入する
地方学生からの応募を集めるには、地方に特化した採用サービスを導入するのもオススメです。前述のダイレクトリクルーティングと違って都市部の学生にはアプローチできませんが、地方学生のみが登録しているサービスのため効率よく母集団形成できます。
「地方学生のみにアプローチしたい」「地方採用を強化したい」という場合は、ぜひ次の3つのサービスを検討してみてください。
1.ジョーカツ
「ジョーカツ」は、地方から上京して就職活動している学生と、地方にはまだ知られていない成長企業をマッチングするサービスです。
同サービスでは、学生と採用担当者が食事をしながらフランクに交流できる「ジョーカツNIGHT」を週3回のペースで開催しています。企業の雰囲気を伝えやすく、学生の自然体の様子が知れるため、母集団形成に加えてミスマッチ防止が期待できます。
URL:https://jo-katsu.com/biz/(運営企業:株式会社ナイモノ)
2.ちほりけ
「ちほりけ」は、地方の理系学生に特化した人材紹介サービスです。
同サービスは完全成功報酬型のため、採用に至らない限り費用は発生しません。成功報酬額は1人あたり110万円と比較的高額ですが、登録学生の約7割が上位校のため、ハイクラスの理系人材を採用したい企業にオススメのサービスです。
URL:https://www.rikei-agent.jp/chihorike/(運営企業:株式会社ネオキャリア)
3.じもナビ
「じもナビ」は、U/Iターン就職に特化した求人サイトです。
地方に拠点があり、U/Iターン希望者や地元の大学に通う学生からの応募を集めたい企業にオススメのサービスです。
URL:https://www.jimo-navi.com(運営企業:株式会社クオリティ・オブ・ライフ)
3.学内企業説明会に参加する
過去の採用実績から自社とマッチングの高そうな大学がある場合、または自社の事業領域に近い研究を行っている大学に絞ってアプローチしたい場合は、学内企業説明会に参加するのもオススメです。
前述した2つの手法と違って現地に足を運ぶ必要はありますが、企業の魅力や熱意を直接伝えられ、「地方学生の採用に真摯に取り組んでいる企業」といったプラスのイメージを与えられます。
また、大手求人サイト主催の合同企業説明会よりも出展料が安く、相場は約10〜20万円です。ただし、出展を事前に申し込んだとしても、大学側の審査や抽選によって落選してしまう場合があるため、他の採用手法との併用がオススメです。
地方学生の採用を成功させる3つのポイント
続いて、地方学生の採用を成功させるコツを3つご紹介します。
1.SNSで企業情報を発信する
採用広報によって企業認知度を高められれば、地方を含む全国の学生からの応募増加が期待できます。
株式会社No Companyの調査によると、近年では約6割の学生がSNSで企業情報を収集しているため、Twitter・YouTube・Instagramなどの人気ツールでの採用広報がとくに有効といえるでしょう。
引用:株式会社No Company Z世代就活生のSNS活用に関する実態調査
Wantedlyでは、採用にSNSを活用したいと考えている方々のために、SNSごとの登録属性・必要な専門知識・活用時に失敗しないコツなどのノウハウを1つの資料にわかりやすくまとめました。ぜひ一度確認してみてください。
【参考】採用広報とは?成功させるポイント・メリットを徹底解説|事例付き
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/recruiting_pr/
2.オンライン企業説明会・Web面接を導入する
冒頭で解説した通り、交通費・宿泊費などの金銭的な負担が地方学生の「応募」のハードルを上げています。
そのため、オンライン企業説明会やWeb面接を導入し、どの地域の学生でも気軽に選考参加できる環境を整えましょう。オンライン環境を整えることで、応募数の増加はもちろん、会場費・出張費などのコスト削減もはかれます。
【参考】オンライン面接(Web面接)を成功させるコツを紹介|事例つき
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/online_interview/
3.内定後のフォローを丁寧に行う
地方学生は、就職だけでなく上京に対する不安も抱えています。また、地元を離れることを家族から反対されてしまうケースもよくあります。
そのため、地方学生の内定後フォローはより丁寧に行いましょう。フォロー方法としては、地方出身の社員との面談・交流会や、内定者の家族へのパンフレット・社内報の送付がとくにオススメです。
学生の不安を払拭して内定辞退を防ぐ方法は、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひあわせてご確認ください。
【参考】内定辞退防止につながる取り組み|中途・新卒別の防止策を紹介
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/decline_prevention/
人材の質にこだわった新卒採用をしたいならWantedly
Wantedlyに登録する学生は、ベンチャー企業の長期インターンを探す目的で、就活が始まる前から利用する場合が多く、一般的な就活媒体にはあまりいないキャリア形成意欲の高い学生が多いのが特徴です。
会社の知名度や評判よりも、事業への共感や自己が成長できる環境を求めているチャレンジングな学生に対して、以下の方法で攻めの新卒採用を実現することができます。
・自社の魅力を知ってもらうための発信
・待つだけでは出会えない学生へのダイレクトスカウト
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料金やサービスの詳細は以下の資料からご確認ください。
地方学生の採用に成功した企業事例5選
最後に、地方学生の採用に成功した企業事例を5つご紹介します。ぜひ各社の施策を参考にしてみてください。
1.リスタンダード株式会社
リスタンダード株式会社は、アスリートに特化した採用トータルプロモーション事業を展開している企業です。同社は学生からの認知度が低く、就活ナビサイトでは大手企業に埋もれてしまうことが課題だったため、知名度に左右されずに採用できるWantedlyの利用を開始しました。
同社が採用成功した秘訣は、ダイレクトスカウトで自社の求める人材へ直接アプローチしたことと、ブログ機能の「ストーリー」にて社員インタビューを掲載したことです。
「なぜ私はアスリートとビジネスマンを両立させているのか」「なぜ一番行きたくなかった人材業界に現在私はいるのか?」など、社員のバックグラウンド紹介を通じて企業の魅力やカルチャーを発信し、多くの学生を引きつけました。
その結果、北海道・京都・高知の地方学生の採用に成功。1年間で7名の新卒採用に成功し、採用コストも大幅に削減できています。
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2.株式会社新東通信
株式会社新東通信は、名古屋を拠点とする老舗の総合広告企業です。同社は従来、就活ナビサイトを使って母集団形成していましたが、自社の求める人材となかなか出会えないことが悩みでした。
そこで、ミッションや仕事内容を重視する人材が多く登録しているWantedlyの利用を開始。企業理念や仕事のやりがいに焦点をあてて募集を作成したところ、自社にマッチした人材からの応募が多く集まりました。
また、Wantedlyの運用を若手社員や内定者に任せたことも成功の要因です。「新入社員が入社を決めた理由」や「内定者から見た企業の魅力」をテーマにブログ投稿したことで、就活生の共感を生むような等身大の情報を発信できました。
結果として、自社とマッチングの高い2名の採用に成功。本社のある名古屋から遠く離れた仙台・広島の地方学生を採用できています。
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3.株式会社LASSIC
株式会社LASSICは、鳥取県を拠点とするITコンサルティング企業です。同社は従来、就活ナビサイトやリファラル採用で母集団形成していましたが、自社にマッチする人材からの応募が少ないことが悩みでした。
そこで、もともと中途採用で使っていたWantedlyを新卒採用でも活用。募集作成時は、「IT」ではなくミッションの「地方創生」を全面に出すことで、首都圏の企業との差別化をはかりました。
その結果、東京・宮崎・大阪・岩手・北海道など全国からの応募を獲得。従来の採用手法ではなかなか出会えなかった「企業理念に共感する人材」に広くアプローチできています。
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4.株式会社サイバーエージェント
株式会社サイバーエージェントは、「ABEMA」の運営や国内トップシェアを誇るインターネット広告事業を展開している企業です。同社は地方就活生コミュニティ「FLATOP(フラットップ)」を設立し、地方学生の就活支援を行っています。
FLATOPでは、関東圏以外の学生に対して事業責任者による講義やワークを実施。関東圏の学生とインターンシップのコースを分けることで、情報提供や交流機会の平等を目指しています。
5.株式会社ハシゴ
株式会社ハシゴは、サイバーエージェントグループの子会社として設立され、福岡を拠点にWebサービスの受託開発・運用を行っている企業です。
同社は福岡在住の学生に対して、自己分析や面接対策などの就活支援を実施しています。学生ファーストのイベントを開催することで、情報収集の機会に乏しい地方学生を支援しつつ、企業認知度の向上が期待できます。
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https://www.wantedly.com/projects/317631
まとめ
地方までアプローチ対象を拡大させれば、自社にマッチした人材を採用できる確率が高くなります。配属先による内定辞退・早期離職の防止や、採用ブランディングの効果も期待できるでしょう。
ぜひ今回紹介した手法や事例を参考にして、地方学生の採用を検討してみてください。