候補者の本音を引き出す|面接官のための質問集

企業で活躍できる人材か、希望条件と合致するか、価値観や人柄がマッチするかなど、あらゆる観点で判断が必要とされる面接。面接官も候補者の本質を見抜こうと日々さまざまなコミュニケーションを試していることでしょう。

今回は面接官が知っておくべき、人材の本質を見抜くための質問とポイントを紹介します。

選考から入社後まで意識すべき候補者体験については以下の記事で解説しています。ぜひ合わせてご覧ください。
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面接官の役割とは

面接官の役割は候補者の特徴を見極め、入社意欲を高める魅力づけを行うことです。候補者が適切な人材か見抜くことに注力しがちですが、候補者も同様に企業を見極めようとしています。

面接次第で選考辞退されてしまう可能性もあるほど、面接は採用活動において大きな役割を果たしています。

本音を引き出す面接の流れ

ここからは、候補者の本音を引き出す面接の流れを解説します。大切なのは、自己紹介などを通して面接官も自己開示することです。

候補者の緊張を和らげ、互いに情報交換ができると、自ずと候補者を見極めながら企業の魅力づけができる面接になるでしょう。

1.アイスブレイク

アイスブレイクとは、面接をはじめる前にリラックスした空気を作るための雑談です。

候補者によっては面接が苦手な人もいるでしょう。緊張状態で進めてしまうと相手の本質が見えづらかったり、相手も上手く話せなかったりと、双方にとって良い時間となりません。

はじめは面接と関係のない話で場の空気を和らげましょう。たとえば天気や気温の話、「緊張していますか?」と直接聞いてみるのも効果的です。

2.自己紹介

まずは面接官の自己紹介からはじめましょう。面接官は事前に候補者の情報を確認していますが、候補者は面接官の情報がわからないまま面接に臨む場合が多々あります。

所属・部署や担当している業務、これまでの経歴や入社した経緯など、人となりが見えるように自身の紹介をしてください。候補者も安心して会話できるようになるでしょう。

3.企業・業務の説明

企業概要・募集ポジション・業務内容など、丁寧に説明を行いましょう。求人票や企業のWebサイトだけでは、得られる情報に限度があります。

具体的なプロジェクト事例や今後の展望など、踏み込んだ説明をすることで理解も深まり、興味関心も高まるでしょう。資料を見せながら説明すると視覚的な情報も得られるためオススメです。

4.履歴書・職務経歴書を踏まえた質問

候補者に提出してもらった履歴書・職務経歴書を見ながら、確認したい事項、深堀りしたい事項を質問していきます。事前に聞きたいポイントを定めて、面接のゴールを決めておきましょう。

質問をする際には、なにを知りたいのか、質問意図が伝わると候補者が答えやすくなります。

5.候補者からの質問

面接では候補者から質問できる時間を設けましょう。企業が人材を見極めているように、候補者も企業を見極めようとしています。疑問や不安が残ったまま面接を終えてしまうと、辞退となる可能性もあるでしょう。

質問が来るのを待つだけでなく面接官からも、「◯◯に関しては大丈夫でしょうか?」と促してあげると好印象です。候補者からは聞きづらい内容もあるので、先回りしてフォローしましょう。

6.事務的事項の確認

入社可能時期、希望条件など、事務的事項の確認は最後に行いましょう。聞き漏れのないよう注意してください。

フェーズごとに見る面接官必見の質問

面接官必見の、人材の本質を見抜く質問を紹介します。

質問内容はターゲットによって変わります。1つのテンプレートに固執せず、柔軟にカスタマイズして臨んでみてください。

1.アイスブレイクになる質問

アイスブレイクでは面接内容と関係ない質問がオススメです。
「オンライン面接はされたことありますか?」
「来社される際、道に迷いませんでしたか?」
など、気軽に答えられる内容が好ましいです。

お互いにリラックスして話せる雰囲気づくりが目的のため、ラフなコミュニケーションを心がけましょう。

2.経歴確認に関する質問

これまでの経歴を確認する際は、候補者に自己紹介をしてもらってから、気になる部分を補うように質問するとスムーズです。

聞く際には、履歴書と職務経歴書は拝見しておりますが、「あらためめて自己紹介をいただけますか?」と事前に書類を確認している点を伝えてあげると、候補者もどこを重点的に伝えれば良いのか明確になります。

その後、聞きたいポイントを深堀りしていきましょう。

職務経歴書やポートフォリオに添って、
「1番心に残っているプロジェクトを教えてください」
「成果をあげたプロジェクトを教えてください」
など、具体的な経験を軸に話を聞けるとスキルの判断がしやすくなります。

3.転職のきっかけや退職理由に関する質問

転職のきっかけや退職理由は候補者の本音が見えやすい部分です。どういう経緯で今に至り、どんな未来を望んでいるのか、イメージできるよう話を聞いてみましょう。

候補者によっては辛い経験によって転職・退職に至った可能性もあります。

「転職に至った経緯をお聞かせいただけますか?」
「退職しようと考えたのは、何かきっかけがあったのでしょうか?」
など、誠実に話を聞く姿勢をもちましょう。

候補者が話している最中は、頷きや共感を入れることも大切です。共感してもらえると、候補者は安心して当時の状況を伝えられます。

4.志望動機・意欲を確認する質問

志望動機や入社意欲は、候補者が企業のどんなところに興味をもったのか、何を期待しているのか、どれくらいの志望度なのかを知るために有効な質問です。

候補者にとっては緊張する質問事項でもあるため、場があたたまってきた面接の後半あたりで聞けると良いでしょう。

「今回ご応募いただいた理由をお聞かせいただけますか?」
「当社のどんなところに興味をもって、ご応募いただいたのでしょうか?」
と、応募理由のなかでも聞きたいポイントがあるなら、盛り込みながら聞いてみると良いです。

また、「何社選考を受けていますか?正直なところ、他社と比較して志望度はいかがですか?」と率直に志望度を聞いてみるのも良いでしょう。

5.課題解決力を見極める質問

目の前の課題に対してどのような取り組みをしたのかを聞くことで、課題解決力や物事への向きあい方を図れます。

「これまで苦労したプロジェクトはありますか?」

「これまでの人生で1番大変だったことはなんですか?」
などの質問をすると良いでしょう。

またストレスになりやすいポイントも知れるため、入社後にケアしやすくなるメリットもあります。

6.人柄・価値観を見極める質問

人柄や価値観などパーソナルな部分を知るには、1つの質問をより深く掘り下げていくと良いでしょう。

たとえば強みと弱みを教えてくださいからの返答で、気になった箇所を深堀りします。長所と短所は候補者自身の自己分析によって回答が生まれるため、パーソナルな部分が見えやすいので効果的です。

7.カルチャーマッチを見極める質問

企業の風土にマッチしているか判断する質問も欠かせません。

「仕事をするうえで、どんな価値観を大切にしていますか?」
「どんな環境下で働きたいと考えていますか?」
「将来的なキャリアはどうお考えですか?」

と、候補者の根底にある想いを深堀りしましょう。

面接官がやってはいけない行動

面接官がやってはいけない行動を4つ解説します。企業の魅力づけを行うことも面接官の重要な役割です。

理解不足で候補者の質問に答えられない、モラルに反する発言をしてしまうなどの事態が起こらないよう注意しましょう。

1.モラルに反する質問をする

モラルに反する質問や発言は控えましょう。面接官は候補者にとって企業の顔です。候補者を不快にするコミュニケーションをしないよう細心の注意が必要です。

一般的にも、本人の自由である事項、本人の責任ではない範囲に関する質問はタブーとされています。たとえば本籍や出生地・家族関係・家庭環境・宗教・政治などが該当します。年齢や容姿に関する質問も避けたほうが良いでしょう。

2.準備不足のまま面接に臨む

面接は事前準備を整えた状態で臨みましょう。準備が不十分な場合、業務や働き方を正しく説明できず、候補者に不安を抱かれてしまいます。

また、履歴書や職務経歴書を詳しく確認せず臨んだ際も同様です。場合によっては、候補者に準備不足を見抜かれて悪い印象をもたれてしまうでしょう。

3.横暴な態度で面接をする

候補者に答えを強いるような態度や誘導する質問はやめましょう。悪い印象をもたれると同時に、候補者から本音を引き出せなくなります。

ただし、リラックスできる雰囲気づくりのためにくだけすぎた態度を取ってしまうのも注意です。不必要にフレンドリーに対応すると失礼に当たるため、節度は保ちましょう。

4.質問意図がわからない内容を聞く

意図がわからない質問は避けましょう。候補者が困惑し、意図しない捉え方をされる恐れもあります。

少し変わった質問をする際は、何を知るために質問するのか、意図を明確に提示してから聞きましょう。

活躍する人材を見極めるポイント

企業にマッチする人材かどうか見極めるポイントを4つ紹介します。

1.採用ペルソナを明確にする

企業で活躍する人材かどうか見極めるには採用ペルソナが明確である必要があります。採用活動における「ペルソナ」とは、自社が採用したい人物像のことです。

曖昧な状態だと判断が難しくなるだけでなく、入社後にミスマッチが起こる可能性もあります。

まずは配属先となる現場社員とともに採用ペルソナを設定して、面接で判断するポイントを言語化しましょう。

▼採用ペルソナの簡単な作り方|新卒・中途別に徹底解説
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/persona

2.候補者の本音を引き出す

面接では候補者の本音がわからないと辞退されたり、後々ミスマッチが起こったりしてしまいます。まずは話しやすい雰囲気づくりを心がけ、信頼関係を構築できるよう尽力しましょう。

また面接官の反応が悪いと焦って回答したり、面接官が好みそうな回答をしたりしてしまう場合もあります。面接官自身のエピソードを話したり、候補者の話に共感したり、寄り添う姿勢も大事です。

3.質問内容を深堀りする

一問一答ではなく、返答に対してさらに踏み込んで質問しましょう。候補者は履歴書や職務経歴書からではわからないエピソードをたくさんもっているはずです。どんどん引き出していきましょう。

候補者が経験してきたストーリーを聞けると、培ってきたスキル、それを得た背景、物事の捉え方、喜びを感じる瞬間など、パーソナルな部分を含めて詳しく知ることができます。

4.面接評価基準を明確にする

面接官によって面接評価基準がバラバラな場合は見直しが必要です。理想は誰が面接しても同じゴールにたどり着けることでしょう。

明確な評価基準を設けるためにも、ターゲットごとに面接評価シートを取り入れると良いです。評価シートがあることで、面接官の主観による判断を防ぎ、確認すべきポイントを抑えて臨めるようになります。

【参考】新卒・中途別、面接評価シートの作り方【すぐ活用できるサンプル付】
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/interview_sheet

面接官がスキルアップする方法

面接官がスキルアップする方法を3つ紹介します。できることからチャレンジして、人材の見極め力と企業の魅力づけ力を高めていきましょう。

1.採用CX(候補者体験)を意識する

採用CX(Candidate Experience)とは、候補者の選考が終了するまでの、一連の体験をよりよくすることです。採用活動の各種フェーズで候補者にどんな価値を届けるか言語化すると、アクションがより洗練されるメリットもあります。

採用の合否問わず、選考を受けた時間が候補者の発見や喜びにつながる体験となるよう意識してみましょう。

▼採用CXとは?注目の理由とメリット、導入事例を徹底解説https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/recruiting_cx

2.インタビュー力を高める

面接官はいわば、インタビュアーです。表面的な情報だけでなく、深堀りした質問で候補者の考え方や価値観、良いところを引き出していきましょう。

踏み込んだ質問をする際は、なぜ?の視点をもつと良いです。なぜそう考えたのか、なぜその結果にたどり着けたのか、気になったポイントを聞いていきましょう。

また具体的な事例をあげてもらうのも効果的です。事例のなかには候補者ならではのエピソードが詰まっています。

以下の記事では、面接官が心得ておくべき知識や面接官トレーニングの手法を解説しています。ぜひあわせてご確認ください。

【参考】面接官トレーニングで自社にあった人材を採用する|面談・面接に役立つナレッジを解説
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/interviewer_training/

3.オンライン面接に慣れる

昨今ではオンライン面接が主流です。メリットも多い反面、対面でないと伝わりにくい部分もあるでしょう。

とはいえ対面面接に固執するのではなく、どうすれば意図している内容をオンラインで伝えられるのか、資料を用いてみたり、選考フェーズによって面接官を変えてみたり、あらゆる手段を試してみましょう。

今後もオンライン面接は欠かせない採用ツールとして発展します。企業にとって最適なオンライン活用方法を見つけてみてください。

候補者と企業の相互理解が乏しい場合には、オンラインカジュアル面談の導入がオススメです。

カジュアル面談とは求職者と採用担当者がラフに知りたい情報を交換する機会のことです。入社後のミスマッチを防げたり、企業のアピールができたりと、あらゆるメリットがあります。

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【参考】カジュアル面談とは?効果的に面談を進めるコツを解説
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/casual_interview

面接を改善して採用に成功した事例

Dreamly Ltd

Dreamly Ltdでは、カジュアル面談を通してフロントエンジニア2名の採用に成功しています。

カジュアル面談を導入する前は「1人でも多く優秀なエンジニアを採用したい」という想いから、自社のよい点ばかりを伝えてしまい、結果として入社後のギャップやミスマッチが発生。

しかし、カジュアル面談にて自社のよい点だけでなく過去の失敗やまだ整っていない部分まで率直に伝えるようにしたことで、お互いの期待値を合わせられ、価値観の合う人材を獲得できるようになりました。

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株式会社スリーシェイク

株式会社スリーシェイクでは、カジュアル面談を通してエンジニアを中心に20名以上採用しています。

以前はチェックリストをもとに求職者のスキルを見極めるための面談を実施していたものの、正確にスキルを把握するのは難しくアンマッチが発生。

そのため、面談の形式を「スキルを見極めるための面談」から「パーソナルな部分を知るためのカジュアル面談」へと変更しました。

カジュアル面談は複数名の社員と雑談する形式で、求職者が知りたいことに答えるスタンスで実施しています。

スリーシェイク社が採用成功したWantedlyのサービス資料をダウンロードする

メトロエンジン株式会社

メトロエンジン株式会社では、カジュアル面談を通して営業担当2名、カスタマーサクセス1名の採用に成功しています。

知名度のある会社ではないからこそ、いきなり面接するのではなく、カジュアル面談によってまずは企業理解を深めてもらうことを重視。

カジュアル面談にてざっくばらんに自社の魅力を伝えることで志望度を上げ、その後の選考・内定までつなげることに成功しています。

メトロエンジン社が採用成功したWantedlyのサービス資料を無料ダウンロードする

まとめ

今回は面接官必見の人材を見極めるための質問事項やポイントを解説してきました。面接官の役割は人材を見抜くことと、企業の魅力づけをすることです。

一問一答のような面接ではなく、会話を通して情報交換できる面接を目指していきましょう。

以下の記事では、これからの採用に必要な基本的な考え方や、採用のトレンドについてわかりやすくまとめています。ぜひあわせてご覧ください。

【採用の新常識】上手くいかない採用から脱却するために必要な考え方
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