新型コロナウイルスの感染拡大を受け、2020年以降の採用活動には大きな変化が生じています。対面での採用活動が難しくなったことで、新卒学生向けの会社説明会をWebで開催する企業も増えました。
Web説明会を成功させるためには、対面での説明会とは異なる工夫が必要です。本記事では、Web説明会の種類や実施にあたっての注意点を解説します。
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Web説明会とは
Web説明会とは、PCやスマートフォン、タブレットから参加できる会社説明会のことです。オンライン説明会と呼ばれることもあり、求職者は場所を問わず説明会に参加できます。
新型コロナウイルス感染症が流行する以前は、会社説明会は大きなホールや会議室で行われることが一般的でした。しかし2020年以降は、感染防止の観点からオンラインで実施する企業が増えています。
Web説明会の内容は、対面で行う説明会とほとんど同じです。会社概要や事業内容の紹介、代表の挨拶、従業員が働いている様子などを、Web会議システムなどを通して配信します。
なお、本記事は就職活動を行う学生向けの会社説明会を想定して解説しますが、中途採用向けの説明会でも同様に参考にしていただけます。
Web説明会が普及した背景
Web説明会が普及した背景には、新型コロナウイルス感染症による影響に加え、就活生の環境や就職活動の変化があります。
1.新型コロナウイルスの影響
新型コロナウイルス感染症の拡大により、人と接触する機会を減らさなければならなくなったことで、対面による会社説明会の実施が困難になりました。
緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の発出によって、対面の会社説明会を実施できなくなったケースも少なくありません。感染症の流行の波が断続的に続くなかでは、予定を立てるのも難しい状況です。
一方、Web説明会であれば、急な事態が発生しても予定通りに説明会を実施できます。感染防止の観点からも有効なため、急速にWeb説明会が普及した理由と考えられます。
2.就職活動のトレンド
学生の就職活動期間が短くなったことで、就活生も企業も効率化を求めています。対面で行う説明会では、説明会の実施までにかかる手間やコストが増大し、就活生も会場までの移動などに時間を割かれてしまうため気軽に参加できません。
希望する企業に短期間で就職したいと考える就活生は、多くの時間が割かれる説明会を避ける傾向があります。就活生が参加しやすい環境を提供して接点を確実に増やしていくために、Web説明会に切り替える企業も少なくありません。
Web説明会のメリットとデメリット
Web説明会には、対面の説明会にないメリットとデメリットがあります。
企業側のメリット
説明会をWebに切り替えることで、企業は説明会の開催にかかる時間とコストを削減できます。
対面の場合、スケジュールを組み会場を押さえて、参加する役員や従業員の日程を調整し、参加を募って定員の範囲内に収まるよう調整したうえで実施する必要があります。
一方、Web説明会では会場を押さえる必要がありません。役員や従業員がリアルタイムで参加しなくても開催できるよう、必要な部分を別々に録画して対応することなども可能です。
また、Web説明会では定員にも融通が効きます。参加希望者にURLを配布して視聴してもらうだけで完了です。
こうした特徴から、これまで接点を持てなかった学生にも広くアピールが可能です。遠方に在住する学生の参加も募れ、優秀な人材を獲得する機会が増加します。
企業側のデメリット
メリットがある一方で、Web説明会にはいくつかのデメリットも懸念されます。
- 参加者の反応が見えづらい
- Web説明会を実施するための環境を整えなければならない
ライブ配信形式で就活生とコミュニケーションを取れるようなWeb説明会を実施しても、Web説明会で得られる情報は対面と比較してどうしても少なくなります。また、動画で配信する場合は、このデメリットはさらに顕著に表れがちです。
Web説明会を実施するための体制構築が難しいケースも考えられます。ITツールを使い慣れている従業員がいない企業では、担当者の選定も難航するでしょう。
学生側のメリット
学生にとって、Web説明会は時間や場所の制約なく参加できることがメリットです。
さまざまな企業の説明会に参加したい学生にとっては、移動にかかる時間の削減は大きな課題です。自宅から参加できるWeb説明会なら、1日に複数の説明会に参加することも可能になります。
学生側のデメリット
説明会の実施形式によっては、リアルタイムに質問できないことがあります。企業に関する情報をより多く引き出したい学生にとっては、対面の方が望ましいです。
また、学生によっては、Web説明会に参加する環境がありません。スマートフォンからの参加の場合、参加中に通信制限などが発生することも懸念されます。
Web説明会の種類
Web説明会には主に2つの種類があります。
- ライブ配信形式
- 録画配信形式
それぞれの特徴を理解して、うまく使い分けていきましょう。
1.ライブ配信形式
ライブ配信形式のWeb説明会は、Web会議システムなどを用いてリアルタイムで実施します。決まった配信時間に、企業と参加者が同じシステム上から配信と視聴を行う形式です。
この場合、事前に参加の申し込みを受け付けます。使用するツールによっては参加人数に上限があるため、対面と同様にスケジュールと参加人数の調整が必要です。
ライブ配信形式のメリットは、配信中にチャット機能などを使って参加者から質問を受け付けられることです。学生とコミュニケーションを取りたい企業にオススメです。
また、ライブ配信を録画すれば、当日参加できなかった学生や、説明会を振り返りたい学生に向けて動画を配信できます。
2.録画配信形式
録画配信形式のWeb説明会は、事前に収録した録画を就活生に視聴してもらう形式です。動画を採用サイトに掲載したり、参加を希望する就活生にURLを配布するだけで説明会に参加してもらえます。
この形式では、就活生とのコミュニケーションが取れないため反応を見られません。一方、より多くの学生に参加してもらえる可能性が高まるメリットがあります。
Web説明会のオススメサービス3選
Web説明会は、Zoom・Microsoft Teams・YouTubeなどの無料ツールでも行えますが、参加可能人数や説明会後の採用効率を考えると、Web面接や候補者管理も同一システムでできる有料ツールを導入するのがオススメです。人気かつ多機能なツールを3つ紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
1.インタビューメーカー
「インタビューメーカー」では、最大1,000人に対してライブ配信が行えます。画面共有機能によって資料も投影でき、アーカイブも残せます。
また、参加者はWeb説明会中に質問を投稿できるようになっているため、双方向のコミュニケーションが可能です。投稿内容や参加者リストをCSV形式で出力できるのも便利です。
さらに、同サービスにてWeb面接・録画面接も行えます。候補者管理・日程調整などの採用管理機能も付いているため、採用業務の効率化もはかれます。
【配信形式】ライブ配信・録画どちらも可
【同時接続】最大1,000人まで
【料金】397,400円/年〜(複数プランあり)
【運営】株式会社スタジアム
【URL】https://interview-maker.jp/
2.playse.web面接
「playse.(プレース)web面接」は、応募から最終面接までのオンライン化をサポートするサービスです。同サービスでは、Web説明会の動画やスライドを簡単に公開でき、動画視聴後は専用のエントリーシートや大手求人サイトの応募フォームにアクセスできる仕様になっています。
また、同サービスにてWeb面接・動画選考も可能です。面接のリマインダーメール送信・候補者管理・日程調整などの採用管理機能も付いているため、採用業務の効率化もはかれます。
【配信形式】あらかじめ用意した動画データを公開(用意がない場合は別途料金にて動画制作をサポートしてもらえる)
【料金】14,800円/月〜(複数プランあり)
【運営】株式会社manebi
【URL】https://playse.jp/meet/
3.i-web
「i-web」は、さまざまな応募経路の候補者を一元管理できる採用管理システムです。大手求人サイトの「リクナビ」「キャリタス就活」や、ダイレクトリクルーティングサービスの「OfferBox」、ヒューマネージの適性検査やSPI3などとリアルタイム連動できるため、圧倒的な利便性を誇ります。
i-webのオプション機能である「i-web CAST」を利用すれば、最大100万人に対してライブ配信ができ、配信映像の録画も可能です。同サービスにてWeb面接・録画面接・オンライン社員訪問も行えます。
また、採用活動の進捗状況をリアルタイムで確認できるダッシュボード機能が付いているため、スピーディーな課題発見・改善が可能です。採用業務の効率化をはかりながら、採用効果も高められるサービスです。
【配信形式】ライブ配信・録画どちらも可
【同時接続】最大100万人まで
【料金】要問い合わせ
【運営】株式会社ヒューマネージ
【URL】https://i-web-ats.humanage.co.jp/
Web説明会を実施するときの注意点
Web説明会を実施する際には、気をつけたいことがいくつかあります。
- 途中退席される可能性がある
- 通信状況が乱れることがある
- 対面に比べて伝わりづらい
Web説明会のメリットだけでなく注意点にも目を向け、よりよい説明会が実施できるよう気を配りましょう。
1.途中退席される可能性がある
Web説明会には、企業が遅刻や途中退席に気づきにくい特性があるため、参加者にとって遅刻や退席の心理的ハードルが低くなりがちです。
また、録画配信形式のWeb説明会では、就活生がいつ視聴し離脱してもリアルタイムに把握することが困難であるため、途中退席の心理的ハードルはさらに下がります。
企業は、参加者が飽きない工夫を施すとともに、配信後にメールでフォローするなどの施策が欠かせません。
2.通信状況が乱れることがある
事前にいくら準備をしていても、当日の通信状況次第では配信が乱れてしまうことがあります。また、慣れないうちはツールを想定通りに使えないこともあります。
企業側の配信を安定させるためには、Wi-Fiを使用せず有線接続で対応する方法も検討すべきです。配信ツールをきちんと使えるよう、事前のリハーサルも欠かせません。
3.対面に比べて伝わりづらい
Web説明会には、対面の説明よりも定性的な情報が伝わりにくい特性があります。たとえば”同僚の熱量”といった数値化できない情報の共有は難しくなります。
企業の雰囲気を伝えるためには、日常の業務風景を録画して配信する、ライブ配信で現場の風景をリアルタイムに配信するなどの工夫が有効です。
Web説明会の成功事例3選
では実際に、Web説明会を実施している企業事例を3つご紹介します。ぜひ各社の施策やコンテンツを参考にしてみてください。
1.プロパティエージェント株式会社
プロパティエージェント株式会社は、DX不動産事業を展開している企業です。同社の新卒採用向けWeb説明会は、録画形式とライブ配信形式を使い分け、2段階で実施しています。
まず、Web説明会に予約した学生へ向けて企業説明動画のURLを送付。事前に企業理解を深めてもらうことで、当日は質疑応答を中心としたライブ配信形式のWeb説明会が実現できています。学生の知りたい情報を十分に提供できており、動機づけに成功している例といえるでしょう。
実際に、説明会に参加した学生からは「質疑応答がメインだったため、インターネットだけでは得られなかった情報が知れた」「社風や人柄が伝わってきた」などの声があがり、満足度は97%となっています。Web説明会に参加した学生にアンケートを取り、随時コンテンツをブラッシュアップしているのも成功の要因です。
【参考】【学生3,000人に大調査】満足度97%の会社説明会TOPLIVEとは?https://www.wantedly.com/companies/propertyagent/post_articles/427425
2.ネットビジョンシステムズ株式会社
ネットビジョンシステムズ株式会社は、ネットワークの設計・構築・運用・保守サービスを提供している企業です。同社は新卒採用向けにWeb説明会を実施しています。
通常、Web説明会では一度に多数の候補者が参加しますが、同社の場合は1対1の対話形式で開催。「質問しづらい」「コミュニケーションが取りにくい」といったWeb説明会のデメリット解消に努めています。
また企業説明の際は、自社の紹介に加えてIT業界・ネットワークエンジニアに関する説明も実施。就職活動の悩み相談も受け付けており、候補者一人ひとりに寄り添った採用活動を行っています。
【参考】Web説明会ってどんな雰囲気?気になるWeb説明会の様子を紹介します!https://www.wantedly.com/companies/netvisionsystems/post_articles/229969
3.Evand株式会社
Evand株式会社は、人材派遣事業やSES事業を展開している企業です。同社は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、説明会および選考のオンライン化を進めています。
同社では、約36分の企業説明動画をYouTubeに公開する形でWeb説明会を実施。再生回数は4万回を超えており、非常に多くの求職者にリーチできています。
動画の概要欄には公式LINEのQRコードがあり、視聴後すぐにLINEから応募できるようになっています。説明会の目次と時間指定リンクも概要欄に載せており、気になる部分だけ視聴できるようになっているのも求職者目線で親切な印象です。
また、動画は終始アットホームな雰囲気で、社員同士の仲の良さが伝わってきます。最後にNGテイクを流すユニークな演出もあり、親近感の湧く内容となっています。
【参考】前年度4万回再生超え!Web会社説明会を公開!https://www.wantedly.com/companies/Suprieve/post_articles/394132
母集団形成を効果的に進めるならWantedly
会社説明会は新卒学生の採用には欠かせない手法です。しかし少子化の影響などから参加者がなかなか集まらないなど、母集団形成に課題を抱える企業も少なくありません。
会社説明会の参加者の募集にあたっては、Wantedlyをご活用いただけます。Wantedlyは、企業の理念やビジョンなどをストーリーで伝えられるビジネスSNSです。業務内容だけにとどまらず、企業の想いまで読み取ってもらえるようにアピールできます。
また、イベントの開催をサポートするミートアップ機能を用いれば、イベントの参加者をWantedly上で募集することも可能です。
企業の想いに共感する参加者を集めるために、ぜひWantedlyの活用をご検討ください。
まとめ
すでに多くの企業が取り入れているWeb説明会の開催は、企業だけでなく新卒学生にもメリットの大きい施策です。効果的な説明会の実施で多くの就活生にアプローチできれば、採用率の向上にもつながります。
採用活動のオンライン化が本格化しているいま、Web説明会の巧拙は採用の成否に直結する重要なポイントとなっています。