採用の入り口ともいえる母集団形成は、新卒採用において重要な役割を持ちます。多くの学生に円滑にアプローチし採用につなげられるよう、多くの企業が母集団形成に取り組んでいます。
「求人を出しても応募が少ない」「学生に認知されない」など、新卒採用における企業の課題を解消するには、どのように母集団形成に取り組めばよいのでしょうか。本記事では、母集団形成のポイントと成功事例を紹介します。
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新卒採用における母集団形成とは
新卒採用における母集団とは、企業や企業の求人に興味関心を持つ就活生や、実際に応募した採用候補者の集団のことです。
母集団形成を効果的に行うには、どのような学生でも人数が集まればいいという考えではうまくいきません。母集団形成のポイントを踏まえて施策を実行する必要があります。
【参考】母集団形成とは?集め方や手法を解説|事例つき
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/candidate_group/
新卒採用で母集団を形成する際の3つのポイント
新卒採用を目指して母集団を形成する際には、次の3つのポイントを重視して施策を実施します。
- 候補者のペルソナを明確にする
- チャネルごとにPDCAを回す
- 市場のトレンド・変化を捉える
1.候補者のペルソナを明確にする
企業にマッチする人材を明確化するために、母集団形成の段階で求める人材像(ペルソナ)を設定します。
ペルソナは、企業のミッション・ビジョンや働き方、想定配属部門の業務内容などを勘案して策定します。各部門から業務に適した人材の要件定義を吸い上げることはもちろん重要ですが、業務関連以外の事項、たとえば候補者の趣味や性格なども想定しておくと、面接などでの判断基準になります。
なお、ペルソナをあまりに詳細に決定してしまうと、当てはまる候補者が減り、かえって採用が難しくなる点には注意が必要です。
設定したペルソナを、募集要項作成、採用媒体(チャネル)の選定、選考時の評価基準に役立てていきます。
【参考】「採用ペルソナ」が「採用ターゲット」より重要な理由|設計方法も解説
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/persona/
2.チャネルごとにPDCAを回す
ペルソナに適したチャネルがひとつであるとは限りません。むしろ、学生エントリー型の就活サイトや後述のダイレクトリクルーティングのためのサービスなど、複数のチャネルを駆使して採用活動を行っている企業が一般的です。
ポイントになるのは、各チャネルの特徴を見極めた採用活動の展開です。各チャネルは人材プール(登録者)が異なるのはもちろん、サービスの設計思想の特徴などから、候補者とのコミュニケーション手段にも大きな違いがあります。
全チャネル一律に施策を打つのではなく、各チャネルの性質を見極めながら施策を出し分け、個別にPDCAを回すのが効率的な母集団形成のポイントです。
3.市場のトレンド・変化を捉える
学生の動向や市場の変化を捉え、それにあわせた手法を選択することも重要です。従来の手法も必要に応じて残しつつ、新たな手法も検討していきましょう。
たとえば、経団連は新卒一括採用の見直しを加速させるよう企業に促す方針を打ち出しています。この方針が実現すれば、大量採用を前提に学生エントリー型就活サイトを利用する従来の採用手法が、今後はうまく機能しなくなるおそれがあります。
対策として、学生を直接スカウトして一人ひとりと向き合えるダイレクトリクルーティングなど、新たな採用手法を検討する必要が出てきます。
【参考】就職活動と長期インターンシップに関する調査結果
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/pr_20230215/
新卒採用市場の変化
ポイントを踏まえつつ、母集団を実際に形成していくためには、近年の新卒採用市場に生じている変化も把握しておく必要があります。
1.有効求人倍率の増加
厚生労働省によると、日本の有効求人倍率は2009年以降ほぼ右肩上がりに増加しています。2020年はコロナ禍の影響で減少したものの、求人数に対して求職者数が足りていない状況は続いています。
有効求人倍率が高くなればなるほど、企業にとっては不利な状態です。優秀な人材を確保するためには、より多くの学生にアプローチできるようアピールする必要があります。
2.選考プロセスのオンライン化
コロナ禍の影響もあり、選考プロセスのオンライン化が進んでいます。会社説明会や面接、内定者懇親会、内定者研修、インターンなどもオンライン化されており、この流れに反すると採用活動にも大きな影響が出てくることは避けられません。
選考プロセスのオンライン化は、企業と就活生の両者にメリットがあります。企業側から見ると、オンライン化は地域の垣根を越えて多くの学生と接触するきっかけにもなります。
【参考】Web説明会とは|種類や注意点を解説
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/information_session/
3.採用チャネルの複雑化
採用活動のオンライン化が進むと同時に、採用チャネルも増加し複雑化しています。求人広告や合同説明会、人材紹介など従来利用されてきたチャネルのほか、SNSなどでの採用活動も活発化している状況です。
常に特定のチャネルを利用するのではなく、トレンドにあわせて採用方法や媒体を検討しましょう。
【参考】採用トレンドの最新情報・成功のポイントと事例
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/recruitment_trend/
新卒採用の母集団形成手法7選
新卒採用における母集団形成手法は次の7つです。
1.就活サイト
2.企業説明会・イベント
3.人材紹介
4.ダイレクトリクルーティング
5.SNS採用
6.リファラル採用
7.オウンドメディア
それぞれ、特徴やメリット・デメリットを解説していきます。
1.就活サイト
母集団形成の手法として一般的なのが就活サイトの利用です。就活サイトの最大のメリットは、より多くの学生に認知してもらえる点にあります。
就活生の多くは、複数の就活サイトに登録して情報を得ています。就活サイトに求人情報を掲載することで、多くの学生に認知してもらえる可能性が高まるのです。また、求職者管理システムを備える就活サイトを活用すれば、母集団形成のための業務の効率化も期待できます。
一方、就活サイトには多くの競合他社も掲載しているため、企業の情報が埋もれてしまいかねない点がデメリットとして懸念されます。
2.企業説明会・イベント
企業説明会や合同説明会など各種イベントには、誰でも参加できる一般的なものから、属性や特性別に開催されるものなど、さまざまな種類があります。 なかでも、属性や特性別に開催される説明会やイベントでは、ペルソナに合致する就活生と効率的に接点を持てる点が大きなメリットになります。
また、学生とのコミュニケーションを通じて、企業の雰囲気や魅力を直接アピールできることも利点です。
ただし、出展した説明会やイベントに参加する学生が少ないと、費やしたコストに対してのリターンが見合わないことがあります。
3.人材紹介
人材紹介会社は、企業側が求める特性やスキルを持つ学生を厳選して紹介してくれます。人材紹介会社が間に入ることで、企業側はマッチする可能性の高い就活生と労せずして出会えるようになることがメリットです。
就活サイトでは出会えない学生と接点を持てることも利点です。母集団形成において、数よりも質を重視したい企業にとってよい方法になるでしょう。
一方、出会える学生が少なく、コストも高くなりがちな点が懸念されます。人材紹介会社は一般的に完全成功報酬型のため成果がない限り費用は発生しませんが、人材紹介会社のみに頼る手法ではコスト高になる可能性は否めません。
【参考】新卒人材紹介サービス比較8選|選び方のコツや料金を紹介
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/agent_newgrads/
4.ダイレクトリクルーティング
ダイレクトリクルーティングは、採用担当者が人材獲得に向けて主体的に活動し、スカウトサービスやSNSで学生と直接コンタクトを取りアプローチしていく手法です。
ダイレクトリクルーティングで接触できる学生は情報感度が高く、スカウトを期待している傾向があります。就職活動にも積極的で、自分のスキルを活かしたいと考える就活生に直接コンタクトを取れることがメリットです。
ただし、これらの利点はデメリットにもなりえます。就活への意識が高い学生にアプローチしても、思うように興味を持ってもらえないことがあるためです。ダイレクトリクルーティングを母集団形成に活かすには、戦略的なアプローチが欠かせません。
【参考】ダイレクトリクルーティングの市場規模はどれぐらい
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/directrecruiting_top/
5.SNS採用
SNSによる学生へのアプローチも、いまや一般的な手法になりました。SNSの有効活用で、より多くの学生に認知してもらえる可能性が高まるほか、コメントやダイレクトメッセージで就活生と直接コミュニケーションを図れることがメリットです。
また、採用サイトや就活サイトへの訪問を促せば、SNSだけでは伝えられない情報にもアクセスしてもらえます。
一方、SNSからでは学生の情報を取得できない点がデメリットです。SNSから直接応募されるとは限らないため、効果測定が難しくなることも難点になります。
【参考】SNS採用とは|成功事例12選と特徴や活用ポイントを解説
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/social_recruiting/
6.リファラル採用
リファラル採用とは、社員に友人・知人を紹介してもらうことで候補者を募る採用手法のことです。中途採用で近年注目を浴びている手法ですが、新入社員・内定者に大学の後輩を紹介してもらうことで新卒採用にも応用できます。
リファラル採用のメリットは、企業理念に共感しており、業務内容をよく知る社員がリクルーターとなることで、価値観や志向性のあう人材を獲得しやすい点です。また、基本的にコストがかからない点や、社内に知り合いがいることで被紹介者の定着が見込める点もメリットといえます。
しかし、多くの社員に協力してもらえるよう体制を整えたり、「自社を紹介したい」と思ってもらえるよう従業員満足度を向上させる施策も必要なため、長期的な視点で取り組む必要があります。
【参考】リファラル採用とは?メリットから具体的な施策例まで徹底解説https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/refferal_top/
7.オウンドメディア
自社が保有するサイトやブログなどのオウンドメディアに求人情報を掲載する方法もあります。
就活サイトと違って掲載内容や情報量に制限がないため、企業の魅力を自由に発信できる点がメリットです。就活生の企業理解度・志望度を高められるため、自社にマッチした人材からの応募が期待できます。
しかし、メディアの立ち上げ・コンテンツ制作に多大なコストがかかる点や、即効性のある手法ではない点がデメリットです。
ただ、Wantedlyのブログ機能を活用すれば、自社でメディアを立ち上げることなく簡単にモダンな採用ページが作れます。作成したページは高確率でGoogle検索の1ページ目に表示されるため、多くの就活生の目に留まるでしょう。
Wantedlyでできることや具体的な料金は以下のサービス資料にまとめています。ぜひ一度確認してみてください。
【参考】採用オウンドメディアのはじめ方|これからの採用に必要な情報発信とはhttps://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/media/
Wantedlyで母集団形成に成功した事例3選
Wantedlyは情報発信だけでなく、就活生とのコミュニケーションも可能なビジネスSNSです。Wantedlyを活用して母集団形成に成功した例も複数あります。ここからは、母集団形成に成功した企業の事例を紹介します。
1.株式会社TBM
株式会社TBMは、10名の採用を目標として母集団形成・採用広報に取り組み、3ヵ月で目標を超える11名の採用に成功しました。
同社は、母集団形成においてWantedlyのミートアップ機能を活用。会社説明会と座談会をセットにしたミートアップを週に2回開催し、1回あたり約20名を獲得しています。
採用広報では、Wantedlyのトップページ広告を9週間利用しました。効率的な母集団形成によって、採用単価は20万円前後と低コストで採用を成功させています。
2.ディップ株式会社
ディップ株式会社は、21年卒の採用にあたって、大手求人サイトを使用せずWantedlyをフルに活用して採用を成功させています。
採用広報では、オウンドメディアとあわせてWantedlyのストーリー機能を活用。半年の採用期間で25記事をWantedlyで公開しています。
母集団形成としては、Wantedlyでの定期的な募集公開に加え、リモートでのインターンを募集・実施。結果、Wantedly経由でのインターンへの応募は2,000~3,000人にのぼり、5名の内定承諾実績につなげられました。
Wantedlyでは、新卒採用に成功した株式会社TBM、ディップ株式会社の2社をお招きし、採用成功のコツや失敗談について具体的に振り返っていただきました。イベントの内容は以下の資料にまとめていますので、ぜひ自社の新卒採用に活かしてみてください。
3.株式会社ミツモア
株式会社ミツモアは、Wantedlyを活用してインターン生を20名採用しています。
同社はWantedlyの募集やストーリーをほぼ毎日更新し、情報がより多くの求職者の目に止まるよう努めています。掲載する写真にまでこだわっているのも同社の特徴です。
Wantedlyは他媒体と比較して母集団が多く、応募も多く集まることから、ミートアップ機能も活用して多くの就活生にアピールできるよう取り組んでいます。
【参考】質の高いインターンの母集団形成にはぴったりのサービス
https://www.wantedly.com/customer_stories/81
まとめ
新卒採用の成功には母集団形成が欠かせません。効率的に母集団を形成すべく、まずはペルソナを設定し、さまざまな媒体・手法での採用活動を展開して、より多くの就活生との接点を作っていきましょう。
各種媒体を効果的に活用できるように、それぞれの媒体の特性を把握して戦略を立て、計画的に母集団形成を進めましょう。