内定者フォロー事例20選|オンライン施策・最新動向も紹介

ここ数年で就職戦線は大きく様変わりしてきました。

オンライン選考も浸透し、対面での接点が一度もないままに入社を迎えるケースも珍しくありません。

学生の変化をキャッチしにくい状況下で、内定者フォローに悩まれる採用担当者の方も、多いのではないでしょうか。

本記事では、内定者フォローの具体的な施策について最新事例とともに解説をしています。

選考から入社後まで意識すべき候補者体験については以下の記事で解説しています。ぜひ合わせてご覧ください。
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/recruiting_textbook_3

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内定者フォローとは

内定者フォローは、内定辞退が出ないように企業側が内定者に向けて行う施策を指します。

入社への動機付けを高め社会人に向けてのマインドセットを行うことで、入社後のギャップを減らす役割もあり、多くの企業が導入しています。

内定と内々定の違いとは

内定と内々定の違いは、労働契約が成立しているかどうかの違いです。

・内定:学生が企業から採用(内定)通知を受け取り、入社承諾書を提出した状態。労働契約成立。
・内々定:選考に合格し採用が確約されているが、書面の取り交わしは行っていない状態。労働契約未成立。

内閣官房による就職・採用活動に関する要請では、「正式な内定日は卒業・修了年度の10月1日以降とする」と明記されています。

そのため、多くの企業が10月以前に事実上の内定が決まっていても、学生に対して採用(内定)通知を行わず、内々定という形をとっています。

内定者フォロー3つの目的

内定者フォローの目的を確認してみましょう。

1.内定辞退の防止

苦労の末に獲得した内定者の辞退は是が非でも避けたいものです。

採用に要した時間・コストが無駄になるだけでなく、すでに内定者同士の繋がりができている場合は、他の内定者への影響も考えられます。

また、内定辞退がでると人員計画の練り直しも必要になり、次年度の事業戦略にも関わってきます。

2.入社早期離職の防止

入社後のギャップを減らし早期離職を減らすことも、内定者フォローの重要な役割です。

新卒の場合、経験が蓄積して事業に貢献できる前に退職されることは、企業として大きな痛手と言えます。

厚生労働省が2020年に報告したデータによると、2019年における大学卒の入社3年以内の離職者は32.8%とあり、およそ3人に1人が早期退職している結果です。

3.働く前の準備

入社後できるだけ早くチームになじみ活躍できるように、入社前に研修など学びの機会を与えます。

内定後、企業との接点が減ってしまうと、選考時に高まっていた内定者の志望度が急落することがあります。

入社への期待や熱量をキープし続けるためにも、内定者フォロー施策は重要と言えるでしょう。

内定者が抱える不安

株式会社ラーニングエージェンシーの調査によると、内定者の77.2%が入社前の心情を「不安、心配な気持ち」と回答しています。

内定期間中に求めるサポートは、「人間関係を築く機会」「入社後に必要な知識・スキル」の二軸となっています。

就職活動のオンライン化が進む昨今、入社後のイメージがわかないと感じる学生が増えています。

採用担当者は、内定者全員に向けたフォロー施策を講じながらも、一人ひとりの不安に合わせた対応を行うようにしましょう。

引用:【内定者1,004人の意識調査】77.2%の内定者が入社に向けて不安を抱えていることが判明|新着情報|人材育成・社員研修

内定者フォローの最新動向

株式会社ディスコの調査によると、内定者フォローとしてもっとも多い施策は「懇親会」。6割以上の企業が実施しており、内定者同士や先輩社員とのつながりを強化することを目的としています。

フォロー形式は「対面で実施」が約2割であるのに対し、「オンラインで実施」が約5割。内定後の接点もオンライン中心で、対面での交流はタイミングを見計らっている企業が多いようです。

また、実際に内定者から好評なのは「内定者懇親会」「先輩社員との交流会」「社内見学会」の3つ。フォローのペースは1ヶ月に1回程度の企業が多く、学生側もそこまで負担は感じていないようです。

引用:キャリタス就活 学生モニター調査

内定者フォローの流れ

採用を決定してから入社までどのような流れで内定者フォローを行うのか、確認してみましょう。

1.内々定告知

合格の通知はできるだけ早く行いましょう。一般的に、合否連絡は最終面接後1週間以内に行います。

学生は複数の選考を受けています。結果連絡が遅い場合、他の企業への入社意思を固めてしまう恐れがあるため、合格連絡のタイミングは非常に重要です。

内々定告知は、メールまたは電話で行います。メールの場合、結果連絡のテンプレートではなく「なぜ入社してほしいか」を添えたオリジナルの文章を作成しましょう。

2.面談

内々定告知後、次のステップとしてオンラインや対面で面談を行います。選考が終了した後の面談は、学生の本音を聞ける大事な機会です。

入社意思を固めてもらえるように不安に耳を傾けたり、自社に入社するメリットをあらためて伝えたりするようにしましょう。

<面談の流れ>

・祝福、歓迎の言葉を伝える
・選考のフィードバックを行う
・不安や質問したいことについて聞く
・期待していることを伝える(ポジション・キャリアパス)
・内定通知書、入社承諾書の説明(学生の就職活動継続の有無や意思決定期限の設定)
・入社までのスケジュール確認

【内定通知書】
内定通知書は、採用決定を証明するために学生に渡す書類です。前述の通り、内定は「卒業・修了年度10月1日以降」と推奨されているため、それ以前の通知として内々定通知書を発行する企業もあります。

【入社承諾書】
入社承諾書は内定承諾書と呼ばれることもあり、学生の署名をもって入社の約束を交わす役割をもちます。

入社承諾書への署名によって労働契約成立となりますが、法的な拘束力はありません。

そのため署名をした学生が辞退することもあり、あくまでも一時的な学生の入社意思表示と理解しておく必要があります。

3.内定者・内々定者懇親会

内定者向けのイベントでいちばん多く開催されているのは、内定者懇親会です。

内定者同士で横の繋がりを築くきっかけとして、そして内定者と社員のコミュニケーションの場として開催されます。

入社への不安を取り除き、自社の価値観や社風をあらためて理解してもらえるような機会にしましょう。

4.内定式 

多くの企業は内定式を「卒業・修了年度10月1日以降」に開催しています。

内定式の主な目的は、辞退防止、入社意欲の維持・向上、内定者同士の関係構築です。

内定式と同日に入社準備にあたる研修が開催されることも多く、参加の有無によって入社意思の強さを確認できます。

5.入社前研修

入社前に行う研修の回数や内容は企業によって異なりますが、多くの企業が事前研修を開催しています。

研修内容は、社会人としての心得やビジネスマナーの習得、業務に直結する知識についての勉強会やe-learning、資格取得などがあります。

社会人になるためのマインドセットや入社後の負担を減らすことも期待できるでしょう。

オススメの内定者フォロー事例14選

内定者フォローの流れを理解したところで、具体的なフォロー事例を確認してみましょう。

内定者フォローは、学生一人ひとりの不安に寄り添うことが大事です。ぜひ以下の14例を参考にしてみてください。

社会人生活に対する不安をフォロー
1.ビジネスマナーやPCスキルなどの基礎スキル講座
2.オフィスや現場の見学会
3.採用担当者との個別面談
4.新入社員との交流会や質問会

人間関係や社風に対する不安をフォロー
5.内定者懇親会
6.先輩社員との交流会
7.社内報の送付

仕事内容やキャリアに対する不安をフォロー
8.経営陣との交流会やセミナー
9.さまざまな年代の社員との交流会
10.介護・育児を経験した社員との座談会
11.ハイパフォーマー(エース社員)との懇親会
12.体験入社(内定者アルバイト)
13.仕事に必要な知識やスキルが習得できる研修
14.課題図書や資格取得支援

【参考】内定者懇親会はどんな内容にすべき?オススメ企画と成功事例を紹介
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/gathering/

オンラインでできる内定者フォロー事例3選

続いて、コロナ禍でもできるオンラインの内定者フォロー事例を3つご紹介します。環境やリソースにあわせてオンラインを活用し、柔軟にフォロー施策を打ち出しましょう。

1.内定者フォローツール

内定者フォローツールとは、内定者と企業、または内定者同士のコミュニケーションを促すためのメッセージ機能・掲示板機能があるサービスです。

内定者とリアルタイムで連絡を取れるだけでなく、内定者管理の効率化にも役立ちます。

【参考】内定者フォローツール12選|特徴や費用を徹底解説https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/follow_tool

2.オンライン社内見学会

すべての選考をオンラインで実施した場合、内定者はオフィスに訪れないまま入社日を迎えます。

社内の雰囲気を重要視する学生も一定数いるため、オンラインで社内ツアーや社員紹介する施策は有効です。業務中だけでなく、休憩中やオフの様子も見せると良いでしょう。

3.オンライン研修やe-learning

入社前に身につけてほしいスキルや知識の習得について、オンライン研修とe-learningを組み合わせる企業が増えています。

ただ実施する際は、内定者の負担とならないよう配慮が必要です。企業側の一方的な要望で課題を与えるのではなく、学業に支障をきたさない範囲かつ学生自身が楽しめる内容を企画しましょう。

また、強制参加や時間が拘束される研修の場合は賃金が発生することもあります。コンプライアンス違反にならないよう注意しましょう。

【参考】内定者研修の内容と成功させるためのポイント【事例つき】https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/joboffer_training/

ユニークな内定者フォロー事例3選

ユニークな内定者フォローを行っている企業を3社紹介します。

ポイントは内定者が主体的に参加できる場を設けていること、そして内定者に何を得てもらいたいか、施策の目的を明確にしていることです。

1.株式会社イングリウッド|長期内定者インターン

小売業に特化し、エンドユーザーへスムーズに商品を届けるためのDXソリューションを提供する株式会社イングリウッド。

長期内定者インターン制度を導入することで、入社時のコミット力最大化を実現しています。

内定者は、内定後の夏からインターンとしてチームに配属され、社員と同じ視座で仕事に携わります。入社時にはすでに担当案件を持っているメンバーもおり、成長スピードが早い点が特徴です。

【参考】長期内定者インターン施策
https://www.wantedly.com/companies/inglewood/post_articles/333980

2.プロパティエージェント株式会社|オンライン研修 

「都心×不動産×IT」をキーワードに、不動産事業を展開するプロパティ―エージェント株式会社。

内定者研修の一環として、営業力を競うコンテスト形式の「Sales-1グランプリ」を実施しています。

実務さながらの商談ロープレを行い、その完成度をチームで競うことで仕事理解を深め、チームビルディング力を高めています。

【参考】オンライン内定者研修施策
https://www.wantedly.com/companies/propertyagent/post_articles/279862

3.Evand株式会社|内定者ブログコンテスト

Evand株式会社は、人材派遣・人材紹介・採用支援・アウトソーシングなど、HR領域全般を支援する企業です。

内定者にお題を与えてブログを作成してもらい、オウンドメディアに掲載しています。

採用担当者と広報が協業し、内定者とはLINEや電話で繋がりを深めてサポートを行います。

ベストPV賞やユニーク賞など複数の賞を用意することで、内定者自身が目的意識をもって取り組めるワークになっています。

【参考】内定者プロジェクト施策
https://www.wantedly.com/companies/Suprieve/post_articles/330888

母集団形成から内定者フォローまで行うならWantedly

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Wantedlyならスカウトや募集による母集団形成から選考後のフォローまで、1つのプラットフォームで完結可能です。

内定者フォローに関する特徴は次の通りです。

・ブログ機能のストーリー
 無制限で使用できるストーリーは社内報として活用ができ、入社前に最新の自社情報を共有できる

・応募者プロフィールの活用
 一般的なエントリーシートに比べプロフィール欄の自由度が高く、学生の個性が見えやすいので接点をつくりやすい

・リアルタイムで使えるメッセージ
 母集団形成から内定後の連絡まで、一貫してメッセージ機能が使える

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まとめ

年々難しさが増す新卒採用。戦略的な内定者フォローは、優秀な学生を確実に入社につなげるための必須業務となりました。

積極的なコミュニケーションをとって内定者の不安に寄り添いながら、ベストなタイミングと手段で自社の魅力を感じてもらえる施策を講じましょう。

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