はじめての面接官の手引き|役割や準備すべきこと・注意点

【初めての面接官ガイド】失敗しない質問集を紹介

どんな業務にも「はじめて」はありますが、人材を選考する面接官の職務は、ことさら責任を重く感じるものです。面接官の振る舞いや質問の内容によっては、企業イメージの悪化などを招きかねないため、入念な準備が求められます。

本記事では、はじめて面接官に任命された人が知っておきたい面接官の役割や事前準備、注意点などを紹介します。過度に緊張することなく面接に挑めるよう、ポイントを抑えておきましょう。

こちらの記事では採用における「ファンづくり」について実践方法と共に解説しています。
ぜひあわせてご覧ください。

なぜ採用に”ファンづくり”と”カジュアル面談”が必要なのか【採用の新常識】https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/recruiting_textbook_2

▶「就活ナビを使わない新卒採用の手法」に関する資料をダウンロードする

カジュアル面談を効果的に実施するコツを紹介

カジュアル面談を実施してもなかなか成果が出せない、と感じていませんか?

カジュアル面談には採用に繋がるメリットがたくさんありますが、効果的に進めるためには、正しいやり方が必要不可欠です。
そこで、カジュアル面談の実施方法やポイントをまとめた資料をご用意しました。

時間だけが取られてしまうマイナスな面談ではなく、採用に繋がる面談にしたい方は、ぜひ資料をご覧ください。

まずは無料ダウンロード

面接官の役割

面接において面接官は、下記の役割を担います。

  • 候補者が企業に適した人材か見極める
  • 候補者へ企業のPRを行う

つまり、面接官の主な役割は人材の「見極め」と候補者の入社意思を高める「動機付け」です。

1.候補者が企業に適した人材か見極める

文字から受ける印象と、実際に対面した際の印象は異なるものです。履歴書だけでは、候補者の人物像のすべてを把握することはできません。

また、履歴書は第三者の意見やアドバイスに沿って事前に作りこめるものです。採用活動において、面接は大きなウエイトを占める要素となるでしょう。

そして、資料からでは把握できないことを面接で判断し、選考を進める役割を担うのが面接官です。面接官の判断により採用された人材は、企業の将来を支えるメンバーとなるため、その選考を一任されるということは、大きな責任を負うことになります。

2.候補者へ企業のPRを行う

候補者を選別する一方で、面接は候補者が企業を選ぶ場でもあります。多くの候補者は面接ではじめて、直接企業の人と接触します。そのため、面接官の印象がそのまま企業の印象となることも珍しくありません。

面接の場で横柄な態度を取る、あるいはセクハラと捉えられるような質問をするなど、候補者に不快な思いをさせてしまうと、数ある入社希望企業の候補から外されてしまうでしょう。

その反面、面接で良い印象を残せれば、候補者の入社意思を高める動機付けの機会にもなります。面接官は企業のPR担当でもあることを認識しておきましょう。

はじめて面接官をする際に準備しておくべきこと

はじめて面接官をする際に準備しておくべきこと

はじめて面接官に任命された場合は、面接までの間に下記の準備をしておきましょう。

  • 企業が求める人材を理解する
  • 面接の評価基準を理解する
  • 企業の情報を把握する
  • 質問の準備をする
  • 面接当日の流れを把握する

事前準備を怠ると、面接がスムーズに進まず焦ってしまい、候補者本来の姿を引き出せません。候補者の見極めを余裕を持って行うためにも、準備万端な状態で面接に臨みましょう。

1.企業が求める人材を理解する

企業が求める人材像を把握できていないと、数いる候補者のどこに着目すべきか、面接のポイントが定まりません。

良い人材とは、企業が求める人材にほかなりません。企業はどのような人材を望んでいるのか、理解しておくことは最低限の準備です。

2.面接の評価基準を理解する

企業が求める人材像を把握したら、より採用の精度を高めるために評価基準について理解しましょう。この際、求める人材像に沿った評価基準シートを作成しておくと、面接官個々による評価のブレを防げます。

また、面接を進めるうちに判断に迷うケースが出てくることもあります。判断に迷うであろう候補者や条件について、事前にシミュレーションしておくことも大切です。

企業の採用力を向上させるために必要な採用面接評価シートの作り方・ポイントについて、以下の記事も確認してみてください。

【参考】面接評価シートの作り方|新卒・中途別にポイントを解説
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/interview_sheet/

3.企業の情報を把握する

面接では候補者も企業を見極めようと、企業が何をしていて、どういう特色を持つのかなどの質問を投げかけてきます。

こうした情報は企業の基本情報ともいえるものです。しっかり答えを提示できないと、「教育制度や体制が曖昧な企業」として候補者も不安を抱くでしょう。結果、候補者の志望度が下がりかねないので、企業情報を事前に洗い直しておきましょう。

4.質問の準備をする

候補者と企業は対等な立場とはいえ、面接の司会進行役は企業側、つまり面接官です。候補者を前にすれば自然と質問が出てくることもありますが、質問に詰まってしまう局面も考えられます。

その場で面接官が慌てふためく姿を見て「この企業に入社したい」と思う候補者がいるとは考えられません。また、候補者ごとに異なる質問をしてしまうと評価基準もブレてしまいます。面接に臨む前に、候補者への質問集を必ず作成しておきましょう。

ただし、質問集をなぞるだけでは事務的な印象を与えかねません。候補者の話のなかで気になる点が出てきたら、臨機応変に話題を深掘りしましょう。

5.面接当日の流れを把握する

繰り返しになりますが、面接官は面接における司会進行役を担います。面接当日の流れやタイムスケジュールをしっかりと確認しておきましょう。

多くの候補者がいるなか、1回の面接に時間をかけすぎてしまうと、その後の面接の開始時間がずれこみ、面接官、候補者ともに予定が狂うことになります。面接の順番によって時間を短縮せざるを得ないなど、候補者に不満を抱かせる対応を取ることにもなりかねません。

候補者に対して不公平が生じないよう、1回の面接時間はあらかじめ決めておく必要があります。また、面接当日の流れや各項目に費やす時間の制限もあらかじめ決めておくことをオススメします。

面接当日の流れ

面接当日の流れ

面接当日は下記の流れで進めていくことが一般的です。

  1. 挨拶・アイスブレイク
  2. 自己紹介と企業説明
  3. 面接官から候補者への質疑応答
  4. 候補者から面接官への質疑応答
  5. 事務確認

上記はあくまで一般的な流れなので、企業によっては項目や順番が異なる可能性があります。共通認識を持っておくためにも、面接官同士で事前に話し合ったり、前回面接官を担当した人に話を聞くなどしておくと安心です。

1.挨拶・アイスブレイク

候補者が入室してからすぐに面接をはじめるのではなく、少し雑談タイムを設けましょう。気楽に話す時間を少しでも作ることで、候補者の緊張感がほぐれ、本来の自分を出しやすくなります。

このときは仕事についてではなく、天気や今日の交通手段など当たり障りのないことを話題にしましょう。

アイスブレイクを成功させるコツや、面接に慣れていない採用担当者でもすぐに実践できる鉄板の質問やトーク例について、以下の記事も確認してみてください。

【参考】面接のアイスブレイクで必ず盛り上がる鉄板の質問7選|NG例も紹介
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/ice_break/

2.自己紹介と企業説明

次に面接官の自己紹介と企業が何を行っているのか、今回どうして募集をかけたのかといった説明を行います。求人募集で伝えきれなかった詳細を話すことで、より入社後の未来を想像してもらいやすくなるためです。

その後、候補者に自己紹介をしてもらい、本格的に面接に入ります。候補者が複数人のグループ面接の場合は、自己紹介の持ち時間を決めておくとスムーズに進むでしょう。

3.面接官から候補者への質疑応答

仕事への適正や能力、キャラクターを把握すべく、まずは面接官から候補者に質問を投げかけます。回答の内容はもちろん、コミュニケーションの取り方、表現力、表情など非言語部分にも注目すると、候補者についてより多くの情報を集められます。

ポイントは、一問一答形式にしないことです。スピーディーに面接を進められるメリットはありますが、うわべだけの情報しか得られないうえに候補者を萎縮させてしまう可能性もあります。質疑応答とはいえ、会話を意識して候補者と向き合うとよいでしょう。

4.候補者から面接官への質疑応答

面接官から候補者への質問が終わったら、次は候補者からの質問です。

応募する段階で企業のことをある程度調べているとはいえ、候補者が把握できている情報はほんのひと握りです。企業に対しての疑問や知りたいことへの回答を提示してあげることで、企業への志望度を上げられることもあります。丁寧な対応を心がけましょう。

5.事務確認

候補者からの質問が出尽くしたら、最後に下記のような事務確認を行い面接を締めくくります。

  • 合否がでるまでの目安の日数
  • 合否の通知方法
  • 通過した場合の今後の選考スケジュール
  • その他必要な連絡事項

面接終了後は、候補者が退室しきるまでにこやかな表情で見送りましょう。長時間におよぶ場合は、面接官も疲れているもの。しかし、まだ候補者が室内にいる段階でため息をつくなどしてしまうと、最後の最後で悪印象を与えてしまいます。

「終わり良ければすべてよし」という言葉があるように、終わりはとても肝心です。候補者が見えなくなるまでは気を抜かないようにしておきましょう。

面接で使える質問集

面接で使える質問集

面接でのスムーズな進行、評価基準のブレをなくすために、面接官から候補者にする質問は事前に固めておきましょう。ここでは目的別に面接で使える質問例を紹介します。

  • アイスブレイク

例1:今日はここまで電車で来られたんですか?

例2:最近雨が多いですね。体調を崩されたりしていませんか?

例3:空調の温度は大丈夫ですか?寒かったら遠慮無く仰ってください。

  • 職務経歴やスキル

例1:学生時代、アルバイトや部活動でどういった経験をされてきましたか?

例2:前職で○○○の経験がおありのようですが、どういったポジションで何年ほど携わっていらっしゃったのですか?

例3:これから取得したい資格やスキルはありますか?

  • 志望動機やキャリアビジョン

例1:入社後は当社で何を実現したいですか?

例2:仕事をするうえで大切にしていることは何ですか?

例3:同業他社が多いなか、当社を志望する理由を教えてください。

  • 退職理由・転職理由

例1:今の企業に入社して○年ですが、このタイミングで転職しようと思った理由はなんですか?

例2:転職回数が多いようですが、その理由はなんですか?

例3:前職で何を得られたらそのまま続けていましたか?

  • 人間性や価値観

例1:友人や職場の人はあなたについて、どのような人だといいますか?

例2:ストレスの発散方法を教えてください。

例3:これまでに挫折した経験はありますか?そのときの対処法を教えてください。

上記はあくまで一例です。面接終了後に「これを聞いておけば良かった」とならないよう、面接官同士で事前に話し合い、企業が求める人材を的確に選別できる質問リストを作成しておきましょう。

はじめて面接官を行う際の注意点

面接に臨むにあたり、面接官が考慮すべき注意点があります。

  • タブーな質問はしない
  • 面接時の態度に気を配る
  • 面接当日の服装は清潔感を出す

これらの注意点は必ず順守してください。

タブーな質問はしない

厚生労働省では「公正な採用選考の基本」で下記のような質問をすることで就職差別につながるとしています。

【就職差別につながる話題例】

  • 政治
  • 宗教
  • スポーツ
  • 恋愛
  • 家族、家庭環境
  • 性別、年齢、容姿
  • 出生地

上記は仕事に対する適正や能力を測るのに必要な内容ではないため、面接の場での質問は避けるべきです。これらの質問に対する回答によって合否を判断されてしまうと、候補者は不公平感を覚えるでしょう。

また候補者によっては、触れられたくない話題である可能性もあります。SNSが盛んな昨今では、不快感を覚えた候補者が面接後に「こんなことを言われた」と発信する可能性も否めません。

企業のイメージや信頼を失墜させかねないので、タブーな質問はしないように心がけましょう。

面接時の態度に気を配る

一時期取り沙汰された圧迫面接など、候補者の不安感を煽るような態度は控えましょう。セクハラ発言やそうと捉えられる態度など、候補者を不快にするような言動も同様です。

面接官の好ましくない態度は、候補者が抱く企業の印象と強く結びつき、結果的に企業への志望度を下げる原因となります。優秀な人材を自ら遠ざけることになるため、好印象を与えられるよう面接時の態度には気を配りましょう。

以下の記事では、面接官が心得ておくべき知識や面接官トレーニングの手法を解説しています。ぜひあわせてご確認ください。

【参考】面接官トレーニングで自社にあった人材を採用する|面談・面接に役立つナレッジを解説
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/interviewer_training/

面接当日の服装は清潔感を出す

人は視覚や聴覚、言語などからさまざまな情報を得ていますが、視覚情報はとくに重要です。

たとえばヨレヨレのスーツを着た面接官が登場した場合、候補者としては「身だしなみを整える暇もないくらい忙しい企業なのか」と、その背景まで想像してしまいます。

面接官は企業の顔であり、面接官の印象はイコール企業の印象です。特段オシャレをする必要はありませんが、候補者に不快感や不安を抱かせないよう、当日の服装・髪型は清潔感を意識しましょう。

面接を改善して採用に成功した事例

面接を改善して採用に成功した事例

面接官の役割は、人材の見極めと候補者の入社意思を高める動機付けです。これは企業と候補者のマッチングの精度を高めることにも直結し、面接前の準備や候補者へのアプローチ方法とも大いに関係しています。

Wantedlyを活用し、ミスマッチを軽減した事例を紹介します。

BtoBサービスやゲーム開発などのWebサービスを展開するSansan株式会社では、内定を出しても辞退が相次ぐことに苦慮していました。しかし、採用活動の振り返りを行うなかで、候補者に対してのアプローチ方法の不備に気付き、Wantedlyを活用したスカウト採用方式を導入しました。

候補者の基本的なプロフィールやスキル、志向性を子細に把握できることから、「企業が求める人材」とのマッチングが向上。20卒では4名、21卒では8名の新卒採用に成功しています。

【参考】内定承諾率を劇的に改善。Sansan流、新卒エンジニア採用の秘訣
https://www.wantedly.com/customer_stories/163

まとめ

はじめて面接官をするとなると、どうしていいかわからないことも多々あるものです。しかし、そうした不安や疑問は、面接官を経験したことがある人に聞いたり、面接官同士で話し合ったりと、事前準備で大方解消できます。

ほかの業務とのかけ持ちになるため一時的に忙しくはなりますが、事前準備を怠らずに採用活動を成功に導きましょう。

選考から入社後まで意識すべき候補者体験については以下の記事で解説しています。ぜひ合わせてご覧ください。
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/recruiting_textbook_3

Wantedlyのサービス資料を見る
タイトルとURLをコピーしました