企業のミッション・ビジョンに共感する人材を採用する「共感採用」。最近よく耳にするものの、具体的にどんなメリット・デメリットがあるのかわからず、導入すべきか悩んでいる方は多いと思います。
そこで本記事では、共感採用のメリット・デメリットから進め方まで徹底解説していきます。成功のポイントや企業事例も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
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共感を軸にした採用を始めるには? 共感を軸にした採用の必要性は感じているけど、何から手をつけていいかわからない…と考えていませんか? Wantedlyは、会社の目指すことや、はたらく人の想い、価値観への共感を軸にした採用サービスです。 共感採用を始めたいと考えている方、まずはWantedlyのサービス資料をダウンロードしてみてください。
パーパスへの共感度合いでモチベーションに2.5倍の差がでるとも言われている昨今。会社のミッションやビジョンを発信して、新しい世代の特徴にフィットした採用活動を始めませんか?
共感採用が注目されている背景
共感採用とは、企業のミッション・ビジョンを打ち出し、企業の存在目的や社会的意義に共感する人材を採用する手法のことを指します。「即戦力を求めてスキルマッチを重視する採用活動」や「給与などの待遇面を重視した求職活動」と違い、価値観のマッチングを重視するのが特徴です。
近年、共感採用が注目されるようになった背景には、求職者の仕事観の変化があります。
ウォンテッドリー株式会社が独自に行った調査によると、転職活動でパーパス(企業の存在目的や社会的意義)を重視する人は年々増加。給与水準と並ぶほど、「パーパスに共感でき、やりがいを感じられる仕事かどうか」が重要な項目となっています。
とくにZ世代は、パーパスへの共感をより重視する傾向にあります。共感採用は、新卒採用・中途採用の双方で有効な手法といえるでしょう。
共感採用の3つのメリット
共感採用は、従来の手法と比べてどのような利点があるのでしょうか。ここでは、共感採用ならではのメリットを3つご紹介します。
1.入社後の活躍が期待できる
ウォンテッドリー株式会社が独自に行った調査によると、パーパスへの共感度合いとモチベーションの高さには相関関係があります。
したがって、共感採用で獲得した人材は仕事のモチベーションが高く、入社後の活躍が期待できます。目的意識や成長意欲のある人材が入社すれば、既存社員にもよい刺激となり、従業員全体の生産性向上や業績UPも見込めるでしょう。
2.長期定着が見込める
共感採用は、企業情報を積極的に発信したうえでカルチャーマッチを重視する採用手法のため、入社後のギャップが発生しにくい傾向にあります。
ミスマッチによる早期離職を防げれば、社員の長期定着が見込めるでしょう。
3.知名度や企業規模に左右されずに採用できる
認知度の低い企業の場合、条件面で比較されやすい一般的な求人媒体では、大手企業に埋もれてしまう可能性があります。
しかし共感採用なら、「なぜやるのか」「どんなビジョンを掲げているのか」など、パーパスの中身で勝負できます。企業の存在意義や仕事のやりがいをしっかりと伝えられれば、知名度や企業規模に左右されることなく採用できる点がメリットです。
共感採用のデメリット
共感採用はメリットが大きい反面、デメリットともいえる注意点があります。共感採用を導入する前に、以下の3点を押さえておきましょう。
1.採用に至るまで時間がかかる
共感採用では、求職者に企業のパーパスを理解してもらうため、採用広報に注力する必要があります。また、自社にマッチする人材を探して直接スカウトする場合もあるため、他の手法より工数がかかります。
選考でも、一人ひとりと丁寧にマッチングを確かめていくため、採用に至るまで時間がかかる傾向があるでしょう。
2.リーチできる層が限られる
パーパスを重視する求職者は年々増えているものの、条件面を最優先する人材も一定数います。
共感採用は給与や待遇を前面に押し出す手法ではないため、条件重視の求職者にはリーチできない可能性があります。
3.多様性が失われる可能性がある
企業の価値観に共感する人材を採用するため、結果として社内には似た価値観をもつ人材が集まることになります。パーパスに賛同し、同じ方向性を目指す仲間が得られる反面、異なる視点からの意見や刺激の少ない環境になってしまうかもしれません。
さまざまな年代・経歴の人を採用したり、他の採用手法を併用したりすることで、企業の多様性が失われないよう注意しましょう。
共感採用の進め方とポイント
続いて、共感採用の進め方を5ステップで解説します。成功のポイントもあわせて解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
1.パーパスと採用ペルソナを言語化する
まずは、自社のパーパスをあらためて確認してみましょう。企業によっては「ビジョン」や「ミッション」、「企業理念」として定義されている場合もあります。
▼ウォンテッドリー株式会社の場合
パーパスを確認できたら、どのような人材であれば自社のパーパスに共感してくれるか考え、「採用ペルソナ」を作りましょう。採用したい人物像のパーソナリティを細かく言語化することで、どのような情報発信・スカウトが刺さるかわかり、自社にマッチした人材に対して効果的にアプローチできるようになります。
採用ペルソナの作り方や注意点は、以下の記事で解説しています。ぜひあわせてご確認ください。
【参考】「採用ペルソナ」が「採用ターゲット」より重要な理由|設計方法も解説
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/persona/
2.共感を生むコンテンツを発信する
続いて、1で定めたペルソナの共感を得られるよう、ブログやSNSを活用して自社のパーパスや魅力を発信していきましょう。
「なぜやるのか」と企業の存在意義をうたうトップメッセージや、仕事のやりがいが伝わる社員インタビューなどのコンテンツがとくにオススメです。さまざまな年齢・職種・役職の社員を取り上げれば、候補者の幅も広がり、前述した共感採用のデメリットである「多様性が失われる可能性」も払拭できるでしょう。
【参考】社員のインタビューを成功させるための質問とは?取材・執筆ノウハウも解説
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/employee_interview_questions/
なおWantedlyでは、ブログ機能である「ストーリー」を活用できます。構成や内容に決まりはなく、社員の働く姿やリアルな魅力を自由に発信できるのが特徴です。
Wantedlyでできることや具体的な料金は以下のサービス資料にまとめていますので、ぜひ一度確認してみてください。
3.自社にマッチする人材を直接スカウトする
2と並行して、自社にマッチする人材のスカウトも行っていきましょう。候補者のプロフィールを読み、自社のパーパスと似た目標をもっていたり、価値観のあう人材をスカウトするのがポイントです。
またスカウト文面では、「なぜスカウトしたのか」「プロフィールのどの部分に惹かれたのか」を必ず盛り込み、特別感のあるメッセージを送りましょう。企業の魅力は端的にまとめ、採用サイトやブログのURLを貼って適宜情報を補足するのも候補者を引きつけるポイントです。
ダイレクトスカウトサービスはさまざまな媒体がありますが、Wantedlyならスキルや経歴に加えて「この先やってみたいこと」というプロフィール項目からユーザー検索できます。自社のパーパスに共感してくれる人材を探しやすい仕組みになっているうえに、平均返信率は他媒体と比較しても高水準です。
Wantedlyの登録属性や特徴は以下のサービス資料にまとめていますので、ぜひ一度確認してみてください。
4.カジュアル面談で相互理解を深める
ブログ・SNSでの発信やダイレクトスカウトで母集団形成できたら、いきなり面接するのではなく、まずはカジュアル面談で相互理解を深めましょう。
カジュアル面談は、企業側が一方的に質問する面接と異なり、企業と候補者が互いに質問して情報交換を行います。合否判定のある「選考」ではないため、将来やりたいことや仕事観について候補者の本音が聞けるでしょう。
またカジュアル面談は、履歴書の作成・提出が不要なため気軽に参加できます。面接より参加ハードルが低いため、転職意欲がまだ固まっていない転職潜在層にもリーチできる点がメリットです。
カジュアル面談を通して自社のパーパスや魅力をより深く知ってもらい、互いのマッチングを確かめてから面接に進んでもらえれば、その後の選考をスムーズに進められます。カジュアル面談の重要性は以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひあわせてご確認ください。
【採用の新常識】なぜ採用に”ファンづくり”と”カジュアル面談”が必要なのか
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/recruiting_textbook_2/
5.スキルマッチも確認する
カジュアル面談後の面接では、スキルマッチも確認しましょう。どんなにパーパスに共感していてカルチャーマッチしている人材でも、経験やスキルが乏しければ活躍は期待できません。
スキル面でのミスマッチは、生産性の低下や早期離職の要因となります。パーパスへの共感を重視しつつも、業務遂行にあたり最低限必要なスキルがあるかどうかも冷静に見極めていきましょう。
共感採用に取り組むならWantedly
Wantedlyは、給与などの条件ではなく、企業が掲げる「想い」への共感を通じて求職者とのマッチングをはかる採用サービスです。
募集が掲載し放題で、「なにをやっているのか」だけでなく「なぜやるのか」「どうやっているのか」も伝えられるフォーマットのため、共感採用に向いています。
また、Wantedly上でブログを投稿したり、社員をメンバーとして公開できるため、企業の魅力や雰囲気を伝えやすいのも特徴です。さらに、ダイレクトスカウトも可能なため、自社にマッチした人材に対して直接アプローチもできます。
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共感採用で成功した企業事例3選
最後に、共感採用の成功事例を3つご紹介します。ぜひ各社の施策を参考にしてみてください。
1.株式会社マクアケ
株式会社マクアケは、「生まれるべきものが生まれ、広がるべきものが広がり、残るべきものが残る世界の実現」というビジョンを掲げ、「ビジョン共感」を軸に採用活動しています。
同社では、スキルマッチを優先する傾向のあるエンジニアでも、ビジョン共感やプロダクトへの想いを重視。プロダクトのために自己研鑽や挑戦を続けられる人を採用したいと考え、選考ではCTO・マネージャー・現場スタッフも同席し、時間をかけて候補者の想いを聞いています。
また、Wantedlyのブログ機能である「ストーリー」を活用し、さまざまな職種の社員インタビューを掲載。実際に働く社員のリアルな声や今後の目標を発信したことで、ビジョンに共感する人材からの応募を獲得できています。
【参考】共感を超えた熱狂。応援購入サービスを運営するマクアケのビジョン共感採用ストーリー
https://www.wantedly.com/hiringeek/interview/award2022_story03/
2.株式会社アンドパッド
株式会社アンドパッドは、「幸せを築く人を、幸せに。」というミッションを掲げ、共感採用のための広報活動に注力しています。
同社は、Wantedlyのブログ機能である「ストーリー」を活用し、エンジニアのインタビューを連載。「生物学博士からQAエンジニアへ」「エンタメからバーティカルSaaSへ」など、社員がどのような経緯で入社したかがわかるタイトルをつけ、さまざまなバックグラウンドの社員を紹介しています。
また、技術勉強会・テックイベントの開催や、はてなブログを活用した「テックブログ」も運用。実際に働く社員の姿やリアルな声を通じて仕事のやりがいを伝えたことで、応募数が約2倍に増加しています。
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3.株式会社グッドパッチ
株式会社グッドパッチは、「ハートを揺さぶるデザインで世界を前進させる」というビジョンと、「デザインの力を証明する」というミッションを掲げるデザイン会社です。
同社はWantedlyを活用し、仕事の内容や社風が伝わる記事を週1回のペースで投稿。採用広報を約2年間継続し、「共感度合い」を重要な採用要件としたことで、採用および社員のモチベーション向上に成功しています。
【参考】意義を伝えるグッドパッチ流「共感採用」の考え方
https://www.wantedly.com/hiringeek/interview/eventreport_20220608/
まとめ
企業の存在目的や社会的意義に共感する人材を採用する「共感採用」は、社員の活躍や長期定着が見込める採用手法です。
近年では、仕事のやりがいやパーパスへの共感を重視する求職者が増えているため、自社のパーパスや魅力を発信する広報活動や、価値観のマッチングを重視した採用活動が成功の秘訣といえるでしょう。
採用活動では、求職者の仕事観の変化やトレンドにあわせて考え方をアップデートしていく必要があります。以下の記事では、これからの採用に必要な考え方をわかりやすくまとめていますので、採用が上手くいかずに悩んでいる方はぜひご一読ください。
【採用の新常識】上手くいかない採用から脱却するために必要な考え方https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/recruiting_textbook