採用における面談と面接には明確な違いがあります。面接は採用における選考の場であるため、これには合否がともないます。一方、面談は企業と求職者が情報交換を行う場であるため、採用の合否には関連しません。
これらを上手に使い分けることで、円滑な採用と入社後の定着を目指せます。本記事では、面接と面談の違いとあわせ、採用担当者が知っておきたい面談の方法や注意点、成功事例を紹介します。
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面談と面接の違い
冒頭で述べたとおり、面談と面接には「合否の有無」という点で大きな違いがあります。面談はお互いの理解を深めるために行うもので、その場で合否が決まることはありません。一方、面接は採用選考の一環として行われるため、必ず合否が決定します。
それぞれについて、さらに詳しくみていきましょう。
面談とは
面談は、企業と求職者が互いの理解を深めることを目的に実施されます。面接とは異なり、一問一答形式ではなく雑談のように話が進むため、互いにリラックスした状態で臨めることも特徴です。求職者からざっくばらんな質問を受けることも少なくありません。
面談にて、入社意思や不安な部分を求職者に直接尋ねることもあります。面接だけではうかがい知れない部分も引き出せることから、採用後のミスマッチを防ぐ効果が期待できます。
つまり面談は、互いに質問を投げかけ、理解を深める双方向コミュニケーションの場として機能します。
面接とは
面接では、求職者に対して質問を投げかけ、その答えから求職者が人材要件にマッチしているかを判断し、最終的に採用か否かを企業が決定します。合否を出す立場から企業側が優位になりやすく、また質問とその回答が連続することから一方的なコミュニケーションに終始しがちです。
合否を決める側・決められる側として強い緊張感が生じるため、求職者の普段の人となりを面接で判断するのは難しいと考えられます。
面談の4つのメリット
面接よりも気軽にコミュニケーションがとれる手段として、面談を活用する企業も多くあります。面談の実施で得られる具体的なメリットは次の通りです。
- 求職者の本音を聞きやすい
- 企業のビジョンなどを伝えやすい
- 入社確度の高い母集団を形成しやすい
- 中小企業でも優秀な人材を囲い込みやすい
1.求職者の本音を聞きやすい
面接では、想定された質問に対して回答を準備している求職者がほとんどです。一方、面談の場合は決められた質問はなく、企業側も求職者側も自由に質問・回答しコミュニケーションをとっていきます。
これらのことから、選考書類や面接では見えなかった本音や人間性が垣間見られ、企業にマッチする人材かどうかをより深く確認できます。求職者側も、入社を検討している企業で働く社員の姿をより深く知り、入社への不安を払拭する貴重な機会となります。
2.企業のビジョンなどを伝えやすい
面接では、求職者に対する質問が主になるため企業の魅力やビジョンを完全にはアピールできません。一方、面談ではビジョンを軸にした今後の事業の方向性など、面接とは異なる面から企業の優位性をアピールできます。
求職者が希望するキャリアを確認し、どのようにしてキャリア構築に寄与できるかなど、入社後の姿を具体的にイメージできるようなコミュニケーションも可能です。
3.入社確度の高い母集団を形成しやすい
面談を広く実施することは、母集団の形成にも効果的です。応募する求職者をただ増やすだけではなく、入社意欲の高い求職者が多く含まれる母集団形成に寄与します。
多くの求職者と面談を行うのは時間と労力がかかりますが、母集団を形成してもなかなか採用につながらない、応募する求職者が少ないなどの課題を抱える企業には有効な手段となります。
【参考】新卒採用で効果的な母集団形成の方法|候補者を集める際の注意点も解説
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/formation/
4.中小企業でも優秀な人材を囲い込みやすい
大手企業のように採用広報に多くのコストをかけられないケースでも、面談の実施で多くの求職者に興味を持ってもらえるようになります。
効果的な企業アピール施策として活用すれば、中小企業でも優秀な人材に興味を持ってもらえることが面談の利点です。
面談のデメリット
メリットがある一方で、面談にはいくつかのデメリットも懸念されます。よい面談を実施するために、どのような点に注意すればよいのか詳しくみていきましょう。
1.面接に加えてプラスαの工数がかかる
これまで行ってきた選考フローとは別に面談を導入する場合、面談の設定や求職者とのコミュニケーションといった新たな業務工数が発生します。限られた採用担当者で採用活動を行っている企業では、すべての求職者に対して面談を実施するのが難しいこともあります。
この場合、選考開始前の求職者すべてに面談を実施しようとしないことがポイントです。書類選考に通過した求職者に限定するなど、一定の制限を設けて面談を行えば担当者の負担を軽減できます。
2.カジュアルすぎると意味が薄れる
面接よりもカジュアルな雰囲気で実施できるのが利点とはいえ、カジュアルすぎては面談を実施する意味が薄れてしまいます。
少なくとも、企業側はある程度の準備が必要です。求職者には事前に面談の目的を伝えておく、アピールのための材料を用意するなどの準備をしておくと、有意義な時間を過ごせます。
面談の主な種類
面談には複数の種類があります。どのような面談を実施すればよいのか迷っている採用担当者は、こちらを参考にしてください。
1.カジュアル面談
カジュアル面談は、応募前の求職者に対して気軽に話せる場を設けるスタイルの面談です。
カジュアル面談の時点では求職者は応募を迷っている段階です。カジュアル面談は、より多くの求職者に出会うこと、また企業に興味を持ってもらうことを目的に実施します。
2.リクルーター面談
リクルーター面談とは、採用のサポートを行う社員が求職者と面談することを指します。社内ではなく、カフェやレストランなどで食事をしながら行われることも多いです。
面談にあたるリクルーターは多くの場合若手社員です。面談を実施する求職者と同じ大学を卒業した、OB・OGが選ばれることも多くあります。リクルーター面談は、獲得したい優秀な学生に直接企業をアピールする目的で実施されます。
【参考】リクルーター制度とは?メリットとデメリット・実施までのフローを解説
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/recruiter/
3.内定者面談
内定者フォローの一環として内定者面談を実施する企業も多くあります。内定者面談では、勤務条件や入社後の業務に関する情報などを伝えるのが一般的です。
企業によっては、代表が直接内定者と面談して歓迎と期待の気持ちを伝えることもあります。内定者面談は、求職者の不安の払拭や入社後のミスマッチを防ぐ効果が期待できます。
【参考】内定者面談とは?目的や流れ・内容について徹底解説
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/candidate_interview/
面談を進める4つのステップ
次に、面談の一般的な進め方について説明します。
1.面談の趣旨を説明する
求職者との面談の案内を行う際は、あらかじめ面談の趣旨も説明しておき、面談日にもあらためて趣旨の説明を行います。どのような目的で面談が実施されているのかを求職者が理解していない状態では、互いに有意義な時間を過ごせません。
同時に「面接ではない」こと、リラックスして臨んでほしいことを伝えると、相手も安心して本音を語れます。
2.求職者の想いや考えを聞く
説明が終わったら、求職者の本音を聞き出します。企業に対してどのような印象を持っているのか、どのようなキャリアを目指しているのかなど、相手の話をよく聞きましょう。
ポイントは、相手への質問は話が一段落してから行うように気を付けることです。話をさえぎってしまうと、円滑なコミュニケーションとはなりません。
3.企業の想いや考えを話す
求職者の想いに対するアンサーとして、企業側の想いや考えを率直に伝えます。「あなたのこういった部分は企業のこのような事業で活かせます」「このようなキャリア設計が可能です」など、求職者にメリットを提示すると、企業への興味を惹きつけられます。
4.質問があれば回答し次のステップを説明する
求職者からの質問に対しては真摯に対応し、できる限り回答します。
その場で答えられない質問があった場合には、「確認して後日あらためて連絡します」と回答しましょう。あやふやで不正確な答えをしない、誠実な対応を心がけることが大切です。
面談終了の前には、次回にはどのようなことが行われるのかを説明します。次回の面談や近日行われるイベントの案内など、求職者の選考フェーズにあわせた内容のものを用意しておきましょう。
面談の注意点
面談を実施する際は、求職者にネガティブな印象を与えないように次の点に注意する必要があります。
1.合否に関わる話をしない
前述したとおり、面談は合否を決める場ではありません。面談の最中に「採用・不採用」を伝えるのは不適切です。面接後の面談で内定受諾であると決めつけたり、相手の意思に関わらず次の選考の日程を決めたりしないようにします。
2.面談の目的をしっかりと固める
目的のない面談では、企業と求職者の双方にとってメリットの少ない場になってしまいます。面談の前に、実施する面談の種類や求職者にあわせて目的を設定しておくことが大切です。面談後には、目的のとおりに実施できたか振り返り次回につなげましょう。
3.企業のビジョンを伝える
企業がどのような方向を目指しているのか、つまりはビジョンを共有するのにも面談は有効です。企業の利点や優位性だけでなくビジョンを共有し、その反応を見ることでマッチする人材かを見極めることもできます。
企業のビジョンは、求職者にとって企業の魅力につながります。面談では忘れずビジョンに関する話をしましょう。ビジョンに共感できる企業に対して、求職者はポジティブなイメージを抱きます。
面談を活用して採用成功した事例
すでに面談を実施している企業は、どのように採用に生かしているのでしょうか? 面談を採用につなげている成功事例をご紹介します。
Dreamly Ltd
Dreamly Ltdは、Wantedlyを活用して2020年からカジュアル面談を実施。結果、フロントエンジニア2名の採用に成功しています。
同社のカジュアル面談では、「あえてすべてを話す」ことを徹底。いいところだけでなく、これまでの失敗談や若い企業で体制が整っていないことなども包み隠さず伝えます。
これにより、ミスマッチや入社後のギャップを防ぐ効果に加え、ともに会社を作っていく意識を醸成する場として機能しています。
株式会社スリーシェイク
株式会社スリーシェイクは、Wantedlyを活用してエンジニアを中心に30人以上の採用に成功している企業です。同社ではこれまでの面談での失敗を踏まえ、面談の内容や目的を変更し採用につなげています。
以前の面談では求職者のスキルチェックを中心に行っていたところ、入社後にスキルのアンマッチが起きるという事態が幾度か発生していました。その反省から、求職者の想いを聞き、また企業のビジョンやプロダクトへの想いを話すカジュアル面談に変わっていきました。
カジュアル面談では、まず求職者の話を聞き質問に答えていく、求職者中心の面談を実施しています。
メトロエンジン株式会社
メトロエンジン株式会社では、Wantedlyを活用してスカウトを行い、返信があった求職者に対してカジュアル面談を実施しています。
カジュアル面談を実施した結果、面接よりもスピーディーに相互理解が進み、かつ求職者がリラックスした状態で質問できるなどのメリットを獲得。好感触だった面談では、面談のおわりに「面接をお願いします」と求職者からいわれる事例もあります。
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まとめ
面接は当たり前に実施していても、面談を採用フローに取り入れていない企業は少なくありません。
「内定通知を出しても辞退されてしまう」「採用後のミスマッチで早期離職が発生している」、こうした課題を抱えている企業は、面談の実施を検討してみましょう。面談によって、入社意欲の向上とミスマッチの防止が期待できます。