母集団形成とは?成功のコツと8手法を解説【事例つき】

採用を成功させるには、母集団形成が重要と言われています。しかし、「どうすれば効率よく母集団形成できるのか分からない」と悩む方も多いのではないでしょうか。

本記事では、母集団形成を成功させるポイントや手法ごとの違いを紹介します。

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母集団形成とは

採用領域における母集団とは、「自社の求人に応募してくれる求職者の数」を指します。

「母集団形成」は、求職者を多数集める取り組みそのものを指して呼ぶことが多いです。

人数が集まれば母集団形成は成功したと思われがちですが、実は数だけでなく質も重要です。

・優秀な人材を採用すること

・自社の求める人物像に合った人材を採用すること

を採用のゴールだと考えれば、質の高い母集団形成が重要である理由がわかるでしょう。

母集団形成が重要である理由

母集団形成の重要性が高まった要因は、大きく2つあります。

1.労働者人口の減少

少子高齢化の影響を受け、労働者人口は年々減少しています。

「求職者1人あたりに対し何件求人があるか」を示す有効求人倍率は、2018年まで年々高くなる傾向にありました。

しかし、2018年に1.61倍であった有効求人倍率が2019年に1.60に、2020年には1.18に大きく下がっています。(※厚生労働省「一般職業紹介状況」より)

そのため、多くの求人に対し求職者が少ない「売り手市場」になっていることが分かります。

業種・職種を問わず慢性的な「人手不足」に悩まされる企業は増えています。

【参考】採用の売り手市場で企業が取り組むべき3つのポイントとは|成功事例も紹介
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/sellers_market/

2.採用におけるミスマッチの増加

母集団形成が思うようにできなければ、

・少ない選択肢の中から合格者を決定する
・自社の採用要件とズレがあるがやむを得ず採用する
・目標や期限に合わせ、帳尻合わせをするように採用する

といった事態が生じます。

その結果、採用した後にミスマッチが起こりやすくなります。

多額の採用費をかけても成果が得られないことが起こりうるので、質の高い母集団形成が重要となるのです。

【参考】採用ミスマッチの防止策5選|原因や定着化のコツも解説https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/mismatch/

母集団形成に成功することで得られるメリット

母集団形成は、数だけでなく質も重要です。自社の求める人材を多く集めて母集団形成に成功すれば、以下の3つのメリットが得られます。

1.選考の効率化がはかれる

母集団の質を高められれば、採用目標を達成することはもちろん、採用活動の効率化がはかれます。

自社にマッチした人材が多く存在していれば、面接通過率や内定承諾率は高くなります。短期間かつ少ない面接回数で多くの内定者が出るため、採用担当者の負担が軽減されるでしょう。

逆に「応募数は多いが、自社にマッチした人材の割合が低い」という状態は、企業にとっても候補者にとってもよくありません。自社にミスマッチな人材100人からのエントリーより、志望度の高い5人のエントリーの方が価値が高く、候補者にとっても企業にとっても良い状態です。質を重視して母集団形成しましょう。

2.採用コストを適正化できる

計画的かつ戦略的に母集団形成できれば、採用コストを最小限に抑えられます。

無計画に募集を開始してしまうと、「応募がまったく集まらない」または「想定以上に応募が集まった」といった事態になりかねません。

もし応募数が大きく下振れした場合は、求人掲載期間の延長や新たなサービスの導入が必要になり、追加コストが発生します。逆に応募数が大きく上振れした場合は、コスト削減の余地があるといえるでしょう。

「求人広告で◯人、人材紹介で◯人」などと、チャネルごとに目標人数を設定することではじめて無駄なコストを削減できるようになります。

3.ミスマッチ防止・社員の定着化につながる

母集団形成に成功すれば、多くの候補者の中から自社の求める人物像にもっとも近い人材を採用できるようになります。

スキル・価値観・行動特性・カルチャーフィットなど、あらゆる採用要件を満たした人材を採用できれば、ミスマッチ防止および社員の定着化がはかれるでしょう。

母集団形成のポイント

母集団形成を成功させるには、採用計画と採用戦略の両方が必要です。

1つずつポイントを探っていきましょう。

採用計画を立てる

採用に動き出す前に、事業計画に合わせた採用計画を立てましょう。

まず、必要な採用人数を策定します。

今必要な人数に対し、どれくらい不足があるかで人数を考えるのが基本です。

1人当たりにかけられる採用単価や、担ってほしい業務などを加味しながら決めていきましょう。

次に採用スケジュールを決定します。

いつまでに何人採用したいのか、いつから選考に入りたいか、そのためにはいつから募集をかけるべきか、フェーズごとに逆算します。

人材紹介会社と打ち合わせしたり、求人広告の出稿にあたり原稿を外注したりするのであれば、準備期間は長めに取っておく必要があるでしょう。

ゴールがブレることのないよう気を配りながら、自社に合った採用計画を立てていくのがポイントです。

採用計画の正しい立て方についてはこちらの記事でも紹介していますので、参考にしてみてください。

【参考】採用計画の正しい立て方|採用に失敗しないためのステップを解説https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/plan/

採用戦略を立てる

採用計画通りに実行するためにどうすればいいか、戦略を立てていきましょう。

まず必要なのは、採用イメージの持てるターゲットの設定です。

・どんな経験がほしいか
・求めるスキルレベルはどの程度か
・年齢や学歴に条件をつけるか
・職場や仕事にどんなことを求めていてほしいか

など、自社が理想とする人材像を描いておきましょう。

採用のゴールは、「人を雇うこと」ではなく「自社に合った人材を採用して活躍してもらうこと」にあります。

採用戦略の立て方についてはこちらの記事でも紹介していますので、参考にしてみてください。

【参考】採用戦略の立て方3ステップ|成功のポイントや事例も紹介https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/strategy/

母集団形成の手法8選

母集団形成には、さまざまな方法があります。

それぞれメリット・デメリットが異なりますので特徴を掴んでいきましょう。

1.求人広告

求人広告は、仕事を探している人が閲覧する媒体のため、母集団形成しやすい方法だと言えます。

また人の目に触れやすく、短期間で多くの応募者を集められることもメリットとしてあげられます。

デメリットとしては、自社のイメージに合わない求職者からの応募も集まりやすいことです。

それだけ選考にかける工数が多くなりますので、選考メンバーや期間を多めに確保しておく必要があります。

【参考】求人広告掲載の料金相場と掲載方法を解説|無料・有料13サイトを徹底比較
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/advertising_cost/

2.自社サイト

自社サイトは、自社が保有しているWebサイトに求人を掲載する方法です。

日頃から閲覧数が高いWebサイトであれば、母集団形成がしやすくなるでしょう。

既にあるサイトに求人情報を載せるだけであれば、ほとんどコストがかからないメリットがあげられます。

しかし、自社サイトの閲覧数が低ければ、応募者も集まりにくいデメリットもあります。

また、一から採用ページ作成を外注する場合はコストが発生するため、予算と照らし合わせる必要があるでしょう。

【参考】採用オウンドメディアとは?5社の成功事例から考える始め方
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/media/

3.人材紹介

人材紹介は、クライアント企業からの要望を受け、就職・転職に適した求職者を紹介してくれるサービスです。

メリットは、採用工数を削減しやすいことにあります。

事前に人材紹介のエージェントに自社が採用したい人材を伝えた上で、それに合った人材をピックアップしてくれるため、母集団形成する工数を大きく削減できます。質の高い母集団を形成する上では、非常に優れている手法です。

また、成果報酬型のビジネスモデルになっていることが多いため、費用の掛け捨てがないこともメリットとしてあげられます。

デメリットとして、エージェントとの打ち合わせや採用条件の交渉に時間を取られることがあげられます。

急ぎの採用に向かないことを理解し、余裕をもった採用スケジュールにしておく必要があるでしょう。

【参考】人材紹介とは?メリットや手数料、14種類のサービスを徹底解説!
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/agent_merit/

4.合同説明会

合同説明会は、複数の会社が1つの会場に集合し、ブースを設けて来場者にアプローチしていく方法です。

1~2日で実施される短期のイベントではありますが、来場者数が数万人にのぼることも多く、効果的に母集団形成できます。

その場で面接の予約を取り付けたり、後日アプローチできるようアンケート等を使って情報を回収したりすることも可能です。

しかし、ターゲットの求職者を見分けるのが難しく、場合によっては自社が求める人材像と異なる求職者ばかり集まってしまう可能性もあります。

5.ダイレクトリクルーティング

ダイレクトリクルーティングは、気になる求職者に直接アプローチして応募を喚起していく方法です。

メリットとしては自社の求める人材にピンポイントでオファーを出せることがあげられます。また、自社から声をかける「攻めの採用」ができるのも強みです。

しかし、「多くの求職者を集める」という数重視の母集団形成には向きません。

あくまでも1on1で自社に転職するメリットを説き、入社を促す質重視の取り組みであると理解しておきましょう。

【参考】ダイレクトリクルーティングとは?新卒・中途17サービスを比較
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/directscout_comparison/

6.リファラル採用

リファラル採用は、社員の友人・知人を紹介してもらって採用に繋げる方法です。

メリットとしては、コストをかけずに母集団形成できることがあげられます。

紹介者に一定のインセンティブを支払ったとしても、他の求人方法よりコストを削減できるでしょう。

デメリットは、大量の母集団を形成するには向いていないことです。

個別での紹介に頼るため、大勢の応募者を比較していくような採用は難しいでしょう。

【参考】リファラル採用とは?メリット・デメリット、成功する企業の条件を解説【事例つき】
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/refferal_top/

7.学内セミナー

学内セミナーは、大学や専門学校などのキャンパスに出向き、就職セミナーを開催する新卒採用向けの方法です。

メリットは、特定の領域を選考している学生に直接リーチできることです。

「理系学生がほしい」「一定の学歴以上の人材がほしい」などの要望を叶えやすく、質の高い母集団形成ができる可能性が高まります。

8.SNS採用

SNS採用は、Twitter・Instagram・FacebookなどのSNSを用いて求人を掲載する方法です。

ワンタップで求人を拡散してもらえるため、多くの人の目に触れれば母集団形成をしやすいのが魅力です。

また、無料でアカウントの取得ができるため、開始までのコストがかかりません。

しかし、転職意欲が低い人やターゲットとしていない人からの応募が集まる可能性があります。

ターゲットだけに訴求することが難しい手段であることを理解した上で、慎重に選考ができるようスケジュールや人員を確保しておくことがポイントです。

【参考】SNS採用とは|成功事例12選と特徴や活用ポイントを解説
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/social_recruiting/

母集団形成に成功した企業事例

最後に、母集団形成に成功した事例を紹介していきます。

それぞれ採用手法や工夫したポイントは異なりますが、質の高い採用を叶えた例ばかりですので、参考にしてみましょう。

株式会社TBM

株式会社TBMは、2021年卒から新卒採用に着手し、500名の母集団形成のうち11名に内定を出しました。

母集団形成においては、Wantedlyを活用しています。

具体的な施策としては、会社説明会と座談会をセットにしたミートアップを活用して開催しました。

また、集まった母集団には社内のリクルーターをつけ、「最終面接で合格が出たら必ず承諾してくれるだろう」という段階を目指して、個別にフォローを行いました。

結果として、9割の内定承諾率を誇っています。

複数の手法を組み合わせながら成功に繋げた事例です。

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ディップ株式会社

ディップ株式会社は、機械学習エンジニアとデータサイエンティストをターゲットに採用活動を行い、5名の採用に成功しています。

求人・自社サイトサイトで募集をかけると共に、リモートインターンの受入も始めたのがポイントです。

リモートインターンで母集団を形成するだけでなく、応募者のスクリーニングにも利用でき、自社に合った人材をピンポイントで採用できました。

エントリーは2,000~3,000程度集まり、過去最速の採用スケジュールを達成できました。

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まとめ

母集団形成は、優秀な人材をミスマッチなく採用するための重要な要素です。

採用計画・採用戦略を共に見直しながら、母集団形成に適した求人方法を活用していきましょう。

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