採用ブランディングとは?重要性や進め方を解説【成功事例つき】

従来の「自社の求人情報を提示して、それを見た求職者からの応募を待つ」という「待ち」の採用ではなかなか優秀な人材を獲得できなくなっています。

そんな状況で注目されているのが、「採用ブランディング」です。

本記事では、採用ブランディングの定義、なぜ取り組むべきなのかを解説した上で、具体的な取り組み方や事例を紹介しています。

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採用ブランディングとは

採用ブランディングとは、企業認知度や求職者の入社意欲を高めるため、戦略的に企業をブランド化していくこと。他社にはない自社ならではの魅力を発信することで、「働く場所」としての企業イメージを向上させていきます。

商品・サービスの魅力を伝える顧客向けのブランディングと違い、採用ブランディングの情報発信は非常に多面的です。

「働く場所」として魅力を感じてもらうためには、商品・サービスだけでなく企業理念やカルチャーなども発信し、企業全体をブランディングしていく必要があります。

採用広報との違い

「採用ブランディング」に似た言葉に「採用広報」があります。

採用広報とは、自社で働くイメージをもってもらうため、企業自らが情報発信することです。

採用ブランディングとの違いは、採用広報が発信活動を指すのに対して、採用ブランディングはイメージづくり(ブランディング)の活動を指すということです。

言葉の意味は若干異なりますが、実態としては同じような活動を指すことが多いです。

採用広報については、こちらの記事で詳しく解説しています。

【参考】採用広報とは?成功させるポイント・メリットを徹底解説【事例付き】
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/recruiting_pr/

採用ブランディングが注目される背景

なぜ採用ブランディングが注目されているのでしょうか。2つの背景を解説します。

1.企業が選ぶ時代から選ばれる時代に変化

現在、採用市場では少子高齢化により人手不足が深刻化しています。労働人口が減り続けるのに対し、企業側の求める人材要件は高度化の一途をたどっており、とくに即戦力となる優秀な人材層の獲得競争が激化しています。

従来の採用は求人広告やエージェントを用いて「転職意欲が顕在化している求職者」という限られたパイを奪い合うのが前提となっていました。しかし、売り手市場へと採用が変化する中で、このような手法だけでは採用はますます難しくなるばかりです。

このような採用難の時代に求職者から選ばれるためには、他の会社にはない魅力があることを求職者に伝えて、自社を差別化することがより求められます。そこで自社のブランディングを行なっていく採用ブランディングが注目されているのです。

時代の変化に伴い、採用への考え方もアップデートする必要があります。
以下の記事では、これからの採用に必要な基本的な考え方や、採用のトレンドについてわかりやすくまとめています。

「なぜ採用活動がうまくいかないのか」と悩んでいる方は、ぜひご一読ください。

【採用の新常識】上手くいかない採用から脱却するために必要な考え方
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/recruiting_textbook

2.求職者の仕事選びの価値観も多様化

人材の流動性が高まり、求職者が会社に求める価値観は多様化しています。かつてのように知名度や待遇、安定性だけではなく、様々なことが重視されるようになりました。

ウォンテッドリーの調査によると求職者が転職先に求めることは、給与水準だけでなく、有意義な仕事やカルチャーマッチといった項目も上位に来ています。こういった会社の中身の話を伝えるのに採用ブランディングは適しています。どんなことを会社は目指しており、どんな人が働いているのか。こういったことをコンテンツ化し、広く発信していくのです。

入社前に会社のことをより深く理解してもらうことは、選考辞退やミスマッチによる早期離職を防ぐうえで非常に重要です。実際、退職理由の上位には「事業内容がイメージと違った」「職場環境に不満がある」「カルチャーギャップを感じた」などがランクインしています。

採用ブランディングの5つのメリット

採用ブランディングに取り組むことで得られるメリットは次の5つです。

1.企業認知度を高められる

採用ブランディングとして企業情報を積極的に発信すれば、転職潜在層を含む多くの人材にリーチできます。

企業認知度が高まれば、将来の転職先候補として検討してもらえる可能性が高まります。

2.求める人材からの応募が増える

採用ブランディングによって求職者の企業理解を深められれば、自社にマッチした人材からの応募増加が期待できます。

また、自社にマッチしない人材からの応募を抑制する「セルフ・スクリーニング」も期待できるため、母集団の質が高まり、採用効率も上がるでしょう。

3.採用競合と差別化できる

求職者は、特定の業界・業種にしぼって転職活動することがほとんどです。そのため、同業他社との差別化ができていなければ、「数ある転職先候補のうちの1つ」に留まってしまいます。

しかし、採用ブランディングによって自社ならではの魅力を発信すれば、「他社ではなく、この企業で働きたい」と思ってもらえるようになるでしょう。

4.採用コストを削減できる

採用ブランディングによって企業イメージや認知度が高まれば、求人広告や人材紹介サービスを利用しなくても自然に応募が集まるようになります。

また、2で解説した通り母集団の質や採用効率も高まるため、採用活動にかかる人的コストも削減できるでしょう。

5.従業員エンゲージメントが向上する

採用ブランディングは社内にもよい影響をもたらします。採用ブランディングの過程で社員が企業の魅力を再認識すれば、業務のモチベーションや企業に対する愛着心が高まるでしょう。

従業員エンゲージメントが高まれば、定着率の向上も期待できます。

【参考】従業員エンゲージメントとは?3つの高める方法を紹介|事例つき
https://www.wantedly.com/hiringeek/organization/engagement/

採用ブランディングの2つのデメリット

ここでは逆に、採用ブランディングのデメリットを紹介します。採用ブランディングに取り組む際は、次の2点に注意しましょう。

1.全社の協力が必要

1つ目のデメリットは、全社の協力が必要な点です。

いくら情報発信しても、発信内容と実際の現場にギャップがあれば、早期離職のリスクが高まります。

そのため、採用ブランディングで発信していく企業理念やカルチャーは、全社員が実感または指針としている状態を目指さなければなりません。

つまり、採用ブランディングを成功させるためには、外部への情報発信だけでなく、社員の意識統一やエンゲージメント向上の施策も必要なのです。

【参考】従業員エンゲージメントとは?向上のための施策と事例https://www.wantedly.com/hiringeek/organization/engagement/

2.時間と手間がかかる

2つ目のデメリットは、効果を実感できるまで時間と手間がかかる点です。

採用ブランディングは、即効性の高い手法ではありません。認知度向上や企業イメージの浸透、そして実際に候補者の質や量の変化が実感できるまで、少なくとも1年はかかると覚悟しておきましょう。

また、採用ブランディングを成功させるためには、PDCAサイクルを回しながら継続的に情報発信していかなければなりません。長期的に取り組み、広く深く情報発信していくことではじめて大きな成果を得られます。

採用ブランディングの進め方とポイント

続いて、採用ブランディングの進め方を5ステップで解説します。各ステップにおけるポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

1.求める人物像を明確にする

まずは、求める人物像を明確にしましょう。誰に向けて情報発信していくか決めなければ、適切なイメージ戦略やコンテンツ発信はできません。

人物像を明確にするにあたって必要な作業は以下の2つです。

①採用要件(ターゲット)を作成する

②採用ペルソナを作成する

採用要件とは求める人材のスキルや経験などの条件や基準をまとめたものです。一方、採用ペルソナとは具体的な人物像の例のことです。

ペルソナを作成するのは、ブランディング戦略を考えるにあたって具体的な人物像のイメージがあった方が、アイディアを考えやすいためです。

ペルソナを作成するには採用要件が必要なので、この順番になります。

採用要件と採用ペルソナの作成の仕方についてはそれぞれ以下の記事で詳しく解説しています。

【参考】採用要件の作成手順【職種別サンプル】必ず押さえたい2つの注意点とは
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/requirements/

【参考】採用ペルソナとは?設計の手順やポイントを解説
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/persona/

2.採用コンセプトを決める

次に、採用コンセプトを決めましょう。

採用ブランディングでは、「求職者にどのようなイメージをもってもらうか」というイメージ戦略が必須です。そしてイメージ戦略に重要な統一感を生み出すためには、採用コンセプトがカギとなります。

採用コンセプトが曖昧だと、情報の切り出し方やコンテンツによって求職者に与える印象がバラバラになってしまい、認識ギャップが生じてしまいます。

そのため、「市場・事業・業務・人・文化・制度」などの各観点でコンセプトを決め、企業イメージを統一化させましょう。

また、採用コンセプトが頻繁に変わるようでは、採用ブランディングの効果は発揮されません。今ある魅力だけでなく、5年後・10年後を見据えた今後の展望など、経営陣の意見も反映させたうえで確固とした採用コンセプトを作り上げましょう。

例)コンサルティング会社の場合

・市場:大きな予算を持つ企業
・事業:BtoBのコンサルティング事業で、メンバー一人一人のスキルが会社の価値の源泉
・業務:現場のメンバーの責任と裁量が大きい
・人:成長意欲が高い人材が多い
・文化:基本的に個人主義。合理性を大事にする
・制度:個人の成長を支援する制度がある

このように洗い出していくことで、以下のようなコンセプトが見えてきます。

採用コンセプト:人に全力で投資をする企業

【参考】採用コンセプトとは?重要性・決め方・人気企業11社の事例を解説
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/concept/

3.訴求を設計する

次に、ターゲットへ向けてコンセプトを発信するにあたって具体的な企画を考えるために、次は訴求を設計しましょう。

コンセプトがターゲットやペルソナに受けいれられるために、どのようなことを伝えるといいかを考えていきましょう。

以下の例で考えてみます。

採用要件:20代若手 成長意欲が高い 論理的思考能力が高い

ペルソナ:情報感度が高く、ニュースアプリを日常的に使っている。英語やプログラミングの学習に関心がある。趣味は仕事と言ってしまう事がある。

採用コンセプト:人に全力で投資をする企業

この場合、例えば以下のような訴求が考えられます。

訴求①:仕事は個人の実力が試されるため、成長しやすい環境である。

訴求②:働いている人は優秀でスキルがある。

訴求③:この会社では成長を支援するために、様々な学習支援制度が存在する。

訴求④:この会社では個人が成果を出すことに集中できるように、生産性を向上する様々な取り組みを行なっている

4.発信内容を企画する

訴求が決まったら発信する内容を考えていきましょう。

すでにいくつかコンテンツがある場合は、考えた訴求のうち、あまり発信できていないものを中心に考えていくと良いでしょう。

先ほどの例で考えてみます。

訴求①:仕事は個人の実力が試されるため、成長しやすい環境である。
→過去にやった大きいプロジェクトを紹介/一人一人の仕事の裁量の大きさの紹介

訴求②:働いている人は優秀でスキルがある。
→すでにインタビュー記事が多くあり見られているため、今回は作成しない

訴求③:この会社では成長を支援するために、様々な学習支援制度が存在する。
→制度の紹介/制度を活用してスキルアップした事例

訴求④:この会社では個人が成果を出すことに集中できるように、生産性を向上する様々な取り組みを行なっている
→生産性向上の取り組みの中でも特にユニークなものを紹介/個人の生産性に対する強い思いを代表が語る

この段階まで来たらアイディア勝負なので、一人で全てを考えるのではなく、何人かのメンバーで案を出しあったり、どのアイディアがいいかを投票してもらったりすると良いでしょう。

5.発信手段を決定する

どのように情報発信していくか、採用ブランディングの手段を決めましょう。

採用ブログやSNSなど、現在あらゆる手段が存在しますが、それぞれ特徴やリーチできる層は異なります。そのため、数ある中から自社にマッチした手段を選ばなければなりません。

「採用ブランディングの発信手段4選」の章にてそれぞれの特徴を解説しますので、ぜひ自社に合った発信手段を選んでみてください。

ウォンテッドリーでは採用マーケティングの基本を以下の資料でわかりやすくまとめています

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採用ブランディングの発信手段4選

ここでは、採用ブランディングでの代表的な発信手段を4つ紹介します。それぞれの特徴を理解し、自社に最適な手段を選びましょう。

1.採用ブログ

ブログは、採用に関する情報発信の「拠点」および「ストック」の位置付けになります。

情報が埋もれがちなSNSと違い、カテゴリー別に多くの情報を蓄積していけるのがメリット。一度ターゲットの目にとまれば、過去にアップした情報も含め多くのメッセージを伝えられます。

ただし、採用ブログ運用のポイントは「立ち上げ」ではなく「継続」です。更新の度にコンテンツを考えるのではなく、はじめにサイト全体の完成イメージを決めてから、段階的にコンテンツを積み上げていくようにしましょう。

またブログでの発信は、バリエーションが重要です。あるときは社内イベントをカジュアルに発信し、あるときは創業時の様子を発信するなど、多面的に企業の魅力を訴求していきましょう。

最近は、外部サービスを利用して採用ブログを運用する企業が増えています。とくにWantedlyには「ストーリー」というブログ機能があり、フォーマットに沿って画像やテキストを挿入するだけで簡単に採用ブログが作れます。

実際にウォンテッドリーでは優秀なエンジニアに注目されるために、このブログ機能を活用して、エンジニアの採用ブランディングに力を入れてきました。エンジニアコミュニティでは企業内部の事例をオープンに共有する文化がありますが、ウォンテッドリーでも「Go」などの技術の知見を共有することで、エンジニアから第一想起される企業を目指しました。

後ほど「採用ブランディングにオススメのブログツール3選」の章にて、Wantedlyを含む各ブログツールの特徴を解説します。ぜひ参考にしてください。

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【参考】Wantedly Engineer Blog
https://www.wantedly.com/stories/s/wantedly_engineers

【参考】面白い採用ブログを発信するには?ネタの探し方や書き方のコツを伝授
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/blog/

2.動画メディア

動画メディアは、多くの情報をわかりやすく伝えられるのがメリット視覚に訴え、強いインパクトを残せます

スマートフォンが普及した現代では、動画も欠かせない情報源。テキストでは表現しにくい社内の雰囲気やエモーショナルな感情伝達にも効果があるため、採用ブランディングに最適です。実際、動画視聴により求職者の志望度が上がったというデータもあります。

しかし、制作コストが高いため、動画チャネルを継続運用するのは非効率的。ブログやSNSなどの他ツールと組み合わせ、いざという場面に限り動画を活用するとよいでしょう。

採用ブログが簡単に作れるWantedlyでは、採用動画のオプションもついています。企業の魅力を引き出すための動画メニューが4つ用意されているため、一から企画を考える必要もありません。

ブログと組み合わせて効果的に訴求できるため、これから採用ブランディングをはじめようとしている方はぜひ検討してみてください。

【参考】話題の採用動画がもたらす、予想外の効果とは
https://www.wantedly.com/hiringeek/interview/labw_01/

3.SNS

TwitterやInstagramなどのSNSも、採用ブランディングに有効です。

SNSは多くの人が日常的に使うサービスであり、シェア機能による拡散性が高いことからリーチできる人材の幅広さと人数の多さが最大のメリット。無料で利用できるため、コストがかからないのも魅力です。

また、画像や動画を通して、テキストだけでは伝わりにくいカルチャーやリアルな雰囲気を発信できるため、企業理解度の向上にも期待できるでしょう。

ただし、更新頻度が低いとすぐ他の情報に埋もれてしまうため継続運用が必須です。気軽にはじめられる一方で、管理やコンテンツ制作にはそれなりの人的コストがかかる点は注意しておきましょう。

また、各SNSでユーザーの年齢層が異なるため、自社のターゲットとマッチした媒体を選ぶことが重要です。

ウォンテッドリーでは、採用にSNSを活用したいと考えている方々のために、SNSごとの登録属性や必要な専門知識、活用時に失敗しないコツなどのノウハウを1つの資料にわかりやすくまとめました。ぜひ一度確認してみてください。

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【参考】SNS採用とは?各SNSの特徴や活用ポイントを解説
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/social_recruiting/

4.イベント・ミートアップ

イベントやミートアップは、ブログやSNSと違って企業の魅力を直接伝えられるのがメリットです。

イベント企画のコツは、選考を前提とした企業説明会ではなく、参加者にとってメリットがある交流会や勉強会を開催すること。選考前提では集客できない転職潜在層へのアプローチが可能になります。

ただし、イベントやミートアップは長期的な視点で開催することが大事です。

カジュアルな場であればあるほど参加のハードルは下がりますが、その分参加者の転職意思は弱い傾向にあります。交流を重ねて信頼関係を築きながら自社のファン化を促し、将来的な採用につなげていきましょう。

【参考】採用ミートアップを手軽に開催するには?集客媒体や事例も紹介
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/meetup/

採用ブランディングにオススメのブログツール3選

続いて、採用ブログでオススメのツールを3つ紹介します。それぞれの特徴を理解し、自社に最適なツールを選びましょう。

​​1.Wantedly

Wantedlyは、企業のミッションや価値観への「共感」で求職者とのマッチングをはかる採用サービスです。

会社の想いが伝わりやすいフォーマットで募集を出すことができます。さらにブログ機能があり、会社の雰囲気やどのような人が働いているかを発信する事ができます。

発信したコンテンツを添付してダイレクトスカウトを送信したり、応募を出したりできるので、コンテンツをそのまま採用に活用できるのが利点です。

採用ブランディングを手軽に始めたい方におすすめです。

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2.note

noteの法人向けサービスである「note pro」も採用ブログとして有効です。

一般的なプラットフォームサービスの場合、フォーマットが決まっているため他社との差別化が難しいのですが、「note pro」ならメニューやサイトカラーなどあらゆるカスタマイズができ、自由な情報発信とブランディングが可能です。

また、社員が個人アカウントで書いた記事を「マガジン」として法人アカウントにまとめられるため、さまざまな社員の視点から企業カルチャーや仕事内容をリアルに伝えられます。

詳細:https://pro.lp-note.com/

3.オウンドメディア

外部サービスを利用せず、自社でメディアを立ち上げるのも一つの手段。オウンドメディアは決まったフォーマットがないため、企業の魅力を自由に発信できるのがメリットです。

ただし、メディアの立ち上げには専門的な知識や技術が必要であり、外注する場合は50万円前後のコストと数ヶ月ほどの制作期間がかかります。

そのため、コストをかけずスピーディーに採用ブランディングに取り組みたい場合は、上で紹介した外部サービスを利用するとよいでしょう。

【参考】採用オウンドメディアとは?5社の成功事例から考えるはじめ方
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/media/

採用ブランディングの成功事例5選

最後に、採用ブランディングに成功した企業事例を5つ紹介します。

1.株式会社SmartHR

株式会社SmartHRは、採用ブランディングによって1年で約3,700人のタレントプール形成に成功しました。

採用人数増加にともなう母集団不足を課題としていましたが、人材紹介頼みの母集団形成から脱却するため、あらゆる採用チャネルを強化。求職者との最初の接点から応募にいたるまでの段階を4つに分け、ストーリーラインを設計しました。

発信コンテンツは、代表・社員のブログや、オープン社内報、外部のインタビュー記事など多面的。実際に働いているメンバーの人柄や雰囲気を感じとってもらうためのイベントを開催したことも成功の秘訣です。

【参考】株式会社SmartHRの採用ブランディング施策とは?https://www.wantedly.com/hiringeek/interview/rc_sk1/

2.JPYC株式会社(旧:日本暗号資産市場株式会社)

採用広報 ノウハウ

JPYC株式会社(旧:日本暗号資産市場株式会社)は、Wantedlyのストーリー機能を活用して求職者へ情報を発信。Wantedlyの活用開始後、これまで1ヶ月3名しかいなかった応募が40名にまで増加しました。

企業認知度をあげた秘訣は採用ブログの「継続運用」。週に1回、軽めの記事でよいので決して更新をサボらないよう心掛けているそうです。

【参考】日本暗号資産市場株式会社が応募数を5倍にした施策とは?
https://www.wantedly.com/hiringeek/interview/recruit_branding_01/

3.株式会社メドレー

株式会社メドレーは、企業のフェーズに合わせて段階的かつ戦略的に採用ブランディングを実施しています。

最初に目指したのは「医療×ITのリーディングカンパニー」として企業認知度を高めること。Wantedlyのストーリー機能を活用して「私がメドレーに入社した理由」というブログを連載し、総計120万近くのPVを獲得しました。

認知度が上がってからは、企業の社会的役割を広く認知してもらえるようブランディングを開始。コーポレートサイトの全面改訂や動画メディアの掲載など、コンテンツを刷新しました。

「自社のどこを見せたいのか、自社が目指すものをどう表現するのか」というゴールイメージを設定したうえでコンテンツ発信したことが成功の秘訣です。

【参考】株式会社メドレーの採用ブランディング施策とは?
https://www.wantedly.com/hiringeek/interview/eventreport_fuze2021_session_a/

4.株式会社Donuts

株式会社Donutsは、企業認知度の向上と母集団形成を目的に採用ブランディングを開始。従来の母集団形成は人材紹介に頼っていたため、採用ブランディングによるコスト削減も図っています。

Wantedlyのストーリーでは、週1本のペースで「人」を切り口としたコンテンツを中心に投稿。採用したいポジションから逆算して、取材する人材や情報を決めています。

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5.株式会社前田組

株式会社前田組は、「衣食住を通した日本伝統文化の復権」「銭湯&サウナの事業展開」といった地域創生活動を行っている社員の日常をWantedlyのブログ機能を活用して発信しています。

また「きょうのまかない」として、会社敷地内の菜園で育てた野菜を中心に社員が手作りする日々のランチの写真と記事も掲載しています。「地域を愛して、地域をよくしていく仕事に携わりたい」といった想いを持つ候補者には、とても魅力的な発信になっています。

【参考】前田組まかないブログ
https://www.wantedly.com/stories/s/maeda-g_lunch

まとめ

求職者から選ばれる企業になるために、採用ブランディングの必要性は高まっています。

今回は採用ブランディングを実践するにあたって必要なフローを5つのステップに分けて解説し、発信手段やツールについても紹介しました。もしうまくいかない時は、またこの記事で紹介した事例等を参考にしてみてください。

ウォンテッドリーでは採用マーケティング(リクルートメント・マーケティング)をテーマに人事責任者である大谷が書籍を出版しています。より詳しく学びたい方や、事例についてさらに知りたい方はこちらもぜひご一読ください。

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