「人材紹介」「就職・転職エージェント」の名を聞いたことがあっても、利用のメリットがわからないまま、既存の採用手法に頼ってしまっている企業は少なくありません。
「エージェントが自社に合った手法なのかイメージできない」
「利用することで却ってデメリットが生じたりしないのか」
と不安を持ち、いまいち積極的になれない人事担当者も多いのではないでしょうか。今回は、人材紹介のメリット・デメリットを解説します。
利用に向いている企業の特徴もピックアップしたので、自社に当てはまるか照らし合わせながら参考にしてください。
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採用に役立つ「マーケティング」の考え方とは
これからの採用に欠かせない、マーケティングの基本的な考え方をご存知ですか?
求職者が求める価値観が多様化し、優秀な人材層の獲得競争が激化する現代において、自社に最適な人材を採用するためには「マーケティング」の視点が欠かせません。
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人材紹介サービスとは?
人材紹介とは、人材紹介会社から求職者を紹介してもらえる採用サービスのことです。
人材紹介サービスに登録している求職者の中から、自社にマッチした人材を紹介してもらえるため、工数をかけずに効率よく採用できます。また、基本的に成果報酬制のため、採用とならない限りコストは一切発生しません。
採用成功した場合、他の採用手法と比べてコストは割高ですが、成果重視で効率よく採用したい企業や、忙しくて採用に工数をかけられない企業が多く活用しています。
【参考】人材紹介とは?仕組み・利用のポイント・オススメ14社を解説
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/agent/
人材紹介サービス4つのメリット
まずは、人材紹介のメリットを解説します。過去行ってきた採用手法と比較しながら、目を通してみてください。
1.成果報酬のために初期コストがかからない
人材紹介は成功報酬のため、初期コストが一切かからないメリットがあります。
転職サイトや求人誌のように求人票を掲載するだけで料金がかかることもなく、ターゲットに響く求人文章作成のために原稿料が発生することもありません。
採用決定までの費用はすべてゼロであり、「とりあえず使ってみる」「まずは相談から」といった利用も可能です。
2.採用にかける人的コストを削減できる
人材紹介を活用することで、採用にかける人的コストを削減できます。
自社だけで採用活動をする場合、求人票の作成・画像や写真の準備・募集開始・応募対応・面接対応など、大量の細々とした業務をこなす必要があります。
面接会場の場所を詳しく案内したり、面接結果の催促を受けたり、必要ではあるもののストレスの多い仕事も増えるものです。
また、候補者をフォローしたり、内定から入社までの間に定期的にサポートをしたりする必要もあるでしょう。
人材紹介はこれらの雑務を一手に引き受けてくれます。そのため、現場の人事担当者は選考だけに集中できます。
その分、他の業務に充てられる時間が増えるため、人材紹介は人的コスト削減に役立つのです。
3.急ぎの採用にも向いている
人材紹介会社はフットワークが軽く、すぐに人材探しをスタートしてくれます。
急な退職や休職に伴い即稼働できる人材が欲しい場合にも、大いに力になってくれるのです。
転職サイトは申し込んでから掲載までに時間がかかることも多く、採用特設ページを外注するとなると1~2ヶ月単位で期間を要することも出てきます。
短期間で効率よく採用したい時は、人材紹介を利用するのがオススメです。
4.非公開で求人募集できる
人材紹介は、「非公開採用」と呼ばれるコンフィデンシャル性の高い採用でも利用可能です。
非公開求人を利用するのは、新しい営業戦略や事業再構築に舵取りをしていると同業他社に知られたくない企業が大半。
また、既存の仕事に空きが出ることで、前任の退職者について噂になってしまう狭い業界もあるため、リスクヘッジの一環として非公開で求人を進める場合もあります。
こうした企業や、応募者が殺到しそうな人気のある職種で募集したい企業は、人材紹介を利用した方がよいでしょう。
人材紹介サービス4つのデメリット
反対に、人材紹介のデメリットを解説します。メリットと照らし合わせながら確認していきましょう。
1.採用コストが比較的高い
人材紹介を利用することで、採用コストが高くなるケースがあります。
採用が決定した段階で支払う成功報酬は、求職者の理論年収の30~35%が相場です。
つまり、年収600万円の人材を採用した場合の成功報酬は180~210万円程度。一人当たりの採用単価は、他の採用手法より高額になりがちです。
また、人材紹介の成功報酬や手数料は、候補者が入社した時点で発生するのが一般的ですが、経営層・管理職・専門職を対象とした「サービス型」の場合は着手金が発生することもあります。
人材紹介の手数料の相場や計算方法は以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご確認ください。
【参考】人材紹介にかかる手数料の相場は?エージェント別に徹底比較
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/agent_cost/
2.自社に採用ノウハウが身につかない
人材紹介に採用の大半を任せることで、自社に採用ノウハウが身につかない可能性があります。
いざ自社単独で採用しようとした時に必要なステップがわからなかったり、想定していた以上の工数が必要になって業務量に負荷がかかったりすることもあるでしょう。
また、求職者とのトラブルが発生した時、どう対応すればいいかわからなくなってしまう恐れも出てきます。
ノウハウを身につけたい場合、人材紹介だけでなく同時並行でダイレクトリクルーティングやリファラル採用をするなど、採用を完全に委託しきらないことも重要です。
3.大量採用に向いていない
企業が求める人材像に合わせて1人ひとり求職者を選定するシステムである以上、大量の人員から一度に応募が来ることはありません。
多めの人数を設定することはできますが、あくまでも担当するエージェントの枠内でしか採用できないことを知っておきましょう。
4.ニッチな職種だと人が集まりにくい
特定の分野に限る研究職や、特定の経歴を指定してのコンサルタント職など、ニッチな業種・職種だと、人が集まりにくいデメリットもあります。
知名度が低いため応募につながらないだけでなく、業界・職種に対するエージェントの知識が浅いと、求職者に対して適切なアプローチができません。
母集団形成に支障が出る可能性がありますから、自社の求人と似た案件を担当した実績があるか確認しながら依頼していくのがよさそうです。
人材紹介サービスが向いている企業の特徴
次に、人材紹介サービスの利用が向いている企業の特徴を3つご紹介します。
人材紹介の利用には向き不向きがあるため、もしどの特徴も当てはまらない場合は、他の採用手法を検討したほうがよいでしょう。以下の記事にて全9つの採用手法を解説していますので、ぜひあわせてご確認ください。
【参考】採用手法9選を徹底比較|選び方やトレンドも紹介【図表・事例つき】
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/method/
1.人材紹介会社のモチベーションを上げられる
第1に、担当のエージェントを説得できる力のある企業に向いています。求職者側が強い売り手市場の昨今、人材紹介に依頼しただけでは、十分な応募は集まりません。
時には100社を超える企業を担当するエージェントに対し、自社の魅力や熱意を的確にアピールし、人を引っ張ってきてもらえるよう交渉する必要があります。
そのためには、「いい会社だから紹介する人を増やしたいな」と思ってもらえるような採用担当のコミュニケーション能力が欠かせないのです。
2.人材紹介会社への報酬を比較的多く出せる
第2に、報酬を比較的多く出せる企業は比較的人材紹介の活用に向いているでしょう。
高年収・高待遇で人員を迎えられる会社の案件は、それだけ人材紹介が得る手数料も高くなります。
エージェントもよりスキルの高い人材を紹介し、採用を確実なものにしようと考えるでしょう。
また、同じ業界・職種で、求めるスキルも同じような会社が2社あった場合、片方が年収600万円、もう片方が年収500万円を提示していたら、当然年収600万円の企業に応募が集まります。
より多い報酬を出せる企業の方が、有利であることがわかります。
3.採用予算を多くとれる
さいごに、採用予算を多く取れる企業も、人材紹介に向いていると言えます。
前述した通り、人材紹介に支払う成功報酬は、求職者の理想年収の30~35%程度です。
入社時の1度だけの支払いだとはいえ、無料で求人票を掲載できるサイトや単発掲載の求人誌より、費用は高くなることを覚悟しておきましょう。
ただし、採用にかける人的コストを減らせること、エージェントの目で確かなスキルのある人材を紹介してもらえることと天秤にかけると、費用対効果に優れているケースもあります。
予算を十分に確保した上で、エージェントに相談するのが理想的です。
人材紹介サービスの種類と選び方
人材紹介サービスは、サポート体制・集客方法・属性によって以下のように分類されます。
1.サポート体制
分業型:求職者担当と企業担当が分業して効率よくサポート
両面型:1人の担当者が求職者と企業の双方を支援するためミスマッチが少ない2.集客方法
一般登録型:求職者が自ら登録する
サーチ型:人材紹介会社がヘッドハンティングする(転職潜在層や優秀層にリーチできる)3.属性
総合型:さまざまな業種・職種に対応
専門型:特定の業種・職種に対応(専門性が高く、ノウハウが豊富)
上記の通り、人材紹介会社によってサポート体制や得意な領域は異なります。そのため次の3点に留意し、自社に最適なサービスを選びましょう。
人材紹介サービスを選ぶときのポイント
1.登録者の属性
→求める人材にリーチするためには、登録者数よりも登録者の属性(職種・年齢・スキル)が重要。2.紹介実績
→同じ業界・職種での紹介実績やノウハウがあるか、担当者の経歴や専門性などをチェック。3.マッチング精度
→どのように候補者を選定しているのか、求職者との面談ではどんな内容をヒアリングしているのかなど、マッチング精度を高めるための取り組みをチェック。
人材紹介サービスの種類と選び方は、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひあわせてご確認ください。
【参考】人材紹介とは?仕組み・利用のポイント・オススメ14社を解説
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/agent/
オススメの人材紹介サービス15選
オススメの人材紹介サービスは以下の通りです。ぜひ自社にあうサービスを選んでみてください。
総合型 | 専門型 | |
---|---|---|
新卒採用 | ・アカリク就職エージェント(大学院生に特化) ・アスリートプランニング(体育会学生に特化) ・美大芸大就活ナビ(美術系に特化) | |
中途採用 | ・メイテックネクスト(エンジニアに特化) ・クリーデンス(アパレル業界に特化) ・RSG建設転職(建設業界に特化) | |
業務委託 (副業・フリーランス) | ・シューマツワーカー | ・フォスターフリーランス(ITエンジニアに特化) ・ITプロパートナーズ(ハイレイヤー層に特化) |
各サービスの詳細や活用のコツは以下の記事で解説しています。ぜひあわせてご確認ください。
【参考】新卒人材紹介サービス比較8選|選び方のコツや料金を紹介
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/agent_newgrads/
【参考】人材紹介の手数料の相場は?オススメサービス10選を紹介
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/agent_cost/
【参考】人材紹介でフリーランスを採用するコツ|オススメサービス3選を紹介
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/agent_freelance/
人材紹介サービスで採用成功する5つのコツ
人材紹介により希望通りの採用を実現するためには、以下の5点に注意しましょう。
1.サービス利用の流れを確認しておく
人材紹介サービスをはじめて利用する場合は、契約から入社までの流れをあらかじめ把握しておきましょう。
採用工数を大きく減らせるのが人材紹介のメリットではありますが、求人票作成のための打ち合わせ・書類選考・面接・内定後フォローなどには時間を要します。
人材紹介サービスの利用手順はこちらで詳しく解説していますので、ぜひあわせてご確認ください。
【参考】人材紹介の流れ|7つのステップごとの注意点とは?
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/agent_flow/
2.求める人材像を明確にしておく
人材紹介サービスを利用するにあたり、どのようなスキルや経験をもった人材を求めているのかを明確にします。
社内で協議して定めた「理想の人材像」を、人材紹介会社の担当者へ明確に共有することで自社が求める人材の採用につなげます。
【参考】採用ペルソナとは?作り方や項目例を解説【テンプレート付き】
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/persona/
3.人材紹介会社の担当者へ必ずフィードバックする
人材紹介を受けて自社にマッチしなかった際は、人材紹介会社の担当者へ必ずフィードバックしましょう。
「何が自社の求める人物像と異なったのか」「次回はどの点を基準に選考してほしいのか」などを伝えることで、より精度の高い人材紹介を受けることができます。
4.自社の魅力やメリットを分かりやすく示す
人材紹介とはいえ、候補者に興味をもってもらうことが前提です。そのために、自社の魅力やメリットをあらためて見返して、分かりやすく表現しましょう。
具体的には、給与面や休日数・残業などのワークライフバランスは重視される傾向があります。候補者の傾向を把握している人材紹介会社の担当者への相談もオススメです。
もし「自社の魅力や独自性がわからない」という場合は、以下の記事をご確認ください。視点や切り口を変えることで、自社ならではの魅力や価値を見つけられるでしょう。
【採用の新常識】上手くいかない採用から脱却するために必要な考え方https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/recruiting_textbook
5.募集要項や企業情報は常に最新にしておく
自社の情報や採用に関する情報に変化が合った場合には、必ず更新しましょう。
人材紹介サービスでの開示内容と自社ホームページに掲載内容に差異があると、候補者の不信感や混乱を招きかねないため注意が必要です。
【参考】募集要項の効果的な書き方|記載項目や注意点なども紹介【テンプレあり】https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/guideline/
低コストで優秀な人材を採用するには?
自社にマッチした人数を採用計画通りに採用しつつ、採用単価を抑えることができれば、採用担当としては最高の成果です。
低コストで優秀な人材を採用することを考えている方は、以下で紹介するWantedlyも候補に入れてみてください。
Wantedly
Wantedlyは給与などの条件ではなく、やりがいで企業と求職者がマッチングできるサービスです。
6ヶ月30万円から求人を掲載することができ、求人の掲載数に制限がなく成果報酬もないため、他の媒体や手法よりも採用単価を抑えることができます。
登録者としては20~30代の若手人材が多く、エンジニア、デザイナーなどのIT人材の登録が半数近くを占めています。
まとめ
人材紹介は初期コストと人的コストを下げながら採用活動ができたり非公開求人ができたりなど、メリットの多い方法です。
一方、大量採用をしたい企業や採用予算が十分に確保できないケースにはあまり適しておらず、思っていたような効果を実感できない可能性が出てきます。
自社が人材紹介向きな会社なのか検討し、利用のメリットを探っていきましょう。あまりメリットが得られなさそうだと感じたら、他の採用手法を試してみるのも1つの方法です。