Z世代とは?特徴と組織づくりで知っておきたいポイント

X世代やY世代など特定の期間に誕生した層を指す言葉が、メディアを中心にさまざまなシーンで使用されています。なかでも近年注目されているのがZ世代です。漠然としたイメージを持っているものの、具体的な特徴や接し方がよく分からないという方も多いのではないでしょうか。

今回は、Z世代とはどの年齢層を指すか、どのような特徴があるのかに触れつつ、採用・教育時に押さえておきたいポイントを解説します。Z世代の採用や教育に力を入れたい方はぜひ参考にしてください。

▶︎Z世代に響く福利厚生がたくさん!WantedlyのPerkとは?

Z世代とは?

Z世代は、近年流行や消費の中心として注目されている若年層を指す言葉です。ここではZ世代の基礎知識を解説します。

Z世代の由来・語源

Z世代という呼称はアメリカで生まれました。前世代にも同じく特定の呼称がつけられており、年齢の高いグループ順にX世代、Y世代、Z世代と並びます。また、Z世代以降の新たな世代としてα世代が登場しました。

Z世代に該当する年齢

Z世代に分類されるのは、1990年代後半から2010年の間に生まれたグループです。2023年現在において、10代前半から20代後半にあたります。小中学生を含む学生だけでなく、社会人になって数年経つ年齢層も含まれる点に注意しましょう。

Z世代とその他の世代との違いは?

Z世代に限らず、各世代にはユニークな特徴があります。従業員の教育・配置に取り組むときは「若者」と一括りにまとめるよりも、世代ごとの特徴に応じたアプローチを考えましょう。

ここではX世代・Y世代・α世代の特徴に触れつつ、Z世代との違いを解説します。

X世代

X世代は、1965年から1980年前半生まれの層を指す言葉です。いわゆる「団塊ジュニア世代」と呼ばれていた年齢層でもあり、ツールや文化など社会が目まぐるしく変容した時代を経験しています。

例えば、現代では個人間の連絡手段といえば、SNSのDMやメッセージアプリが主流となっています。X世代はこのような連絡手段を大人になってから体験した層です。彼らが若かった時代は、職場や家に電話して本人を呼び出してもらったり電子メールを活用したりといった連絡手段が主に用いられていました。

時代の変化に応じて、新たに登場したツールや文化に順応してきた世代ともいえます。生まれながらにしていつでも相手と交流できる環境が整っていたZ世代との違いは、子どもから大人になるまでの過程で生活様式が著しく変化した点です。

一方で、昔のような終身雇用が当然ではなくなったことを理解しており、スキル習得や転職などを積極的に考える点は、Z世代と共通しています。

Y(ミレニアル)世代

Y世代は、1980年代後半から1990年代中頃までにかけて誕生した層を指します。2000年以降に成人して社会進出する層であることから、英語圏ではMillennials(ミレニアルズ:ミレニアル世代)とも呼ばれている年齢層です。

Y世代はバブル崩壊による景気の急激な変化や就職氷河期を経験しているため、日本国内では氷河期世代とも呼ばれています。Y世代が育った時代はインターネット技術も急速に発展しており、景気だけでなく生活様式にもさまざまな変化がみられた時期です。

Y世代は、ガラケーと呼ばれる携帯電話や、電話回線を使用したインターネットの普及を10代のうちに経験しました。また、IT技術の発達により、インターネットが日常的に活用されるようになったことも大きな変化です。このような側面から、Z世代とともにY世代もデジタルネイティブに含まれます。

Y世代は、男女雇用機会均等法の改正にともない、男女平等の考えのもと教育を受けて育った層です。多様な生き方や価値観を柔軟に受け入れやすい点も、Z世代と共通しています。

α世代

α世代は、前述のとおりZ世代よりも若い年齢層を指す言葉です。2010年代から2020年代中盤にかけて生まれた、あるいは生まれる層が該当します。Y世代(ミレニアル世代)を親にもつため、Z世代と同じくデジタルネイティブです。

Z世代とα世代の大きな違いは、両親や祖父母など周囲にいる大人のデジタルリテラシーの高さにあります。α世代の親にあたるY世代そのものがデジタルネイティブであり、子どもたちに対するデジタル教育への理解度が高いといえます。

プログラミング教室へ通わせるなどデジタル教育を施す親が多く、幼少期からITツールに触れる機会が多いのはα世代固有の特徴です。このような環境から、α世代が成人するころには、Y世代やZ世代とは異なる価値観へ変容すると見込まれています。

Z世代とα世代には共通する特徴もあります。例えば、新型コロナウイルス感染症拡大の影響にともなうオンライン授業や親のリモートワークなど、従来とは大きく異なる生活様式の中で育った点です。

Z世代の特徴

前述のとおり、Z世代に限らず世代によって取り巻いていた環境や特徴は異なります。企業が人材採用や育成を行ううえで重視すべき点はZ世代の特徴を理解し、適切なアプローチ方法を選ぶことです。

ここからは、Z世代の特徴を詳細に解説します。

デジタルネイティブ

Z世代の前世代にあたるY世代もデジタルネイティブです。ただし、Z世代の場合は、幼少期からすでにインターネットが普及していた点がY世代とは異なります。2010年代付近に誕生したグループにおいては、物心がつくころにはガラケーからスマートフォンに移行しつつありました。

幼少期からインターネットが身近にあったZ世代は、公私ともに複数のSNSを使いこなしている状態が一般的です。投稿やメッセージのやりとりを通して、オンライン上で友情や恋愛感情を育むことに抵抗がありません。

また、情報取得の主な手段がインターネットである点も、Z世代ならではの特徴です。テレビや本、雑誌などで調べるよりも、タイムパフォーマンスに優れたインターネット検索を選びます。ほしい情報を探し出し、得た内容を取捨選択しながら自身の意思決定に役立てているのです。

ただし、Z世代が使いこなすデジタルツールは、スマートフォンやタブレットに関連するもののみです。インターネットを主にデスクトップ端末で利用していたX世代やY世代とは異なり、PCスキルは低い傾向にあります。

▶︎リモートで希薄になったコミュニケーションを活性化!Engagement Suiteとは?

与えられた仕事を的確にこなす

企業の上層部の中には、「最近の若者は主体性がない」と苦々しく思っている方も多いのではないでしょうか。Z世代に主体性がないと思われやすい理由のひとつは、仕事に対する姿勢があげられます。Z世代は指示を素直に聞いて従う素直さが特徴です。与えられた仕事を的確にこなす能力に長けており、真面目な性格ともいえます。

一方で、自らタスクを決めて取り組むような、自立を前提とする仕事は苦手な傾向があります。真面目で指示には従うものの、いわゆる昔ながらの「見て覚えろ」「自分で仕事を見つけろ」と自立心に訴えかける指導や指示との相性は良くありません。

自分らしく生きていきたい

Z世代の成長過程において、社会は多様性を重視する方向に変化しています。「周囲と同じ」ではなく「自分らしさ」を大切にしようと教育されて育ったため、本人たちも自分らしい生き方を望む傾向があります。

自分らしさとは、自分の価値観やニーズを重視することです。例えばプライベートではのんびりしたい、リラックスしたいと考えたり、仕事ではやりがいや楽しさを重視したりします。集団に合わせるのではなく、自分自身のニーズを優先したいと考えます。

Z世代の自分らしさを重視する性質は、仕事探しへの影響も少なくありません。従来のように待遇や給料が良い職場を求める層もいるものの、多くのZ世代は収入が低くてもやりがいを感じる業務が良いと考えています。

承認欲求が強い

Z世代のほとんどは、コロナ禍の影響により学生時代をオンライン授業主流で過ごしています。プライベートや学校生活でもSNSやメッセージアプリを使用したオンラインでのコミュニケーションが当たり前になっており、承認欲求が強くなりがちです。

オンラインでは、自分自身の言動に関するコメントがリアルタイムで届きます。会ったことのない他者から誹謗中傷を受けることもあり、周囲からどのように思われているのかを気にするZ世代も少なくありません。

一方で、オンラインには好意的な意見や同調を手軽に得られるメリットもあり、多くのZ世代が自分の価値観を積極的に発信するオープンコミュニケーションを是としています。

ワークライフバランスを重視する

前述の自分らしさを重視する傾向は、ワークライフバランスへの考え方にも大きく影響しています。自分らしく生きることを前提にすると、仕事を最優先に考えるのが必ずしも正解とはいえないのです。

なかには家庭や趣味との両立を図りながら、健康的な働き方をしたいと考える人もいます。プライベートな時間を犠牲にしてまで収入アップや出世をしたいとは考えないのがZ世代の特徴です。

パラレルキャリアに関心がある

昨今は、退職金制度のない企業が増えたり中途採用で即戦力が求められたりと、終身雇用が将来の安定に直結するとは限りません。Z世代も日本特有の労働環境を理解しており、終身雇用に固執せず、自分自身の力でキャリアを切り拓く意識が強いといえます。

積極的に自己成長やスキル向上につながる行動をとる人が多く、能力に応じて前向きに転職や独立を考えるフットワークの軽さがあります。会社への期待値が低い反動もあり、資格取得やスキルアップを重視するのがZ世代ならではのキャリア観です。

社会問題や多様性に関心がある

Z世代は、環境に関するニュースや教育に触れる機会も多く、社会問題や多様性に関心がある層でもあります。例えば、近年世界的に多くの国や地域、企業で取り組まれているSDGsの考え方も、Z世代に自然と受け入れられています。

2008年に起こったリーマンショックや2011年の東日本大震災など、Z世代は幼少期に大きな人災・天災にも見舞われた世代です。自ら経験したりニュースや学校の教育で耳にしたりした影響から、社会問題や多様性の重要性に対する一定の理解が前提にあります。

ジェンダーレスな考え方も強く、いわゆる「男らしさ」「女らしさ」など性差による区別にはやや敏感です。

コスパ・タイパなど効率性を重視する

Z世代とその他の世代で大きく異なるのが、時間やコストに関する考え方です。デジタル技術の発達により、あらゆる業務やコミュニケーションの効率化が図られた状態が、Z世代にとって日常的となっています。

平等性や合理性を求める考えが強く、下記のような要素には嫌悪感を抱きがちです。

・公平性を欠く社内評価
・形式ばかりを重視した理不尽なルール
・定期的に強制参加させられる中身のない会議

上層部が「ルールだから」と慣例的に行っている業務であっても、意義がないと感じるものに対しては疑問を抱くことがあります。

また、業務内のみならず、消費行動に関してもコスパ・タイパはZ世代にとって重要なポイントです。

Z世代に対する採用活動のポイント

Z世代を採用するにあたり、他の世代とは価値観が異なることを念頭に、次の6つを意識して採用活動を進めましょう。

SNSやオンライン面接の活用

Z世代はインターネットを中心に情報収集します。自社の存在はもちろん、採用活動を行っていることを知ってもらうためには、SNSなどインターネット上での情報発信が不可欠です。

求人サイトや就職活動に関する情報サイトで自社をアピールしつつ、SNS運用にも注力しましょう。多くのZ世代は、就職活動の情報サイトと並行して各企業や個人のSNSからも情報収集しています。

コロナ禍の影響もあり、現在はオンライン面接や説明会も業界を問わず活用されています。効率的に人材を獲得するためにも、SNSを含めたインターネット上での情報発信とともに、オンライン面接も積極的に取り入れましょう。

丁寧なコミュニケーション

せっかく人材を獲得しても、ミスマッチで早期離職となっては本末転倒です。マッチ度が高く、かつ長く働いてくれる人材を獲得するためには、面接や教育の場面における丁寧なコミュニケーションが求められます。

求められる情報を可能な限り開示することに加えて、応募者や新入社員との意見のすり合わせも欠かせません。Z世代当事者の意見や考え方を知ることで、従来の方法の改善点が分かり、次回の採用活動に役立てられるメリットもあります。

積極的な情報開示

社会問題に敏感で、情報に対して透明性を求める傾向が強いのもZ世代の特徴です。必要な情報は包み隠さず、いつでも開示する誠実さが求められます。

特にインターネットで誰でも手軽に調べられる状態であれば、透明性が高いと判断されます。採用活動の場合、社内評価や福利厚生、給与モデルや残業時間の目安などは、積極的に開示すべき情報です。

Z世代が活躍できる職場環境

Z世代は前述のとおり、仕事のやりがいを重視する傾向があります。収入が少なくても休日をきちんととれたり、成果が正しく評価されたりする職場環境が整っていることが重要です。

採用活動では、Z世代がやりがいを感じる職場環境が整っていることをしっかりとアピールしましょう。働きたいと思ってもらえる職場とは何かを検討し、実現していく姿勢も求められます。

Wantedlyの提供する福利厚生「Perk」

多様な属性の従業員が集まる企業の福利厚生の導入には多くのリソースがかかりがちです。そんな課題を解決するためには福利厚生のアウトソーシング化。代行サービスを利用することは有効な手段となります。

福利厚生サービス「Perk」は、各企業に代わって充実した福利厚生を提供するサービスです。ライフスタイル・グルメ・子育て・ファッション・旅行・など豊富な福利厚生メニューを初期費用無料、おひとり様月額350円〜ご利用いただけます。

無料資料をダウンロード

出社と在宅を掛け合わせた働き方ができる

コロナ禍の変化にともない、多くの企業でリモートワーク環境が整っています。無理に出社せずとも在宅で働ける土台が整っているのであれば、Z世代の教育・業務に活用してはいかがでしょうか。

出社と在宅を掛け合わせた勤務スタイルを取り入れれば、Z世代が重視する働き方の多様性を認めることにもつながります。コミュニケーションの取り方においてもオンラインとオフラインを使い分けると、時間や距離の制限がなくなるため、情報のやり取りが円滑になります。

フレックスなど多様な働き方ができる制度を整える

多様な働き方ができるように、社内制度の見直しも検討しましょう。近年はZ世代の採用のみならず、潜在求職者の獲得を狙った働き方の多様化が取り入れられています。

事情があって始業時間には出勤できない層や、1日に数時間しか働けない層の中には、働く意欲が高い人材も多く含まれています。彼らは、働けない理由を取り除くだけで高い生産性を発揮してくれるかもしれません。

Z世代に合わせて「週休3日制」「フレックスタイム制」「副業可」など多様な働き方ができる制度を整えれば、他の世代の人材を獲得するきっかけも増やせます。

Z世代を教育する上で心がけたいこと

Z世代の新入社員を教育するときは、特徴を理解したうえで次の2つのポイントを意識しましょう。

オンライン・オフラインを掛け合わせる

オンラインでのコミュニケーションを日常的に行っているZ世代にとっては、膝を突き合わせてやり取りすることだけが重要とは限りません。

コスパやタイパを重視する観点から、交通費や時間を削って顔を合わせるよりもオンラインで済ませるほうが良いのではないかと捉えられる可能性があるからです。

Z世代を教育するときは、オンラインとオフラインを場面に応じて使い分けましょう。オンラインで受けられる研修プログラムも有効です。

安心と信頼に繋がるコミュニケーション

Z世代は多様性への理解がある分、しっかりと信頼関係を築けば、きちんと指示を聞いて相手の意図を汲み取ろうとします。コミュニケーションをとるときは下記のように工夫することで、安心感や信頼感を与えましょう。

・上司にも相談しやすい雰囲気を作る
・価値観に寄り添った会話をする
・適切な距離感を保って接する

安心と信頼は、相手の観察や傾聴、丁寧な説明から生まれます。相手の価値観を尊重し、いつでも安心して相談できる上司や先輩を目指しましょう。

従来のやり方や考え方を押し付けたり、仲良くなろうとプライベートに踏み込んだりするのではなく、適切な手順や距離感で信頼関係を築くことが大切です。

また、Z世代の得意とするオープンなコミュニケーションも関係構築に欠かせません。情報は可能な限りオープンにし、壁を作りすぎないようにすることで、安心や信頼につながります。

まとめ

Z世代はタイパやプライベートなど、効率や合理性を重視する人が多いとされる層です。「先輩が残っているから」と非効率的な残業を奨励していては、彼らには受け入れられないかもしれません。

時代の変化にともない、人材を雇用・教育する側も世代に合わせた改革が必要です。自社に愛着をもって働いてもらうためにも、社内制度や福利厚生を今一度見直しましょう。

Z世代に刺さる福利厚生を検討したい方は、1,000以上の福利厚生サービスを提供している「Perk」をぜひチェックしてみてください。

タイトルとURLをコピーしました