活発な職場のコミュニケーションは、生産性向上や離職率低下など、多くのメリットがあります。職場のコミュニケーションに課題を感じている場合は、早急に改善が必要です。
今回は、職場のコミュニケーションについて、具体的な改善方法や実施時のポイントなどを解説いたします。
従業員に読まれる社内報を作るには?
【こんな課題をお持ちではありませんか?】
・社内報の運用方法がわからない
・コンテンツを作成するのにリソースがかかりすぎる
・社内コミュニケーションを促進する方法が知りたい
Wantedlyの提供するWeb社内報サービス「Story」ならこれらのお悩みをまとめて解決。
事業にかけるメンバーの想いを発信。共感できるストーリーを通じて、メンバー間の意思疎通を促進します。現場のもやもやを解消し、前向きにシゴトに取り組む原動力を生み出します。
職場内でコミュニケーションが不足する理由
職場内でコミュニケーションが不足してしまう代表的な理由は、次の2つです。
・そもそも社員同士が話す機会が少ない
・相互理解が不足している
有効な施策を考えるためにも、まずは職場内のコミュニケーションが不足する原因を正しく把握しておきましょう。
そもそも社員同士が話す機会が少ない
職場内でコミュニケーションが不足する主な理由は、そもそも社員同士で話す機会が少ないことです。
社員同士が話す機会が業務連絡のみに限られているなど、雑談をする習慣が無い職場では、コミュニケーションが希薄になります。業務に直接関係ない雑談などを許容する雰囲気が無い場合や、雑談中は仕事を放棄していると思われやすい職場では、コミュニケーションを取ることがためらわれるためです。
話す機会が無いと共通の話題なども生まれにくいので、ますますコミュニケーションがしづらくなってしまいます。
関連記事:「テレワークや在宅勤務のコミュニケーション課題とは?解決策も紹介」
相互理解が不足している
社員間や部署間における相互理解が深まっていないケースでも、コミュニケーション不足に陥りやすくなります。人となりをよく知らない相手に対しては、コミュニケーションをとるハードルが高くなることが原因です。
最低でも下記のような内容を知らない相手とは、コミュニケーションを取ろうにも、どのタイミングでどのような話題を振れば良いのか、判断しづらくなります。
・現在、どういう業務を担当しているのか
・どのような役割を担っているのか
・仕事への価値観や向き合い方はどのようなものか
特に、オフィスや拠点が点在していて日常的に接点がなく、物理的に交流する機会をもちにくいと、相互理解は深まりにくくなってしまいます。
職場でのコミュニケーションの重要性
職場でのコミュニケーションの活性化は、組織にとってさまざまなメリットがあり、重要性の高い取り組みです。
主に、次のようなメリットがあります。
・生産性向上
・離職率低下
・問題解決力が高まる
・社員の主体性アップ
それぞれ順番に解説します。
生産性向上
職場のコミュニケーションが活性化されると、組織全体の生産性の向上につながります。コミュニケーションが活発に行われることにより、社員同士で自然にお互いのフォローやサポートができるようになるためです。
具体的には、次のような効果が見込めます。
・重要な情報をすぐに共有でき、ミスを事前に防げる
・こまめな進捗共有ができ、社員同士がサポートし合える
日頃からコミュニケーションが活発であれば、認識の誤りやズレを速やかに修正できたり、サポートが必要な従業員にいち早く気付けたりします。その結果、手戻りや工程の遅れなどが少なくなり、組織全体の生産性が向上するのです。
離職率低下
職場のコミュニケーションが活性化すると、離職率の低下につながります。活発なコミュニケーションによって社員の間で相互理解が進むと、お互いを尊重し合う文化ができ、職場の居心地が良くなるためです。
日頃からコミュニケーションが取れている職場では、下記のように働きやすい環境が整います。
・悩みがある場合に相談できる
・トラブルや仕事が立て込んでいるときにフォローを受けられる
・感謝や評価などプラスの言葉をかけてもらえる
また、意見や提案が快く受け入れられる職場では、社員一人ひとりが「認められている」という実感や心理的安全性が高まりやすくなります。そうすると、仕事に対するモチベーションを維持できるようになるため、離職防止につながるのです。
問題解決力が高まる
コミュニケーションの活性化には、社員一人ひとりの問題解決力を高められるメリットがあります。
コミュニケーションが活発な職場では、ほかの社員と問題の解決に向けた議論や意見交換を気軽に行いやすくなります。その結果、自分にはない視点からのさまざまな意見を聞けるので、ひとりでは思いつかなかった最適な解決策を得られるのです。
また、抱えている問題や課題を解決するのに役立つノウハウを速やかに職場内で共有できるので、解決までのスピードを早める効果も期待できます。
社員の主体性アップ
自分の意見を聞いてもらえる機会が増え、組織への愛着が高まると、社員の主体性を育むことができます。愛着のある組織に対し自分に貢献できることは何かを考えるようになるのです。
またコミュニケーションによって考えが整理されたり、ほかの人の意見をもらえたりするため、自分は何をすべきかを考える習慣が身に付きやすくなります。
状況に合わせて自分で考え、行動を起こせる社員が増えれば、業務効率化や生産性向上など、さらなるメリットにつながることが期待できます。
職場のコミュニケーションを活発にするのに有効な施策
職場のコミュニケーションを活発にするためには、下記のような施策が有効です。
・1on1面談
・メンター制度
・フリーアドレス
・社内イベント
・研修・ワークショップ
各施策について、具体的な内容と押さえるべきポイントを解説いたします。
1on1面談
1on1面談とは、上司、部下の1対1で実施する定期的な面談のことです。1回あたりの面談時間は30分程度です。「1on1ミーティング」と呼ばれる場合もあります。
1on1面談は、人事評価を目的とした面談とは異なり、上司が部下の話を聞き信頼関係を築いたりサポートをしたりすることを主な目的としているのが特徴です。
面談内容は、下記の通り多岐にわたります。
・仕事の進捗や課題
・今後のキャリアプランに関する悩みや相談
・健康面に関する悩み
・そのほか、プライベートな内容や雑談
マンツーマンで落ち着いて話せる1on1面談を定期的に実施することで、上司と部下のコミュニケーションを活性化できます。
1on1面談を有意義な時間にするためには、次のようなポイントを押さえましょう。
・部下の話を傾聴する
・自分の経験談などをまじえて、コミュニケーションを深めるよう心がける
まずは部下の話を否定せずに最後まで聞きましょう。部下が身構えてしまうと、解決すべき問題を聞き出すことができません。部下が話しにくそうな場合には、自分の話をしながらコミュニケーションを取るのもひとつの方法です。
関連記事:「1on1ミーティングとは?目的や実施のメリットについて徹底解説」
メンター制度
経験豊富な先輩社員(メンター)が、主に後輩の若手社員(メンティー)を個別サポートするのがメンター制度です。一般的に、メンターは直属の上司ではなく、他部署などの先輩社員が担います。
メンターは、下記の通り業務に限らずメンタル面まで含めて相談に乗り、メンティーを支えます。
・人間関係を上手に築く方法
・仕事をうまく進めるコツ
・キャリアプラン
・個人的な悩みや課題
メンター制度を導入することで、後輩社員が先輩社員とコミュニケーションを深める良いきっかけをつくることができます。また、部署を超えた交流もしやすくなり、社内の風通しが良くなります。
効果的にメンター制度を活用するには、年齢や考え方が近いなど、後輩社員と相性の良い先輩社員をメンターにすることがポイントです。
フリーアドレス
フリーアドレスとは、職場のデスクを固定せず、空いているデスクを自由に使うスタイルのことです。
従来は、各社員が毎日決まったデスクで仕事をするのが一般的でしたが、近年ではコミュニケーションの活性化やスペースの有効活用を目的として、フリーアドレスを導入する企業が増えています。
フリーアドレスを導入すると、ほかの部署の従業員とも近くで仕事をする機会が増えるため、社内全体の横断的なコミュニケーションの促進につながります。部署間の連携がスムーズになるといった効果も見込める施策です。
フリーアドレス導入後も、同じデスクばかり使うことにならないよう、導入目的をあらかじめ社員に周知させておく必要があります。
社内イベント
定期的な社内イベントの実施も職場のコミュニケーション促進に有効です。コミュニケーションを活性化させるイベント例としては、次のようなものがあげられます。
・歓送迎会
・ランチ会
・ハイキング
・日帰り旅行や社員旅行
・お花見、納涼会など季節ごとのイベント
・クイズ大会、ゲーム大会
・ゴルフやマリンスポーツ、運動会などのスポーツイベント
社内イベントを実施するときのポイントは、強制参加にしないことです。家庭の都合で参加しづらい社員やイベントが苦手な社員が、心理的な負担にならないように注意しましょう。社員のアンケートを取って、イベント内容や開催時期を考えるなど、社員が参加しやすいよう工夫することが大切です。
研修・ワークショップ
コミュニケーションに関する研修やワークショップもコミュニケーションを活性化する施策として有効です。
なお、ワークショップは体験型グループワークで、一方的に講義を聴くだけでなく、参加者が主体的にディスカッションなどに参加することで学びが得られます。
研修・ワークショップの具体例は次の通りです。
・コミュニケーション能力を高められるコミュニケーション研修
・「時間外勤務を減らす方法」などのテーマを設定した課題解決型のディスカッション
研修・ワークショップを実施するときは、参加者に対して実施目的を明確にしておくことで、効果を高められます。また、参加者同士でコミュニケーションを取りやすいよう、グループワークの時間を取るなどの工夫をすることも大切です。
職場のコミュニケーションを改善するときのポイント
職場のコミュニケーションを改善するときに押さえるべきポイントは、次の通りです。
・ポジティブな言葉や話題を心がける
・相手の目を見て話す
・相手の話にしっかり耳を傾ける
・要点からわかりやすく伝える
・適度に自己開示する
・管理職や上司から積極的に声をかける
コミュニケーションを促進する施策とあわせて、社員全体に共有してみてはいかがでしょうか。
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
ポジティブな言葉や話題を心がける
職場のコミュニケーションを改善する際は、ポジティブな言葉遣いや話題をあげるよう心がけましょう。
誰しも、ネガティブな話題より、ポジティブな話題のほうが受け入れやすいものです。肯定的な言葉や話題を相手に伝えるように心がければ、話が弾みコミュニケーションが深まりやすく、次回もまた話したいとお互いに思えるでしょう。
ポジティブな言葉とは、例えば「こうすれば、もっと良くなる」「〇〇がよかった」のような肯定的な言い回しのことです。また、ポジティブな話題の例としては、成果の出た施策や事業、好調な業績に関する話などがあげられます。
相手の目を見て話す
相手の目を見て話すことも、職場のコミュニケーションを改善させる重要なポイントです。目を見てコミュニケーションをとると、相手に対する興味や好意、相手を尊重する意思があることを伝えやすくなります。
逆に、恥ずかしいからと目を合わせずに話してばかりいると、相手から、「関心をもたれていない」「話をちゃんと聞いていない」と勘違いされかねません。
相手の目を見て話すのが苦手な場合は、次のような対策が有効です。
・適度に目線を外し、話を聞くときだけは相手の目を見る
・鼻やあごの辺りに目線を向ける
相手の話にしっかり耳を傾ける
相手の話にしっかり耳を傾けて聞くことで、安心感を覚えてもらいやすくなります。コミュニケーションを取らなくてはいけないと気負うあまり、一方的に話してしまっては、相手と相互に理解を深めることはできません。双方向のコミュニケーションを行うことが重要だと覚えておきましょう。
次のようなポイントを意識すると、相手の話をしっかりと聞けるようになります。
・沈黙の間も相手の考えがまとまるまで待つ
・適度に相槌を打ったり、頷いたりする
・アドバイスをするときは、相手の立場に立って行う
要点からわかりやすく伝える
話すときは、要点からわかりやすく伝えるようにしましょう。何を伝えたいかをわかりやすく話すことで、ストレスなく円滑なコミュニケーションをとれるようになるからです。
結論がわからないまま話し続けられると、相手が疲れてしまい、コミュニケーションを密にとろうという気持ちが薄れてしまうので気を付けましょう。
また、要点からわかりやすく伝えることを意識することで、営業やプレゼンなどのスキルを向上させられます。コミュニケーションの改善だけでなく、業務にも生かせるので、積極的に実践しましょう。
適度に自己開示する
言える範囲で適度に自己開示するのもコミュニケーションを活性化させるポイントです。自分のプライベートな情報を程良く話すことで、相手に対する信頼を伝えられます。相互理解を深める上でも有効です。
開示した内容で相手の共感を得られたら、共通の話題ができ、距離感を縮めることにもつながります。
また、自分の情報を開示したら、相手に対しても質問を投げかけることを心がけましょう。適度に質問をすることで、双方向のコミュニケーションができるので、話が盛り上がりやすくなります。
管理職や上司から積極的に声をかける
社内のコミュニケーションを活性化させるには、管理職や上司から積極的に声をかけることが欠かせません。社内全体でコミュニケーションの改善を図る場合、まずは上司が積極的に取り組むことで、部下からも話しかけやすい雰囲気作りに寄与できるからです。
上の立場の人がコミュニケーションに消極的では、部下たちの間にも「上司がしないなら自分たちもしなくて良い」と、消極的なムードが漂いかねません。また、部下から上司に話しかけるのは、ハードルが高いのが一般的です。だからこそ、上司から声をかけて気軽に話せる環境に変えていくことが重要なのです。
まとめ
職場のコミュニケーションを改善するには、1on1面談・メンター制度・フリーアドレス・社内イベント・研修やワークショップといった施策が効果的です。あわせて、「ポジティブな話題を選ぶ」「相手の話をしっかりと聞く」などのポイントを押さえて、コミュニケーションをとることをおすすめします。