将来にわたって労働人口の減少が予想されるなか、優秀な人材の「確保」、そして「定着」は、企業が直面する大きな課題です。働き方改革の推進もあいまって、ワークライフバランスを見直す意識が浸透しているいま、採用強化や人材定着に有効な方法として、「福利厚生の充実」があらためて注目されています。
- 従業員満足度の向上に取り組みたいけれど、何から着手してよいのかわからない
- より働きやすく、モチベーションも向上する社内環境を構築したい
福利厚生制度は、こうした課題を解決する手段として機能します。従業員だけでなく企業にも大きなメリットをもたらす福利厚生を導入する方法、および福利厚生をアウトソーシングするオペレーションについて考察します。
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Wantedlyの提供する福利厚生「Perk」
多様な属性の従業員が集まる企業の福利厚生の導入には多くのリソースがかかりがちです。そんな課題を解決するためには福利厚生のアウトソーシング化。代行サービスを利用することは有効な手段となります。
福利厚生サービス「Perk」は、各企業に代わって充実した福利厚生を提供するサービスです。ライフスタイル・グルメ・子育て・ファッション・旅行・など豊富な福利厚生メニューを初期費用無料、おひとり様月額350円〜ご利用いただけます。
福利厚生とは
福利厚生とは、企業が従業員とその家族の健康や生活の向上を目的として実施する施策全般を指します。給与や賞与以外に提供するサービスや報酬とも言い換えられます。
業界を問わず人手不足が深刻化する近年、採用力の強化や従業員満足度の向上に有効な手段として、福利厚生に注目が集まっています。
福利厚生には、大きく分けて2つの種類があります。
1つは、健康保険や厚生年金など、法律で定められた「法定福利厚生」です。また、住居手当など、企業の判断で提供する福利厚生として「法定外福利厚生」と呼ばれる種類もあります。
いずれも税法上では経費として扱われるため、福利厚生の導入を節税対策のひとつとして活用することも可能です。
このように、従業員だけでなく、企業にとってもメリットのある福利厚生とは、具体的にどのようなものを指すのでしょうか? 具体的に見ていきます。
1.法定福利厚生
法定福利厚生とは、法律で義務づけられた福利厚生のことです。法定福利厚生を義務づけられている企業が各種法定福利厚生を用意しない場合は、法律違反となります。
法定福利厚生には、次の6種類があります。
- 健康保険料
- 介護保険料
- 厚生年金保険料
- 子ども・子育て拠出金(旧:児童手当拠出金)
- 労働者災害補償保険料(労災保険料)
- 雇用保険料
2.法定外福利厚生
法定外福利厚生とは、企業が独自に設ける福利厚生のことです。代表的な法定外福利厚生には、次のようなものが該当します。
- 通勤手当
- 住宅手当
- 住宅ローン補助
- 健康診断
- 人間ドック
- 慶弔金
- 休暇制度
- 家族手当
- 財産形成
法定外福利厚生は各企業が自由に設定できることから、近年では企業理念や事業内容に則したユニークな福利厚生を用意する企業も出てきています。法定外福利厚生の充実によって他社との差別化を図ることは、採用活動強化においても重要なポイントです。
【参考】ユニークな福利厚生制度10選|エンゲージメントが高まる条件とは?
https://www.wantedly.com/hiringeek/organization/welfare_unique/
福利厚生の導入方法
法定外福利厚生の導入にあたっては、大きく分けて「企業で直接導入する」方法と、「外部委託(アウトソーシング)する」方法の2つがあります。
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1.企業で直接導入する
企業で直接導入しやすい法定外福利厚生には、住宅手当や家賃補助、交通費、家族手当、慶弔金などが挙げられます。こうした金銭的補助を目的とした福利厚生は制度化しやすく、中小企業でも比較的導入・運用に負担がかかりにくいことも特徴です。
また、大手企業では共済会を設立して財源を確保する方法も見られます。なお共済会とは、企業と従業員がお金を出し合い、福利厚生を運営する方法です。
2.外部委託(アウトソーシング)する
福利厚生の導入・運用を、アウトソーシングサービスに委託する方法です。福利厚生の外部委託により、専門性やコストの面から企業での制度構築が難しいケースにも対応できるようになります。
近年では、社員食堂や食事補助、ヘルスケアサポート、育児・介護支援、財産形成など、高い専門性が求められる福利厚生をアウトソーシングを活用し提供する企業も多く見られます。
【参考】福利厚生アウトソーシングサービスの選び方|種類・目的など選定基準を考察
https://www.wantedly.com/hiringeek/organization/welfare_outsourcing/
福利厚生を導入する流れ
福利厚生の導入を検討している企業は、次の5つのステップをたどり取り組みを進めていきましょう。
- 導入する目的を明確にする
- リソースや予算を確保する
- 企業で内製するか外部委託するか決める
- 制度の利用条件を決める
- 運用を開始する
1.導入する目的を明確にする
まずは導入の目的を明確化します。どのような課題を解決したいのか、従業員にどのような利益をもたらしたいのかを言語化することで、企業の目的に沿った福利厚生の内容が見えてきます。
2.リソースや予算を確保する
明確化された目的に対応する内容の福利厚生を導入・運用するために必要なコストを算出し、人的リソースや予算を確保できるか検討します。
予算と照らしあわせてコストが過剰になると予想される場合は、福利厚生の内容や制度の実施方法を見直してみましょう。
3.企業で内製するか外部委託するか決める
導入したい福利厚生は企業で直接導入できるのか、あるいは外部に委託するのかを検討します。内製導入と外部委託でどの程度コストやサービスの利用率に差が出てくるのかを予測し比較しましょう。
4.制度の利用条件を決める
福利厚生の利用条件や利用方法、経費処理の方法などに関するルールを制定し、就業規則(社内規程)を作成します。担当者が円滑に制度を運用できるよう、運用に関するマニュアルを作成することも重要です。
5.運用を開始する
設計した福利厚生制度について従業員へ周知し、運用をスタートさせます。運用開始後には、従業員がスムーズに制度を活用できるようマニュアルを配布するなど、利用率向上に向けた取り組みも重要です。
福利厚生導入後の注意点
福利厚生の導入後には、次の注意点を踏まえて制度を運用していきましょう。
従業員の利用率を計測して見直す
福利厚生を導入しても、その利用率が上がらなければ想定していた効果を得られません。運用開始後は従業員の利用率を計測し、利用率が低ければ制度の内容や利用方法の改善に取り組み、利用率の向上を図ります。
制度内容が現在の従業員のニーズにマッチしているかを定期的にチェックし、提供する内容を見直すことで、長期に渡り利用率の高い福利厚生制度を維持できます。
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季節ごとにサービスの利用率が変わる
保養所の利用や旅行の費用を負担する福利厚生を用意する場合、季節による利用率の変動推移を把握する必要があります。
「極端に混雑する時期があり、利用したいときに利用できない」「利用料金が高い時期があり従業員の負担額が増加する」など、利用率が低下する原因を特定して対策を講じましょう。
福利厚生の種類
法定外福利厚生は、大きく次の9種類に分類されます。
種類 | 具体例 |
---|---|
住宅 |
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健康・医療 |
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慶弔・災害 |
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育児・介護 |
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自己啓発 |
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業務・職場環境 |
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休暇 |
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文化・体育・レクリエーション |
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財産形成 |
|
その他 |
|
数多くの福利厚生のなかからどのような福利厚生を用意するのかは、従業員のニーズを確認したうえで検討する必要があります。
【参考】あると嬉しい福利厚生制度10選|従業員満足度が高い人気の福利厚生はどれ?
https://www.wantedly.com/hiringeek/organization/welfare_demand/
福利厚生をアウトソーシングするメリット
手間をかけずに福利厚生を導入するなら、アウトソーシングサービスの活用が検討されます。福利厚生の外部委託にあたっては、企業が享受できる次の3つのメリットを考慮しましょう。
- 中小企業でも福利厚生を充実できる
- 人事労務の負荷を軽減できる
- 経費を削減できる
1.中小企業でも福利厚生を充実できる
福利厚生の導入では、その内容によって少なくない費用が発生します。捻出できる予算規模の差から、大手企業と中小企業では福利厚生の数や内容に差が生じてしまいかねません。
このギャップを解消してくれるのが、福利厚生のアウトソーシングサービスです。福利厚生のアウトソーシングにより、導入・運用にかかわる金銭的あるいは人的コストを軽減しながら、充実した福利厚生サービスを従業員に提供できるようになります。
優秀な人材を確保したい、定着率を向上させたいと考える中小企業にも大きなメリットをもたらすサービスです。
2.人事労務の負荷を軽減できる
福利厚生を企業で直接導入・運用する場合、その管理負担は主に人事労務担当者にのしかかります。業務負担が増加し、時間外労働が増えてしまうといった本末転倒な事態にもなりかねません。
一方、福利厚生をアウトソーシングすれば、既存社員の負担は大きく軽減されます。
福利厚生のアウトソーシングサービスは、一般的にWebサービスやアプリが用いられています。従業員からの利用申請などの対応業務もオンラインで解決するため、人事労務担当者も、そして利用する従業員も、ストレスなく運用できることも利点です。
3.経費を削減できる
福利厚生のアウトソーシングサービスの活用は、経費の削減効果にもつながります。
福利厚生のアウトソーシングサービスは、従業員1人あたり月額数百円から1,000円程度で利用できます。一方、経団連が調査した調査「2018年福利厚生費用調査」によると、2018年度に企業が負担した法定外福利厚生費は従業員1人あたり1ヶ月平均で25,369円にのぼると報告されています。
両者を比較すると、福利厚生のアウトソーシングサービスの活用で福利厚生にかかる費用を大幅に軽減できることがわかります。
福利厚生アウトソーシングの費用相場
福利厚生のアウトソーシングサービスの利用には、どのくらいの費用が発生するのでしょうか? ここでは、「パッケージプラン」と「カフェテリアプラン」それぞれの費用相場を見ていきます。
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1.パッケージプランの費用相場
パッケージプランとは、複数の福利厚生サービスがパッケージ化されたサービスのことです。従業員が福利厚生を個別に選択して、自由に利用する運用となります。
パッケージプランでは、従業員1人あたり月額300円~1,000円が相場とされています。
なお、パッケージプランには内容の充実度などに応じたグレードが用意されていることも多く、企業が選択するプランによって費用は変動します。
2.カフェテリアプランの費用相場
カフェテリアプランとは、企業が従業員に対してポイントを一律付与し、従業員はポイントの範囲内で自由に福利厚生を選択して利用できるサービスのことです。
カフェテリアプランでは、企業が独自に福利厚生の内容を決められます。
ただし、自由度が高い分、費用も高額になりがちです。従業員1人あたりの月額の相場は5,000円程度となることが多く、システム設計費用や入会金として数万円から50万円ほどの費用が発生する例もあります。
充実の従業員特典パッケージを手軽に実現する「Perk」
Wantedlyの福利厚生サービス「Perk」は、低コストかつ充実した福利厚生制度の実現を強力にサポートするサービスです。具体的な内容や導入効果を、導入企業の事例から紹介します。
1.株式会社トレタ
株式会社トレタは、リモートワーク環境下でも福利厚生を充実させるべく、Wantedlyの福利厚生サービス「Perk」を導入しています。
コロナ禍以前からリモートワーク環境の構築に取り組んでいた同社は、コロナ禍でのリモートワークへの移行は円滑に進んだものの、環境の変化に伴う課題が社員アンケートで寄せられる回答から顕在化していました。
そこでアンケートを通じニーズを把握し、従業員に求められる福利厚生制度を検討。推進するフルリモート体制との相性がよく、どの地域に居住していても福利厚生の対象になるようなサービスを提供したいと、導入や利用に手間とコストのかからない「Perk」を導入したのです。
導入後は、多くのメンバーが外食関係のサービスを利用しています。さらには、チャットでPerkを利用して購入した商品の投稿をしあうなど、コミュニケーションの活性化にもつながりました。
【参考】リモートワークが広がる時代に最適な社内制度はどこにある?|Perk User Interview・株式会社トレタ)
https://www.wantedly.com/companies/wantedlycs/post_articles/280270
2.株式会社キュービック
株式会社キュービックは、従業員エンゲージメントの向上を目的として、企業カルチャーにフィットする福利厚生サービスの導入を検討していました。
そこでWantedlyの福利厚生サービス「Perk」を導入したところ、同社独自の制度「FAM制度」とのベストマッチングが認められ、従業員が自発的にPerkを利用するようになりました。
FAM制度とは、部署や年齢、社歴の異なる10~20人で構成されるコミュニティのことです。FAM活動にかかる費用は企業側が支給しているものの、「費用の節約で活動回数を増やせる」と、Perkの利用が広まっていきました。
とくに人気となっているのは、FAMの活動中に利用できる食事関連サービスです。コロナ禍を受け飲食店に足を運ぶことが難しくなった背景もあり、デリバリーの割引サービスが人気を集めています。
【参考】エンゲージメント強化をサポートする「カルチャーフィットした福利厚生」|Perk User Interview・株式会社キュービックhttps://www.wantedly.com/companies/wantedlycs/post_articles/292612
3.医療法人社団 栄昂会
東京都と横浜市で歯科医院を経営する医療法人社団 栄昂会は、長く働ける職場環境の構築と従業員の新たなキャリアの開拓を目的に福利厚生の導入を検討していました。
健康をサポートする施策など、福利厚生を充実させていた栄昂会では、かねてから人材の高い定着率を維持していました。しかし、結婚や出産といった重要なライフイベントを契機に離職してしまう従業員も少なくなかったことから、「長く働き続けられる環境づくり」に着手した背景があります。
その施策のひとつとして、Wantedlyの福利厚生サービス「Perk」を導入しました。
すでに利用していた福利厚生サービスでは、利用申請後に利用券が郵送されるなど、申請や手続きに手間と時間が発生している課題がありました。一方、Perkの特典はスマートフォンからすぐに利用できるため、業務後にデリバリーの特典などを利用する従業員も多くいるそうです。
スキルアップ講座や資格取得講座の割引特典なども多く用意されていることから、本業とは異なるスキルの獲得で、新たなキャリアの形成にも役立ててもらいたい狙いがあるといいます。
【参考】福利厚生がもたらす「長く働ける職場作り」と「新しいキャリア」|Perk User Interview・医療法人社団 栄昂会https://www.wantedly.com/companies/wantedlycs/post_articles/472648
まとめ
従業員のニーズにマッチする福利厚生を導入することにより、業務へのモチベーションや従業員満足度の向上を図れます。
独自の福利厚生制度は、採用における他社との差別化という点でも重要です。人材確保に課題を抱えている企業は、採用力の強化や定着率の向上を目指して、福利厚生の拡充を検討してみましょう。
しかし、さまざまな福利厚生を企業で直接導入するには、多くの費用と時間がかかります。アウトソーシングサービスの活用も手段のひとつとして押さえておきましょう。