福利厚生とは、企業が従業員やその家族に対し、給料や賞与に加えて提供するサービスや報酬制度の総称です。
福利厚生の充実によって働きやすい環境を整えることは、従業員の満足度が高まり定着率の向上が見込めるだけでなく、「従業員を大切にする企業」という認知が広がり、企業のイメージアップにもつながります。
こうした企業ブランド力の向上は採用活動にもポジティブに作用するため、健康保険や雇用保険といった「法定福利厚生」のほかにも、独自の福利厚生の提供に注力している企業は少なくありません。
しかし、アンケート調査(※1)によると、仕事をしている回答者のうち、現在の福利厚生制度に満足している人は56.7%に過ぎず、約半数は満足していないという結果が報告されています。
では、どのような内容の福利厚生であれば、従業員の満足度を高められるのでしょうか? 従業員に人気の福利厚生の例とその条件を紹介します。
※1 : https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000119.000041309.html
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あると嬉しい福利厚生制度10選
充実した福利厚生は、従業員の仕事に対するモチベーションを高め、定着率の向上につなげられる要素です。また、採用活動では、給与や勤務形態といった基本的な労働条件では差がつかない場合、より福利厚生が充実した企業が選ばれる傾向も見て取れます。
従業員の定着と優れた人材の採用につながる、人気の福利厚生を押さえておきましょう。
【あると嬉しい福利厚生制度10選】
- 家賃補助(住宅手当)
- 食事補助(社員食堂など)
- 特別休暇(育児・介護・記念日など)
- 資格取得・支援
- 保養所・宿泊施設
- 財形貯蓄
- 健康診断(人間ドック)
- 社内親睦会の補助
- 冠婚葬祭の慶弔金
- 外部の福利厚生サービス
【参考】福利厚生の人気ランキングを発表!従業員満足度が高い制度と男女別の調査結果
https://www.wantedly.com/hiringeek/organization/welfare_ranking/
1.家賃補助(住宅手当)
住宅にかかる費用は、支出のうち大きな割合を占める要素です。とくに相場が高い首都圏では、住宅に関わる手当は多くの従業員に歓迎されます。
福利厚生として社宅や寮などを用意する企業もありますが、最近ではむしろ賃貸の家賃補助や持ち家の住宅ローン返済補助など、居住形態に合った補助を求める声が高まってきています。
従業員のライフステージにあわせた住まいの自由を尊重しつつ、住宅関連の補助制度を用意することがポイントです。
2.食事補助(社員食堂など)
勤務の合間の食事は、もっともリフレッシュできる時間です。従業員としては、食事を充実させることで仕事のモチベーションを高めたいものでしょう。
しかし、外食は経済的な負担となるほか、時間的な制約も発生します。一方、手軽にコンビニ弁当などで済まそうとすると、今度は栄養バランスが偏ってしまいます。
そんなときに社員食堂があれば、食事をリーズナブルかつ手軽に提供でき、従業員の健康維持にもつながります。従業員同士のコミュニケーションが活性化し、組織の一体感を醸成できるメリットもあるでしょう。
また、食事補助とは社員食堂のみに限定されるものではありません。食事にかかる費用の一部を補助したり、デリバリーなどアウトソーシングを活用したりといった方法も考えられます。
なお、食事補助制度は、一定の要件を満たせば福利厚生費として計上でき、節税にもつながります。導入企業は約2割と少ないため、採用活動における強力なアピールポイントにもなるでしょう。
【参考】福利厚生費とは?経費計上の要件や勘定項目別の課税・非課税の例を紹介
https://www.wantedly.com/hiringeek/organization/welfare_expense/
3.特別休暇(育児・介護・記念日など)
法定の有給休暇だけでなく、オリジナルの休暇制度を用意したり、連続して休暇を取れるようにしたりする企業が増えています。
育児や介護、記念日といった、従業員にとって大切な日に休暇を取れることは、従業員満足度の向上に直結します。企業で長期的に働き続けるモチベーションにもなるでしょう。
代表的な特別休暇には、女性ならではの生理休暇が挙げられます。また、失恋休暇や二日酔い休暇、推しメン休暇といった、プライベートでのできごとに配慮したユニークな休暇制度を設けている企業も見られます。
「どんなときも仕事が優先」という価値観を押し付けるのではなく、従業員の生活全体に配慮した休暇体系を検討してみましょう。
【参考】ユニークな福利厚生制度10選|エンゲージメントが高まる条件とは?
https://www.wantedly.com/hiringeek/organization/welfare_unique/
4.資格取得・支援
従業員の資格取得に必要な金額を一部または全額補助する制度です。
スキルアップを目指しつつも、経済的な負担の大きさから、資格取得に挑戦できない従業員は少なくありません。
成長意欲を持っている従業員の資格取得を応援することは、従業員の満足度を高めるだけでなく、企業にとってもメリットがあります。人材の育成ができ、向上心のある優秀な人材を採用できるチャンスが広がるでしょう。
5.保養所・宿泊施設
提携しているレジャー施設を割安で利用できる制度です。従業員の余暇を充実させることは、仕事のモチベーションアップにもつながります。
この福利厚生制度の特徴は、家族も対象になることです。家族とゆっくり過ごす時間が何よりもリフレッシュになると考えている従業員にとっては、もっとも魅力的な福利厚生として映るでしょう。
従業員の家族にも喜ばれる制度なので、採用活動における訴求ポイントにもなりえます。
6.財形貯蓄
企業が従業員の資産形成を支援する財形貯蓄制度も、福利厚生の一種です。毎月、従業員の給与から一定額を天引きし、事業主から金融機関に送金する仕組みが採用されています。
なお、財形貯蓄制度には複数の種類があります。
- 資金の用途を自由に決められる「一般財形貯蓄」
- 老後の資産形成を目的とした「財形年金貯蓄」
- マイホーム購入やリフォームのための「財形住宅貯蓄」
給与からの天引き制により着実に資産形成ができるだけでなく、財形年金貯蓄・財形住宅貯蓄においては利子等非課税の優遇措置も受けられるため、従業員にとって魅力的な制度のひとつです。
企業側としても、資産形成を支援し、自律的な人材の育成と生産性の向上を見込める点は大きなメリットとなります。
7.健康診断(人間ドック)
法定福利厚生では対象にならない健康診断関連のサービスも、人気の高い福利厚生です。
例として挙げられるのは、人間ドックやメタボチェック、食生活指導など。どれも健康的に長く働きたいと考えている従業員にとっては関心の高いサービスですが、これらは通常の健康診断には含まれていないことが一般的で、自己負担となることがほとんどです。大切な従業員の健康維持を支援できるよう、前向きに導入を検討してみましょう。
同時に、メンタルヘルスケアも重要です。最近では、カウンセリングなどを通じてストレスケアを行う内容の福利厚生メニューも登場しています。
肉体面・精神面の両方をカバーしたヘルスケアサービスを福利厚生に導入し、従業員が安定的に働ける環境を整備することは、パフォーマンスの向上や離職率の低下に大きく寄与します。
8.社内親睦会の補助
同じ部署や一緒に仕事をしているメンバー間の交流の促進を図り、懇親会費用を補助する制度です。
コロナ禍の在宅勤務期間にて、チームメンバーと親睦を深める機会が失われてしまった企業は少なくありません。コミュニケーションが減った結果、業務効率が低下する例も見られます。
従業員一人ひとりの能力を最大化するためには、組織としてのまとまりは必要不可欠です。従業員同士の交流を深め、業務上のコミュニケーションを円滑にするきっかけとして、懇親会費用の補助が検討されます。
9.冠婚葬祭の慶弔金
冠婚葬祭は人生でもっとも大きなイベントのひとつであり、当事者である従業員にとっては、喜びや悲しみなど、感情が大きく揺れ動くタイミングでもあります。そんな節目に支給される慶弔金は、従業員を気にかけているという企業の意思表示を形にしたものです。
また、冠婚葬祭は費用の負担も大きくなりがちです。少しでも補助金があるとありがたいと考えている従業員は多いでしょう。
感情に真摯に寄り添いつつ、金銭的な支援を実行することは、従業員エンゲージメント向上に直結します。
【参考】エンゲージメントとは?従業員満足度(ES)との違いや向上のメリットhttps://www.wantedly.com/hiringeek/organization/engagement_improvement/
10.福利厚生サービスの代行
リモートワーク環境でも利用できるデリバリー食事の補助や、在宅での育児や介護をサポートするサービスなど、従業員が望む福利厚生制度は多様化しています。
しかし、こうした多様な福利厚生メニューをいち企業だけで用意することは困難です。そこで活用が広がっているのが、外部企業によるの福利厚生の代行サービスです。
外部の福利厚生サービスは、大きく下記の2種類に分類されます。
カフェテリアプラン、パッケージプランとは?
パッケージ |
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カフェテリア |
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企業が利用料を支払うことで、従業員はサービス企業が提供する福利厚生を利用できるという仕組みです。利用するサービスは従業員が柔軟に選択できることから、多様化する福利厚生ニーズに応えられます。
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従業員満足度が高い福利厚生の条件とは
従業員からの人気が高い福利厚生を確認してきましたが、それぞれには共通する3つの条件があります。
- 業務効率化やストレス軽減のために求められている
- 女性が利用しやすい
- 多様化する働き方や価値観にあわせる
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1.業務効率化やストレス軽減のために求められている
企業の業績を上げていくためには、従業員一人ひとりの生産性を高めることは必須です。各従業員の健康状態を維持したり、リフレッシュやスキルアップを後押ししたりすることは、結果的に仕事に対するモチベーションの向上につながります。
従業員のベストコンディションを引き出すための福利厚生が求められています。
2.女性が利用しやすい
福利厚生を充実させるにあたり、女性従業員が働きやすい環境の整備は欠かせない視点です。
画像引用元:ライフイベントによる女性の就業形態の変化|内閣府男女共同参画局
上記の内閣府男女共同参画局の報告からは、第1子、第2子、第3子と出産を重ねるにつれ、離職する女性従業員が増えていく傾向が読み取れます。
このデータを顧みると、以下のような推論が浮かび上がります。
- 女性従業員への産前のサポート体制が整っていない
- 仕事と育児を両立するサポート体制が整っていない
従来の福利厚生は、暗黙のうちに男性を想定して運用されてきた側面もあるのかもしれません。
しかし、働く女性が増えているいま、女性従業員が働きやすい環境を整備することは急務です。女性も男性と同じように利用できる、あるいは女性ならではの課題をカバーする福利厚生の提供は、多くの従業員から期待されています。
3.多様化する働き方や価値観にあわせる
かつては、ほぼ全従業員が正社員として働き、年功序列が暗黙の了解として共有されているような雇用制度が圧倒的な主流となっていました。
しかし現代では企業内の業務仕分けが進み、契約社員や派遣社員、さらに業務委託やフリーランスといった多様な働き方が併存しています。
また、結婚や出産を経てキャリアを継続していく女性が活躍するなど、ひとつの組織が多様なライフステージの従業員で構成されるようになってきました。
従業員の満足度を上げるためには、一部の社員のみにメリットがあるような福利厚生ではなく、あらゆる従業員のニーズを網羅できるような福利厚生を整備していくことが求められます。全従業員が生き生きと働けるような福利厚生の整備が企業の成長を促し、優秀な人材の獲得にもつながっていきます。
まとめ
働き方や価値観が多様化する現代では、従業員の多種多様なニーズに合致した福利厚生をいかに提供できるかがポイントとなっています。企業や従業員の現状をふまえながら、まずは人気の高い福利厚生を中心に導入を検討していきましょう。
企業だけで幅広いラインアップの福利厚生を用意することが難しい場合には、代行サービスの利用も検討されます。最小限の費用と労力で充実した福利厚生を導入し、従業員の満足度向上と優秀な人材獲得に役立てながら、企業の成長を目指していきましょう。