テレワーク中にコミュニケーションをうまく取れず、悩んでいる企業は多いのではないでしょうか。テレワークになると従業員と顔を合わせる機会が減るため、仕事をしている様子を把握するのが難しく、声もかけづらい雰囲気になりやすいです。
しかし、コミュニケーションが円滑に取れないと、仕事の生産性にも影響が出てしまうかもしれません。今回は、テレワークや在宅勤務におけるコミュニケーションの課題と解決策について紹介します。
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テレワークのコミュニケーションにおける課題
テレワークのコミュニケーションによる課題には、下記の4つがあげられます。
- 相談がしづらい
- 勤怠管理がしにくい
- 従業員が孤独を感じやすい
- ITリテラシーが不足している
それぞれ詳しく解説します。
相談がしづらい
テレワークを導入すると、従業員同士が顔を合わせる機会が少なくなります。同じオフィス内にいれば、仕事の合間に他愛のない話をしたり、気軽に業務について相談したりできるでしょう。
しかし、テレワークだとほかの従業員がどのような状況にあるかを把握するのが難しいものです。仕事について相談したい際に「今忙しいかもな…」という気持ちが働いてしまい、気軽に話しかけづらくなる場合があります。
他愛のない話をするのはもっと難しくなります。そもそも他愛のない話は、トイレや給湯室でたまたま出会った際や営業先に向かう間など、業務の隙間時間で行っているケースがほとんどです。
テレワークになるとこういった業務の隙間時間が生まれにくくなります。結果として雑談をする回数が少なくなり、従業員同士が仕事だけの間柄になりやすくなるのです。仕事だけの間柄になると、さらにコミュニケーションが取りづらい状態になります。
コミュニケーションが取りづらくなると、チームが一丸となって仕事を進めなくてはいけない際に支障が出てしまうこともあります。その場合、企業全体の士気にも悪影響を及ぼす可能性があるでしょう。
勤怠管理がしにくい
テレワークを行うと、従業員が順調に仕事を進められているか確認するのが難しくなります。
オフィスで仕事をしている場合は、従業員の業務に向き合う様子からどれくらいうまく進んでいるのか、悩みを抱えていないかなどを読み取ることができるでしょう。テレワークでは従業員の業務に取り組む様子は確認できないため、悩みを抱えていても気付けない場合があるのです。
テレワークには先ほど紹介したコミュニケーションの取りづらい一面もあるため、従業員側から仕事について相談することも難しいかもしれません。結果として、期日までに仕事が終わらなかったり、従業員の精神的な負担が大きくなってしまったりする場合があります。
従業員が孤独を感じやすい
テレワークになると従業員同士が顔を合わせることがなくなり、ひとりで仕事に取り組まなければいけません。その結果、従業員が孤独や不安を抱えてしまう場合があります。
孤独や不安を抱えている状態では、仕事のモチベーションが低下してしまうかもしれません。休職や離職に招く場合もあります。企業の生産性の低下や人手不足に拍車をかけてしまうため、注意しなければいけないポイントです。
ITリテラシーが不足している
今までテレワークを行ったことのない企業であれば、ITリテラシーの不足が課題になるかもしれません。従業員が誤って情報を漏洩させてしまう、安全性が低い回線を使用してデータを抜き取られてしまうなど、考えられる問題は数多くあります。
テレワークを実施する前にマニュアルを整備して、従業員に周知すればトラブルの発生は予防できるでしょう。しかし、企業の上層部がITリテラシーに関する知識が乏しい場合は、マニュアルを整備することも難しいかもしれません。
結果として、情報漏洩を始めとしたさまざまなリスクが高い状態で、業務を行わなければいけない場合があるのです。
テレワーク下でのコミュニケーションを円滑に行う方法
テレワーク下でコミュニケーションを円滑に行う方法としては、以下の5つがあげられます。
- 業務状況を可視化する
- 1on1ミーティングを行う
- 時間を決めてビデオ通話を行う
- オープンチャットでやり取りをする
- 雑談や休憩を適宜取り入れる
どの方法もコミュニケーション不足の解決につなげられます。自社に適した方法を選び、実践してみてください。
業務状況を可視化する
コミュニケーション不足に陥らないための方法として有効なのが業務状況の可視化です。チームのメンバーがどのように業務に取り組んでいるのか把握できれば、上司が適切な声かけをしやすくなります。
業務状況を可視化できれば、上司がコミュニケーションを取りやすくなるだけでなく、従業員同士も仕事について相談しやすい環境が作れます。
特定の従業員に業務が集中するのも防止できます。過度な業務量によって従業員がストレスを抱えてしまうケースは珍しくありません。従業員側から業務量について相談するのも難しい場合が多いのです。
コミュニケーション不足や業務の集中を解決するうえで、お互いの業務状況を一目でわかる状態にしておくのは欠かせないといえるでしょう。
業務状況を可視化する具体的な方法としては、スケジュールの共有があります。Googleスプレッドシートを活用してスケジュール表を作り、従業員それぞれにどの時間にどの作業をしているか記入してもらえば、ある程度業務状況を把握できます。
カレンダー機能を使って、大まかなスケジュールを入力してもらうのも効果的です。従業員が空いている時間がわかるようになれば、コミュニケーションのタイミングも掴みやすくなるでしょう。
1on1ミーティングを行う
業務状況を可視化して空いている時間が明らかになったとしても、自分から相談しづらいと感じる従業員もいます。そのような方とコミュニケーションを取る方法としては、1on1ミーティングがおすすめです。
1on1ミーティングとは上司と部下が1対1で行う会議のことです。基本的には仕事に関するフィードバックを行い、部下の成長を促す目的で行われます。
テレワークにおける1on1ミーティングでは、仕事に関するフィードバックを行うだけではなく、部下とコミュニケーションを取ることも重要です。自発的に相談するのが苦手な従業員の悩みを1on1ミーティングの場を設ければ聞き出すことができるでしょう。
仕事の話だけでなく、雑談を設けるのが1on1ミーティングを行うポイントです。従業員が気軽に相談できるような雰囲気を作りましょう。
時間を決めてビデオ通話を行う
時間を決めてビデオ通話を行うのもおすすめです。決まった時間にビデオ通話を行うことで、定期的に業務の進捗状況を把握できます。順調に業務が進んでいない従業員がいれば、相談に乗ることも可能です。
ポイントは、なるべくチームの全員がビデオ通話に参加することです。ビデオ通話に全員が参加すれば、チーム全員とのコミュニケーションの促進につながります。「〇〇さんには話しかけづらい…」といった状況になるのを防止できるでしょう。
「毎週金曜日の16時からビデオ通話を行う」といったルールを事前に定めておくのがおすすめです。あらかじめビデオ通話の時間を決めておけば、従業員側も仕事の予定が立てやすくなります。
ビデオ通話の際は仕事の話だけではなく、雑談も適度に交えるようにしましょう。業務の進捗を確認するだけでなく、コミュニケーションの促進を目的としてビデオ通話を実施していることを忘れないようにしてください。
オープンチャットでやり取りをする
テレワークで仕事の相談をする際は、基本的にチャットでやり取りすることになります。その際に個別のチャットではなく、オープンチャットでやり取りをするのがおすすめです。
オープンチャットでやり取りをすれば、特定の相手からだけではなく、チャットに参加している多くの人からアドバイスを受けられる可能性があります。タスクで行き詰まっている課題については、メンバー全員で相談できるかもしれません。
チーム全体で業務に取り組んでいる一体感が生まれるため、なるべく仕事の相談はオープンチャットで行うようにルールを定めておきましょう。どうしても相談しづらい事案については、個別チャットでやり取りをしても問題ありません。
雑談や休憩を適宜取り入れる
仕事に没頭しているとコミュニケーションが疎かになりやすいです。仕事の進捗について問題がなく、相談をする必要もない場合は必然とコミュニケーションが発生しなくなってしまいます。
ビデオ会議を行ったとしても、仕事の話がメインになってしまい、雑談をする雰囲気にならない場合もあるでしょう。そこで、おすすめなのが雑談や休憩の時間を取り入れることです。
その時間はなるべく仕事については話さないようにルールを定めておきましょう。こうすることで、仕事に集中している社員がリラックスできる時間を設けられます。適度に休憩時間を設けることで、業務効率の向上も期待できます。
休憩の時間が長引いてしまうと生産性に悪影響が出てしまうため、5〜10分程度に留めておくのがおすすめです。雑談専用のチャットルームを作って、やり取りをするだけでもコミュニケーション不足は解消できます。
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テレワークでのコミュニケーションにおすすめのツール
テレワークでコミュニケーションを行う際におすすめのツールは下記の5つです。
- テレビ会議システム
- クラウドPBX
- オンラインイベントシステム
- バーチャルオフィスツール
- ビジネスチャットツール
テレビ会議システム
テレビ会議システムとはWeb会議システムと同じく、画面を通して会議を行うためのツールです。会議室に据え置き型のWeb会議ツールを設置するようなイメージです。会議に参加するためにPCを用意する必要はなく、会議室に入るだけでWeb会議が可能になります。
従業員の一部がテレワークを行っており、上司が会社に出社している場合にはおすすめのツールです。PCを持ち運ぶ手間が発生しないため、Web会議を実施する際の手間が大幅に削減できます。
クラウドPBX
クラウドPBXとはインターネットにつながるデバイスさえあれば、オフィス以外の場所でも会社番号での発着信や内線通話を行えるツールです。電話による問い合わせが多い企業が導入すると、テレワークを行っている状態でもオフィスと同じように電話応対が行えるようになるため、業務効率化を図れます。
他部署の方に内線で連絡をすることが多い場合も、今までと同じようにスムーズにコミュニケーションが取りやすくなります。業務中に電話を利用するケースが多い場合は、ぜひ導入を検討してみてください。
オンラインイベントシステム
オンラインイベントシステムとは、オンライン上でさまざまなイベントを開催するためのシステムです。セミナーや展示会などを開催でき、イベントを通してコミュニケーションの促進を図れます。
イベントを開催することで、テレワークを行っている状態でも会社としての一体感を作れます。仲間意識が不足していると感じている企業にはおすすめのツールです。
バーチャルオフィスツール
バーチャルオフィスツールは、仮想空間にオフィスを作って対面と同じようなコミュニケーションが取れるツールです。自分の分身であるアバターを操作して、社員同士でコミュニケーションができます。
仮想空間上で自分がいま何をしているかを設定できるため、コミュニケーションが取りやすいのがメリットです。オフィスと同じような空気感を作りたい場合にはおすすめのツールです。
ビジネスチャットツール
ビジネスチャットツールはGoogleChatやSlackのようなリアルタイムでメッセージのやり取りが可能なツールです。メールとは違い、レスポンスの良いやり取りができる点が特徴です。
スタンプや絵文字機能も充実しているため、気軽にコミュニケーションをとる際にも役立ちます。モバイル版アプリが提供されているものも多く、出張時にも使いやすいのがメリットです。
まとめ
テレワークを実施するうえでコミュニケーション不足は解決しなければいけない課題のひとつです。本記事で紹介したツールを参考にしつつ、コミュニケーション不足の解決を目指してみてください。
これらのツールはテレワーク下におけるコミュニケーション不足解消や従業員の企業への満足度向上につなげられます。ぜひ利用を検討してみてください。
