人事担当者必見!テレワーク時代のチームビルディングについて解説

企業を取り巻く環境、そこで働く人々の感覚が大きく変化しつつある今、組織を支えるチームの在り方もアップデートが求められています。今回は、テレワークを導入している際にも有効なチームビルディングのポイントについて解説します。

そもそもチームビルディングとは

チームビルディング(team building)とは、目標達成に向けて、チームメンバーの能力などを最大限に引き出しながら、高い成果を出せるチームをつくることです。

組織は部署やプロジェクトチームなどいくつものチームの集合体であるため、生産性を高めるには、各チームの持てる力を効果的に引き出すことが欠かせません。そのため、すべての組織において、チームビルディングに取り組むことは重要です。

さらに、近年ではテレワークの普及にともない、オンライン・チームビルディングにも注目が集まっています。オンライン・チームビルディングとは、オンラインのコミュニケーションツールを使って行うチームビルディングのことです。

なお、下記のような、より良いチームづくりのために実施する具体的な取り組みや施策などについても、「チームビルディング」と呼ぶことがあります。

・チームをつくるためのプログラムや取り組み
・チーム全体の能力を向上させるために実施する研修
・業務のコミュニケーション など

テレワーク下で生じるチームへの影響

テレワークの普及にともない、チームを取り巻く環境も変化しています。ここでは、リモートならではの課題を3つ解説します。

・コミュニケーション不足
・テキストコミュニケーション過多
・生産性低下

なぜテレワークの浸透が上記のような課題を引き起こすのか、順番にみていきましょう。

コミュニケーション不足

テレワークが普及すると、コミュニケーション不足の課題に直面するチームが多くなります。チームメンバー全員が出社していたときは何気なくとっていたコミュニケーションもテレワーク環境下では、必要最低限の事務的なやり取りのみになりがちです。

メンバーと気軽に相談・情報共有できなくなることに加え、雑談の機会も激減すると、チーム内の関係性を築きにくくなり、業務が円滑に進めづらくなってしまいます。

テキストコミュニケーション過多

テキストコミュニケーション過多によるメンバー間のすれ違いや指示の取り違えなども、テレワークが増えるとよく起こる課題です。リモート環境では、チャットやメールといったテキストだけのやり取りが中心になり、ニュアンスがうまく伝わりにくくなるからです。

さらに、テキストメッセージを送る側が、相手に誤解を与えていないかと心配し、ストレスになる場合もあります。放置すると、コミュニケーション不足が加速する悪循環に陥ります。

生産性低下

テレワーク環境が整備されていないと、生産性の低下につながります。パーソル総合研究所が行った調査によると、出社時と比べてテレワーク時の生産性が下がったとする回答が6割を超えました。

意思疎通の難しさも、生産性が下がる要因です。「指示や共有した情報がうまく伝わらない」「疑問点などを気軽に確認できない」といった状況では、作業が滞ってしまうでしょう。そのため、オンライン・チームビルディングに期待が寄せられています。

出典:パーソル総合研究所「第四回・新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査(総合分析編)

チームビルディングで得られる効果

リモートでチームビルディングに取り組むと、さまざまな効果が得られます。その代表例は下記の通りです。

・メンバー間の理解が深まる
・チームに一体感が生まれる
・離職率低下につながる

チームビルディングが、どのように上記の効果をもたらすのか詳しく解説します。

メンバー間の理解が深まる

チームビルディングに取り組むと、メンバー間の理解が深まる効果が得られます。チームビルディングで実施するワークやアクティビティを通じて、メンバーそれぞれの個性や考え方に触れられるからです。

相互に理解し合えると相手の人となりがわかるので、気軽にコミュニケーションを取りやすくなるほか、リモート環境でも誤解やすれ違いが生じにくくなります。活発に情報共有や意見交換ができるようになれば、業務を進めやすくなり、生産性の向上も期待できるでしょう。

チームに一体感が生まれる

チームビルディングによって帰属意識が醸成され、メンバー全員が同じ目標の達成に向け連携して取り組みやすくなる結果、チームに一体感が生まれます。

また、帰属意識が高まると企業の方針や理念への共感も高まり、理想の姿・あるべき姿を言語化したMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を浸透させやすくなります。MVVが浸透すると、より具体的に目指すべき方向をイメージできるので、チームの一体感を高めることが可能です。

チームの一体感を高めるには?

チームの一体感を高める上では、多くのニーズに幅広く対応できる福利厚生の導入も効果的です。福利厚生パッケージサービス「Perk(パーク)」なら、1,000以上のサービスから各従業員が自由に選べるので、多様なニーズに応えることが可能です。

また、リモートの環境整備や心身の健康維持・スキルアップなどに役立つサービスもラインナップしており、テレワーク増加に伴う課題に悩む場合に最適です。導入にかかるコストが抑えられるのも、Perkならではの魅力といえるでしょう。

詳しく見る

離職率低下につながる

一般的にテレワークは、メンバーが各自で業務に取り組む時間が長く、孤立感を覚えやすい環境です。しかし、チームビルディングに取り組むと、テレワーク下であってもコミュニケーションを活性化でき、メンバーの悩みや課題に対して一緒に解決できる機会が増えます。その結果、離職率の低下につながります。

また、チームビルディングに取り組むことで、仕事のやりがいを見つけたり組織への愛着が高まったりすることもあるため、離職率を抑えることができるでしょう。

チームビルディングに活用できるタックマンモデル

チームビルディングに有用なタックマンモデルは、心理学者のブルース.W.タックマンによって提唱されたものです。タックマンモデルでは、チームの成長段階を下記の通り5段階で説明します。

・形成期(Forming)
・混乱期(Storming)
・統一期(Norming)
・機能期(Performing)
・散会期(Adjourning)

各段階について概要を把握し、チームが今どの段階なのかを踏まえて、チームビルディングに活かしましょう。

形成期(Forming)

形成期(Forming)とは、チームが結成されて、あまり時間が経過していない時期のことです。メンバー同士が互いをあまり理解しておらず、コミュニケーションのハードルは高めです。この段階では、チームで目指すべき目標や方向性などに対して受動的になりがちです。

形成期では、イベントやゲームを通じてチームや組織への理解を促進し、コミュニケーションの活性化や業務に対する能動的な状態を実現させる必要があります。自由にやり取りができる交流会などを実施するのも良いでしょう。また、リーダーが方向性や目標をできるだけ具体的に示すことも大切です。

混乱期(Storming)

混乱期(Storming)とは、ある程度の期間、一緒に行動することでチーム内にコミュニケーションが生まれ、活発な意見交換が行われるようになる時期です。各メンバーが自分なりのやり方で仕事を進めつつ、意見を表明するので、ときには衝突や対立も起こるようになります。対立を放置すると、チーム全体のモチベーション低下を招くので注意が必要です。

混乱期には、「心理的安全性」醸成のためにも前向きなコミュニケーションが欠かせません。単にコミュニケーションの量を増やすだけでなく、お互いの考え方などの違いを理解し合える質の高い対話が必要です。

統一期(Norming)

統一期(Norming)とは、混乱期の対立を乗り切り、すべてのメンバーが共通したビジョンや統一したルールを具体的に共有できるようになる時期です。また、各メンバーの役割や責任などが明確になります。この段階では、相互理解も進んでいるので、異なる意見や価値観であってもお互いに尊重できるでしょう。議論が活発化し、モチベーションが高まりやすいのも特徴です。

リーダーが各メンバーの得意分野や苦手な領域を把握してマネジメントすることで、チームの能力を最大限引き出せます。メンバーがお互いにフォローし合えるよう、サポートすることも大切です。

機能期(Performing)

機能期(Performing)とは、チームが課題を乗り越え結束し、連携して目標達成に向かって行動できる段階のことです。指示がなくても能動的に業務を進められるようになっており、チーム内でお互いをフォローすることも自然にできるため、高いパフォーマンスを発揮できます。ある程度、成功体験も共有できており、建設的な意見交換が可能です。

リーダーは細々と指示せず、メンバーの自発的な行動をサポートすることが求められます。また、機能期をできるだけ長く継続させるのも、リーダーの重要な役割です。適度にコミュニケーションを促したり、ときにはリフレッシュできる機会をつくるよう心がけたりしましょう。

散会期(Adjourning)

散会期(Adjourning)は、プロジェクト終了・目標達成などで、チームが役割を終えた段階のことです。チームは解散し、新たなチームの結成に向けて備える時期でもあります。チームが解散した後も、チーム内で得られた経験則や方法論などを組織内で有効利用できるよう整理して共有することが望ましいです。

リーダーによる指示などは不要な段階ですが、各メンバーが次の目標に向かって前向きに進めるよう、必要に応じてフォローしましょう。

Googleから学ぶチームビルディングのポイント

Googleは、勝てるチームビルディングには、6つの共通要素があるとしています。

・心理的安全性
・相互信頼
・構造と明確さ
・仕事の意味
・インパクト
・効果測定

ここでは各要素について詳しく解説します。チームビルディングを行う際の参考にしてみてください。

心理的安全性

心理的安全性とは、チーム内のどのメンバーに対しても、拒絶されたり関係性が壊れたりすることを心配せずに、発言や質問ができる環境や関係性のことです。心理的安全性は、チームビルディングにおいて、もっとも重要な要素として位置づけられており、ほかの要素の土台として機能します。

心理的安全性を確保するには、メンバー間でコミュニケーションを取り、相互理解を深めることが効果的です。また、発言や質問に対して否定的な対応をしないようルール化するのも良いでしょう。

相互信頼

相互信頼とは、お互いの仕事ぶりに対して信頼感があるということです。例えば、ほかのチームメンバーのスキルや仕事に対する姿勢や実績などを認めており、成果を上げると確信している状態を指します。

相互信頼があるチームは、お互いにフォローしながら、目標達成に向けてモチベーション高く取り組むことができます。一方、お互いの仕事ぶりに対する信頼感が低いと、思うような成果が出なかったときに、お互いに責任転嫁が行われがちです。

構造と明確さ

構造と明確さとは、チームが目標を達成するために重要となる下記の3つの要素が明確になっていることです。

・チームの目標の明確さ
・チームにおけるメンバーの役割の明確さ
・チームとしての実行計画の明確さ

なお、上記の3つの要素をまとめて「構造」と呼びます。この構造が明確であると、チームメンバーは目標達成に向けて能動的に取り組みやすくなります。

構造を明確にするには具体的に目標設定をし、チェックすることが重要です。Googleでは、OKR(Objectives and Key Results)という手法を使い、達成状況を確認しています。

仕事の意味

仕事の意味とは、現在携わっている仕事に対する各チームメンバーにとっての個人的な意義や目的などのことです。個人的な意義とは、例えば「キャリアのため」「報酬のため」「やりがいのため」など、仕事に対する私的な理由です。

チームビルディングの観点からは、すべてのチームメンバーが「現在の仕事には意味がある」と感じられる状態にする必要があります。

インパクト

インパクトとは、担当している仕事がチームや社会などにとって重要性や影響があると感じられることです。各メンバーが、自分の頑張りによってチームに貢献できると感じられたり、社会的に意義のあることをしていると実感できたりすると、高い意欲を維持しやすくなります。

下記のような取り組みを行うと、インパクトを実感しやすくなります。

・各メンバーの成果を可視化して表彰
・売り上げや社会的な反響のフィードバック など

効果測定

さまざまなアプローチでチームを評価することもチームビルディングを成功させる上で欠かせません。

メンバーを評価する際は、売り上げなどを定量的に測るだけではなく、定性的な指標でも評価すると効果的です。チームメンバーを評価するプロセスで、チームビルディングの効果を測定できるので、より良く改善していくことができます。

【チームビルディング】実践可能なゲーム&アクティビティ7選

ここでは、オンラインのチームビルディングを活性化するおすすめゲームとアクティビティを厳選して、下記の7つを紹介します。

・二つの真実と一つの嘘
・陽口(ひなたぐち)ワーク
・条件プレゼン
・似顔絵当てゲーム
・デジタルツアー
・オンラインエクササイズ
・セブンじゃんけん

概要や参加人数・所要時間などを解説しますので、参考にしてみてください。

二つの真実と一つの嘘

ゲーム感覚で自己紹介ができるのが二つの真実と一つの嘘です。各メンバーは、2つの真実と1つの嘘が含まれた自己紹介をし、ほかのメンバーは嘘の部分を当てます。嘘を当てるために自己紹介をじっくり聞くので、お互いに対する理解が深まります。

人数 : 10~15人
所要時間 : 1時間程度

陽口(ひなたぐち)ワーク

陽口(ひなたぐち)ワークの陽口とは、陰口の反対を意味し、褒め言葉のことです。陽口ワークは、本人がいない(ようにみえる)場で褒めたたえるアクティビティです。

陽口を言われる参加者はカメラオフ・音声ミュートにして、音声は聞こえるもののその場にはいないように装い、ほかの参加者は制限時間いっぱい全力で褒めます。

陽口を言われる側は自己肯定感が高まり、チーム全体がポジティブな雰囲気になる取り組みです。

人数 : 制限なし
所要時間 : 1人あたり2~3分

条件プレゼン

条件プレゼンでは、いくつかのチームに分かれ、キーワードやテーマといった決められた条件を守り、プレゼンや物語・エピソードなどを披露します。メンバーとのコミュニケーション活性化に加え、プレゼン能力が高まる効果も期待できるアクティビティです。

人数 : 制限なし
所要時間 : 1時間程度

似顔絵当てゲーム

お題を踏まえた似顔絵を描き、ほかの参加者は、描かれた絵が誰なのかを当てるゲームです。お題は、職場のメンバー・著名人など、自由に設定できます。コミュニケーション活性化や観察力・想像力・洞察力の向上に効果的です。

人数 : 3人以上
所要時間 : 20~30分

デジタルツアー

参加者が、それぞれの地元やお気に入りの旅行先などをGoogleストリートビューやリアル配信などで紹介するアクティビティです。メンバーの人となりを知ることができ、共通の話題が増えるので、コミュニケーションを活性化できます。

人数 : 制限なし
所要時間 : 30~60分程度

オンラインエクササイズ

オンラインで、エクササイズ動画を見ながら、チームのみんなとエクササイズするアクティビティです。気が向いたときに、いつでも実施できます。気分転換になり、日頃の運動不足やストレスを解消できるのが魅力です。

人数 : 制限なし
所要時間 : 10~30分

セブンじゃんけん

チームに分かれ、それぞれ好きな数だけ指を立て、立てた指の合計が7になったチームが勝ちになるゲームがセブンじゃんけんです。チームワークが育まれ、コミュニケーションを活性化できます。

人数 : 4人以上
所要時間 : 5~10分

まとめ

チームビルディングとは各メンバーの能力を引き出し、チーム全体の生産性などを向上させる取り組みです。テレワークの普及にともない、チーム運営に新たな課題が増える中で注目を集める手法です。

チームの課題克服にはツールの導入も有効です。Engagement Suiteなら、チームの力を引き出すのに役立つツールやサービスを必要最低限のコストと労力で導入できます。情報共有やコミュニケーションの活性化など、テレワーク時代のチームに活気をもたらすサービスが豊富です。ぜひご検討ください。

タイトルとURLをコピーしました