T型人材の特徴とは?組織づくり・育成のポイントもご紹介

特定分野の専門的な知識やスキルをもつだけでなく、専門外のジャンルの知見も幅広く併せもつの「T型人材」です。とはいえ、具体的にどのような特徴があるのか、自社に必要なのか、自社の社員をT型人材に育成できるのかなど、気になる点も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、T型人材の特徴や採用・育成時のポイントをご紹介します。T型人材に興味のある人事・採用担当の方は参考にしてみてください。

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T型人材の特徴とは

T型人材とは、特定の専門分野を究めながら、専門外のジャンルにおいても幅広い知見がある人材の呼称です。「T」の文字の縦が専門性の深さ、横が幅広さを表しています。ある分野で専門性を発揮する「I型人材」と、幅広い知識をもつ「一型人材」の特徴を兼ね備えており専門内外で活躍できる人材と期待されています。

T型人材が注目される理由

専門性の深さが武器のスペシャリストと視野の広さをもつゼネラリストの要素を併せもつT型人材の存在価値は確実に高まっています。IT技術の発展により、数年前には考えられなかった技術やサービスが登場し続け、業務で応用することを求められるようになりました。

このように移り変わりが早い現代社会では、スペシャリストのような専門性に特化した人材だけでなく、変化にも柔軟に対応できるような専門性と幅広い知見を兼ね備えた人材が求められるのです。

また、顧客のニーズが多様化している現代において、柔軟性をもち新たなイノベーションを起こせる人材の必要性も増しています。デジタル技術の発達に伴い、IT企業だけでなく、製造業やサービス業でもインターネットやAIを活用した革新的な商品やサービスが求められるようになりました。

変化し続ける社会で競争力を発揮し、同業他社と差別化するためには、T型人材のように多方向から事業を発展させられる人材が必要とされています。

T型人材と他の人材タイプとの違い

T型人材の特徴を把握するためには、他の人材タイプと比較するのも有効です。ここでは、T型人材と他の人材タイプとの違いを確認しましょう。

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その他の人材タイプとの違い

T型人材と比較されることの多い5つのタイプである、I型人材・π型人材(パイ型)・H型人材・△型人材(トライアングル型)・J型人材との特徴の違いを下の表にまとめました。

I型人材

I型人材は、専門性に特化したスペシャリストです。技術職や研究職に多く見られるタイプで、高度経済成長期以降の日本では最も求められていました。T型人材にもI型人材の要素が含まれていますが、I型人材はT型人材のような幅広いジャンルの知見を兼ね備えていない点が大きな違いです。

π型人材(パイ型)

π型人材は、2つ以上の専門分野を究めていて、さらにさまざまなジャンルの知識を併せもつ人材です。専門領域が1つならT型人材、2つ以上ならπ型人材とされています。T型人材を「シングルメジャー」、π型人材を「ダブルメジャー」とも呼び、独創的な発想を生み出せる人材としてT型人材よりも重宝される傾向にあります。

H型人材

H型人材は、特定の分野を究めることに加え、別分野の専門家と横のつながりを築ける人材です。「特定の専門性×他ジャンルの専門家とのつながり」によりイノベーションを起こすことを期待されていることから、「イノベーション人材」とも呼ばれることもあります。多様性が求められる現代において、他社との境界線を越えたつながりをもち、共同でプロジェクトを進めるなどの場面で活躍する人材です。

△型人材(トライアングル型)

△型(トライアングル型)人材は、3つの専門分野をもつことから「トリプルメジャー」とも呼ばれます。他ジャンルの知見を有しているかは問われない点がT型人材との大きな違いです。
J型人材 J型人材は、高度な専門性をもつことで、他の分野のスペシャリストと交流できる域に達した人材を指します。各分野に特化した第一人者とコミュニケーションが取れるので、専門外の分野の知見も効率よく習得できます。幅広いジャンルの知見を取得中ともいえるJ型人材は、複数の専門性を極めていくことも可能です。

T型人材を確保するメリット

企業がT型人材を育成・確保するメリットは、以下の2点です。

・独創的なアイデアが生まれやすい
・さまざまな分野との協業が可能になる

それぞれ詳しく確認しましょう。

独創的なアイデアが生まれやすい

高い専門性と幅広い知識やスキルを有するT型人材は、多角的な視点によりさまざまなアイデアを生み出します。従来人気であったI型人材は、専門性の高さゆえに固定観念にも囚われやすく、自分の専門内での発想しかできない点が懸念されていました。

一方で幅広いジャンルの知見を有するT型人材は、発想の広がりをもてることで、独創的なアイデアが生まれやすいというメリットがあります。

新しい企画やプロジェクトを進めていくような、専門性と視野の広さをもつことが求められる場面では、T型人材は非常に重宝されます。

さまざまな分野との協業が可能になる

特定分野の専門性を発揮しながら幅広い視野をもっているT型人材は、さまざまな業種や業界の専門家と共通言語を用いてコミュニケーションを図れます。それにより他業種と関わる際の相互理解が容易になり、さまざまな分野や業種の企業と協業することで、ビジネスを拡張させていける可能性が広がります。

自社だけでの取り組みでは実現できないことも、他業種と協業できれば、多様化する顧客ニーズを満たせます。このように新たなビジネスチャンスを生み出しやすい点は、T型人材を確保する大きなメリットといえるでしょう。

組織づくり・育成のポイント

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T型人材を育成していくうえで、押さえておくべきポイントは以下の6点です。

・専門的な研修を実施する
・ジョブローテーションを取り入れる
・人材の多様性を確保する
・働き方の柔軟性を高める
・他部署との連携を図る
・T型人材を育成する際の注意点

それぞれ詳しく解説します。

専門的な研修を実施する

T型人材を育成するうえで忘れてしまいがちなのが、そもそもの前提として軸となる1つの専門分野を究めてもらう必要がある点です。専門外の幅広い知見の方に目が向きがちですが、まずは特定分野のスペシャリストになってもらわなければ、T型人材を育成することはできません。

専門性を究めてもらうためには、1つの業務で裁量を与えて深く携わってもらったり、専門性の高い研修を定期的に実施したりすることが有効です。基盤となる専門性を育てるために、効果的な育成計画を立案・実施しましょう。

ジョブローテーションを取り入れる

T型人材育成で難しいポイントは、専門性を磨いてもらうのと同時に広い視野と幅広い知見を習得してもらう必要があることです。1つの業種に携わっているだけでは多角的な視点は育まれません。ジョブローテーションを取り入れれば、他の業務を通じて新たな知識やスキルを身に付けられます。

1つの分野の知識とスキルの習得が十分に行えた後は、ジョブローテーションによって、他部署や他分野での経験を積めるようにしましょう。

人材の多様性を確保する

T型人材の育成においては、多様な人材との関わりをもつことも、仕事の視野を広げるうえで重要になります。例えば、他部署との連携の多い業務に携ってもらう、年代や立場などが違うメンバーとのプロジェクトに参加してもらうことで、T型人材に欠かせないさまざまな観点から方策を打ち出す能力が身に付きます。

さまざまなタイプの人材がいる職場では、社員は自分と異なる価値観や技術に接する機会が生まれます。高齢者や育児中の女性、外国人労働者など、世代や性別を超えて人材を採用していくことで、人材の多様化を図りましょう。

働き方の柔軟性を高める

T型人材に欠かせない視野の広さを獲得してもらうには、働き方の柔軟性を高めるのが効果的です。業務や研修などの社内教育から得られる情報には偏りが生じやすくなります。そこで、専門性を磨いたり知見を広げたりするために、社外での学びの場をもてるような環境を整備しましょう。

例として、昨今注目されているリカレント教育制度の導入が挙げられます。社員の学びたいタイミングで休職や時短勤務を許可しつつ、外部の教育機関などで学習する機会を与えることで、T型人材に必要な専門性スキルや幅広い知見が身に付く機会を設けられます。

知識が身に付いた後は、その知見を発揮できる機会として副業を解禁するなど、多様な働き方を認めていくことでT型人材を育成しましょう。

他部署との連携を図る

他部署との連携によって知見を広げていくのも、T型人材の育成では有効です。会社をより良くしていきたいという共通の想いをもって仕事をしていても、異なる部署で働いていれば違った視点で仕事をしている場合があります。他部署との連携を図ることで、多角的な視点をもつきっかけになるでしょう。

また、単に連携するだけでなく、多様な人材を混ぜ合わせた方が柔軟な思考能力やコミュニケーション能力が育まれやすくなります。同世代の社員や立場が近い社員が集まりやすい社内研修の場では、なるべく多様性に富んだ配置を心がけましょう。

早期から育成に取り組む

T型人材を育成するにあたり忘れてはいけないのが、できるだけ早いうちに育成することです。人間の脳は、新しい情報の取得や処理、課題解決を行う流動性知能が年齢を重ねるにつれて衰退していくため、早いタイミングで育成の場を設けることが重要となります。

特に成長スピードの早い若年層を育成することで、T型人材へ育てあげるまでの期間を短縮できます。ただし、年齢がすべてというわけではないため、個々の適性や能力を見極めたうえで社員教育を進めましょう。

まとめ

IT技術の急発展や多様化する顧客ニーズなどを背景に、深い専門性と幅広い知見を有するT型人材の必要性は高まっています。仮に採用・育成できれば、事業をより成長させていくための独創的なアイデアやイノベーションを生み出してくれるでしょう。

とはいえT型人材を育成するには、自社に長期間定着してくれることが前提になります。働きやすい環境づくりや社員へのキャリア支援にも役立つ福利厚生を充実させるなら、1,000以上の福利厚生パッケージサービスを提供している「Perk」の活用をぜひご検討ください。

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