福利厚生の一環として社内通貨が注目を浴びています。近々自社でも社内通貨を導入したいと検討している企業の経営者や総務担当者もいるでしょう。
とはいえ、社内通貨がどのようなものなのか、あまり詳しく知らない方も多いかもしれません。導入するメリットやデメリット、そもそも自社で導入できるのかどうかも気になる点でしょう。
今回は社内通貨についてメリットやデメリットを説明し、導入時のポイントも解説しています。社内通貨の導入を検討している経営者・総務・福利厚生担当者の方はぜひ参考にしてください。
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社内通貨の機能とは
社内通貨の歴史は意外と長く、2005年頃から一部の企業ですでに導入され始めていました。ここでいう社内通貨とは、給与とは異なるインセンティブとして、社員に付与するものです。
通貨という言葉が使われていることから、紙幣や硬貨などをイメージする方が多いかもしれません。しかし、独自の紙幣や硬貨を発行して社員に付与するわけではなく、ポイントシステムを採用しているケースが大半です。
社内通貨の主な機能としては「付与・取得」「管理」「使用」などがあります。「付与・取得」は、いつどの社員にいくら付与したのか把握するための機能です。「管理」は各社員が保有している社内通貨の残高を管理する機能を指します。
「使用」は商品などに交換できる機能です。特定のサービスを割引価格で利用できるケースもあります。
また、社内通貨は社員が楽しみながら活用することが可能です。インセンティブだけでなく福利厚生としても導入できます。
社内通貨を導入するメリット
社内通貨を導入することで次のようなメリットが得られます。
社員のモチベーションアップ
社員の仕事の成果に対して給与やボーナスとは別に社内通貨を付与することで、モチベーションアップにつながります。
営業職など仕事の成果が見えやすい職種の場合には、すでにインセンティブを付与しているケースも多いでしょう。
しかし、職種や部署によっては仕事の成果が見えづらい場合もあります。例えば、品質管理などの部署だと、うまく仕事をこなしていても、目に見える成果としては現れにくいのが実情です。そのため、モチベーションが下がってしまうこともあります。
社内通貨の導入により、成果の見えづらい職種や部署の社員も評価が可視化されるのがメリットです。すべての社員が「認めてもらえる」と実感できるようになり、モチベーションが向上します。
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行動指針や経営理念の浸透
行動指針や経営理念などが、社員にあまり浸透していない企業も少なくありません。行動指針や経営理念に沿ったことをしたくても、具体的に何をすれば良いのかわからない社員もいるでしょう。このような問題も社内通貨で改善できる可能性があります。
行動指針や経営理念に沿った行動をした社員に対して社内通貨を付与する仕組みを整えると、社員に浸透させやすくなります。もし社内通貨を多く付与されている社員がいれば、ほかの社員は参考にできるでしょう。
このように多くの社員が同じような行動をとるようになれば、行動指針や経営理念が自然と社内に浸透していきます。
社内コミュニケーションの活性化
社内コミュニケーションの活性化につながることも、社内通貨を導入するメリットです。例えば、社内通貨を利用した「ピアボーナス」がコミュニケーション活性化の具体例として挙げられます。
「ピアボーナス」とは、社員同士で感謝の気持ちを伝える際に報酬を贈り合う仕組みです。社内通貨を活用すれば、ちょっとしたことでもお互いにピアボーナスを贈りやすくなります。
これまであまり話をする機会がなかった社員同士がコミュニケーションを取り合うきっかけにもなるでしょう。
こうして社内コミュニケーションが活性化すれば、情報共有や複数人のプロジェクトを円滑に遂行できるようになり、組織の連携意識の向上にもつながります。
社内通貨の導入にまつわるデメリット
社内通貨導入の際には、次のようなデメリットについても理解しておく必要があります。
運営コストがかかる
社内通貨導入の際には、専用の外部ツールやサービスなどを契約して利用する方法が一般的です。導入時にはイニシャルコストがかかり、導入後は毎月の利用料金などのランニングコストがかかります。
自社内で制度設計やシステム構築などをして運用する方法もありますが、必要な人員を割かなければなりません。人件費がかさみ、外部のツールやサービスを利用するよりもコストがかかってしまうと本末転倒です。そもそも開発や運営のための人員確保が難しい場合もあるでしょう。
活用されないリスクがある
社内通貨を導入しても、社員が積極的に利用してくれるとは限りません。多額のコストをかけて導入したにもかかわらず、利用する社員がほとんどいないといった事態に陥るリスクもあります。
社内通貨のメリットは多数ありますが、その多くはあくまで社員が積極的に利用することを前提にしています。社内通貨を使用する社員がほとんどいなければ、効果もあまり見込めません。
そのため、最初から全社的に導入するのはあまりおすすめできません。一部の部署だけで試験的に始めつつ、使用率や反応などを検証するのが安全です。
利用する社員が少ない場合は、改善策を考えて実行しましょう。利用率の増加にともなって少しずつ拡大していくようにすれば、活用されないリスクを抑えられます。
社内通貨を導入するときのポイント
社内通貨導入で失敗しないために、押さえておくべきポイントをご紹介します。
社内通貨の目的を明確にする
社内通貨を自社に取り入れたい場合、まずは何が目的で社内通貨を導入・運用するのかを明らかにしましょう。目的が不明確だと、導入後も十分な効果は期待できません。
社内で何らかの課題を抱えており、それを解決する手段として社内通貨の導入を検討しているケースもあるでしょう。こうした場合も、まずは課題について改めて洗い出す必要があります。
さらに、社内通貨導入によってどのような効果を期待し、どのように課題解決を図るのかも言語化しておきましょう。ここまで目的が明らかになっていれば、運用方針も自然と定めやすくなります。
社内通貨の貯め方のルールを明確にする
どのような行動をすれば社内通貨がいくら付与されるのか、というルールは明確に定めておきましょう。ルールが曖昧だと社員が利用しにくくなり、評価にブレがあれば不信感にもつながります。
また、ルールや条件の策定時には、社内通貨の目的から社員にどのような行動をとってもらいたいかを検討しましょう。
以下は、導入時に参考にしたい社内通貨の貯め方の具体例です。
サンクスカードとして活用
普段の業務において、ほかの社員に助けられたり支えられたりする機会は少なくありません。ほかの社員のミスをカバーしている社員もいれば、逆にカバーされている社員もいます。
とはいえ、コミュニケーション不足で感謝の気持ちを十分に伝えられていないために、人間関係が悪化しているケースもあるでしょう。
社内通貨をサンクスカードとして活用すれば、感謝の気持ちがきちんと伝わるようになります。コミュニケーションが生まれるきっかけにもなるでしょう。
インセンティブ制度に活用
社員のモチベーションが低い場合には、インセンティブ制度を導入するのが効果的です。成果を出した社員は給与に反映されるため、モチベーションアップにつながります。
また、給与や賞与とは別の形で導入したい場合もあるでしょう。このような状況でも社内通貨をインセンティブ制度として活用するのが効果的です。
仕事の成果が目に見える形で評価されるため、モチベーションが高まります。社内通貨を多く付与されている社員を見たほかの社員は、次は自分も頑張ろうという気持ちになれるでしょう。
業務依頼に利用
普段の業務の中で、他部署に業務の一部を依頼しなければならないこともあるでしょう。急な仕事だったりイレギュラーな状況だったりすると、相手に負担をかけてしまうことも多いです。
また、他部署からの業務依頼が何度もあると、不公平感につながるおそれもあります。他部署に負担をかけたくないという思いから、必要な業務依頼をためらってしまうこともあるかもしれません。
そこで、他部署に業務依頼をする際に社内通貨を使用すれば、不公平感の軽減を図れます。
社内通貨の使い方を明確にする
社内通貨を導入しても、何に使えるかがはっきりしていなければ、社員はあまり積極的に貯めようとしないでしょう。使い方が明確に決まっているからこそ、いくら貯めようという目標ができて励みにもなります。
ここでは、社内通貨の使い方の具体例をご紹介します。
商品券や景品と交換
商品券なら使える場所は限られているものの、現金と同じように利用できるため、社員にとっては大きな励みになるでしょう。例えば、5,000ポイント貯めたら5,000円分の商品券と交換できるといった具合です。
景品と交換できるようにする場合は、ラインナップをいくつか揃えておくと良いでしょう。交換可能なポイント数に幅をもたせておくと効果的です。
手頃な景品なら少し頑張れば交換できるため、積極的に社内通貨を貯めようとするでしょう。豪華な景品なら貯めるのに苦労しますが、その分だけモチベーションアップにもつながります。
資格取得やセミナーに使う
社員の中には、資格取得の勉強をしている方やスキルアップに励んでいる方もいるでしょう。そこで、社内通貨でセミナーの受講費用やテキストの購入費用を補助できるようにするのも効果的です。資格取得後やスキルを身に付けた後は、さらなる活躍が期待できます。
ただし、資格取得や新しいスキルの習得などを特に目指していない社員もいます。そのため、ほかにもいくつか使い先を設けた上で自由に選択できるようにするのがおすすめです。
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寄付する
社内通貨を貯めて自分のために使うのではなく、社会のために使いたいと考えている社員もいるかもしれません。そのため、社内通貨を寄付にも使えるようにしておくと良いでしょう。
アプリ・システムを用いて管理する
社内通貨の導入後は、各社員の残高や利用履歴などを適切に管理しなければなりません。その際、専用のアプリやシステムの準備が必要となります。
種類ごとに機能や使い方も異なるため、効率良く運用できるよう使いやすく、かつ自社の目的に合ったアプリやツールを選ぶことが大切です。
アプリやシステムの選び方が良くないと、運用に無駄なコストや手間がかかってしまうため注意しましょう。
まとめ
社内通貨は、給与やボーナスとは別に社員に対して付与する通貨です。貯めた社社内通貨は、商品交換などに利用したり社員同士で贈り合ったりできます。
福利厚生として社内通貨を導入すれば、モチベーションアップやコミュニケーションの活性化などのメリットが期待できます。
社内通貨導入で失敗しないためには、目的や貯め方、使い方などを明確にしておくことが重要です。そのうえで目的に合ったシステムやサービスを利用しましょう。
また、社内通貨のほかにも自社の福利厚生を充実させたい場合には、Perkの活用をご検討ください。Perkでは福利厚生のパッケージサービスを提供しています。割引プランも用意しており、手軽に福利厚生を充実させられますので、ぜひご利用ください。