企業が「働きやすさ」を重視すると、従業員の意欲や帰属意識が高まり、定着率の向上につながります。働きやすさを実感できるようにするには、単なる制度設計だけでは不十分です。自社に合った福利厚生や人事評価の導入などポイントを押さえた職場づくりが大切です。
今回は、働きやすさを感じる職場の特徴や、働きやすい企業になるためのステップ・対策について解説します。
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企業が「働きやすさ」を重視するメリット
「働きやすさ」を重視した労働環境づくりが企業にもたらす主なメリットは、下記の2つです。
・従業員が定着する
・従業員の意欲が高まる
それぞれ詳しく解説します。
従業員が定着する
風通しが良くストレスや不満の少ない職場になれば、企業への愛着が高まり、長く働き続けたいと考える従業員が増えます。定着率がアップし、結果的に離職率を下げることが可能です。
人材確保の競争率が高い昨今では、従業員の定着は重要です。優秀な人材の早期離職を防ぐためにも、自社の職場環境を見直してみましょう。
従業員の意欲が高まる
正当な評価が受けられるようにしたり、ワークライフバランスを向上させたりなど、働きやすい環境を整えることで、従業員の意欲は高まります。
一方、従業員のモチベーションが低下する要因として、「評価されない」「残業が多い」「上司・会社からの要求が多い」などがあげられます。企業に対する愛着がなくなってしまうと離職につながるため、制度設計やコミュニケーションなどの労働環境も整えることが大切です。
帰属意識や意欲の高い従業員が増えれば、「企業のために何ができるか?」をそれぞれが自律的に考えられるようになり、生産性の向上につながります。
働きやすさを感じる職場の特徴5選
従業員が働きやすさを感じる職場は、主に下記のような特徴があります。
・風通しの良い社風である
・福利厚生が充実している
・残業が少ない
・教育・研修制度が整っている
・適切な評価制度がある
それぞれ詳しく解説します。
風通しの良い社風である
「自由に自分の意見を言える」「質問や相談がしやすい」など、気軽にコミュニケーションが取れる風通しの良い社風は、働きやすさに欠かせない要素です。
会話が活発になりやすく、人間関係を良好に保ちやすいため、余計なストレスがかかりません。悩みやトラブルが出てきたときも、気軽に相談できるので抱え込む心配がなく、従業員は安心して仕事に集中できます。
業務上の連携やフォローもスムーズにでき、トラブルを未然に防いだり、新しいアイデアの創出につながったりする点もメリットです。
福利厚生が充実している
従業員のことを考えて法定外福利厚生を充実させると、従業員も組織から大事に扱われていると実感できるようになります。
法定外福利厚生とは、例えば下記のような制度です。
・通勤手当
・住宅手当、家賃補助
・人間ドックやジムの費用補助
・育児や介護のための休暇の拡充、社内託児所・保育所の設置
・お祝い金、お見舞金関係
・資格取得などの補助
・社員旅行や運動会などのイベント
福利厚生の整備に加えて、有給休暇・長期休暇・育児休暇などが取得しやすい雰囲気づくりも大切です。
残業が少ない
残業が少なく、ワークライフバランスが重視された環境であることも、働きやすい職場の特徴です。
しっかり休みが取れ、プライベートな時間を充実させられることは、従業員が心身ともに健康に働き続けるためにも大切です。仕事へのモチベーションを維持する上でも、オンとオフのメリハリをつけて働きたいという方は多くいます。
厚生労働省がワークライフバランスのとれた働き方を推進していることからも、長時間労働の是正だけでなく、「仕事と家庭を両立できる」「有給取得率100%」といえる労働環境にしていくことが大切です。
教育・研修制度が整っている
社員研修やeラーニングを導入しているなど、教育・研修制度が整っているのも従業員が働きやすいと感じる職場の特徴です。
教育・研修制度を整えることは、従業員だけでなく企業にとってもメリットがあります。
▼企業側のメリット
・従業員のモチベーションが向上する
・手厚い教育が受けられることで、従業員の帰属意識が高まる
・従業員のスキルアップにより、生産性が向上する
近年は人的資本経営も注目され、未来への成長を期待して従業員に投資する経営戦略を取り入れる企業も増えています。中長期的に、企業価値を高めることにもつながるでしょう。
研修受講や資格取得に対する費用補助制度をあわせて整備すれば、従業員の自発的なスキルアップを後押しできます。
関連記事:
「人的資本経営が注目されている理由とは?実践で得られる効果と導入手順を解説」
適切な評価制度がある
適切な評価制度の整備は、働きやすい職場をつくる重要なポイントです。特に人事評価は昇進や給与額に直結するので、従業員のモチベーションに大きな影響を与えます。
また、評価に合わせた給与体系やインセンティブなどの制度も整えましょう。実績や評価に応じた報酬が受けられると、満足感や企業への帰属意識を高めることができます。
一方、評価基準が不明確であったり、成果を上げても昇給などにつながらなかったりすると、不公平感や不満につながりかねません。
従業員が「適切な評価をされている」と実感できる評価制度を構築しておきましょう。
働きやすい企業になるための5つのステップ
これから働きやすさをより重視したいと考えている企業は、自社の職場環境を見直し、有効な施策を立てていきましょう。
下記のステップで進めるとスムーズです。
1.問題点を可視化
2.優先順位を決める
3.解決する方法をリサーチ
4.解決のための施策の実行
5.PDCAをまわす
各ステップについて詳しく解説します。
1.問題点を可視化する
まず現状の問題点を可視化しましょう。
職場環境といっても、人間関係や給与、人事制度、労働時間、オフィスレイアウトなどさまざまな要素があります。どこに問題があるのかが明確になれば、効果的な施策を考えられます。
正確に把握するためには、人事部や管理職といった限られたメンバーだけで考えるのではなく、組織全体の意見も聞き入れるようにしましょう。
例えば、次のような方法が有効です。
・サーベイツールを活用し、従業員にアンケート調査する
・ミーティングやグループディスカッションなどを実施し、問題点を洗い出す
2.優先順位を決める
自社の問題点について、解決に向かうための優先順位を決めましょう。すべての課題について一度に解決するのは、労力やコストの面から現実的ではありません。制度やルールを一度に変更すると、従業員が混乱するリスクもあります。
「すぐに解決すべきかどうか」「与える影響が大きいかどうか」といった観点から、重要度の高さを判断して決めていくのがおすすめです。
3.解決する方法をリサーチ
優先度の高い問題から順番に解決策を立てていきます。
解決策を立案する際は、次のような方法が考えられます。
・各部署から選んだ従業員でチームを構成し、解決策についてディスカッションする
・ほかの企業の成功事例を参考にする
ただし、他社で成功したからといって、必ずしも自社にとって最善の方法であるとは限りません。できるだけ複数の解決策を比較し、自分たちに最適なものを選ぶようにしましょう。
4.解決のための施策の実行
解決のための施策が決まったら、スケジュールを調整して実行していきましょう。
「研修を実施する」「業務システムを変更する」など、施策を行うことで従業員の業務に影響が出る場合は、必ず早めにスケジュールを周知させておくことが大切です。
特に、部署に応じて繫忙期を避けるなどの配慮を心がけましょう。
5.PDCAをまわす
施策が完了したら効果を検証して、さらなる改善を図ります。「施策によって課題が解決できたのか」「どの程度の効果があり、どのような課題が残されたのか」をチェックしてください。
施策の成果をチェックするには、サーベイツールなどを使用したアンケート調査が有効です。
また、1on1ミーティングなどの機会に従業員から率直な意見を聞いてみるのもひとつの手です。調査結果を分析したら、再度、問題点の可視化や解決策のリサーチを行いましょう。
働きやすい企業になるための対策
働きやすい企業になるための効果的な対策を、「雇用制度・管理」「職場環境の整備」「評価・育成制度」の3つのポイントから紹介します。
雇用制度・管理
働きやすい企業になるための「雇用制度・管理」に関する対策の代表例として、下記の3つがあげられます。
・ワークライフバランスの充実
・従業員の健康管理
・自社に合った福利厚生
ワークライフバランスの充実
ワークライフバランスを実現するために、下記のような施策を取り入れましょう。
・特別な休暇制度を取り入れる(リフレッシュ休暇、ボランティア休暇など)
・リモートワークを導入する
・フレックスタイム制を導入する
従業員それぞれが自分のペースで働ける職場環境を目指すことが大切です。
従業員の健康管理
従業員の健康状態を把握し、早めにケアできる体制を整えるには、下記のような施策が有効です。
・産業医の導入
・ストレスチェック制度の導入
・オンラインカウンセリングサービスの利用
自社に合った福利厚生
従業員のニーズに合った福利厚生を取り入れましょう。
住宅手当・通勤手当・資格手当など基本的なもの以外にも、下記のような福利厚生を検討してみてはいかがでしょうか。
・ピアボーナス制度
・パワーナップ(昼寝)制度
・ランチ制度
・給食費補助制度
多くの従業員に喜ばれる福利厚生の実現が難しいと感じているなら、福利厚生パッケージサービス「Perk(パーク)」の導入をご検討ください。「Perk」では、1,000以上のサービスから従業員が好きな福利厚生を選べるので、幅広いニーズにも的確に応えられます。
オフィス環境の整備
オフィス環境を整備する際は、「労働環境」と「人間関係」の2つの視点からアプローチしましょう。
下記で、具体的な対策を紹介します。
労働環境
快適に作業できるオフィスにするためには、下記の施策が考えられます。
・室温設定のルールを決める
・スペースの目的に合わせて照明の明るさを変える
・休憩スペースを広くする
・動線を考慮したデスク配置に変更する
人間関係
社内のコミュニケーションを促進するには、下記のような施策がおすすめです。
・気軽に雑談できるカフェスペースをつくる
・社内イベントを定期開催する
・社内SNSなど社内向けのコミュニケーションツールを導入する
働きやすさにつながるコミュニケーションツールを導入するなら、新しいモチベーション・マネージメントツール「Pulse(パルス)」をご検討ください。
最短5秒で答えられるアンケート機能や、ミーティングの成果を高められる機能など、職場の良好な人間関係構築に役立つ機能が満載です。導入や操作も簡単で、負担なく使い始められます。
評価・育成制度
社内の制度設計も整えていきましょう。「人事評価」と「育成制度」の視点から施策を考えられます。
人事評価
人事評価を公平・公正にするには、下記のような施策が有効です。
・MBO
・360度評価
MBO(Management By Objectives)は、従業員自身が設定した目標について、達成に向けたプロセスや成果を評価する手法です。自分で目標を設定するので、従業員の自主性や課題解決能力を養うことができ、モチベーションアップ効果も狙えます。
360度評価は、上司だけでなく、複数の従業員などが評価に加わる方法です。評価者が複数になるので、主観が入りづらく公平で納得感のある評価ができます。
育成制度
従業員のスキルアップのために教育体制を整えるなら、下記の施策を取り入れましょう。
・eラーニング
・メンター制度
・1on1ミーティング
特に1on1ミーティングは従業員の成長につながるだけでなく、心理的安全性を醸成することも目的のひとつです。適切な進め方で、上司と従業員との信頼関係を築いていきましょう。
関連記事:
「1on1ミーティングとは?目的や実施のメリットについて徹底解説」
まとめ
働きやすさを重視した企業では、従業員の定着率や意欲が高まる傾向にあります。特に、「風通しの良い社風や充実した福利厚生」「ワークライフバランスの実現」「教育・研修制度および適切な評価制度の整備」に力を入れている企業が多くあります。
自社の職場環境を見直す際は、現状の問題点を可視化するところから始めましょう。今回紹介したステップや対策例をもとに、働きやすい職場づくりに取り組んでみてください。