共催セミナー開催|急成長期を乗り越えるスタートアップマネジメント「チームと組織を強化する方法」

Smart相談室と共同セミナーを開催しました

2023年12月21日に、Smart相談室さまとWantedlyで”急成長期を乗り越えるスタートアップマネジメント「チームと組織を強化する方法」”というテーマで、対談形式のセミナーを開催しました。
当日は、創業間もないスタートアップ企業から数百名の社員をかかえる企業まで、様々な規模の企業様にご参加いただきましたが、共通して、事業の拡大に合った人員の採用・配置や育成・活躍について課題感をお持ちでした。

今回のセミナーは、企業規模の拡大に伴い発生する課題やその解決策について、議論し合う形で進行しました。

Smart相談室さまからはビジネス統括責任者であられる伊禮武彦さん、WantedlyからはEngagement事業部 事業部長の、橋屋優理が登壇しました。

セミナー登壇者のプロフィール

 

Smart相談室の石田さんを進行に迎え、対談形式のセミナーがスタートしました。

組織の急速な拡大とマネジメントの課題

石田:
今回進行を務めます、Smart相談室の石田です。 

まずは「組織の急速な拡大とマネジメントの課題」のところからお話しできればと思います。

規模が拡大する前までは、それぞれが自力で頑張ってなんとかなっていた部分が、急成長に伴い「組織」として統括していこう、となったタイミングで壁に当たり悩まれる企業様が多い印象です。橋屋さんは、このような課題をお客様から相談されることはありますか?

橋屋:
そうですね。私たちのサービスは採用の面と、入社後のエンゲージメントの面で支援を行っているので、そういった課題はよく伺います。「マネージャーは充実しているんだよね」とか「マネジメントには問題ないんだよね」というケースは、正直あまりないですね。スタートアップ企業やベンチャー企業など、ここからどんどん人が増えていくというフェーズの中でマネージャーの人数や質を担保するのは、なかなか難易度が高いし構造的にも難しいなというのは感じています。

伊禮:
そうですよね。何か正解を出すこともなかなか難しい中で、拡大する組織を失敗なく統括することは難しいですよね。人数が多くなり「そろそろマネージャーが必要だよね」というタイミングで、優秀なマネージャーを採用してマネジメントをすることももちろんありますが、社内のメンバーをマネージャーのポジションに就かせる、という動きもありますよね。

そうすると、マネジメント経験がないからうまく行かないという現象も当たり前のように発生しますが、そのあたりのベストプラクティスというか、解決策はありますか?

橋屋:
マネジメントに関するお話しは本当に100社100様なのですが、実際にマネージャーが足りなくなるパターンというのは共通する部分も多くあります。こちらの図は弊社のチームのメンバーに研修用で使っている社内向けの資料なのですが、いわゆる「組織の壁」で10名、50名、100名と規模でそれぞれどのような問題が起こるかを構造的に記載しています。

例えばスタートアップ企業だと、一番最初はいわゆるPMFを目指して一生懸命頑張りましょうというフェーズになるかと思いますが、実はそのフェーズにおいてはマネジメントってそこまで問題にならないことが多いんです。その時点での課題は、マネジメントではないからです。
ただPMFに成功すると、人を増やす必要が出てくるフェーズになります。要は量産体制に入るタイミングですね。すると、これまで問題にならなかった「マネジメント」が突然課題に上がります。
そこで急にマネージャーを作ろうとすると、組織の成長スピードになかなか追いつかない、ということが発生する構造になります。

石田:
なるほど。企業のフェーズが変わるタイミングでマネジメントが急に課題として上がってくるのですね。

橋屋:
基本的に、認知限界というのは7人程度と言われているので、メンバー7人に対して1人マネージャーをつけると考えると、実は社員20人までは3人のマネージャーがいれば何とかなるという話にもなります。3人だと、創業メンバーだけでマネジメントが可能だったりすることはあるのですが、20人から50人に増えるのがすごく早かったり、50人から100人に増えるのはもっともっと早かったりということは往々にしてあります。

何もせず放っておくと常にマネージャーが足りていない状態になってしまうので、「こういうことが起こる」という認識のもと、先回りして採用計画を考えるというのも解決策の一つだと考えています。

石田:
確かに、採用計画に盛り込んでおくことで備えておけることはありますね。

橋屋:
あとは、社内での抜擢の場合ですね。これ自体はすごくいいことで、抜擢すべき人物が社内にすでにいれば、それはそれで全く問題はないのですが、全員がマネジメントのスキルを最初から持ち合わせているかというと、そうではないことが多いですよね。
マネージャーとしての経験を培ってもらうための育成に時間がかかるので、社内からの抜擢に寄りすぎてしまうと、バランスとしてはあまりよくないということもあります。ある程度マネージャーが揃っている環境で新たに抜擢ができると、育成の段階を踏むことができるようになる。

例えばサブリーダーのようなポジションを用意ことができると、最初はプレーヤーとしての要素を残しておきながら、プラスでマネジメント業務の一部もやってみようか、というように段階を踏んでもらえたり、いわゆるカリキュラムのようなものを提供できると考えています。

これがもう最初から、「今日からあなたがマネージャーにならないと会社がたち行かなくなります」という状態で抜擢してしまうと、経験はないし準備もできていないからパフォーマンスが発揮できない、という状態になってしまいます。

もちろん、中にはその状況でも本人がものすごく頑張って、乗り越えて成長できたというパターンもあると思いますが、乗り越えられなかったときに、メンバーとしてすごく優秀だった方が、マネージャーとしては活躍できなくなってしまうということが起こります。

石田:
そうですね。社内からマネージャーを抜擢するためには段階を踏んだ育成が必要ということですね。

橋屋:
その環境を整えるためには、マネージャーがある程度充足している状態になっていることが必要です。そのための課題もたくさんありますが、採用をどうするべきなのかという点でお伝えすると、先回りすることが大事というルールを把握していると、実はPMFするタイミングで少しずつ人を採用しておこうとか、直近の課題ではなくてもマネージャーの採用をしておこうか、ということができると、組織のバランスがそこまで崩れなくて済むと思っています。

伊禮:
質問があるのですが、社内から抜擢するときは教育型で、丁寧にその人を育てていくという方法があるとして、サブリーダー、つまり中長期的にマネージャーになってほしい人というのはどのような基準で決めていますか?

橋屋:
これも本当に難しいですよね。プレーヤーとしてすごく優秀なメンバーが、そのままマネージャーになるというのは成功例だと思うんですが、いざマネージャーになってみたら難しかった、ということも結構あるなと思っています。

ただそれは、やってみなければ分からないという点と、選り好みできる状況でもないという点があったりするので、結果として、プレーヤーとして成果を出していて、マネージャーになることに対して本人に抵抗がない、そして会社や事業に対して共感がありカルチャーを体現してくれる人であれば、問題なく抜擢していいと思っています。

そのときに足りない部分は、さらに上のマネージャーの方がフォローをしていくっていう覚悟を持つ、ということが大事だと思いますね。

伊禮:
ありがとうございます。もうおっしゃっていただいた通り、蓋を開けてみるまで分からない部分は本当にありますよね。

橋屋:
本当にそうですよね。任せてみたら意外と向いていた、ということもありますし。

伊禮:
その中で特に「20人の壁」のフェーズは、いろんな物事においてスピード感がかなり重要になってくるので、悩んでいても答えが出ないところを、とりあえずやってみよう、というスタンスが風土として組織に根付いてると、よりチャレンジしやすそうですね。

ちなみに20名以降の壁もあるんですよね?私が知りたいっていう意図なんですが、よければ50名、100名の話とかって聞いてもいいですか。

橋屋:
ありがとうございます。先程の図でお話しすると、〜20名って、例えばBiz側だと、セールスとマーケとかの2チームくらいのイメージになります。それが50名になるっていうことは、1チームを5〜7名としたときに、それがチームが6つ、7つぐらいできることになります。
今までフラット型だった組織が、ピラミッド型になり、専門部署ができ、それぞれのチームの専門性ができてくる、みたいなところですね。そのくらいになると、組織間の横断みたいなものがかなり増えてくるフェーズだと思っています。

僕、漫画のワンピースが好きなんですけど、作者の尾田さんってもしかしたらHR出身の人なのかな?って思うぐらい、組織論みたいなところが核心をついてくるなと思っていて。

伊禮:
ええ、そうなんですね。聞きたいです!

橋屋:
読んでない方には申し訳ない時間になっちゃうんですけど、例えば、物語の中盤でフランキーっていう船大工のキャラクターがメンバーに加わるシーンがあって。彼が来る前はウソップっていう、船大工の専門性はないけど、ちょっと手先器用なやつが船を直してたみたいな。
フランキーが加わってから、当人同士は揉めてないんですけど、ウソップが一瞬離脱するっていうくだりがあるんですけど、その原因を探ると、要は組織課題としてが専門性が追いつかなくなったというのがあって、専門家をどんどん採用していくと、その専門性っていうのは上がるんですけど、元々やってた人とのハレーションが起きるだったりとか。
部署と部署の間、例えば船大工の部署と、料理を作る部署同士「隣の部署が何をやっているか分からない問題」みたいなのは頻繁に出てきます。その問題には、いかに横ぐしを刺すかが大事ですという話になるのですが、その場合の具体的な課題も、結局はマネージャー問題になります。単純に多くのマネージャーが必要なのに、採用もなかなか難しかったりするので結果としてマネージャー不足になるというのが一つ。
一方で社内からマネージャーを抜擢すると、スキル不足でメンバーの管理ができない、ということが起こりますが、意外にこっちが多いのかなと感じています。専門性がすごく大事になるフェーズ、タイミングなので、マネージャーが経営層の考えを上手く伝えられなかったとしても、専門性を取ることの方が多いですよね。

あとはさっきの話で言うと、船が治せるフランキーを採用しますという話になったときに、ワンピースの場合は、船長であるルフィにメンバーが強く共感して集まっているというのがありますよね。フランキーも同じで、ルフィの考えを理解し共感している人物だと思うのですが、現実の組織運営ってそんなにうまくいかなくて、専門性が強い人を採用すればするほど、その会社のミッションや事業内容への共感を両立するが結構難しくなるという問題もあります。

伊禮:
そう、本当にそうですよね。急成長している組織がブレやすくなる要因でもありますし、本当に怖い問題ですよね。

橋屋:
創業時からいるメンバーと成長期に入社してきたメンバーとのミスマッチや温度差が生まれやすくなるというのは、構造的にはある程度仕方ない部分もあると思っていて。それを防ぐために経営陣の考えをどんどんメンバーに伝えていくことが重要になると考えています。
その方法として、経営陣自らメンバーに伝える機会をたくさん作るという方法と、マネージャー陣に考えやスキルをインストールしていくという方法、どちらもやっていくべきだと思っています。

伊禮:
確かにそうですね。

橋屋:
あと、組織が大きくなっていくと、単純にメンバーの状態がちょっと見えにくくなる、ということもありますよね。まだ組織が小さく、チームが細かく別れていないフェーズでは、オフィスで顔を合わせて「元気?」みたいな雑談したり気軽にコミュニケーションをとっていたのが、部署やチームで動いていくことになると、なかなか他のチームや隣の島との会話の機会が減ってしまったり。
そこで、マーケティングチームはこういうことやってますよとか、セールスチームはこういうことやってますよ、のようなことにフォーカスして共有することを、経営陣が意識してやっていくことも結構重要だったりします。
50人から100人の組織になると、専門家が増えているので各部署でのパフォーマンスそのものは確実に上がりやすい状況にありますよね。その時期に経営陣の考えを伝えたり、チーム間の共有をしたりということをちゃんとやっていくと、能力と文化の醸成を両立できるような構造を目指せると思っています。

伊禮:
なるほど。これは100名、200名、それ以上の企業の規模でも重要になりそうなポイントですね。

橋屋:
そうですね。基本的には人数が増えて規模が大きくなっていっても、今説明した構造は基本的には変わらないと思います。
あとは、組織がどんどん大きくなっていくに連れて、経営層たちは権限を移譲するタイミングが都度訪れますよね。その権限を委譲するときにも難しいポイントがあって、それが「自立」と「統制」のバランスです。
自立が大事ですよというのは言われて久しいと思いますし、実際に私自身も自立は大事だということは伝えています。一方で、「自立」と「統制」という話があったときに、統制で縛り付けるのは悪で、自由にさせるのが自立であり是だ、みたいな風潮が強過ぎるとも思っています。

いろんな組織の話を聞いたり、本を読んだりして実感しているのは、自立を促すとそのうち統制が取れなくなってくるので、今度は統制をちゃんと取る。統制をきつくしすぎると、縛られた側はつまらなくなってしまう。ただその中で熟練度みたいなのが上がってくるので、また統制を緩めて自立を促したり。
どっちが大事かという話もあるんですけど、締めたり緩めたりを組織の状況によって変えるものだと認識しておくことが大事だよなというふうに思ってたりはしますね。

伊禮:
ありがとうございます!なるほどなと思うポイントがたくさんあって、非常に参考になりました。

社員のモチベーションと満足度の向上

石田:
では次のアジェンダに移りたいと思います。

ざっくりとしたテーマになりますが、「休職離職を防ぐための取り組み」ということで、いわゆるメンタルヘルスっていうところもあるかもしれないですし、それ以外でも、特に不調ではないけど、「この会社でいいのかな」と思えてきて急に離職されたりとうことが、まだ固まっていない組織では多くなることもあるかと思います。

昨今ではエンゲージメントであったり、それに付随するモチベーション、あとはNPSで従業員満足度を調査する場合もあると思います。ただこのあたりの施策は会社が取り入れても、従業員にはなかなか刺さらないというケースも結構あるかと思います。

その中で会社としてどういう施策をすべきか、みたいなところを伊禮さんにお伺いしたいです。

伊禮:
前提として、施策の中でも大きく2つのカテゴリで分けると、把握するための施策と、打ち手となる施策があると思っています。まずは、会社の中でいまはどっちの施策があるんだっけ、みたいなところから考えるのがいいと思っています。

例えば施策の中の代表例で言うと、マネージメントのサーベイなどで、スタートろよって話だったりとか、あとは打ち手の施策でいうと、いくつかパターンはあるとは思うんですけど、モチベーション満足度の向上とかになってくると、キャリアビジョンの相談に乗る、のような打ち手を行っているというのは、特にスタートアップ企業さんからはよくお伺いします。

私も心がけてやっていることなのですが、改めてその従業員が何をもってモチベーションが上がるのか、何をもって満足と感じるのか、という点はヒアリングなどで明確にした上で、未来像を導いてあげるためのこのキャリアの支援を打ち手として実施している企業も多い印象です。

私の過去の失敗例で言うと、サーベイや個人面談などの施策は導入していたので形としては存在していたものの、ただやるだけになっていたので、形骸化してしまっていた、ということがあります。何をやるか、という点ももちろん重要ではありますが、いつどのような状態になったらゴールなのかというポイントを最初に設計しとかないと、「とりあえずやっただけ」になりやすいんだろうなというのは実感しています。

石田:
確かに、施策が先行してしまって、導入することがゴールになってしまうと、その後何するんだっけ、という状態に陥りやすいですよね。

伊禮:
大前提、モチベーションと満足度の向上は大事だと思います。特に初期のフェーズ企業の場合は、ビジョン強化のような形で参画していただいてる方がいるので、そこの自分のビジョンと組織のビジョンが一致していると考えて、入社を決めていただいているわけですから。
モチベーションと満足度が下がっているというのは、そもそものビジョンと、組織が今示してるビジョンがずれてるか、ずれてると思わせてしまっている組織構造になってるか、のどちらかの可能性が高いと思います。
それこそ階層が増えて、経営層からの発信が正しく届いていないとか、本当はビジョンや理念は変わっていないのに、間違った伝わり方をして「この会社は変わってしまったな」と思わせてしまうことがあったり。

橋屋:
エンゲージメントなどに関わるサービスを提供しているからこそ結構思うのは、エンゲージメントや社員のモチベーションと満足度を上げるための施策として、ミッションビジョンバリューへの共感や、サーベイを取るとか、福利厚生を整えるとか、いっぱいあると思っていて。

それは大事だし、提供している立場なんですけど、むしろなんか結構こういうのを不満足だっていう人で成果をめちゃくちゃ残してる人って、そんなに聞かないなというふうに思っているんですよね。

結局のところモチベーションというのは、好きなことだったり、共感できることで活躍できている状態や、何か成果が残せるとか、何かこっち側は結構大事だなっていうなんか思っています。
実は目標設計みたいな話だったりとか、評価や制度の座組だったりとか、成果がでるようにボーディングを丁寧にするとか、何かそっち側とセットであるっていう考えを持っていくっていうのができると良いなと思っています。

伊禮:
そうですね。結構抽象的な話題ですし、それこそ従業員規模やその企業の現状によって回答も変わってきますが、一概に言えることとしては、入口と出口ちゃんと考えていろんな物事を進める。そうでないと、やりっぱになっちゃうよということにもなりますよね。

橋屋:
おっしゃる通りです。なぜやるのかを含め、入口と出口を接続するというのはすごく大事ですし、我々のようなエンゲージメントサービスを提供している側としても、そこが繋がるようにするというのは、すごく大事にしてますね。

伊禮:
緻密に設計してから進めましょうという話ではなくて、まず頭の中に出口までのイメージがある状態でも全然いいとは思うんですけどね。特に100以上の規模になってくると人数が多い分、変数も多くなるので、「おそらくこういう着地になるだろうな」という目処を立てて進めておいた方がいいですよね。

コミュニケーションとフィードバックの重要性

石田:
それでは最後の議題に移ります。
コミュニケーションとフィードバックの重要性ということですが、施策ベースでもいいですし、何か心がけていることなどがあれば、橋屋さまにお尋ねしたいです。

橋屋:
結構いろんな観点があるなと思っていますが、一昔前と結構明確に変わったなと思うのは、コミュニケーションチャネルがめちゃめちゃ増えているという点ですね。
昔ってもう「対面で話す、以上!」という感じだったと思うんですが、今はもちろんSlackを始めとするチャットツールみたいなものがあったり、場合によっては社内報みたいなものがあったり、その中でも、オンラインでやることと、オフラインでやることと、という感じで本当に様々ですよね。
それ自体は良いことだと思いますが、コミュニケーションツールごとの強みや弱み、特性をある程度意識できると、それぞれに適した施策を考えていけるというのが一つ。あとはコミュニケーションの量としては基本的には多い方がいいと言われているので、いろんなツールを組み合わせて、コミュニケーション量の強弱をどうつけていくかも結構大事だなっていうのが一つですね。

従業員の人数が多くなってくると、代表がメンバーと接点を持つ機会っていうのが著しく減ってくるのでそれを補えるような方法があると良いかなと思っています。例えば弊社が提供しているサービスの一つにオンライン社内報があるのですが、実際に弊社内でも活用していて、代表の仲がメンバーの投稿にいいねをつけたりとか、コメントしたりしているんです。コミュニケーションの内容ももちろん大事だと思いますが、ライトなコミュニケーションでもいろんなメンバーとたくさん接点をもっていくのって、シンプルなんですけど結構大事だなって思います。

石田:
確かに、100名規模の会社だと、社長や経営層って結構遠い存在になりがちですよね、ライトでもカジュアルでも、コミュニケーションがあることによって、リレーションがあるみたいに思ってもらえるのも良いですよね。

質疑応答

石田:
ではいただいているご質問への回答の時間に移りたいと思います。

「創業初期からのメンバーで、プレーヤーとしては優秀な社員がいます。ただマネージャーとしては経験値が低く、新しい組織図ではプロジェクトマネージャーとして再雇用したいと考えており、外部から新しくマネージャーを雇うのでハレーションが起きると思っています。
組織再編成のコミュニケーションにおいて、創業初期のメンバーと新しいマネージャーに対して、これだけは気をつけた方がいいという点があれば教えていただけると助かります」

というご質問です。

伊禮:
これは橋屋さんにぜひコメントいただきたいんですけど、私が気をつけてることをお話ししますね。少しずれてしまうかもしれないのですが、そもそも、できるだけ自分よりも優秀な人を採用して、今自分がやってることをどんどんお願いしようと思っているんです。つまり、ボトルネックにならないように気をつけたいなって自分は思っているのですが、伝え方が難しいですね。

橋屋:
そうですね。ちょっとまたずれてしまうかもしれないんですが、根本的に、マネージャーやプロジェクトマネージャーは、役割やタスクであるということを認識することが大事だと思っていて。プロジェクトマネージャーよりもマネージャーのほうが偉い、というように考えるから、ハレーションが起きてしまうのであって、得意な人がちゃんと得意なことをやることが、一番正当だよね、という認識がちゃんと揃っていれば、そんなにハレーションは起きないのかなと。

あとは伊禮さんと一緒で、今僕は役回り的に事業責任者をしているのですが、僕自身はこの役割が一番得意だと思ってやってないというところもあって。業務をちぎれる人がいたら、どんどんちぎっていきたいというのはずっと思っていますし、元々の認識をちゃんと揃えるみたいなのがすごい大事だなっていうのは、話を聞いていて思いましたね。

伊禮:
おっしゃるとおりですね。そこの認識を合わせることを怠って、いい言葉でずらされたりするのだけは嫌ですよね。さっきの橋屋さんの話と絡めて、あくまで役職は役割でしかないし、その人に適切な仕事ってあるはずなので、それを本音ベースで話してもらえれば大丈夫。

石田:
続いての質問です。

「部署間の連携や帰属意識を目的としてプロジェクトを増やした取り組みの、具体例や効果の検証のやり方などあれば教えてください」

という内容ですが、橋屋さん、いかがでしょうか?

橋屋:
僕は前職なんかはそれこそ、キャリアコンサルタントとして成果をあげて、次のステップでミドルマネジメントをさせてもらうというのが主流でした。あるタイミングで、0から1を生み出す新規サービスのプロジェクトに参加したことがあって、そこを足がかりにずっと新規事業に関わる仕事をしているんです。そういう、主軸の業務とは異なるプロジェクトに参加するみたいなことがきっかけで、キャリアがちゃんと横にも広がっていくというか、キャリアを開いてもらったな、というのは感じています。
一方で、プロジェクトを増やすと本業のパフォーマンスがちょっと落ちたりという問題も出てきたりするので、その辺をどこまで織り込んであげるのかというのも重要かつ難しいポイントだと思っています。本業とプロジェクト、それぞれがどうなっている状態だと成功なのか、数字を最初からある程度設計をした上で実施するのは、リスクを軽減する上で大事なことだと思っています。

伊禮:
僕も全く同意です。さっきの評価の話の中で、こういったプロジェクトをどこまでスマートに進行できるかみたいなところって、逆に言うと定量的にも定性的にも「こういう状態になってたらいいよね」という設定ができないものは、そもそもプロジェクトとして立てない。効果検証の方法も含めて、どういう状態がゴールなのかまで決めるのが大事だなって改めて思ってます。
あと、効果検証のやり方で言うと、評価シートに落とせるものをプロジェクト化するっていうのはすごい大事かもしれないですね。

橋屋:
いろんな承認欲求が交通事故を起こすみたいなこともあるので、前提をちゃんと揃えるっていうのは大事ですよね。

石田:
お二人ともありがとうございます。次に行きますね。

「みんなが活躍できれば不満は出づらいというご意見、すごく共感しました。事業数やプロダクトの幅、部門の数にもよると思うのですが、みんなが活躍できる環境を作るために意識できることは何かありますでしょうか?
可能であればマネージャー視点メンバー視点でご教示いただけると幸いです。」

というご質問です。こちらは橋屋さんいかがでしょうか?

橋屋:
前提の話にはなってしまいますが、やっぱり採用の内容はめっちゃ大事だと思いますね。
丁寧に要件を定義して、その要件をクリアにできるような面接を設計するっていう。上段にはどういう人が来てほしいか、みたいなコンピテンシーまでしっかり整理をされていて、それが各ポジションごとに定義されている状態ですね。弊社もそれをかなり丁寧にやりだしてから、割と何ていうのかな、想定していた人に入社してもらって活躍してもらっているというケースが増えているかなと思っています。
それをどうやってやるんだ、みたいな内容でまたセミナーが一、二本できると思います。

伊禮:
うん、もうほんそれです。あと一点だけ僕が心がけてることをお伝えすると、活躍できていないことを悪としない風潮みたいなところは、風土作りの文化作りとして結構気をつけていて、弊社のミッション、ビジョン、バリューのバリューの中に、「個人の尊重」というのがあるんですよね。
それぞれ輝ける場所がある、適材適所があるっていう考え方で、良い悪いじゃなくて、個人の特性の強み弱みであるから、別に活躍できないことがそれ自体が悪ではないっていう空気感をどれだけ作っていくか、という。

どれだけ採用で入口を頑張っても、100%全員が活躍できるというのは理論上ありえないと思うので、得意なことでもっと幸せになれるような仕事ができるといいね、くらい周りから楽観的に接せられる空気感、空気作りは結構頑張ってます。この例外対応をどうしていこうかなみたいなところは結構マネージャー視点で考えますね。

石田:
お二人ともありがとうございました。それではこれで一旦、本日のセミナーは終了とさせていただければと思います。皆様ご参加いただきましてありがとうございました。何か皆様にご有益な情報がお渡しできればと思っておりますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

 

まとめ

たくさんのご質問や感想をいただき、セミナーは好評でした。
質疑やアンケートを見ると、共感の声が多かったり、同じことで悩んでいたり、やはり組織課題には一定の再現性があるものだと私たちも再認識する機会となりました。

Wantedlyでは、そんな組織課題に寄り添うサービスとして採用のVisit、Engagement Suite(Perk、Story、Pulse)を提供しています。

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