デザイナー 採用

共に働く人の姿・ビジョンが決め手。 デザインの可能性を追い求め、たどり着いた場所|Career Insight〜求職者の心理〜 #3 グッドパッチ リードデザイナー 山木 拓実氏

デザイナーとしてキャリアを重ねていく中で、1つの場所に身を置きながら得意分野を深めていく人も入れば、転職を通じて新たな挑戦をしていく人もいます。

転職者たちの思考や行動、意思決定の姿に迫っていく連載企画。第3回目は、デザイナーとして20年以上のキャリアを誇る、グッドパッチの山木拓実氏。

過去にはフリーランスを経験し、Webから紙媒体まで多様なフィールドでデザイナーとして活躍。また、マネジメントや採用業務にも携わってきたキャリアの持ち主です。このような豊富な経験を持つ山木氏に、キャリアの各岐点でどのような思考を持ち、意思決定してきたのか。じっくりと伺いました。

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株式会社グッドパッチ 
リードデザイナー/マネージャー
山木 拓実氏

行政、ゲーム、ドローン、エアモビリティなどの様々な領域で広告、イラスト、ディレクションを経験。2018年11月にUIデザイナーとしてグッドパッチにジョイン後、既存サービスのリニューアルプロジェクトにおけるアプリのUIデザイン、キャラクターデザインなどを担当。現在はDesign Div. / Creative Design UnitのDesign Leadとして、社内外のプロジェクトにおけるクオリティコントロールや、チームマネジメントを行う。

多種多様な仕事に関わってきたデザイナーの分岐点

デザイナー 採用 ――本日はよろしくお願いします。まずは、これまでのキャリアについて聞かせてもらえますか。

デザイン系の専門学校を卒業した後、地元の広告代理店にデザイナーとして入社しました。今思えば、営業から言われた内容をそのまま形にする、正確にはオペレーター業務でしたね。ただ、デザインに必要なパソコンやソフトウェアの知識を身に付けることはできました。

2年ほど仕事を続けていくうちに、仕事やお金の流れをより知りたいと思うようになり、思い切ってフリーランスデザイナーとして独立することに。偶然にも、友人の会社がWebサイトを作るタイミングで仕事を依頼され、その後も次から次へと、その会社の繋がりで仕事が広がっていきました。自分から営業はせず、頼まれた仕事は基本なんでも受けていましたね。Webサイト制作がメインではありましたが、HTMLの簡単なコードを書くこともありましたし、紙媒体やジュエリーデザインをしたことも。業界も多様で役所仕事からサービス業界まで、さまざまな仕事を経験できました。

――サラリーマンからフリーランスのデザイナーになり、順調に仕事を広げていく中でどんなことを学びましたか。

最初は失敗ばかりでしたが、その失敗から多くのことを学んでいきました。たとえば、見積金額が高すぎるとか。逆に、安すぎることもありました。個人事業主でしたから、お金の折衝からアフターケアまで、まさに自分が学びたかった仕事の一連の流れを、フリーランスの期間にしっかりと身に付けることができたのは、大きかったと思います。痛い思いもたくさんしましたけどね(笑)。

――フリーランスは6年ほどされたそうですが、なぜそこから企業のデザイナーとして再就職するという道を選ばれたのでしょうか。

正直に話せば、刺激が欲しかったんですよね。仕事を通じたやりがいや、おもしろさを求めていました。生活に困らない給与を稼げる仕事量はありましたが、単調に仕事をしているような感じになっていたんです。そんなときリーマンショックの煽りを受け、踏ん張ることもできましたがそろそろ潮時かなと。そこで、興味が持てそうな仕事を探していたところ、設立して間もないコロプラが目に飛び込んできたんです。

――幅広い仕事をしながらも、そこに満足はしていなかったんですね。具体的にコロプラさんのどんなところに興味を持ったのですか。

当時はまだガラケーの時代で、GPSを使って各地の名産品を紹介したり、ゲームと連動させるなどして、日本を元気にする事業を行うと。そのようなビジョンに惹かれ、入社することにしました。

最初はUIデザイナーとして入社したのですが、当時は従業員がまだ20名ほどの小規模な組織で、絵が描けるメンバーは私だけ。その強みを活かして、ゲームのキャラクターから、グラフィック、キービジュアル(メイン画像)といったデザイン業務を担うようになりました。その後、急激なスピードで会社が成長していくにつれて、採用、マネジメントなど、幅広い仕事を経験することに。

ただ、私がやりたいのはデザインでしたから、会社が上場を果たして落ち着いてからは再びアートディレクターとして現場に復帰し、1人のプレイヤーとして、デザイン業務にどっぷりと浸かっていました。その後、会社が求めている業務とやりたい仕事が合致し、仲間にも恵まれ楽しい日々を送り、7年が経過。しかし次第に、このままこの環境にいていいのだろうか。そのような疑念を抱くようになっていったんです。

このままではデザイナーとしての未来はないと思い転職

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――充実した日々のなかで、どのような疑念が生まれたのですか。

ちょうどそのころ、UXデザイナーなど、これまでのデザイン業界では考えられなかった肩書きや業務が次々と出てきました。そのような潮流があるなかで先のキャリアを考えたとき、今の組織で満足する仕事だけをやっていたのでは、数年後には必要とされないデザイナーになっているのではないか、そのような不安です。この業界で働く周囲のデザイナーも、自身のキャリアと世の中の状況を重ね、未来への不安や変化の必要性を感じる瞬間があるのではないでしょうか。

一方で働く環境には満足していましたから、「転職しようか、それともこのままでいようか」と、1年半ほど悩んだことを覚えています。しかし振り返ると、1度目の転職と同じく、求められることが少しずつ減ってきて仕事に楽しさを感じなくなっていました。

そこで、在職中に転職活動をすることはなく、まずは退職しそれからゆっくり探せばいいかなと。しばらくの間は再びフリーランスとして働きながら、並行して転職活動を行っていきました。

――さまざまな迷いもあったようですが、すぐに行動せず着実に次のステップに向かっていったのですね。転職活動をするにあたって、まずは何をしましたか。

数社の転職エージェントとWantedlyに登録しました。Wantedlyに登録したのは、コロプラ時代の仲間が、同サービス経由で次の仕事を見つけていたからです。登録当初はプロフィールを充実させていなかったこともあり、自分の方から興味ある企業を見つけ、企業のホームページに飛び、より詳しくサービスや企業についてリサーチする。このようなフローで転職活動を進めていました。一転、プロフィールを充実させるとダイレクトスカウトが多く届くようになり、そのうちの1社がグッドパッチでした。

――リサーチや応募のときに重要視していた条件やポイントを教えてください。

デザイナーとしての採用は必須条件で、それ以外はゲーム業界以外であること。自分の提供できるスキルと会社に求められているニーズが合致すること。さらに言えば、その業務に携わったときに、自分がワクワクできるかどうか。

そして最後に、“人”です。一緒に働いてみたい、よりその人のことを知りたい、そのようなメンバーがいるかどうかも重要なポイントでした。私が前の会社に9年間もの長きにわたり在籍していたのは、一緒に働いているメンバーがトップも含め、いい人ばかりで、そんな仲間と仕事をする日々が、とにかく楽しかったからです。ですから誘ってくれる会社もありましたが、自分のキャリアについて悩むまでは、辞めようと思ったことは一度もありませんでした。

――前職での体験は、仕事選びの大きなポイントになっていたのですね。具体的にどうやって“人”を見ていたのでしょうか。

Wantedlyを見ることで、文字情報だけではなく、実際に働いているメンバーの人柄や雰囲気がわかるような写真が多く掲載されていたので、“人”を知ることができました。

いわゆる定型フォーマットに沿った情報をアップしている転職サービスでは、私が知りたい“人”の部分が、あまりフォーカスされていないケースが多かったからです。実際、会社を訪れてみると、思っていたイメージとは異なるケースが何度かありましたからね。一方、Wantedly経由でお会いした企業の場合は、そのようなズレはほとんどありませんでした。

ビジョンを明確に伝えることで、求職者の心が動く

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――さまざまな企業の選考を受けていくなかで、最終的にグッドパッチさんを選んだ理由を教えてください。

やはり人でしたね。面談も含めて3回、グッドパッチのさまざまなメンバーと会うなかで、当時のGM(ゼネラルマネージャー)で現、取締役執行役員の松岡の人柄はとくに印象に残り「この人と一緒に働きたい」と思ったからです。

これまで出会った上場企業の役員の誰よりも話をわかりやすく伝える方で、フィーリングが合うし、一緒に働いたら絶対楽しいだろう。そう思わせる人柄でした。

――業務やスキル面では、山木さんが求めていたものと企業が求めていたものは一致していたのでしょうか。

私が入社した頃のグッドパッチはビジュアル領域が弱かったんです。同領域が得意な私が入り、経験の浅いメンバーの教育も含め力になってほしいと言われました。面談や面接を通してこのような話ができたので、入社しようと思いましたね。

もうひとつ、グッドパッチに決めた理由が、ミッションが明確になっていたこと。「デザインの力を証明する」です。実はこれまでの仕事を通して、「デザイナーは世の中からもっと評価されるべきだ」と感じていました。その答えが、グッドパッチに入れば見つかるのではないか。そのような期待感もありましたね。

――山木さんが長年抱いていた思いをグッドパッチさんは具体化されていたのですね。やはりビジョンは採用において、キーポイントだったのでしょうか。

とても重要だと思いますよ。実際、私が入社した理由のひとつですし、ダイレクトスカウトを読む際にも、ビジョンを明確に打ち出しているかどうかを、チェックしていましたからね。だからこそ、いま自分が採用に携わる立場としても、明確なビジョンやメッセージを求職者に届けることを意識しています。

このようなアクションは、会社のホームページやダイレクトスカウトだけではありません。たとえば面接では「私はこんなチームを作りたい。そのために、あなたの持つ固有のビジュアルデザインスキルが必要です」と、明確に伝えています。

――とても参考になります。その他に、実際に採用にも携わっている山木さんだからこその採用のコツやポイントを教えていただけますか。

ダイレクトスカウトの最初数行の文言には、かなり気を遣っています。具体的には、求職者本人のパーソナル、ユニークなことを書いています。「○○さんのスキルのこの部分に興味を持ちました!」といった具合です。

逆に、あまりよろしくないと思うダイレクトスカウトは100%テンプレートのものです。実際、私もそのようなダイレクトスカウトは、ほぼ内容を見ずに、スルーしていましたからね。ただし、最初の数行に気を遣ってさえいれば、あとは会社の概要や仕事内容など、その部分はテンプレートでもよいと思います。

デザイナーとして生涯現役で在り続けたい

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――あらためて、現在の業務内容をご紹介いただけますか。

UIデザインユニットというビジュアルデザインチームの、リードデザイナー兼マネジャーというポジションです。具体的には、7名のメンバーのマネジメントならびに、成果物のクオリティコントロールなどを行っています。

クライアントワークを中心にBtoB、BtoC両領域で、媒体もアプリからWebまで、ユニークなところでは3Dジオラマなども制作。もちろん私自身もデザイナーとして手を動かしながら業務も行っています。私は、これまではゴールから逆算して設計をするスタイルでデザインをしてきましたが、グッドパッチではプロセスから組み立てていく逆の流れでデザインをしていきます。そんな考え方の違いを知ることで自身の成長にもつながっています。

また、以前は、マネジメント業務はあまり好きではありませんでしたが、グッドパッチに入社してからGMにかなり叩き込まれ、今ではマネジメントでも自信を持てるようになりました。

――長年デザイナーを続けてきた経験を活かしながら、更なる成長を感じているのですね。さいごに、今後の目標を聞かせてください。

デザイナーは天職だと思っていますので、いつまでも現役で続けていくことが大きな目標です。そのうえで、柔軟に対応できるデザイナーでありたいと思っています。求められる仕事を常に追求したいと思っていますし、そのような姿勢で仕事に臨むのが、プロフェッショナルだと思うからです。

専門分野でないことでも会社からニーズがあれば対応する心構えを持ち、成果を出す努力ができるよう、これからもデザイナーとして歩んでいきたいですね。

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