リファラル採用を成功に導く空気づくりの極意とは|Lab W,【Event Report】

Wantedlyを日々運用している採用担当者さんたちが集うコミュニティ「Lab W,」。ここでは参加者全員が経験を元にアウトプットし、知識や情報をアップデートする場として、Slackでのコミュニケーションや、月に1回のイベントを実施しています。

本記事はLab W,で開催された「ランチタイム トークセッション第8回」のイベントレポートです。今回のトークでは、社員の3分の2がリファラル採用という株式会社KOMPEITOの採用担当の寺師さんに、リファラル採用のコツについて、じっくりお話ししていただきました。

セッションの最後に行われたQ&Aもご紹介します。

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・ゲスト
株式会社KOMPEITO 人事・経理・総務グループ
HR Manager / 寺師 尚ノ介
2015年4月、株式会社ワコールの営業としてキャリアをスタート。2017年(3年目)に人事採用担当として、全国の新卒採用を行ったのが人事としての第一歩。
株式会社KOMPEITOには、2018年9月に入社。社員数も10名に満たないフェーズだったため、物流部門のマネージャーと兼務で中途採用部門を立ち上げた。
2022年1月より専任人事となり、“採用・評価&制度設計・社内の盛り上げ”を担当している。

・モデレーター
ウォンテッドリー株式会社 / 五十嵐萌子
2016年にベンチャー企業へ新卒で入社。Webメディアのディレクター、新卒採用人事を経て、2019年にウォンテッドリーへジョイン。
現在はコミュニティ「Lab W,」の運営と、中途採用を担当。

候補者の心を掴む、株式会社KOMPEITOのミッションを紹介

五十嵐:本日はよろしくお願いします!まず、寺師さんが採用マネージャーをされている株式会社KOMPEITOのミッションや事業についてご紹介をお願いします。

寺師:株式会社KOMPEITOは「世の中にシゲキをつくる」をミッションに、「オフィスでやさい」・「オフィスでごはん」といった食の福利厚生サービスを手掛ける企業です。
こちらはオフィスなどに冷蔵庫・冷凍庫を設置させていただいた企業の社員であれば、新鮮なサラダやフルーツ、お惣菜などがいつでも食べられるといったサービスになります。

株式会社KOMPEITOのミッションとビジョン

・MISSION:世の中にシゲキをつくる
・VISION:つくり手とつかい手を豊かにする

食と流通の力ですべてのオフィスワーカーを健康にし、企業と農業に活力を生み出す会社。メイン事業は食の福利厚生サービス「オフィスでやさい・オフィスでごはん」

置型社食サービスの業界No.1を目指すと共に、フードテック・ヘルスケア・地域活性化により注力しながら”世の中にシゲキ”をつくり続けます。

五十嵐:今日はトウガラシのかぶり物でご登場された寺師さんですが、全社員が自分のかぶり物をお持ちなのですね。

寺師:はい、全従業員が自分の好きな野菜のかぶり物を持っていて、営業や訪問時にかぶって行く人もいます(笑)

五十嵐:これで営業に来られたら、お相手は絶対忘れませんね(笑)

社員39名中、26名がリファラル採用!

五十嵐:そんなKOMPEITOさんの、現在の組織や採用体制はどうなっていますか?

寺師:社員数は39名で、全国にいるデリバリースタッフを含めると約70名です。私を含めて正社員は39名中26名、3分の2がリファラル採用で入社しました。今年3月の資金調達で採用を強化し、現在は毎月2〜4名のペースで採用しています。採用担当者はいまのところ私だけの「ひとり人事」です。

リファラル以外で利用中の採用サービスは、Wantedly、Green、AMBI、LIBZ(旧LiBzCAREER)などです。なかでもWantedlyさん経由が毎月1〜2名います。今年から人材紹介エージェントも使い始めました。

社長のスポーツ仲間が仕事仲間に!

五十嵐:寺師さんご自身もリファラルで入社されたということですが、どなたの紹介だったのですか?

寺師:代表の渡邉です。私が入社したのは4年前ですが、渡邉とは私がまだ学生だった10年前にフットサルを通じて知り合いました。実は、わが社のリファラルはこのパターンが結構あって、若手の男子層のリファラル経路の1つになりつつあります。

渡邉は学生時代からフットサルを熱心にやっていて、卒業後はそのチームがそのまま社会人チームになり、いまはFリーグ(フットサルの日本リーグ)に所属しています。渡邉は若い人とスポーツ仲間として付き合うなかで、進路について相談を受けることも多いわけです。

私のように、出会ってから数年経って入社というケースも少なくありません。スポーツ仲間は練習や試合を通じて人柄やシゴト観を知る場面があることも大きいと思います。
代表の人柄に惹かれる人が多く、特に創業期からのメンバーを含むリーダー・役員陣はほぼ全員リファラルです。

リファラルがリファラルを生む、2次リファラルも!

五十嵐:リファラルで入社した人がリファラルするというケースも多いと伺っていますが、KOMPEITOさんでこのようにリファラルが活性化している理由はどこにあるのでしょうか。

寺師:会社としてオープンな雰囲気があるのが理由の1つだと思います。私が入社した社員10人くらいの規模のときからそうなのですが、打ち合わせに来てそのままそこで仕事をしている人がいる、というようなことが普通にあります。誰が誰を連れてきても「誰だあの人は?」とよそ者を見るといった感じがあまりないのです。夕方なら「誰かの友達がきっと飲み会の前に立ち寄っているんだな」くらいの感覚しか抱かないんです。

いい意味でオフィス全体が非常にオープンな雰囲気なので「前職の後輩が職探しをしているので、紹介したい」などの情報も入りやすいのではないかと思います。

五十嵐:リファラルの連鎖というのは、採用としてはありがたいですね。

寺師:そうですね。1人採用するのに10〜20人面接するのと比べると、大変ありがたいです。合いそうな人を紹介するわけで、マッチングの確度も高いですから。多い人だと3、4人リファラルしている人がいます

五十嵐:兄弟を紹介するケースもあるとか!

寺師:弟が兄をリファラルして、一緒に働いています。「働きづらくないの?」と聞くと「全然気にしません」と彼らは言っています(笑)

出会ってから数年後に入社という人も多数

五十嵐:寺師さんは代表と出会ってから6年後に入社されたと伺いましたが、そういうケースは多いのですか?

寺師:役員にも1人、数年前に出会ったけど諸事情でジョインに至らず、やっと去年の夏入社に至ったという人がいます。

私の場合は、フットサルで代表と出会い、学生時代にデリバリーのバイトをして、いったん他社に就職したけど…という経過です。その間、フットサルという共通項がある代表はもちろんですが、バイト時代にお世話になった方に食事に連れて行ってもらうとか、なんとなく縁が続いていました。

出会ってすぐに入社してもらえない場合も、縁を断ち切ってしまわないという姿勢は大切だと思います。

五十嵐:最初に出会ったタイミングで、数ヶ月後や数年後に「またご連絡しますね」と言い合える関係性を築けているって非常に大事ですね。

KOMPEITOが実施しているリファラルのコツ

 

五十嵐: ここからは、KOMPEITOさんのリファラルがなぜうまく行くか、その秘密に迫りたいと思います。実は、事前取材では「採用フローも普通だし、インセンティブがとくに高額だというわけでもないし、どこが違うのだろう?」とポイントを掴みかねていたのですが、その辺をじっくり伺いたいです。

その1:「紹介」は分かりやすい資料を用意、紹介しやすくする

寺師: リファラルを活性化するには紹介のハードルを低くすることが1番大切だと思います。採用担当ではない社員はふだんリファラルのことを考えているわけではなく、リファラル採用のフローについてよく知っているわけでもないので、分かりやすい社内広報用の資料を作りました

寺師このような資料をSlackで展開して、ちょこちょこ想起をしてもらえるような流れにしています。先日は、社内懇親会の直前に展開してみていて、懇親会でテンション上がったら紹介してくれるかな?とか色々試行錯誤はしています。

五十嵐自分の会社が大好きになっているタイミングで、ですね(笑)

寺師:SNSでも採用広報をしているので、社員がそれを見て、会社の採用に対する姿勢を理解するということもあると思います。

その2:「面談」はカジュアルに、オープンに

寺師面談は、許された時間で本音を引き出してカルチャーフィットを測るために、カジュアルな雰囲気で行うことを心がけています。まず、相手に聞く前に、こちらからオープンにいま会社がどんな状態かなどの情報を出して、心を開いてもらいます。

カジュアルに会うために、ランチを設定することもあります。応募した人は、紹介してくれた友人の話と採用担当者の話に違いがあると不信感を持つので、そのようなことがないように気を使っています。

五十嵐:カルチャーフィットを見極めるのは難しいことだと思うのですが、そのあたりはどうされているのでしょうか。

寺師:「企業風土は風と土なのだから、踏み入って触れてみないと分からない」というように、ただ机を挟んで話したところでカルチャー(風土)のことは分からないと思います。なので、できるだけ一緒にランチをしたり、時間が許すときは飲みに行ったりしています。いわば「踏み入る」疑似体験をしてもらって、そのなかでお互いに、本当に合うのかをお互いが感じられるようにしています。

その3:役員面接はスキルを、最終面接では「ヒト」を見る

寺師:面接は、面接官に履歴書の情報と一緒に、カジュアル面談での印象や紹介者から聞いた候補者のキャラクター・人柄についての情報を詳しく伝えるようにしています!

また、面接でも、形式ばらずに社内のコミュニケーションと同じ温度感でカジュアルに会話することをいちばん重要視してます。それによって、短時間でもある程度候補者の根っこの価値観が見えてくると思います。

どの会社でも「こういうコミュニケーションをする人が活躍している」という目安というか、感覚があると思うのですが、それが形式ばらない会話の中で見えてくるタイミングがあります。

五十嵐:寺師さんは面接に同席するのですか?

寺師:今のところすべての面接に同席しています。候補者が、面談のときよりうまくしゃべれていないと感じたときは、フォローをすることもあります。マッチングできそうなら、少しでもその確度を上げたいという気持ちからです。

役員面接では、その職種を統括している役員が候補者のスキルや経験、志向性を確認します。最終面接では、代表が「この会社で何を実現したいのか」などを聞いてマインドのマッチ度や意欲、その方の原体験を確かめます。

その4:内定から入社までは、クロージングしすぎない

五十嵐:内定から入社までで工夫しているのはどんな点ですか?

寺師:KOMPEITOでは、カルチャーフィットしているからこそスキルが発揮されるはずと考えるので、採用基準のポイントはカルチャーフィットです。また、どうして自分は採用されたのか、どんな人が働いているかを知った上で入社してもらいます。

もう1つ気をつけているのは、不合格・お見送りとなることもあるため、クロージングしすぎないことです。お互いに完璧に合いそうと思えた時は、もちろんクロージングにかかりますが、候補者さんも他社と比較して検討中という場合もあるので、急ぎすぎないことが大切だと思います。

お互いに「リファラルだから断りにくい」ということがないように、対等で相談しやすい距離感を確保するように気をつけています。

よくあるリファラルの悩み3つに答える!

五十嵐:ここからは、皆さんからの質問を含めて「よくあるリファラルの悩み」に寺師さんのご経験を踏まえてお答えいただきたいと思います。

①紹介者を増やす巻き込み、雰囲気作りはどうしたら良い?

寺師:会社の規模にもよりますが、採用担当者が会社全体を巻き込む雰囲気作りをするのは無理があると思います。社員全員が世話好きだったり、友人が多いとは限らないし、そもそも全社員を巻き込む必要はなく、コアな2〜3割の社員が複数名紹介してくれたら成功と考えてみてはどうでしょうか。

どの会社にも特有のコミュニケーションの型や風土があるので、KOMPEITOの形式ばらないやり方をおすすめしてもあまり意味がないと思います。

その会社でのやりやすい型と、風土に適した情報の発信・巻き込み方があると思うので、それを模索するのは人事の役割かなとは思います。

②スキル重視の職種でもリファラルは有効ですか?

寺師:KOMPEITOの場合、エンジニアなどの専門職の人を別の職種の人が紹介するというケースがまだないので、正直私もそのへんはよくわかりません。ただ、スキルありきの職種の場合、リファラルは汎用性はあまり高くないと思います。

私にエンジニアの友人がいたとしても、人柄は別としてスキルを判断することはできません。そういうリファラルもありだと思いますが、そのときは割り切って、面接でスキルの見極めをすることになると思います。

③リファラルで採用見送りになったら?

寺師:これがリファラルで1番気を使うところですね。友人関係を壊してしまわないか、もう紹介してくれないのではないか、不採用を決めた役員に不信感を抱くのではないか、などいろいろ心配になります。

私が心がけているのは、選考に進む前に紹介者に選考フローについてよく説明することです。とくに、リファラルだから100%採用になるわけではなく、選考の条件が良くなるわけでもないことを、はっきり伝えます。

また採用が見送りになった場合も、紹介された応募者との縁を切らないようにしている旨も紹介者に伝えます。具体的には「事業のフェーズが変わったタイミングで再度お声掛けする場合もある」などの内容です。

リファラル×Wantedlyの使い方

五十嵐:Wantedlyの「ストーリー」をリファラルに活用されていると伺いましたが、どのように使われているのですか。

寺師:社員が、紹介する友人に「こんな会社だよ」と説明するときに使ってくれればと思っています。そのために、ぶっちゃけ話やエピソードをたくさん載せて、KOMPEITOのカルチャーを知ってもらえるように努めています。

リファラルではありませんが、ストーリーをきっかけに入社した人もいて、その人は「入社したら、ストーリーで読んだあの人と話をしてみたい」と言っていました。ゆくゆくは全社員のストーリーを掲載したいと思っています。

最後に: 「ひとを紹介したくなる空気づくり」に欠かせないものとは?

五十嵐: 最後に「ひとを紹介したくなる空気づくり」に欠かせないものとは何かについて、寺師さんのお考えをお聞きしたいと思います。

寺師:会社の規模やフェーズによって違うと思いますが、いまのKOMPEITOでは「会社の内と外の垣根を低くする」ことだと考えています。先ほどもお話ししましたが、社員の友達らしい人がミーティングルームにいることに誰も違和感がないような空気が、リファラルにつながると思います。

五十嵐:本日は貴重なお話をありがとうございました!

寺師:こちらこそ、ありがとうございました!

以下の記事では、リファラル採用の報酬制度を設計する際に必要となる知識を、注意点や成功事例を交えて解説しています。ぜひあわせてご覧ください。

【参考】リファラル採用の報酬制度(インセンティブ)の相場と設定方法を解説
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/referral_incentive

▼前回のLab W,レポートはこちら
「話題の採用動画がもたらす、予想外の効果とは|Lab,W【Event Report】」
https://www.wantedly.com/hiringeek/interview/labw_01

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