話題の採用動画がもたらす、予想外の効果とは|Lab,W【Event Report】

Wantedlyを日々運用している採用担当者さんたちが集うコミュニティ「Lab W,」。ここでは参加者全員が経験を元にアウトプットし、知識や情報をアップデートする場として、Slackでのコミュニケーションや、月に1回のイベントを実施しています。

本記事はLab W,で開催された「ランチタイム トークセッション第7回」のイベントに着目。「採用動画」をテーマに、サツドラホールディングスのHRパートナーである佐藤彰悟氏にお話をうかがいましたので、その様子をお届けします。

今回のトークの内容は以下のとおりです。

  • 採用動画を検討した背景と狙い
  • 動画メニューを選ぶ上での3つの選定軸
  • やってみて分かった、動画のメリットと予想外の効果

セッションの最後に行われたQ&Aもご紹介します。

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・ゲスト

サツドラホールディングス株式会社
HRパートナー / 佐藤彰悟

札幌市生まれの越境複業家。北海道⇄東京を行き来する複業スタイル。
2019年かたわらを開業、現在は中小企業・地方自治体の人事顧問を中心に完全オーダーメイド型の組織創りを提供。

・モデレーター

ウォンテッドリー株式会社 
五十嵐萌子 

2016年にベンチャー企業へ新卒で入社。Webメディアのディレクター、新卒採用人事を経て、2019年にウォンテッドリーへ転職。
現在はコミュニティ「Lab W,」の運営と、中途採用を担当。

フリーランス人事としてサツドラの採用を支援

五十嵐 : 本日はよろしくお願いします。まず、佐藤さんの自己紹介からお願いいたします。

佐藤 : フリーランス人事という立場で、北海道で3社、東京で3社の人事や組織づくりのお手伝いをしています。いくつかの地方自治体の地域活性化にも関わっています。

ウォンテッドリーさんとのお付き合いも8年ほどになり「Wantedlyガッツリ芸人」と自負しています(笑)

https://katawara.notion.site/220201-33083618af394a76a1deae76cbed95ef

五十嵐 : いつも、ありがとうございます。今回のテーマである採用動画を取り入れたサツドラホールディングスさんについてもご紹介いただけますか。

佐藤 : 北海道で220店舗のドラッグストア「サツドラ」を経営しています。「ドラッグストアビジネスから地域コネクテッドビジネスへ」が企業ビジョンで、サツドラのポイントカード「EZOKA」は多くの企業と提携しており、人口530万人の北海道で200万人が所持しています。世帯でいうと7割をカバーしています!

佐藤:サツドラは老舗企業ではありますが、2代目社長は若くして事業継承を行い、今では新規事業の創生、サツドラのコーポレートブランディングの刷新、採用活動など、様々な取り組みを精力的に行っています。本日はそんなサツドラの中でも重きを置いている採用活動に関して、動画を作成した成功事例をご紹介できればと思っています。

作った動画はWantedlyの「30s PITCH」と「VISIT REPORT」

五十嵐 : 今回サツドラさんが制作した動画は、Wantedlyの「30s PITCH」と、キャラクターのメンダコちゃんが会社を訪問する「VISIT REPORT」でしたよね。まず、この2つを観ていただきたいと思います。

【30s PITCH】

代表取締役の富山浩樹氏が、30秒間で会社のビジョンと欲しい人材について熱くかつコンパクトに語っています。背景はサツドラのオフィスです。

【VISIT REPORT】

3分弱の動画で、キャラクターのメンダコちゃんがサツドラを訪問して、HRグループの野村さんにインタビューし、オフィスや店内の様子も紹介しています。

▶︎実際の動画はこちらからご覧いただけます

動画という手法を選んだ背景は「イメージギャップ」の払拭

五十嵐 : サツドラさんが採用で、この2種類の動画を取り入れた理由や背景についてお聞かせください。

佐藤 : サツドラには企業広報用の動画はありましたが、採用向けの動画はありませんでした。動画を使う前の採用手法は、会社説明会、大手ナビサイト(中途採用はエージェントも利用)、Wantedlyの募集・社員インタビュー、大学との連携(学内説明会など)でした。

採用で動画というチャネルが必要だと感じた1番の理由は、ドラッグストアチェーンに対する学生のイメージと、いろいろ面白いことをやっているサツドラという企業の実態に大きなギャップがあったからです。

ドラッグストアの店長というと、スーパーやコンビニのバイトの延長のようなイメージがあって、大学を出て就職するところではないという観念があり、そもそも小売業の募集は見ないという学生もいます。両親が反対するケースもあります。

もう1つ、コロナ禍で採用がオンラインになり、会社の熱意、温度感が伝わりにくくなったという背景もありました。

五十嵐 : ドラッグストアという一見分かりやすいイメージが、企業の中身を見てもらうためのネックになってしまうのですね。

佐藤 : そんなイメージを払拭するには、もっと学生の印象に残るチャネルが必要だと思い、以前から動画には注目していました。そんなときに、Wantedlyが動画サービスを始めるとTwitterで見かけて、即乗っかりました(笑)

動画サービスの選定軸は「ほどよい尺」と「二次利用の可否」

五十嵐 : 動画の有効性を感じていた中でWantedlyを選んでいただいた理由は何でしたか?

佐藤 : まず、30秒という「ほどよい尺」です。VISIT REPORTでも3分ほどの長さというのが気に入りました。

「倍速視聴」があたりまえの学生にとって、人事系の動画サービスによくある「30分の会社説明動画」はとんでもない長編で、とても見る気がしないだろうと考えました。

もう1つ重要な選定軸は、2次利用がOKかどうかでした。動画を制作したサービス会社のサイトでしか使えないのではコスパが非常に悪くなります。

2次利用がOKなら、露出チャネルが増えて、これまでの採用手法や募集にも相乗効果が見込めると思いました。具体的には、自社の採用ページや募集広告の中に動画が加わり、品質向上が見込めます。SNSや説明会でも使用できます。

2次利用で「一度で二度おいしい」を狙いました。

五十嵐 : ウォンテッドリーではサービス導入前に、動画の長さはどれくらいが良いのか調査しました。その結果、「長さ1分以内」の動画は約6割程度のユーザーが最後まで視聴しているのに対して、「長さ2分〜3分」のものは約4割程度となっています。

佐藤 : 3つ目の選定軸は、これまでの採用手法の延長で実施できるかということでした。「うちの媒体は掲載費は無料なので、御社の情報も掲載させてください」とセールスされても、新しい窓口・チャンネルが増えると、そのぶん採用側の工数や管理コストが増えます。「管理画面がもう1つ増えるのはかんべんしてほしい」というのが正直なところでした。そのため、常日頃から運用していたWantedlyでやれる、という点もポイントでした。

五十嵐 : 窓口やチャンネルを増やすことがかえって工数になりますよね。当社のユーザーにも「ひとり人事」が少なくないので、共感される方も多いと思います。

佐藤 : もう1つ狙ったのは、Wantedlyの動画サービスがスタートしたばかりだったので、いち早く試すことでより注目される先行者メリットでした。

やってみて分かった動画のメリット

五十嵐 : 採用に動画を導入した効果はありましたか?

佐藤 :会社ページ・募集ページに厚みがでて、品質が向上したと思います。数字で見える効果としては、次のようなものがありました。

  • WantedlyのサツドラPV数が、これまでの1日に20〜30から3桁に増加
  • エントリー数が動画公開開始〜2週間で、毎日1〜2名あった(現在も2~3日に1件ある)

2本連続で公開したのが、初速数値を上げる効果があったと思います。

北海道外からのエントリーが増えたのも、動画の効果と言えます。広報など、社内の他部署からも「使いたい」という嬉しい反響もありました。

ドラッグストアに対する学生のイメージを変えるのにも効果があったと思います。

「30s PITCH」では、40代の若い社長が登場して「地域コネクテッドビジネス」のビジョンを語ったのが良かったです。道外から、地域活性化ビジネスに興味がある学生のエントリーが増えました。

「VISIT REPORT」では、登場した採用担当者のパーソナリティやおしゃれなオフィスの風景が「店長候補の採用」というイメージを払拭するのに役立ちました。

五十嵐 : 富山社長がカジュアルな服装で登場したのも良かったと思います。あれは佐藤さんの演出ですか?

佐藤 : いえ、社長は普段からあんな感じです(笑)社長室もないフリーアドレスのカジュアルな方です。話す内容も普段からよく語っている、話し慣れた内容だったのが良かったと思います。 

予想しなかった動画の効果

五十嵐 : 作る前には佐藤さんが予想しなかった動画の効果もありましたか?

佐藤 : 会社説明会で2次利用したときの学生の反応が、予想以上に良かったです。動画を見ているときの表情がイキイキしていました。アンケートでの反応も想定以上でした。

2次利用では動画の前後に補足を入れて「ネタ」として使える、というのも想定外の効果でした。たとえば、背景に映っているオフィスの説明や、店内で天井からぶら下がっている棒のようなものが、人の動きを見るAIのセンサーだというような話もできます。

Wantedlyユーザーに限らず、大手ナビサイト経由の学生からも「社長に会いたい・選考に進みたい」という声が増えています。

動画施策にとって大切なこととは?

五十嵐 : 最後に、今回のご経験を踏まえて、採用における動画施策で佐藤さんが大切だと考えていることをお聞かせいただきたいと思います。

佐藤 : 動画を使うことのネックは制作にかかるコストだと思っていたのですが、作った動画をストックとして、2次利用、3次利用すれば、回収できると考えるようになりました。

動画利用が、いわば掛け捨てのフロー施策になるとリスクが大きいので、ストックにしていろいろな場面で活用するのが大切だと思います。それなら、初速で失敗してもカバーできます。

五十嵐 : Wantedlyの「ストーリー」も、エージェント経由の候補者にも読んでもらうなど、ストックとして活用されているユーザー様が多いです。

佐藤 : サツドラの「ストーリー」も毎週アップして、有効活用させていただいています。

五十嵐 : ありがとうございます。引き続きQ&Aのコーナーもよろしくお願いします。

佐藤さんへ質問殺到!気になる動画のアレコレ(Q&Aコーナー)

佐藤さんには、イベントに参加した方々からの質問にも多数回答いただきました!すべてを載せきれないのですが、一部ご紹介します。

Q : 動画のテイストは「明るく楽しい雰囲気」と「仕事の厳しさも伝える雰囲気」のどちらが良いでしょうか?

佐藤 : 採用後に新入社員が、動画とリアルにギャップを感じるような「演出」は避けるべきです。会社のありのままを伝えることを前提に、自社のビジョンや採用戦略に沿った人材に

響くアピールをすることが大切だと思います。

もちろん企業には楽しい面と厳しい面の両面があるので、予算があればABパターンを作って、媒体や使うシーンによって使い分けるのも1つの方法です。両方見せるという手もあるかもしれません。

Q : 動画を作る前と後で、応募者の特徴に変化はありましたか?

佐藤 : 「すぐ入社したい」という姿勢の方よりは、「ちょっと話を聞いてみよう」というカジュアルな姿勢の応募者が増えたように感じます。動画を発信したことで、応募へのハードルを下げる効果はあったと思います。

Wantedlyのプロフィール欄にびっしり書いている人の応募も増えましたが、ほとんど書いていない人からの応募も増えました。それでもお会いしてみると共感できる思いを持っている方が多く、量だけではない効果を感じています。

Q : 潜在層に拡散する方法は?

佐藤 : Wantedlyの動画はSNSと連携しやすいので、あらゆるチャネルで実験しました。TikTokはやりませんでしたが(笑)

とくに「30s PITCH」は試しやすいので、社長以下多くの社員がTwitterにアップしていました。Facebookでもタイムラインのほかに、誰でも入って投稿できるグループがあるので、そこでも拡散を試みました。

五十嵐 : 具体的な事例も多く、かなり参考になりました!本日は貴重なお話をありがとうございました!

佐藤 : こちらこそ、ありがとうございました!

採用動画の効果についてはこちらの記事でも詳しく説明しています。

ぜひあわせてご覧ください。

【参考】採用動画の最新トレンド|動画の種類と作り方・活用事例も紹介
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/movie_trend

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