入社者の8割をWantedlyで実現 PRUMのスカウト返信率25%超えの秘訣とは

株式会社PRUMは、スカウト返信率を短期間の取り組みで、12%前後から25%超にまでアップさせる成果を上げ、WantedlyのFUZE2023でScout Craft賞を受賞しました。

FUZE2023の様子:https://fuze.wantedly.com/2023

スカウトの返信から採用に結びつける取り組みも成果を上げ、エンジニアを中心に5ヶ月で15名の内定承諾を実現しました。

今回は、株式会社PRUM人事の西村颯馬さんをゲストに招き、返信率を高め、採用に結びつけるスカウトの活用法をうかがいました。

今回のゴール

  • 25%超えの返信率を実現するスカウトの活用方法を知る
  • スカウトで成果を出すために必要なことを理解し、明日からの採用活動に活かす

ゲスト

株式会社PRUM (2024年1月30日時点)
西村 颯馬

人材業界に5年間在籍し、法人営業・営業企画・広告運用を経験した後に、2023年5月に株式会社PRUMに入社。エンジニア採用を中心とした採用戦略策定、選考フロー改善、HPディレクション、人事制度設計などに従事。

27歳。1児のパパ。トイプードル飼ってます。

▼Wantedly Profile
https://www.wantedly.com/id/r_nishimura

モデレーター

ウォンテッドリー株式会社
越石 翔子

新卒ではIT・Web・ゲーム業界に特化した人材紹介会社に入社。RA・CA両面の経験を通して数多くの求職者の転職先決定を実現。

2018年1月にウォンテッドリーに入社。Onbordingやコミュニティの立ち上げ、カスタマーサクセスなどを経験し、現在はマーケティングチームにてオウンドメディアの運営やセミナーを開催。

▼Wantedly Profile
https://www.wantedly.com/id/koccey

株式会社PRUMについて

「日本のエンジニア不足を解決する」というミッションを掲げ、エンジニア教育を手掛ける創業5期目のスタートアップ企業です。

代表の「PRUMに小さな大学を作ろう」の一言でスタートしたWebエンジニア育成制度「PRUMアカデミー」により、6ヶ月〜1年程度で実務レベルのエンジニアを多数輩出しています。

設立:2019年12月5日
従業員数:63名
事業内容
・システム開発事業
 新規サービス開発
 エンジニアリソース提供
・地方創生事業
 新潟県佐渡島でのエンジニア人材雇用
 佐渡島島内のDX推進
・エンジニア教育事業
 個人向けプログラミングスクール「PRUMアカデミー」
 法人向け研修

スカウト返信率が12%前後から25%超にアップ


越石
:採用の専任担当者がいなかったPRUMさんに、西村さんが入社したのは2023年5月でしたね。

西村:はい。

越石:グラフを見ると、西村さんの入社翌月から、スカウト数は大きく減るが返信率が急上昇し、その傾向が現在まで続いているのが分かります。

西村:スカウト数が減ったのは、それまでスカウト代行会社にお任せしていたスカウト文面の作成や送信を、自社で行うようにしたからです。そのため、最初の2ヵ月はスカウトの数が激減しましたが、返信率は大きくアップしました。

おかげさまで返信率の向上は採用に結びついて、本格運用を始めた2023年8月から5ヶ月で、エンジニアを中心に15名を採用することができました。そのうち8割がWantedly経由での採用です。社員数が63名規模のベンチャー企業としては、まずまずの成果だと思っています。

越石:素晴らしい成果につながっていますね。まさに今回のセミナーテーマでもありますが、このように大きく返信率を上げることができた秘訣や、採用まで結びつけたポイントをおうかがいできればと思っておりますので、よろしくお願いします。

西村:緊張します(笑)

越石:まず採用職種と採用要件(どのような人を採用したいのか)を教えてください。

西村:採用職種は実務経験のないWebエンジニアを中心に、下記のような職種を採用しています。採用要件は、ベンチャー企業なので変化に適応できる人、自分事として物事を捉える当事者意識のある人が、職種を問わない共通条件になります。

越石:採用体制はどのようになっていますか?

西村:Scout Craft賞の受賞時は3名でしたが、現在は4名で採用活動をしています。社員数63名規模の会社としては、たいへん多い数だと思います。専任は私だけで、3名は労務や広報などを兼任していますが、採用も全力でやってくれます。

スカウト文の作成は人事採用チームの内製で、150通/月を目標にしています。現在のところ目標はクリアできていて、月に38通前後の返信があります。

運用開始5ヶ月で15名の内定承諾を実現

越石:スカウトの運用を自社で行うようになってからの成果はいかがでしたか?

西村:2023年8月からスカウトの本格運用を開始し、運用開始5ヶ月で、エンジニア職、セールス職で15名の内定承諾を実現しました。学歴・年齢は問わずに選考をしており、 内定承諾者の平均年齢は23歳(20歳〜36歳)でした。

採用となった方の出身業界・職種は、大手メーカーの主任技師から飲食店アルバイトまで多種多様です。

PRUM式 採用につながるスカウト活用の3つのカギ

越石:ここからは、どのように採用につながるスカウト活用をされたかについて、具体的にうかがって行きたいと思います。

実はPRUMさんにはかなり以前からWantedlyをご利用いただいていたのですが、なかなか今のような実績があがっていませんでした。西村さんが入社された2023年5月以降は、スカウト文面や返信者への対応などでどのような変化があったのですか?

西村:それまで委託していた代行業者の利用をストップしてスカウト文を内製すると共に、スカウトを送った候補者が見るであろう採用ページのコンテンツをユーザー目線で整備しました。

また、カジュアル面談に来てくださった方に対しては、等身大のフラットで楽しい面談を行うように心がけました。

スカウトで採用を加速させる3つのカギ

1. 候補者の共感を作り出すスカウト文面
2. ユーザ目線のコンテンツ
3. 等身大のカジュアル面談

越石:では、この3つのカギについて、それぞれ具体的にうかがっていきたいと思います。

1.候補者の共感を作り出すスカウト文面

越石:まず、スカウト文の作成で心がけたのはどんなことですか?

西村:1つは、情報量を盛り込み過ぎず、スマホでスクロールせずに読める程度の文章量にしました

2つめは、スカウトを送る候補者それぞれに刺さる情報を文面に盛り込むように心がけました。候補者のプロフィールから「自社のどこを一番に打ち出すべきか」を読み取るのです。

とくに「この先やってみたいこと」を読み込んで、それに対応した「自社でできること」を伝えるようにしました。

3つめは、テンプレートからカスタマイズする部分は、コピペ感のないオリジナルな文章になるように心がけました。プロフィールからの抜粋はNGで、同じ意味でもアレンジした言葉に変えています。

スカウト文面で心がけていること

1. 情報量を盛り込みすぎない
 長くしない。スマホでスクロールなしで読める程度の文量

2. 情報を刺しに行くテキスト
 プロフィールから「自社のどこを一番に打ち出すべきか」を読み取る

3. カスタマイズ部分はオリジナル文章を作る
 プロフィールの抜粋をせず、コピペ感を出さない

実際の文例に即して説明すると、ポイントは、①400字程度で、②自分の言葉で「声をかけた理由」を綴る、③自社の照会はコンパクトに興味を持ってくれそうな点に絞って伝える、です。


越石:コピペ感を出さないのは、本当に大事なことだと思います。

西村:代行会社を使っていたときと内製化してからのスカウト文の違いをBefore、Afterで見ていただくと、次のようになります。

越石:Beforeには「中略」がありますね(笑)

西村:もっと長いんですよ。Aferではコンパクトではあっても、プロフィールの中の小さい情報をピックアップするなどで、ちゃんと見ているなと思ってもらうようにしています。

越石:いろいろ伝えたいことがある中で、文章量を少なくするのは勇気がいると思うのですが、不安はありませんでしたか?

西村:いえ、スカウト文は自社に興味を持ってもらい、Wantedlyの募集記事やストーリーを見てもらうきっかけ、導線になればよいというスタンスです。募集記事でしっかりと情報を伝えることで、スカウトへの返信率が高まると考えました。

越石:それが2つめのカギの「ユーザー目線のコンテンツ」ですね。

2.ユーザ目線のコンテンツ

越石:スカウトを受け取った候補者に、返信やカジュアル面談といったアクションを促すためのコンテンツ作りでは、どのようなことされましたか?

西村:まずWantedlyのアプリで見てもらえるコンテンツの改善に取り組みました。具体的には次のようなことです。

Wantedlyで取り組んだこと

1. 募集記事の内容変更
 ・スマホに最適化
 ・カバー写真は自然体な写真に変更
 ・入社後の具体的なイメージをしてもらうためにしっかり記載

2. ストーリーの投稿頻度を上げる
 ・最新の情報を届ける

3. 募集→ストーリーの導線強化

募集記事をスマホに最適化して、カバー写真を自然体に

西村:まず、ほとんどの候補者はスマホで見ると思うので、文章の改行をスマホに最適化しました。

次に、カバー写真を演出感のない自然な、スナップ風の写真に差し替えました。写真に乗せていたキャッチコピーも外しました。カバー写真は内容を象徴するコンテンツなので、そこで「よそゆきの顔」を見せると、記事もよそゆきの印象になってしまうと考えたからです。

もともとWantedlyは会社の雰囲気や社員の人柄を見てもらうのに適した媒体なので、飾らない実態を見てもらう方が候補者の心に響くと思います。

自社の魅力を詳細に説明し、入社後のイメージを具体化

西村:記事の内容は、スカウト文を読んで興味を持った候補者がいちばん知りたいと思う「入社後に何ができるのか」をイメージできる情報を、できるだけ具体的に、かつ誠実に記載しました。

越石:研修の内容や内定後・入社後の流れをかなり詳しく記載していますが、それによってどんな効果がありましたか?

西村:カジュアル面談前に、候補者がある程度詳しい情報を入手しているので、面談で「どんな研修をするのですか」とか「入社後はどんな形で実務に入るのですか」などの、基本的な質問が出なくなりました。

とくに未経験エンジニアがみな興味を持つプログラミングスクールについては、ていねいに分かりやすく記載しています。

越石:カジュアル面談で話を聞いてみようと思う意欲も高まるし、カジュアル面談でベーシックな情報に関する質疑応答に費やす時間も節約できるわけですね。

西村:はい。

ストーリーの投稿頻度を上げて最新情報を提供

越石:ストーリーの投稿も、テーマや登場者が多彩になったと思いますが、候補者にストーリーが読まれている感触はありますか?

西村:はい、カジュアル面談内でも「読みました」とおっしゃっていただくことがたいへん多いです。とくに、上の画像の左下の「人事担当者が赤裸々に語る PRUMが採用で大切にしていること」はよく読まれているようです。

ストーリーは人事チームの一人が書いているのですが、登場者の個性が伝わるようにカジュアルな文章で書いているので「楽しそう」という感想をもらっています。

越石:Wantedly以外ではどんなことに取り組んでいますか?

西村:次のようなことに取り組んでいます。

1. コーポレートサイトの刷新
 ・ベンチャーの魅力を訴求
 ・採用ピッチ資料作成
 ・インタビュー記事掲載(note)

2. YouTube・Podcast投稿

3. 未経験エンジニア向けに投稿

越石:いろいろなことにチャレンジされているのですね。

西村:Podcastでも1人採用しました。

越石:素晴らしいですね!インタビュー記事やYouTube、Podcastなどは「それで何人採れた」という定量評価が難しいので、予算が出にくいのではありませんか?

西村:たしかに予算が取りにくい面がありますが「面談で見たという声をたくさんいただいている」など定性的な情報も伝えながら実行に移しています。

3.等身大のカジュアル面談

越石:選考に進んでもらうための、カジュアル面談のポイントは何ですか?

西村:文字通りカジュアルで楽しい雰囲気で進めることが前提ですが、ポイントは相互理解です。希望や期待をていねいにヒアリングして、PRUMがそれに応えられることを伝えることで相互理解が深まると思います。

「どんなエンジニアになりたいのか」「入社後はなにがしたいのか」を聞いて、PRUMでできること、できないことを正直に話します。ベンチャー企業なので、福利厚生などで足りない点はたくさんありますが、嘘は言わないようにしています。

西村:選考に進む意向の確認もカジュアル面談の中で行っています。カジュアル面談から選考への移行率は50%で、選考に進んだ方の内定承諾率は69%です。

越石:カジュアル面談のヒアリングシートは用意されていますか?

西村:以前は流れが決まっていなくて、対応する人によって聞くことや話すことに違いがありましたが、現在は流れをテンプレ化しヒアリングシートも作り、担当者によるばらつきがないようにしています。

越石:最後に、西村さんが採用に置いてもっとも大切にしていることをお聞きしたいと思います。

西村「候補者に寄り添い、共感を生み出す」ことをいちばん大事にしています。ベンチャー企業は社員の共感をベースにしないと、今後起こり得る変化に対応しながら楽しく仕事をすることはできないと思うからです

越石:本日は貴重なお話をありがとうございました。お聞きいただいた皆様には、今日のお話からなにか一つでも、明日から実行できるヒントをお持ち帰りいただければ嬉しく思います。

質疑応答

Q 候補者のプロフィールの情報量が少ない場合のスカウト文面の作成はどうしていますか?

西村:難しいのですが、ある情報から想像力を膨らまして拡大解釈して、刺さる文面になるように工夫しています。情報利用が少ない候補者は他社からのスカウトも少ない可能性があるので、ある意味狙い目でもあると思います。

Q 現在掲載しているストーリーの中でいちばん読まれている記事は?

西村:プログラミング研修を終えたばかりの3人の未経験エンジニアにインタビューした「PRUMアカデミー卒業生インタビュー」です。https://www.wantedly.com/companies/company_8173074/post_articles/492386

Q 経験者にスカウトメールを送るときに意識していることは?

西村:経験者は入社後にやってみたいことが人によって全く違い、それに合うように文面を書くので、未経験への文面よりオリジナルな内容が多くなっています。

Wantedlyについて

Wantedlyは、給与などの条件ではなく、会社が掲げる「想い」への共感を通じて候補者とのマッチングをはかる採用プラットフォームです。

共感採用を実現するWantedlyの機能

募集では「なにをやっているのか」だけでなく「なぜやるのか」「どうやっているのか」といったビジョンや価値観を記載します。

また、Wantedly上でブログを投稿したり、社員をメンバーとして公開できるため、企業の魅力や雰囲気を伝えやすいのも特徴です。

良い会社があれば話を聞きたいと考えている転職潜在層にも知ってもらい、興味を持ってもらうことができます。

スカウトで優秀層にアプローチ

ダイレクトスカウトは、会いたい候補者に直接メッセージすることで、無駄の少ないピンポイントな採用につながります。

Wantedlyでは、新卒・インターン / 中途・副業採用 / 全職種対応など、あらゆる職種に対してアプローチすることも可能です。

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