Wantedlyは2012年から、企業のパーパス・ミッションへの共感を軸にした採用プラットフォームを展開し、人と会社の出会いをお手伝いしてきました。これは、広い意味での採用市場の人材に企業を知ってもらう「採用広報」のお手伝いとも言えます。
今回は、事業の急速な拡大フェーズに、採用広報によって企業理念にマッチする多くの人材を採用することに成功した株式会社マクアケのキーパーソンお二人をお招きして「マクアケの採用広報」についてお話をうかがいました。
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▼ゲスト
株式会社マクアケ 人事本部 採用/組織開発担当
菊池 宗也
新卒で株式会社リクルートキャリア(現リクルート)に入社。ベンチャー〜大手企業の採用支援を行う。
その後、コンサルタントとして製薬業界の採用支援および転職者のキャリアアドバイザーを兼任する。
2021年、株式会社マクアケに人事として入社。中途採用の戦略立案と推進、採用広報、営業組織の組織開発を担当する。
本業の傍ら、プロコーチとして20〜30代のビジネスパーソンを中心にコーチングを提供している。
株式会社マクアケ キュレーター本部 局長
武田 康平
新卒でサイバーエージェント広告事業本部に入社し、大手メーカーやEC事業会社のアカウントプランナーに従事。
2019年にマクアケ入社。主にものづくり系のプロジェクトを担当。同年社員総会の最優秀新人賞を受賞。
2020年8月より名古屋拠点の責任者として、東海地域の商品プロデュース、プロモーションに関わる。2021年社員総会のMVPを受賞。
2022年4月より東京へ戻り、営業部門の責任者を務める。
▼司会
ウォンテッドリー株式会社
五十嵐 萌子
法政大学キャリアデザイン学部卒業後、ITベンチャー企業にてWEBメディアのディレクター・新卒採用担当を経て、2019年10月ウォンテッドリー入社。
現在はコミュニティ / 中途採用を担当(元カスタマーサクセス)。毎日Wantedlyでスカウト&カジュアル面談を行う。
採用広報はなぜ重要かー転職潜在層の人材を掘り当てるのが採用広報
五十嵐:セッションに入る前に、今なぜ採用広報が重要なのかについてお話しさせていただきます。
求職者は、実際に求職活動をしている「転職顕在層」と、教職活動はしていないがいい会社があれば転職したいと考えている「転職潜在層」に分けることができます。
採用広報は、転職潜在層にもアピールできるのが、従来の求人広告と大きく違う点です。「募集をしても応募者が集まらない」という企業、採用担当者の悩みを解決する可能性を秘めているのです。
また、採用広報では、会社を「知ってもらう」「興味を持ってもらう」「業務内容や組織カルチャーに共感してもらう」コンテンツを発信します。したがって、採用広報を通じて集まった応募者は、企業のビジョンやカルチャーに共感する、企業にマッチした人材が多いことが期待できます。
具体的には、採用広報はできるだけ会社のリアルな情報を発信して、自社で働くイメージを持ってもらえるコンテンツを発信することが大切です。仕事内容や働き方、職場の雰囲気、企業理念や現場の声などをテーマにその会社で働く魅力を伝えていきます。
このような採用広報を行うことによって、次のようなメリットが得られます。
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マクアケとは?事業内容とビジョン・ミッション
五十嵐:本日はよろしくお願いいたします。まず菊池さんからマクアケの事業内容とビジョン、ミッションについてご紹介いただければと思います。
菊池:ありがとうございます。「Makauke」は、まだ世の中にないものやストーリーあふれるチャレンジが集まる「アタラシイものや体験の応援購入サービス」です。
「Makauke」は、完成された商品やサービスを扱う一般的なショッピングサイトとは異なり、これから生まれ、世に広がっていく、ユニークな商品やサービスを扱っています。
そして、一般消費者のユーザーである「サポーター」は、「実行者」と呼ばれる事業者の想いや背景を理解した上で“応援購入”ができます。
サポーターが「応援購入」をすることで、事業者は資金調達をしてプロジェクトをさらに推進することができます。マクアケは、事業者(開発者)の想いと消費者をつなぐプラットフォームの役割をします。具体的には次の事業を通した3つの役割があります。
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中でも、これまで「Makuake」において手がけたプロジェクトは28,000件以上になります。
これらの事業を行う背景には、次のようなマクアケのビジョン・ミッションがあります。
五十嵐:なるほど、事業内容が分かると、ビジョン、ミッションにとても納得感がありますね。
マクアケの採用体制について
五十嵐:マクアケの採用状況と採用体制について教えてください。
菊池:2021年から2022年にかけて、事業拡大のための採用強化を行いました。21年度は70〜80名程の採用を行い、現在では社員数が約200名になりました。本社採用がメインですが、地方拠点でも数名採用しました。
採用体制は、人事部12名のうち5名が採用担当です。
※組織図や担当者は本ウェビナー登壇時の情報です。
5名の内、4名が各部署(キュレーター、広報マーケ、経営管理、開発)の担当で、1名が全体のオペレーションをしています。
採用チームの組織化は2021年12月からで、採用広報の本格運用を始めたのもそこからです。
五十嵐:200人の社員で人事が12人、採用担当が5人というのは、すごくリッチな体制ですね。
菊池:事業の拡大にあたって人事・採用が手薄では、組織を良くしていくことはできないという考え方です。私は2021年に入社しましたが、その当時は採用担当として2人目の入社でした(笑)その後、各部署に採用担当を1名ずつ置き、事業部人事体制を作り始めています。
マクアケの採用広報への取り組み
五十嵐:採用広報にはどのように取り組んでいますか?
菊池:Wantedlyのストーリーと、note、イベントの3つの施策に取り組んでいます。
Wantedlyストーリーは、マクアケをすでに知っている人をターゲットに、応募から内定までしっかり持っていけるようなコンテンツを、という意図で発信しています。隔月に1本の投稿を目安に運用しています。
noteは、採用人数を増やすにあたって、マクアケをまだ知らない人にもリーチするために着目しました。noteならカジュアルなテーマから組織・カルチャーの話まで、幅広いコンテンツで転職潜在層にもアピールできると考えました。週に1本の投稿を目標にしていますが、現在はそのための体制づくりの段階です。
イベントは、マクアケを知っていて興味はあるが応募につながっていない人をターゲットに、3ヶ月〜半年に1回程度のペースで開催しています。マクアケに興味はあるが応募に踏み切れないのは、そこでどんな人が、どのように働いているかの「肌感」がつかめないからだと思うので、イベントには現場の社員に登壇してもらい、話をしてもらうのがメインです。
イベントの内容はWebサイトにも掲載しています。
現場には「採用広報記事に登場するのは光栄だ」という意識がある
五十嵐:ストーリーやnoteのサムネールを見ると、現場の社員が前面に出ている印象がありますが、採用広報担当者の共通の悩みとも言える「現場をどう巻き込むか」は、現場視点でどのように映っていますか?
武田:マクアケの社員には、Wantedlyストーリー(Makuake Peopke)やイベントに呼ばれるのは光栄だという意識があり、声をかけると「ありがとうございます」という返事が多い印象です。
これは、広報に登場するのはエース人材で、出ることがステータスになるという認識が社員にあるからだと思います。
五十嵐:マクアケのそういう雰囲気というか文化を醸成するために工夫されていることなどはありますか?
菊池:マクアケでは毎朝10分程度ZOOMで全員参加型の朝会をしているのですが、広報に社員が登場したときは朝会で紹介をして、本人にも必ず感想など一言をもらうようにしています。それが採用広報の社内ブランディングになっている面はあると思います。
五十嵐:それは素晴らしいですね。私たちも明日からでも真似したいと思います。
候補者の共感を生むために、どのようなコンテンツを掲載していますか?
五十嵐:具体的に広報でどのようなコンテンツを発信しているかを教えてください。
菊池:Wantedlyさんが「採用の4P」と位置付けている、Philosophy(企業理念)、People
(人・文化)、Profession(事業・業務内容)、Privilege(働き方・待遇)を意識しながら、候補者が転職において大切にしていること、知りたいことに答えるコンテンツ作りを心がけています。
菊池:マクアケに応募する方は基本的にPhilosophy(企業理念)を重視する人が多いのですが、事業が拡大して多様な人材が必要になる中で「他にもいろんな視点があるよね」というスタンスで、コンテンツを割り振っています。
Philosophy(企業理念)では、キービジュアルに社長が登場して、マクアケのビジョン、ミッションを作った当初を振り返る記事を掲載しています。具体的には、全員参加で実施したワークショップやビジョンを作った背景などが書かれています。他には、ビジョンから紐づいたカルチャー施策の紹介記事などもあります。
People(人・文化)では、会社にどんな人がいて、どんな働き方をしているのかがうかがえるコンテンツ作りを目指しています。「なぜマクアケに入ったのか」を語っている4人の社員がキービジュアルの記事は、たいへんよく読まれています。
Profession(事業・業務内容)では、メインのコンテンツとして事業責任者が登場して、どんな思いで事業を始めたのか、具体的にどんなことをしているのか、今後どうしていきたいのかなどを語っています。
Privilege(働き方・待遇)では、コロナ禍での出社やオフィスでの働き方を取り上げた記事、「国際女性デー」に合わせたマクアケの女性社員の働き方などに関するインタビュー記事などを発信しています。
五十嵐:4Pにバランスよくコンテンツを作成していますね。また、サムネールのビジュアルも素敵で、こだわりを感じました。
菊池:サムネールやページのデザインは、デザイナーと記事の目的やターゲット、出したい雰囲気について都度コミュニケーションを取っています。記事のタイトルもどこを強調するのかを練っています。
五十嵐:武田さんは3年前にマクアケに入社されていますが、当時と今では外向けのコンテンツは大きく違っていますか?
武田:全然違いますね(笑)というか、当時は採用広報などの外向けのコンテンツはほとんどなかったです。あったのはMakuake Peopleくらいでした。
当時も今のようなコンテンツがあったら、面接はだいぶ楽だったろうなと思います。
採用広報の効果測定は?
五十嵐:採用広報のKPIはどのように設定されていますか?
菊池:KPIをどう設定するかは本当に難しいのですが、全体KPIは応募人数と1次面接通過率です。1次面接通過率は、採用広報によってどれくらいカルチャーマッチする人が応募してくれたのかを見る上で参考になると考えています。
Wantedlyストーリーは、記事本数、シェア数、入社者が記事を見た割合をチェックしています。定性的になりますが、入社者に記事の感想なども聞いています。
noteでは、記事本数、スキ数、入社者が記事を見た割合などを見ています。note経由の応募人数も知りたいと思い、今期から新たに計測ができる運用を開始しました。
採用広報の成功事例ー「マクアケでしか働きたくない」と応募した20代との出会い
五十嵐:本日ご出席いただいている武田さんのWantedlyストーリーに感銘を受けて「マクアケでしか働きたくない」と応募した候補者がいたとうかがっています。
武田:立ち上げまもない名古屋拠点のキュレーター採用で、採用納期が迫っていたときでした。名古屋出身の20代の方がWantedlyを通じて応募してくださり「地方のものづくりを盛り上げ、広げたい」という私のビジョンが刺さったと言ってくれました。
面接で「応募はマクアケだけで、内定が出なかったら今の会社に残ると」と言われたのですが、最初はぜったい嘘だろうと思いました(笑)しかし「なぜですか?」と聞くと、マクアケのビジョンへの共感を熱く、しかも理路整然と語ってくれたので、納得できました。
書類を見た段階では、バリバリ営業のキャリアを積んだ方だという印象でしたが、話をしてみると、マクアケのカルチャーにマッチする方だと感じて「即決」でした。
面接の限られた時間だけでは、なかなかカルチャーフィットを確信するまで行けないのですが、採用広報で事前に会社について知ってもらうことで、この事例のような成功体験が生まれるのだなと実感しました。
五十嵐:武田さんが登場されたWantedlyストーリーのURL を下記に載せておきますので、ぜひご一読ください。
▼【名古屋拠点責任者 武田康平】ものづくりの価値を名古屋から世界へ。ニッポン・プロデューサーとして活躍したい
実は、サプライズではありませんが、エピソード内の20代中途入社の方にお話をうかがっています。採用広報について考えるときの参考になるのではと思うので、ご紹介します。
Q:転職の時に重要視していた情報や欲しかった情報はなんですか? A:長く働き続けるためには、会社のビジョンに共感できることがとても重要だと考えています。そのためビジョンの内容はもちろん、実際に働いている人がそれをどう捉えてどんなモチベーションで働いているのか、リアルなところを知りたかったのです。 Q:エントリーに至った決め手とは?(どういう点が刺さったのか) ①クライアントと同じゴールを目指せること。 ②地域のために必要なサービスであると確信したから 武田さんや関西エリアの執行役員の記事を読み、Makuakeが作り出している環境や仕組みは地域の企業にとって役に立つ、必要とされるサービスであると強く感じ、人の役に立つ仕事がしたいと感じていた私に鋭く突き刺さりました。 Q:武田さんに実際にお会いした時の印象はどうでしたか? A:記事を読んでイメージしていた通り、真っ直ぐでストイックな方でしたが、想像以上に気さくな方でお話ししやすく、名古屋拠点への愛や立ち上げにかける強い想いも感じて、この人と一緒に働けたら絶対楽しいだろうな〜!と思いました。 |
五十嵐:この事例から感じる採用広報の効果には次のようなものがあると感じました。
【候補者にもたらす効果】
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【内部にもたらす効果】
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五十嵐:本日は貴重なお話をありがとうございました。最後に一言ずつお願いいたします。
武田:採用広報では「内部の人が語る」のがやはり最強だと思います。そのためには、広報のコンテンツは現場のやりたいことに寄り添う企画、言い換えると社員の自己実現に焦点を合わせる視点が重要だと思います。そうすれば、現場を巻き込むというよりは勝手に動いてくれるのではないでしょうか。
菊池:採用広報は現場の協力が得られて初めて成立するものなので、武田の言うように「社員が自ら動きたくなる」ような巻き込みができるように頑張りたいと思います。そのために、「どうやったら社員が参加していて楽しく感じてもらえるか?」を日々考えることが大事だと思います。まだまだ勉強中、模索中というのが正直なところですが。
五十嵐:ありがとうございました。
時代の変化に伴い、採用への考え方はアップデートしていく必要があります。
以下の記事では、これからの採用に必要な基本的な考え方や、採用のトレンドについてわかりやすくまとめているので、ぜひ合わせてご覧ください。
「採用がうまくいかない」とお悩みの方は、採用への考え方をアップデートすることで、自社にマッチした人材の採用に繋がるでしょう。
【採用の新常識】上手くいかない採用から脱却するために必要な考え方
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