ココナラが語る、組織が急成長してもぶれないカルチャーを築く方法|共感採用はなぜ必要か vol.01【Event Report】

「知識・スキル・経験を売り買いするマーケット」で知られるココナラは、2012年7月のローンチから10年を経ずに、2021年3月に東証マザーズへの上場を果たした急成長中の企業です。

「一人ひとりが自分のストーリーを生きていく世の中をつくる」という企業ビジョンと、それを実現するためのミッション・カルチャーを重視する姿勢は採用においても一貫しています。

「共感採用はなぜ必要か」のトークセッションの第1回となる今回は、ココナラのHRグループのマネージャーである泉谷 翔氏をお招きして、「企業が重視するバリューにフィットする人材をどのようにして採用するか」についてお話しいただきます。

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株式会社ココナラ
泉谷 翔氏

2016年4月株式会社ココナラに入社。「1人目の人事」として社員20人から130人までの拡大フェーズをリード。現在はHRグループのマネージャーとして、人事組織全体を管理しつつ、自らも幅広い人事領域を担当する。

ココナラ入社までの経歴
・大学卒業後、飲食関連企業で人事・総務に配属
・株式会社ナビタイムジャパンで労務を担当
・ピクスタ株式会社で「1人目の人事」として、人事・総務全般を担当
・株式会社Speeeで経営管理マネージャーを担当

▼Wantedly Profile
https://www.wantedly.com/id/show_izumiya

ココナラが体現しているぶれないカルチャーとは

ーー本日はよろしくお願いします。ココナラ様は創業以来「ぶれないカルチャー」を築き、そのまま上場までいたった印象を持っています。ココナラが重視する企業文化とはどのようなものなのでしょうか?

泉谷翔氏(以下省略): よろしくお願いします。弊社が築いていきたいと考えているカルチャーをビジョン、ミッション、バリューでまとめると下記のようになります。

この中でもっとも上位にあるのがビジョン。これは弊社のメイン事業である「個人のスキルを売り買いする」ココナラプラットフォームに通じるものです。

このビジョンを実現するために「ミッション」があり、ミッションを遂行するための素地となるのが「バリュー」(価値観やスタンス)です。

採用経路はダイレクトリクルーティングの割合が増加

ーーココナラ様の採用規模や採用体制など具体的なことからお話しいただければと思います。

現在の社員数が約130人で、採用規模は半年で20人~30人ほどです。HRのメンバーはCHRO含めて7名で、そのうち採用を担当しているのは3人。職種では、エンジニア、営業、カスタマーサービスの採用をそれぞれ1人ずつ担当しています。

採用経路はざっくりですが人材紹介50%、ダイレクトリクルーティング40%、その他(リファラルなど)10%ほどの割合になっています。最初は人材紹介がほとんどでしたが、最近はダイレクトリクルーティングが増えています。

ダイレクトリクルーティングの採用業務は、2020年まではほぼ内製でしたが、上場前後はそれに付随する業務に追われていたこともあり、RPO会社に一部業務委託していました。現状も一部業務委託の方にアウトソースしていますが、お願いしていることは主に候補者のピックアップや日程調整などです。

主に使っている採用媒体は、ダイレクトリクルーティングはWantedly、Green、Findy、Forkwell、ビズリーチで、人材紹介はfor Startups、ReDesignerを活用していますね。

ダイレクトスカウトは「個人のWill」とのマッチングを重視

ーーここからは、ココナラ様の共感採用の取り組みを伺っていきます。事前の取材で上の3つのポイントをあげていただきましたが、まず1つめの「スカウトで重視していること」についてお話しいただけますか。

ダイレクトスカウトの対象になるのは転職を考えている人、つまり人生のターニングポイントに立っている人だと思っています。その人には当然、「今後何をしたいのか」という個人のWillがあるはずです。

私たちは候補者のWillが弊社でお願いしたいミッションとマッチするかを、レジュメやエージェントからの情報などを頼りに判断しスカウトを送ります。

その際に画一的なメッセージを送るのではなく、候補者のWillに応じてカスタマイズした文章を送るよう心がけています。「一人ひとりが自分のストーリーを生きる世の中をつくる」をビジョンに掲げている会社が、大事な社員採用で紋切り型のスカウトメッセージを送るわけにはいきませんから。

カルチャーフィットするかしないかの判断基準は「その人が人生のターニングポイントで何を選択基準にしたか」にある

ーーココナラ様の選考フローは現在どのようなフローでしょうか?

カジュアル面談→一次選考→二次選考→三次選考(最終面接)というプロセスになっています。一次選考では、現場のリーダークラスが面接して、主に必須スキルを確認します。

二次選考では、グループのマネージャーが面接して、カルチャーフィットについて確認します。三次選考は取締役が面接する最終選考で、カルチャーフィットした人かどうかを見極めます。

ーーカルチャーフィットするかどうかを面接でどのように見極めるのですか?

最終面接は創業者の南が行うことが多いのですが、南の場合は3時間ほどかかることも珍しくありません。そこまで時間をかけて一体何を聞くのかというと「その人が人生のターニングポイントで何を選択基準にしたか」です。

ほんの一例ですが、選んだ大学が地元でも首都圏の大学でもなかった人には、どうしてその大学を選んだのか、なぜその学部を選んだのか、といった具合。

候補者がこれまでの人生の中で、どういう想いや考えのもとに、どのような選択をしてきたかを、子どもの頃まで遡り丁寧にヒアリングし、その選択基準がココナラらしいかを判断するのです。

ーー今後組織が拡大すると、南会長がすべての最終面接をするのは難しいですね。

実は、それが今課題に感じているところです。これまでは南の職人技的なヒアリングがカルチャーフィットを担保してきたキーファクターでしたが、今後はすべて南が最終面接を行うわけにはい着ません。

そこで、南でなくてもできる「バリューフィットを確認する仕組みづくり」を現在検討しているところです。弊社が重んじるバリュー「One Team , for Misson / Beyond Borders / Fairness Mind」はスタンスで細分化されてるのですが、それをどう具体的な質問に落とし込んでいくか、全体としてどう構造化していくかを示したものになります。

具体的には、「コミットメント」というスタンスがあるとすると、それを確認する質問は何なのかを現場マネージャーとすり合わせながら作っています。すでに構想としては完成しているのですが、まだうまく運用しきれていないのが事実。なかなか難しいのですが、焦ってやるものでもないですし、簡単でもないため現在チャレンジしている真っ最中です。

「カルチャーブック」を制作しバリューを言語化

ーー採用にも関わるココナラ様の特徴的な取組みに「CULTURE BOOK」の制作があると聞きました。イラストが効果的に使われるなどシンプルで読みやすいものですが、制作にいたった背景を教えてください。

2018年にバリューの見直しをすることになり、何度か中断しながらも2020年に改定することができました。改定しただけでは浸透しないだろうということで、このようなブックを制作しました。

制作した目的は、社員や社員の候補者に「One Team , for Misson / Beyond Borders / Fairness Mind」のバリューを分かりやすく視覚化して提示することです。50ページほどのボリュームですが、その内30ページは、次のような「DO&DON’T」のイラストを見開きで15ペア掲載しているシンプルなものです。

ーーカルチャーブックの制作はどのように進めたのですか?

経営陣と何度もディスカッションし、新バリューとそれに紐づくスタンス(上の例では「チャレンジ精神」)を決めました。次にそのスタンスを社員に発信して、各スタンスの「DO&DON’T」の案を募集しました。案が決まった後は、ココナラのユーザーであるイラストレーターにデザインを依頼という流れでした。複数の方が描いているので、タッチはさまざまですが、それはそれでココナラらしいかなと。

ーーカルチャーブックを配布してみて、実際どのような効果がありましたか?

社内では何か困ったときや悩んで立ち止まったときに、行動を振り返る指針になり具体的な行動に踏み切る後押しになっていると思います。わたし自身もたまに読み返しています。

また採用面では、候補者にブックを渡して価値観をすり合わせることで入社後のミスマッチを防ぐ重要なコンテンツになっています。

ーー個々の社員がココナラのバリューをどのくらい体現しているかを評価するシステムはあるのですか?

四半期に一回人事評価を行なうのですが、評価項目の50%がバリューの体現度を見るものになっています。バリューの改定前はほぼ「ミッションの完遂度」で評価する人事評価システムでしたが、それを「バリューの体現度」という尺度を加えて改めました。「ビジョンやミッションを実現するには、社員のパフォーマンス評価にバリューの項目があるべきだよね」と社内で共通認識がとれていたからこそ、スムーズに改定にいたりました。

ーーありがとうございます。さいごに、泉谷さんが考える「共感採用で大事だと思うポイント」についてお話しいただけますか?

えらそうな物言いになりますが、共感採用という文脈でいうと、まず大事なことは経営陣が未来の候補者に共感してもらえるビジョン・ミッションを描き、それにもとづいた事業を行なうことだと思っています。

繰り返しになりますが、ココナラのビジョンは「一人ひとりが自分のストーリーを生きていく世の中をつくる」です。ビジョン実現のためのミッションとして「個人の知識・スキル・経験を可視化し、必要とする全ての人に結びつけ、個人をエンパワーメントするプラットフォームを提供する。」を掲げ、スキルマーケット「ココナラ」を運営しています。ココナラは、ビジョン・ミッション・プロダクトが相互に結びついているからこそ、それを言語化し、ストーリー化して伝えることでマッチしている人に共感してもらえていると思っています。

本日ご参加いただいている方はおそらく人事の方が多いと思うので、いま話したことを自分でどうこうするのは難しいかもしれません。かくゆうわたしも無理なので(笑)。

ただ、人事として共感採用を実現するために最も大切なこと、そして自分でコントロールできることはいま話したことではないです。なにが一番大切かというと、「自分自身が一番ビジョン・ミッションに共感していること」だと思っています。おそらくこれにHowはなくて、あるとしたら自分の心の中にあるのではないか、と思います。最後はこんな言葉で締めようと思います。

・自社のビジョン・ミッションに共感してますか?
・自社が実現したい未来を実現したいと本気で思ってますか?

ーー目先の施策も大事ですが、自分自身が会社のビジョンに共感していることが最も大事なことなのですね。本日は貴重なお話をありがとうございました。

時代の変化に伴い、採用への考え方はアップデートしていく必要があります。
以下の記事では、これからの採用に必要な基本的な考え方や、採用のトレンドについてわかりやすくまとめているので、ぜひ合わせてご覧ください。

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