初めての採用で決めた人事としての覚悟。株式会社FoRの成長し続ける採用メソッド

ウォンテッドリー株式会社が主催する、年に一度の大型カンファレンス『FUZE』。同イベント内では、ミッション・ビジョン・バリュー、パーパスへの共感を軸にした人と人、人と会社の出会いを産み出すビジネスSNS「Wantedly」を活用して、2021年8月〜2022年7月に共感採用を推進した企業100社を選出。なかでも今年は「採用活動を通じてココロオドル出会いを生んだ」3企業をピックアップしました。

今回選ばれた企業のひとつが、株式会社FoR。Webマーケティングを武器に、次世代のプラットフォームをつくるべく、急成長を遂げている会社です。人事担当の新井拓実さんと、Wantedlyを通じて入社したメディア事業部の河野友香さんのおふたりに、採用に至るまでのエピソードと、どのようにWantedlyを活用してきたのかを伺いました。

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プロフィールだけでマーケティングセンスが垣間見えた

—まず、新井さんと河野さんのお仕事内容についてお聞かせください。

新井さん(以下、新井):採用関連の業務と、マーケティング職としてメディア事業も担当しています。現在は8割くらいが採用業務で、求人媒体の運用から面談など、新卒・中途・インターンまで全ての職種を見ています。もともと採用は代表がひとりで担当していたのですが、僕も兼任することになりました。

河野さん(以下、河野):私は「ONEcosme」というメディアのSEO事業を担当しています。前職は銀行だったので、全く違う業種への転職でした。未経験で入社したのですが、記事のライティングなどを学びながら、現在はSEO対策の様々な施策を考えたり、効果測定をしてPDCAを回すなど、一通りの業務を行えるようになりました。

左から新井拓実さん、河野友香さん

—河野さんはWantedly経由でFoRへの入社が決まったとのことですが、どのように仕事探しをしていたのでしょう?

河野:もともと美容系の仕事に興味があって探していたんです。でも、美容系ってキラキラした部分を全面に推し出しているところが多いというか(笑)。憧れだけで入っても、入社したら違う部分もあるだろうなと感じるところが多くありました。

そんな中で、FoRだけは「泥くさくガッツリ仕事します!」という気概が感じられて。未経験でも受け入れてくれる懐の深さや、Wantedlyのストーリーに載っていた社長の記事からチャレンジングな姿勢と正直さが伝わってきたんです。ここならギャップなく働けるのではないかと思いました。

新井:河野さんからエントリーがあったとき、しっかり撮影された写真を設定して、プロフィールも細かく記入されていた。まず、採用担当としては、毎日何件も応募がある中でプロフィールに情報がないと、面接したいと思えませんよね。

その点、河野さんのプロフィールには「どういう見せ方をしたら興味を持ってもらえるか」など、相手の気持ちになって考えられているように感じました。美容系のコンテンツでマーケティングがやりたい、という内容と一貫性もありますし、何よりユーザー目線というマーケティングのセンスが滲み出ていたのが印象的でした。

河野:面接に進めたのも嬉しかったですが、とにかく新井さんからの返信が早くて驚きましたね。

新井:河野さんからのエントリーが「話を聞きに行きたい」ではなく「今すぐ一緒に働きたい」だったのも大きなポイントでした。そこで本気度を感じたのもあったと思います。たぶん、5分以内くらいで返信しました。

僕も転職活動を経験してFoRに入ったのですが、採用の連絡って基本的にすごく遅いじゃないですか。でも中途採用では相手も忙しい中で応募してくれているので、返信の早さも大事だなと思っています。募集面や求人を読んでワクワクした気持ちでせっかくエントリーを頂いたのに、こちらの返信が遅いせいで温度感が下がってしまったら……そんなにもったいないことはないと思います。なのでなるべく早く返信ができるように定期的に返信時間を設けています。

採用担当になって初めて出す「内定」に込めた覚悟

—オンライン面接と対面での面接を通して、新井さんは河野さんを「絶対に採用したい」と思ったそうですが、その決め手はなんだったのでしょう?

新井:面接から美容やコスメジャンルを追求したい、という気持ちが、本当に強く感じられたんです。これだけの意欲があれば、メディアやコンテンツを作るうえで力を発揮してくれるだろうなというイメージがすごく湧きました。実は河野さんが内定を出したいと思った最初のひとりなんです。

河野:他の会社の面接だと、ひとつの質問に答えたら深めることなく次の質問へ、となることも多かったのですが、新井さんとはナチュラルな会話のキャッチボールで引き出してくれて、本音で話せた気がします。面接で初めてオフィスに行ったとき、あまりに静かだったので「ムードメーカーになります!」と宣言しました。

新井:当時は人数も少なく、会社ではBGMも流れておらず無音状態で。河野さんは今もムードメーカーとして雰囲気改善に積極的に取り組んでくれています。

代表が学生時代に起業した会社で、大手で働いた経験のある社員もいなかったので、それまで気が回っていなかった部分を指摘して「会社としてもっとこうしたほう良くなるんじゃないか」と積極的にアドバイスをくれるのもありがたいですね。

—内定を出すにあたって、代表の髙橋知暉さんとはどんなやりとりがありましたか?

新井:正直、髙橋は「本当にいけるのか?」と懐疑的でした。髙橋と渋谷の道玄坂を歩きながら話しているときに「その人が入社したあと、採用を決めた新井自身が責任を持って頑張れる覚悟があるのか?」と聞かれたんです。

河野さんの美容に対する意欲的な姿勢から、絶対に採用したいと思っていたので、「採用するだけではなく、入社後の教育なども含め責任を持ってサポートします!」と伝え、晴れて採用できることになりました。

河野:入社するまでそのやりとりがあったことは知らなかったんですが、新井さんがいないときに、飲み会で髙橋さんからそのエピソードを聞いて思わず「新井さーん!」って泣いちゃいました(笑)。私も負けないくらい、一生懸命頑張らないといけないなと、改めて気が引き締まりました。

目標達成のためなら、Wantedlyのカバー画像100枚でも試す

—河野さん採用に際してのとても熱いエピソードがありましたが、新井さん自身にも何か変化はありましたか?

新井:そうですね。髙橋から採用の姿勢について強く念押しされた際に、採用ってこういうものなんだ、という感覚が掴めた気がします。採用に必要な覚悟ってこういうものだったのか、と。カジュアルに採用業務を初めたこともあったので、正直初めはそこまで深く考えずに採用活動をしていたのですが……応募してくれる人だけでなく、採用する側の覚悟が大事だということを改めて実感しました。

—新井さんはWantedlyのページづくりで、ターゲットにクリックされそうなタイトルの付け方やカバー画像のパターン案を100個出して効果測定するなど、工夫に工夫を重ねているとお聞きしました。並々ならぬ気合いを感じるのですが、そのモチベーションはどこにあるのでしょう?

新井:単純に、順位が上がったり推移を見るのが嬉しくて。数値を追うとか、目標達成に向けてコミットするのが得意なんです。やればやるだけ成果が見えるのが楽しいですね。ただ、目標の採用人数を達成するために「◯人採用しよう!」と頭数だけを揃えるのは違うとも思っていて。しっかりペルソナを設定して、その人たちにどうやったら自分たちの魅力が届くか、どうしたら一緒に働きたいと思ってもらえるかに注力しています。

—これまでの採用は、かなり順調なようですね。

新井:そうとも限りません。たとえば、特に中途採用などは「内定出したもん勝ち」みたいなところがあると思っていて。うちは返信の早さは意識していますが、会社とのマッチ度をしっかり見るためにも選考期間を比較的長めに設定しています。

もちろん、選考フローが長ければお互いしっかりとギャップをなくしたうえで入社まで運ぶことができますが、前の会社をすでに退職されて急ぎで転職活動している方などは、早く内定を出してくれたところに行ってしまう、なんてことも実際にありました。それに、中途でまだ働いている方だと現職のお仕事もお忙しいので、課題を出してもなかなか出していただけないとか、二次面接で辞退が続いてしまうとか。

僕たちが一緒に働きたいと思っていても、それをしっかり言語化したり、姿勢で見せたりしていかないと、入社まで辿り着かないということも学びました。今は、採用フローを見直したり、なぜうちに来てほしいのか、しっかりと熱い気持ちを持って面談をしたり、オファーをしたりするようにしています。

—これまでにご経験された苦労も踏まえて、PDCAを回していらっしゃるのが伝わってきます。最後に、今後の展望についてお聞かせください。

新井:採用を初めてから約1年、事業も人数規模も順調に伸びてきており、当初の倍以上の人数になりました。現在も積極的に採用を進めておりますが、年明け、来年度から、さらに事業を加速させていくフェーズになると思っています。今はベンチャーマインドがある人たちをより積極的に採用していますが、フェーズが変われば採用ペルソナも変わってくると思っています。

現段階ではいくつかのペルソナに合わせて未経験でも採用して、その人に適した仕事をアサインしていますが、今後はポジション採用、ジョブ型採用で実績のある人を採用していくことにもなりそうかなと思っています。まだまだスタートアップフェーズなので採用環境がどんどん変わっていく中で、採用のおもしろさも変わっていくんだろうなと思っています。

河野さんの採用が僕にとっての採用担当としての転機でしたが、採用のおもしろさを知れたと同時に、自分に合っている仕事だと気づけた貴重な時間でもありました。これからもその力を発揮していきたいです。

テキスト:山本梨央
編集:飯嶋藍子(sou)
写真:西あかり

時代の変化に伴い、採用への考え方はアップデートしていく必要があります。
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