ウォンテッドリー株式会社が主催する、年に一度の大型カンファレンス『FUZE』。こちらでは、毎年素晴らしい採用実績とWantedlyの運用実績を誇る企業をAWARDにて表彰しています。2022年のFUZEにて、見事【Best Team of the Year SILVER】を受賞したのは、株式会社グッドパッチ(以下、グッドパッチ)の皆さんでした。
2018年にもAwardを受賞し、4年ぶりの返り咲きとなったグッドパッチ。2020年にIPOを経験するなど、この4年で事業フェーズも採用フェーズも大きく変化したそうです。本記事では、過去の変遷の中で感じた採用活動における課題とその乗り越え方、そしてWantedlyの活用について伺いました。
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▼インタビューさせていただいた株式会社グッドパッチの方々
・Design Ops HRBP 小山 清和 様
・Design Ops リクルーター 永井 杏享 様
・経営企画室 HR森岡 加奈 様
組織崩壊、アワード受賞、IPO…。激動の中で築き上げた現場とHRの協力関係
ーー2018年の受賞から4年、事業や採用活動にどのような変化がありましたか?
小山さん(以下、小山):グッドパッチの採用活動の変遷は大きく分けると3つのフェーズに分かれるかなと思います。第1フェーズは、2018年以前。採用活動がかなり属人化していて、各部署や代表が主導して採用を行っていた時期です。この頃にHR部門はオペレーションがメインだった状況から、少しずつ戦略部分にも関わるようになっていったのですが、この時期は離職率が40%を超え、当社でも『組織崩壊』と自称するほど組織状態が非常に良くない時期でもありました。
そこから、採用について全員で目線合わせをし始めたのが2018~2020年頃の第2フェーズ。「能力だけでなく、グッドパッチの価値観に合うか否かも重要な採用基準だよね」「現場や代表だけじゃなく、HR部門も積極的に採用に関わっていこう」と、採用への考え方や体制を変えていった時期でした。スタートアップ的な第1フェーズで一気に拡大したことによる歪みを修正するように、かなり大掛かりな体制変更に取り組みましたね。具体的には、各職種の採用定例を始めたり、面接官のトレーニングを本格的に導入したり、各現場へ主体的な採用活動を行うよう促したり…など。
今思い返しても、この時期には二度と戻りたくない…と思うほど大変でした(笑)。現場へスカウト送信の依頼をしても、なかなかうまくいかず。採用の相場観が共有できておらず、HR側と全く噛み合っていなかったんです。しかし、辛抱強く言い続けることで「採用は簡単にできないんだ」「日々努力しないと母集団形成できないんだ」とだんだん理解してもらえ、チームとして採用に向き合っていけるようになっていきました。
そして、現在地である第3フェーズは、組織的な採用活動をさらに研ぎ澄ましている時期。正直、第2フェーズはかなり突っ走っていたので、荒削りだったり、ドキュメント化されていない部分もかなりありまして。今はその修正や仕組み化を進めているところです。
ーー第2フェーズでかなり苦労があったんですね…。現場からの協力を得るために、どんな行動をされたんですか?
小山:「背中を見せること」です。最初は本当にそれだけをやっていましたね。現場がアクションしてくれないのは、もちろん忙しいなどの理由もあるとは思いますが、“納得感”がないのも大きな要因だと思うんです。その状況でただ「スカウトを送って」「主体性を持って」と言っても、正論を話しているだけの人になってしまう。それでは全く意味がありません。なのでまず、私自身がスカウトを作って送り、面談や面接もして結果を出していきました。すると徐々に「小山さんがあげてくる人悪くないね」「小山さんが入ってから採用も以前よるスムーズになってきたぞ」と私への評価が変わっていって、話を聞いてくれるようになりました。
つまり、現場を変えようとするのではなく、まずは自分を変えることがすごく重要。「この人の話なら聞いてやってもいいぞ」と思ってもらえるまで、逃げずに行動し続けることが納得感を醸成させる秘訣だと思います。
森岡さん(以下、森岡):私はその頃、新卒採用を主に担当していたので、小山さんの領域にはあまり関わっていないのですが、それでも徐々にオープンに話を聞いてくれる体制、意見交換ができる体制が作られていっているなと肌で感じていました。努力が実を結んだ結果だと思います。
ーー現在のフェーズでIPOも経験されていますが、その点での変化も感じましたか?
小山:上場したことによって会社の認知度や信頼度は上がったと思います。ですが、それで採用が楽になることはなかったですね(笑)。確かに母集団は形成されやすくなりますが、一方で安定性を求める方や、受け身な姿勢の方が増えた気がします。あとは上場していることによって継続的な事業成長が求められるようになり、採用する人の層も変わりました。そうなると採用上の競合も、それまでは制作会社やデザイン会社だったのが、メガベンチャーや戦略コンサルティングファームなどに変わっていって。今まで通りのやり方で採用活動をしてしまうと成長が鈍化してしまうだろうなと思っています。個人的には、あの“組織崩壊”以来、2度目の山が来たな…という感じですね。これからがまた踏ん張りどころです。
スカウトからの応募率を高める秘訣は、「規定演技」と「自由演技」の使い分け
ーー採用を進める際にWantedlyの使い方で、工夫している点はありますか?
永井さん(以下、永井):スカウトの送り方はやはり重要ですね。Wantedlyは、候補者の方ととてもカジュアルにやり取りできるのが大きな魅力。宛名のテンプレートひとつ取っても「○○様」「○○さま」「○○さん」と多様なバリエーションがあるのはWantedlyくらいだと思います。その機能を活用して、候補者の方がフランクにプロフィールを書いているようであれば「○○さん」を、候補者の方が重役クラスであれば「○○様」を使う…など、細かな部分に配慮しています。
あとは候補者の方はとても緊張されると思うので、こちらから積極的に「!」を使ったり、「そう言っていただけてすごく嬉しいです」など素直に気持ちを伝えるコミュニケーションを取ったりすることも気をつけている部分ですね。チャットとメールの間くらいの温度感で送るようにしています。
森岡:私はスカウトを送るタイミングもかなり意識しています。直近でWantedlyのスカウト経由で入社したメンバーがおり、当社に興味を持った理由を聞いてみたところ「Wantedlyに登録した時、すぐカジュアル面談のお誘いメッセージが来たのがグッドパッチだった」と話してくれました。その話を聞いてから、しつこいくらいにユーザーの方々のステータスを見るようになりました(笑)。新規登録した方、更新日付が新しい方、最終ログインが1日以内の方などには積極的にスカウトを送るようにしています。
小山:採用活動って、要所要所に「外してはいけないポイント」があると思います。例えばスカウト文面に入れるべき文言や、カジュアル面談で言ってはいけないことなど。どんなに良いスカウトを送ったとしても、面談の印象が最悪だったら全部が無意味になってしまいますよね。スカウトを送っておきながらカジュアル面談で「志望動機を教えてください」「何でレジュメを持ってきていないんですか?」などのようなズレた対応をしてしまうと、候補者の方からすると「いや、私を呼んだのそちら側ですよね?」となってしまう。そうならないよう、重要なポイントはしっかりルールやフォーマットを作ってあげた方が良いと思います。
逆に、ルールで固めすぎないことも大切。例えばスカウト文面にはその人の人格が出ると思うので、すべてを型化してしまうと違和感が出てしまいます。当社も以前、候補者の方から「スカウトの文面と面接担当者の印象が違った」というフィードバックをもらったことがあります。そこで、スカウトにはそれぞれの担当者らしさを適度に残しておくのが良いんだなと気づきました。もちろん丸投げするのではなく、規定演技の部分と自由演技の部分をうまく使い分けることが重要なのかなと考えています。
頼もしいメンバーと共に勝ち取った、2度目の「Best Team of the Year SILVER」
ーー今回の受賞の感想を聞かせてください。
永井:このような賞をいただくのは初めてなので、素直にとても嬉しいです!私は元々当社でデザイナーをしており、1年前に採用チームへ異動してきました。経験がないところからチャレンジングな仕事を任せてもらって、苦しいこともたくさんあったんですが、それが今回の賞で報われたような気分です。
森岡:もちろん賞をいただけたことは会社としても個人としても嬉しいのですが、一番は小山さんに対しての「やったね!」という思いが大きいですね。やはり小山さんがずっと先頭に立ってきて、辛いことも悲しいこともたくさんあったと思うんです。それを乗り越えたからこそ、出た結果なんだなと思います。
小山:前回賞をいただいた当時は、チームメンバーがおらず個人が受賞したという気持ちが強かったんです。周りの仲間が次々と辞めてしまった時期でもあったので。そこからいろんな壁にぶつかって、その度に周囲の人たちに助けられて、チームや仲間の重要性に気付かされた期間でもありました。今はとても頼もしいメンバーに恵まれ、今回チームとして受賞できたのがすごく感慨深いです。ありがとうございました。
ーー最後に皆さんの「ココロオドル」瞬間を教えてください!
永井:当社では面談前と面談後に任意のアンケートを取っているのですが、「永井さんと話してグッドパッチに興味を持った」「永井さんがいたから面接にリラックスした状態で挑めた」なんてフィードバックをいただけることがあります。私を通してグッドパッチを好きになってくれたり、良い体験をしてもらえたりした時は、とても嬉しくなりますね。
森岡:私たちは、候補者の方が最初に選考を受けるところから入社に至るまで、すべての工程に関わり続けるんですね。なので、自分が担当した社員は全員“我が子”のように思ってしまいます。もちろん自分より年上の方もいらっしゃるんですが、その社員が活躍しているのを見ると「あの子すごいでしょ、うちの子なんです!」と言ってしまいたくなるような(笑)。そんな社員の皆さんの活躍ぶりや試行錯誤している姿を見ている時が、ココロオドル瞬間ですね。
小山:組織は採用によって良くも悪くも変わっていくものだと思います。私はこれまで、グッドパッチの新サービスや新組織が立ち上がる瞬間に何度も立ち会っているのですが、中には新しい方が入ったことで立ち上がったサービスもあるんです。自分の採用活動で会社がより良く変わっていくのを目の当たりにした時は、やはり「やっていて良かったな」と思いますね。
ーー熱い言葉をありがとうございました!改めて、この度は受賞おめでとうございます!
時代の変化に伴い、採用への考え方はアップデートしていく必要があります。
以下の記事では、これからの採用に必要な基本的な考え方や、採用のトレンドについてわかりやすくまとめています。ぜひ合わせてご覧ください。
【採用の新常識】上手くいかない採用から脱却するために必要な考え方
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