ウォンテッドリー株式会社が主催する、年に一度の大型カンファレンス『FUZE』。こちらでは、毎年素晴らしい採用実績とWantedlyの運用実績を誇る企業をAWARDにて表彰しています。2022年のFUZEにて、見事【BEST TEAM OF THE YEAR GOLD】を受賞したのは、株式会社マネーフォワード(以下、マネーフォワード)の皆さんでした。
Wantedlyではさまざまな職種やインターンの募集を行っていますが、そのどれもが高水準の応募総数、PV数、スカウト反応率をマークしています。また、社員定着率も90%と非常に高いマネーフォワード。本記事では、重視している採用基準や、どの職種や部署においても採用を好調に進められている秘訣について伺いました。
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採用に役立つ「マーケティング」の考え方とは
これからの採用に欠かせない、マーケティングの基本的な考え方をご存知ですか?
求職者が求める価値観が多様化し、優秀な人材層の獲得競争が激化する現代において、自社に最適な人材を採用するためには「マーケティング」の視点が欠かせません。
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▼インタビューさせていただいた株式会社マネーフォワードの方々
・中途採用部 部長 川口 恵司 様
・中途採用部 手塚 ちひろ 様
・HRBP室(toB領域採用担当) 小野瀬 祐里 様
「カルチャーに共感いただける人しか採用しない」。全社共通の採用基準が、強い組織をつくる
ーー採用において、最も重視していることは何ですか?
川口さん(以下、川口):ずばり、カルチャーマッチですね。マネーフォワードは「Speed・Pride・Teamwork・Respect・Fun」という5つのカルチャーを掲げていて、これにマッチする方かどうか、またビジョン・ミッション・バリューに共感いただける方かどうかが重要な採用基準になっています。
手塚さん(以下、手塚):私も入社時はかなり驚いたのですが、デザイナーなどの専門職においても決してカルチャーマッチを妥協しないんです。専門職はどうしても希少性が高く、スキルや経験さえしっかりしていればカルチャーマッチの部分を多少目をつぶってでも採用したくなってしまうこともあると思います。
しかし当社は、どんなに優秀であってもカルチャーに共感いただけなさそうな方は入社に至りません。日々苦戦しながら採用活動を行っている私たちにとっては「ぐぬぬ…」と思うこともありますが(笑)。それが結果的に強い組織づくりに繋がっていると実感しています。
ーーどの部署の募集でも高い成果を残していますが、秘訣はどこにあるのでしょうか?
川口:実は、Wantedlyの運用は実際に採用する部署のメンバーが主体的に運用をしてくれています。創業期から「採用は全社一丸でおこなうもの」という“全社採用スタイル”が浸透しているので、部署でも高いクオリティの募集や記事を出してくれています。
例えば長期インターンの募集もかなり良い反応をいただいているのですが、Wantedlyの記事投稿や運用は各部署で自由に行っています。他にも、スカウト文面の作成や他媒体の記事作成なども、Wantedlyの運用と同様で各部署が主体的に対応してくれており、採用担当としては日々本当に感謝しています。
小野瀬さん(以下、小野瀬):採用段階でカルチャーマッチにこだわっているからこそ、主体的な組織風土が醸成されています。どんなことも自分事として捉えられるスタンスのメンバーが集まっているから、自然と協力体制がつくり上げられるんです。
ーー選考の際、カルチャーマッチしているか否かはどのように見極めるのですか?
小野瀬:面接では、過去現在未来を通して、その人の価値観にフォーカスした質問を中心にしています。
最初は転職理由の質問から入ったとしても、その方が一番大切にしている価値観が分かるまで「なぜ?」を繰り返していきます。
深堀りしていく中で、モチベーションの根源が収入UP、スキルアップなど自分の生活を豊かにすることにあっても良いとは思うのですが、最終的にはお客様や社会を良くすることにベクトルが向いているか、そのようなワーディングが出てくるかという点が採用の決め手になりやすいですね。これはマネーフォワードならではの特徴だと思います。実際に入社いただいた方からは、マネーフォワードの面接は他社よりも自分を深く知ろうとしてくれる温かみのある選考だったと言っていただけます。
カルチャーの浸透には、時間と手間、そして社員の意見が欠かせない
ーーなぜそんなにもカルチャーが浸透しているのか気になります。
川口:当社がMVVC(ミッション・ビジョン・バリュー・カルチャー)をつくり上げたのは2016年です。それから今日に至るまでの約7年間、経営陣が社外にも社内にもMVVCを発信し続けてきたんですよね。その地道な行動の結果が、今に繋がっていると思います。
手塚:ほぼ毎週、経営陣から社員に向けてMVVCの話があるので、私たちも「そこは大事にしないと」という感覚が身についていきます。効率的に一気に広められるものではないから、そこはもう地道な継続が一番なんだと思います。継続って、口では簡単に言えてもなかなか行動に移せない企業が多いのも事実ですよね。
小野瀬:もちろん最初からMVVCがすぐ浸透していったわけではなく、トライアンドエラーを重ねて今があります。
現在掲げているカルチャーは、みんなが共感しやすい言葉選びや解釈になっていると思います。MVVCのような会社の理念や行動指針は、作ったものの、結局「絵に書いた餅」状態になり、日常に接続していくことが難しいと思います。
その点、当社のものは「理想の人間像」に近いというか。自分もそうありたいと思える内容。だからこそ皆に受け入れられて、今に繋がっているのかなと思います。
ーー他に、カルチャー浸透のために行っている施策などはありますか?
小野瀬:社員同士で感謝を贈りあう社内システムを導入しています。このシステムの活用は、カルチャーの理解促進にも繋がっていると感じます。感謝されることで「これが、カルチャーでいう”Respect”か」とか、「”Speed”を意識すると、多方面から感謝されやすいんだな」など、カルチャーを体現した実感が湧きやすいからかもしれません。
インタラクティブな採用で掴み取った、BEST TEAM OF THE YEAR GOLD
ーーWantedlyではどのようにカルチャーの発信を行っていますか?
手塚:デザイナー職でスカウトをお送りする際は「こういうことやりたい」の項目は本当によく見させてもらいますね。候補者の方の過去の経歴と今後何をやりたいのかを読み取って、それが当社の方向性と合っているか?希望されているキャリアの機会をこちらが提供できるか?を照らし合わせています。
将来のビジョンは候補者一人ひとり違うからこそ、スカウト文面もその方の「こういうことやりたい」にできるだけ寄り添った内容にしています。あなたの目指したいことがマネーフォワードでできますよ、というメッセージングですね。それが結果的にカルチャーマッチになることもあります。
小野瀬:ビジネス職では、なるべく接点を増やせるようなスカウト運用を行っています。ファンを増やす“種まき”のために活用しているイメージです。
Wantedlyのユーザーはスタートアップ思考の方の比率が高いため、当社のように既に上場している会社はいいや……と思ってしまう方も多いです。その方々に対して「実はまだまだベンチャーなんですよ」「一度話してみませんか?」と接点を持ち、当社の大事にしているMVVCやまだまだチャレンジングなフェーズであることを実体験も踏まえて熱く語っています!
ーー今回の受賞の感想を聞かせてください。
手塚:すごく嬉しいです。個人的に、Wantedlyの「シゴトでココロオドルひとをふやす」というミッションにとても共感しています。
企業側が一方的に自社をアピールする時代はもう終わっていると思っていて、候補者の方の理想を読み解きながら採用を行うというインタラクティブな活動を意識していました。そこを今回評価していただいたのかなと思うと、また喜びもひとしおです。
小野瀬:本当に受賞できると思っていなかったので、驚いています。Wantedlyと同様のサービスを行っている企業は他にもありますが、登録している層が当社とマッチしているなと感じていますし、当社のメッセージをしっかり候補者の方へ伝えられているなという実感もあります。そんな大好きなWantedlyで受賞できたのがとても嬉しいです!
ーー最後に、みなさんの「ココロオドル」瞬間を教えてください!
小野瀬:私の前職は人材エージェントなのですが、人事へ転職した理由の1つに「入社した方がその後どう組織や事業に影響を与えているのかを見たかったから」があります。だから、月並みですが自分が採用に関わった方が活躍しているのを見る瞬間ですね。MVPを獲ったり、新しい部署が立ち上がったり、事業が大きくなったり…そういったシーンをみると、胸が熱くなります。
手塚:私は、採用が決まって「新しい方が入社されます」と報告した時の、部署の方々の反応を見る瞬間ですね。皆すごく嬉しそうにしてくれて「これから組織がもっと良くなるぞ!」という雰囲気が広がるんです。
採用は魔法ではないけれど、事業と組織の課題を解決するためには不可欠だと思っているので、チームの皆さんに元気を与えるきっかけになったなと思いますし、そういう瞬間を今後も増やしていきたいです。
川口:入社する方、受け入れる部署、そしてWantedlyの担当者の方も含めて、採用が決まった際に関わったステークホルダーの方々がココロオドル瞬間を見られるのが、私としてもココロオドル瞬間になっているのかなと思います。
ーーメッセージをありがとうございました!改めて、この度は受賞おめでとうございます!
時代の変化に伴い、採用への考え方はアップデートしていく必要があります。
以下の記事では、これからの採用に必要な基本的な考え方や、採用のトレンドについてわかりやすくまとめています。ぜひ合わせてご覧ください。
【採用の新常識】上手くいかない採用から脱却するために必要な考え方
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