近年メディアでは、女性の社会進出について触れられる機会が増えてきました。
従来は女性が少なかったエンジニアをはじめ、建設業や運輸業でも女性人材が増えており、今後ますます女性の社会進出は進んでいくでしょう。
一方で「女性をなかなか採用できない」「女性の採用にどのような社内整備が必要なのだろうか」と悩んでいる採用担当者も多いと思います。
本記事では女性採用が進む背景から、企業に求められる工夫、オススメの求人媒体をご紹介します。
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女性採用が進んでいる背景
まずは女性採用が進んでいる背景を解説します。
少子高齢化社会による労働人口の減少
2020年の総務省の調査によれば、同年の労働人口は約6,868万人となり2019年の6,886万人に比べて18万人減少しました。現在日本では少子高齢化が進み、今後ますます労働人口の減少が予想されています。
企業が労働人口の減少に対応するためにも、女性の採用を進めていく必要があります。
参考:総務省「労働力調査 2020年 平均結果の概要」
女性の社会進出が求められている
政府は2003年に「社会のあらゆる分野において、2020年までに指導的地位に占める女性の割合が30%程度となるよう期待する」と目標を掲げました。
さらに2015年には女性活躍推進法を成立。国をあげて男女雇用の平等化を進めています。
しかし実際は日本における女性の社会進出は進んでいません。日本経済新聞の記事によると、近年管理職に占める女性の割合は10%台でした。
同記事でアメリカは40%台、イギリスは30%台後半のため、日本における男女雇用機会の平等化は遅れているといえます。
女性活躍推進法に加えて、政府主導で推進されている「SDGs(国連サミットで採択された持続可能な開発目標)」には「ジェンダーの平等を実現しよう」という目標が含まれています。
これらの政府が関わるプロジェクトの影響もあり、男女雇用平等の実現に企業の協力が求められているのです。
参考:日本経済新聞「女性の管理職比率とは 米欧先行、日本は10%台」
女性採用で得られる4つのメリット
女性採用を進めるとどのようなメリットを得られるのでしょうか。ここでは女性を採用するメリットを紹介します。
1.即戦力を確保しやすくなる
幅広い人材へアプローチすれば、候補者の母数が増えます。候補者が増えれば採用の選択肢が広まり、求めるスキルを持った人材やカルチャーフィットした人材を採用しやすくなります。
女性のなかには高い専門技能を持っているものの、育児を機に退職を選んだ人もいます。育児が落ち着いたスキルの高い女性は、入社してすぐに活躍してくれることも期待できるでしょう。
さらに採用後に長期間働いてくれれば、「女性が活躍する企業」とアピールができます。女性の採用を続けるうちにノウハウも貯まり、採用活動も進めやすくなります。
2.企業のイメージアップにつながる
先に紹介した女性活用推進法やSDGsの影響から、民間では男女雇用機会の平等化を求める人が増加しています。女性の採用や管理職への登用を進めて女性の活躍を推進するイメージが定着すれば、採用活動を有利に進められます。
近年では女性の活躍のために社内制度を整備する企業も多く、厚生労働省のウェブサイトでは、女性の活躍が企業のイメージアップにつながり組織の活性化につながった事例が紹介されています。
参考:厚生労働省「女性編集長の誕生・活躍で、企業のイメージアップに貢献、また売上げ目標達成率はトップ!」
3.企業内に多様性が生まれる
消費者のニーズは年々多様化しており、ニーズに向き合う企業も増えています。敏感に課題をキャッチアップして新たなニーズに応えるためには、さまざまな背景を持つ人材のアイデアが必要です。
女性を採用すれば人材の多様化が進み、新たな価値観やアイデアを取り入れられるでしょう。
4.助成金や資本市場の投資を受けられる
政府や地方自治体は男女雇用の平等化を推進するため、助成制度を用意しています。たとえば厚生労働省では女性活躍加速化助成金として、制度が定めた目標を達成した企業に最大96万円を助成しています。
さらに近年では、女性の採用を進める企業が資本市場で注目されており、経済産業省と東京証券取引所が共同で運営する「なでしこ銘柄」で選定されているのは女性活躍機会に優れた上場企業です。
社会信用スコアが高く、持続可能な企業を評価する「ESG投資銘柄」はさまざまな証券会社が運営しています。これらの銘柄に選定されれば投資家から経営資金を得られるため、企業活動を優位に進められるでしょう。
参考:厚生労働省「女性活躍加速化について」
女性からの応募を増やす5つのポイント
女性を採用するために、企業にはどのような工夫が求められるのでしょうか。
ここでは女性からの応募を増やすポイントについて解説します。
1.ペルソナ設計をする
まずは候補者のニーズを把握するためにペルソナ設計をしましょう。
「ペルソナ」とはマーケティング関連において使われる概念で、企業や商品のターゲットとなる顧客層を指します。
ペルソナ設計では、自社の求める人材像に沿って、架空の人物の「年齢・居住地・家族構成・職業経験・前職の年収・趣味・仕事への価値観」などを書き出します。
<ペルソナの例>
男性、31歳、独身、都内在住
食品会社で営業を8年経験、年収500万円、趣味はスポーツ観戦
ペルソナは「ペルソナA」「ペルソナB」「ペルソナC」と複数の人物像を設計し、実在しそうなリアルな人物像を書き出しましょう。
ペルソナ設計に苦労する場合は、似た境遇の知人や社員に話を聞くこともオススメです。
2.ペルソナにあった訴求ポイントを書き出す
次に、ペルソナにあった自社の魅力を洗い出します。
「女性の管理職登用に積極的」
「マネジメント層に子育て世代が多く、育児に理解がある」
「育児休暇がとりやすい」
「社員のキャリアパスを支援する研修やメンタリングを行っている」
もし制度がない場合は、女性が働きやすいよう新しく制度を設けることも検討しましょう。
訴求ポイントはペルソナによって異なります。子育て中の場合はリモートワークや時短勤務のニーズが強いでしょうし、新卒の場合は成長機会を求めているかもしれません。
立場や価値観が異なるペルソナの悩みやニーズに寄り添った魅力を訴求しましょう。
3.女性特有のニーズに着目する
求人募集をかけるタイミングでは、女性特有のニーズに着目しましょう。
「育児休暇から復帰後も活躍できるか」
「男女関係なく評価してもらえるか」
「オフィスの更衣室にパウダールームを併設しているか」
などが考えられます。
これらのニーズを満たしている企業は女性人材からの評価が高まり、応募数も増加する傾向にあります。必要な場合は設備の整備を進め、候補者が魅力的だと感じる求人情報を掲載してアピールしましょう。
4.厚生労働省の「女性活躍企業認定」を取得する
厚生労働省は、女性が活躍しやすい企業の認定制度として「えるぼし制度」を、子育てをサポートする企業の認定制度として「くるみん制度」を運営しています。
それぞれ厚生労働省に申請を行ない、認定基準を満たした企業にはマークの使用が許可されます。「えるぼし」や「くるみん」を取得すれば、国が「女性が働きやすい企業」と認めた証になり、女性の採用にプラスの影響が期待できるでしょう。
さらに、認定を受けた企業は、公共資金や低金利融資の調達も可能です。採用活動だけでなく、経営面でも良い効果が得られます。
参考:厚生労働省
「女性活躍推進法に基づく認定制度」
「くるみんマークの認定とは」
5.採用手法を変える
現在進めている採用手法で効果が上がらない場合、媒体や手法の変更が効果的でしょう。
異なる手法の例として、女性特化型求人サイトやダイレクトリクルーティングの活用をはじめ、ブログやSNSを活用したり、リファラル採用を取り入れるなどさまざまな手法が考えられます。
企業が自ら情報を発信して候補者をスカウトする「ダイレクトリクルーティング」は企業のビジョンやミッションを伝えやすく、やりがいを重視する人材の採用に向いています。
ダイレクトリクルーティングで女性を採用する場合は、Wantedlyがオススメです。
Wantedlyは約300万人の候補者が登録しており、企業が記事を投稿して自社の魅力を発信できるブログ機能やダイレクトスカウトの機能を備えています。
Wantedlyの特徴であるブログ機能を利用して女性が働きやすい環境であることを発信することで、女性応募の増加につなげることが可能でしょう。
【参考】採用手法の比較8選|メリットデメリット、料金まで解説
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/method
女性特化型の求人媒体4選
求人媒体のなかには女性採用に特化した媒体があります。ここでは4つの女性特化型求人媒体を紹介します。
女の転職type
登録会員数は約130万人で、全国の正社員求人を掲載しています。
職種はバックオフィスや営業・企画系、クリエイティブ系、エンジニアやコンサルタントなど幅広く対応。
「ブランクありOK」「時短勤務あり」「産育休活用有」「育児と両立OK」など女性のニーズに沿ったカテゴリーがあり、女性が活躍している企業のインタビューも掲載しているので女性からの支持率が高いサービスです。
とらばーゆ
事務・医療・ファッション・美容など女性人材が多い領域に特化したサイトで、全国の求人を掲載。「子育てママ在籍中」「産休・育休取得実績あり」など、働きやすさを重視した条件検索を用意しています。
美容・ファッション・看護など各領域に特化した専門サイトも併設しているので、経験者へアプローチも可能です。
関連情報:とらばーゆの特徴・レビュー紹介ページ
しゅふJOB
主婦(夫)の採用に特化したサイトで、子育て世代へ効果的なアプローチが見込めます。大手から中小企業まで2.2万社以上の導入実績があり、採用コストも平均1.5万円以下と低コストで採用可能です。
「扶養枠内で働きたい」「家事や子育てと両立したい」と考えている登録者が多く、パートやアルバイトの雇用に適しています。
関連情報:しゅふJOBの特徴・レビュー紹介ページ
LiBzCAREER
女性特化型のダイレクトリクルーティングサービスで、企業が候補者を直接スカウトできます。登録者の多くは営業や管理部門、PR、マーケティングなど、現職で活躍している女性で、オフィスワークに特化した即戦力の採用に適しています。
まとめ
女性の活躍は近年ますます求められており、企業活動を円滑に進めるために女性の採用を進める必要性が高まっています。
さらに昨今では価値観の多様化が進み、消費者のニーズも幅広くなりました。
多様なニーズに対応するためには社内のダイバーシティ化が必要です。女性人材の採用を進めて、さまざまなビジネスアイデアを取り入れてみましょう。