中途採用で即戦力を見極めるコツ|面接チェック項目を紹介

「中途採用で即戦力となる人材がなかなか採用できない」
「即戦力と思って中途採用した人材が期待外れだった」

企業にとって多くのメリットをもたらす中途人材のニーズは高く、採用の難易度も上がっているようです。

本記事では、即戦力を求める中途採用に必要な前準備と、見極めポイントを解説します。

中途人材を採用した企業によくある失敗や思い込みもまとめてみました。また、即戦力人材の採用に成功した企業の事例もご紹介しています。ぜひ参考にしてください。

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中途採用における「即戦力人材」とは

中途採用における即戦力人材とは、「業務に必要な知識・スキルをすでに持っており、入社後すぐに仕事を任せられる人材」のことを指します。

就業経験のない学生や職種未経験の人材ではなく、即戦力となる人材を採用するメリット・デメリットは以下の通りです。

即戦力人材を採用するメリット
・早期活躍が期待できる
・教育コストが抑えられる
・新たな知識やノウハウを吸収できる

即戦力人材を採用するデメリット
・母集団形成が難しい(採用要件を満たす人材が限られる)
・スキルが高い分、採用コストも高い傾向にある

また、即戦力となる人材には以下の傾向があります。入社後すぐに活躍できるかどうかは、スキルだけでなく性格や価値観も重要といえるでしょう。

即戦力になる可能性が高い人材
・自ら考えて行動できる
・メンバーを尊重し、協調する姿勢がある
・新しいやり方を素直に受け入れられる

即戦力になる可能性が低い人材
・仕事や人間関係に対して消極的である
・向上心が低く、キャリアプランがない
・自分のやり方に対するこだわりが強い

中途採用で即戦力を求める企業によくある失敗・思い込み

前述のメリットが期待できる一方で、即戦力と思って採用しても期待外れとなるケースも少なくありません。

その理由として、実は企業が即戦力の中途採用において間違った思い込みや施策を行っている場合もあるのです。ここでは、中途採用において企業にありがちな失敗や思い込みを紹介していきます。

1.中途人材が即戦力とは限らない

中途人材だから即戦力、とは限りません。同業・同職種での就業経験があっても、人材のレベル・スペックは以下のような点で千差万別です。

・以前働いていた企業の教育レベル
・経験してきた業務内容、レベル、範囲
・本人の仕事に対する価値観・姿勢

同じ企業で働いていても、同じ就業期間における成長度は異なります。たとえば、「大企業」「同職種」「経験がある」などの条件で、即戦力人材と決めつけるのは早計なのです。

2.長年の経験が仇になる人材もいる

高い実績をあげる優秀な人材ほど、自分なりの仕事の進め方を持っています。就業経験の中で試行錯誤をしながら見つけ出した「前職で」成果を出せるやり方です。

前職の企業に浸透していた方法が、もっとも成果が出たと認識しているかもしれません。

しかし前職でのやり方が、自社では通用しないことも多々あります。

このとき、人材は自社の方針や進め方を受け入れ、変えていかなければなりません。長い経験を持つ人材になると、この転換が難しいケースも多いようです。

3.社風に馴染めなければ成果は出せない

自社にとって魅力的なスキルや実績を持つ人材でも注意しておきたい点があります。社風に馴染める価値観や人柄を備えているかどうかです。

どんなに高度な人材であっても、この点がずれているとスムーズに実績を出せないことが多いのです。

採用しても、期待するような活躍に繋がらなかったり、現場に良くない雰囲気をもたらしてしまうこともあります。

人材にとっても思い描く成果をあげにくい環境になりやすく、早期退職となるケースも少なくないようです。

社風による採用ミスマッチの具体的な対策は以下の記事で解説していますので、ぜひご確認ください。

【参考】採用のミスマッチを防ぐためには|原因と有効な対策
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/mismatch/

4.優秀でも結果を出すには多少なりとも時間がかかる

どれだけ優秀な人材であっても、新しい環境ですぐには結果を出せません。先の項目にもあるように、自社の方針ややり方、現場のメンバーに馴染む時間が必要だからです。

できるだけ早く馴染んでもらうためにも、自社独自のやり方についての教育・育成が求められます。

即戦力人材だから必要ないと手放しの期待を持たず、活躍してもらうための努力をしましょう。

即戦力人材を採用するために面接でチェックすべき3項目

中途採用で即戦力人材を採用するためには、面接で次の3点を必ず確認しましょう。

1.業務課題への取り組み過程

即戦力となりうるスキルをもっているかどうかは、過去の実績からではなく、「業務課題への取り組み過程」から判断しましょう。

一見輝かしい実績に見えても、ほぼチームメンバーの成果によるもので、本人の能力・努力による成果とはいえない場合もあります。

したがって面接では、具体的にどんな業務を担当していたか、どんな問題をどのように解決したかなど、プロセスを深掘りしていくことで個人のスキルを判断しましょう。エンジニアやデザイナーなどの専門性の高い職種の場合は、現場社員に同席・質問してもらうのがオススメです。

2.主体性・柔軟性などのパーソナリティ

メンバーと上手くコミュニケーションが取れない人材や、前職のやり方に固執してしまう人材は、十分なスキルをもっていても即戦力とはなりません。

キャリアが長く、実績のある中途採用者ほど、自分のやり方にこだわりをもっている傾向があります。今までと異なるやり方・価値観を素直に受け入れ、新たな環境にすぐ馴染める人材かどうか、コミュニケーション能力・主体性・柔軟性などのパーソナリティ面も必ずチェックしましょう。

3.カルチャーとのマッチング

カルチャーや社風とのマッチングは、入社後のモチベーションに大きく影響します。どんなに即戦力となりうるスキルをもっていても、早期離職してしまったら採用成功とはいえません。

即戦力人材の「定着」を実現するためには、以下の2点をチェックするとよいでしょう。

・候補者のやりたいことは、自社のミッションや経営方針と一致しているか
・候補者の価値観や志向性は、社風や既存メンバーのスタイルとマッチしているか

【参考】カルチャーフィットとは?社風にあう人材を採用するコツ|事例つき
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/culture_fit/

即戦力人材を採用するための5つの準備

では、即戦力人材が欲しいとき、採用活動を開始する前と活動中にやっておきたい準備を解説します。

準備しているか否かで、採用成果に大きな差が出ることからです。ぜひ、現状の採用戦略やプロセスに照らしながら、不足がないか確かめてください。

1.採用基準や求める人材像を明確にする

採用活動に入る前に、自社がどのような人材を求めているかを明確にすることが大事です。さらに、スキルや経験、適性や人柄、将来展望など、人材像も具体化しておきましょう。

経営や事業の戦略・計画に対して必要な要素、あるいは現状で不足している点や問題点から見ていくと考えやすくなります。

自社(部署やチームなど)の理想の姿と現状のギャップを埋める人材が、どのような人材なのかを明かにするのです。

できる限り具体的な基準に落とし込んでおくと、選考時に該当するか否かの判断がしやすくなします。人材像を明確にするための具体的な方法については、以下の記事をご確認ください。

【参考】採用ペルソナの簡単な作り方|新卒・中途別に徹底解説
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/persona/

【参考】採用基準|必須3要素と設定方法・注意点を紹介【具体例あり】
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/recruit_standard/

2.企業情報を過不足なく伝える

即戦力として活躍できる人材かどうかを見極めるために、採用側としては人材の情報をより多くより深く集めたいですよね。

同時に、企業情報や求める人材像など自社のことを具体的に過不足なく伝えることも大事です。求人案内やアプローチの段階から意識しましょう。

求める人材像がきちんと伝えられていれば、より近い人材が集まります。具体的であるほど、人材側の判断は容易に、かつ的確になるのです。

自社が抱える問題点や課題など、等身大の自社を理解してもらうことが人材からの信頼獲得や入社意欲の喚起に繋がることもあります。

求人票の書き方のノウハウはこちらの記事で解説していますので、ぜひご確認ください。

【参考】求人広告の正しい書き方とコツ|失敗例も公開https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/howtowrite_joblisting/

3.カジュアル面談を実施する

即戦力となり得る優秀層にリーチするためには、選考を前提としない「カジュアル面談」が有効です。

カジュアル面談とは、選考前に求職者と社員がカジュアルに話をし、相互理解を深める機会のことを指します。

選考ではないため候補者側の応募・参加のハードルが低く、従来の採用活動では出会えなかった優秀層や転職潜在層にもリーチできるのがメリットです。

また、合否のない面談だからこそ候補者の本音が聞きやすく、面談を通じて企業理解を深めてもらえるためミスマッチも防げます。

Wantedlyでは、カジュアル面談で必ず知っておくべき知識やノウハウを1つの資料にわかりやすくまとめています。ぜひ一度確認してみてください。

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【参考】カジュアル面談とは?面接との違い・メリット・進め方のコツを解説
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/casual_interview/

4.候補者の価値観や不安を理解する

中途人材は、自らの就業経験から、転職で重視するポイントを持っているものです。

たとえば、「やりたいことができる」「自分の経験やスキルを活かせる」「待遇やワークライフバランス」「転職先企業の将来性」などがよくあがります。

また、多かれ少なかれ、転職に対する不安も抱いているようです。「今の企業を飛び出した場合の自分の市場価値」「転職でキャリアアップできるかどうか」「自分の経験やスキルが通用するか」などがよく聞かれる項目です。

もちろん、一人ひとり仕事や転職に対する視点は異なりますし、不安要素もそれぞれでしょう。

中途人材の心理の傾向を理解し、情報発信やコミュニケーションの場面で反映させることをオススメします。

5.自社の面接力を磨く

何をどのように質問するかで、候補者から得られる情報は変わります。自社が必要とする人材かどうか、自社にフィットする人材かどうかを判断するには適切な質問をしなければなりません。

そのためには一定の面接スキルが求められます。複数の面接官がいれば、それぞれの主観で判断しないよう面接内容や判断基準を明確にしておくことが大切です。

以下の記事では、面接官が心得ておくべき知識や面接官トレーニングの手法を解説しています。ぜひあわせてご確認ください。

【参考】面接官トレーニングで自社にあった人材を採用する|面談・面接に役立つナレッジを解説
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/interviewer_training/

即戦力となってもらうための入社後フォロー施策3選

同業種・職種における就業経験もあり、基礎的スキルを持つ人材に対しても、新しい職場として研修や教育が必要です。

中途人材を採用したときに人材にぜひ提供しておきたいフォローアップの内容を解説します。

1.求めるスキル・役割を明確にする

業務を進めためには十分なスキルが必要ですが、一人で完結できる業務はそれほど多くありません。ですから、個々の人材に求めるスキルと役割について、採用活動の段階から明確に伝えるようにしましょう。

自分に求められるものが何なのか認識できていれば、迷いや不安を抱くことなく、的を射た努力ができます。

2.サポート・フォローの体制を整備する

どれだけ優秀な人材も、入社後の新しい環境に慣れる時間とサポートが必要です。自社のやり方への順応を求めるなら現場でそのやり方を十分に理解してもらわなければなりません。

中途人材は年齢やポジションの関係で、気付かぬうちに放置となることがよくあります。

誰が教えるのか、あるいはわからないことを誰に聞けばいいのかなどは、企業側で体制を決め、人材に伝えましょう。

【参考】オンボーディングとは?目的・導入の流れを解説【施策例つき】
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/onboarding/

3.定期的に面談を実施する

入社後は、定期的に面談の機会を設けることをオススメします。職場に馴染んでしまうまでは、人材は自己開示できる場所を必要とするのです。

順調な場合もあれば、問題や悩みの開示もあるでしょう。

放置すれば現場での問題が大きくなったり、早期離職を招くこともあります。適切なフォローができれば、人材にとってプラスの環境に改善できるのです。

【参考】1on1ミーティングとは?目的や実施のメリットについて徹底解説
https://www.wantedly.com/hiringeek/organization/1on1-mtg/

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即戦力の中途採用に成功した事例3選

では、ここで中途の即戦力採用に成功した3つの企業の事例をご紹介します。

1.ビジョンやミッションを深く訴求して母集団形成

株式会社トヨコーは、BtoB企業のため知名度の低さを課題とされていました。そこで、自社のビジョンやミッションをWantedlyを使って徹底訴求。

定期的な自社情報の発信によって、フォロワー数も増えていったそうです。ストックされていく情報量がファン化にも貢献。9か月で3名の即戦力人材を獲得されています。

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参考URL:『知られざる静岡発の建設ベンチャー! 約9ヶ月で3名の即戦力人材の採用成功に至った秘訣

2.地方から県外人材に効果的な訴求・アプローチ

採用手法 サンクレア

株式会社サン・クレアは、地元の人材だけでなく、海外や首都圏で経験を積んだ即戦力人材も欲しかったそうです。そこで、Wantedlyで会社のビジョンを存分に打ち出すことに。

ダイレクトスカウト機能を使って「転職意向が強く」「自社が求める」人材に直接アプローチされています。

求職者のプライベート写真や連携するSNS情報も判断材料にしたそうです。結果、8名の県外人材を採用されました。

▶サンクレア社が採用成功したWantedlyのサービス資料をダウンロードする

参考URL:『地方企業こそスカウトを利用せよ。広島県福山市のホテル運営会社がWantedlyで県外人材8名を採用したワザとは

3.自社が強みとする技術を前面に出してアピール

オムニス 採用 手法

知名度ではなく技術的な強みを打ち出して人材募集をしたかったという株式会社オムニス。Wantedly掲載の自由度の高さを有効に使い、工夫を凝らした発信をされています。

工数をかけられない分、オプションの「トップページ広告」と「SNS広告」の併用で露出度をアップ。

これにより、エンジニアのエントリーも増え、バックエンドエンジニア2名、マネジメントクラス2名の採用に成功されています。人材紹介と比べて、採用コストも抑えられたそうです。

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参考URL:『優秀なバックエンドエンジニアを2名採用。2週間でエントリー数を倍にしたWantedly+αの採用方法とは。

まとめ

中途の即戦力人材は多くの企業にメリットをもたらしますが、即戦力人材を獲得する難易度も高くなっています。

ご紹介した採用の事前準備と見極めポイントなども、貴社の採用活動の参考にしてください。また、中途人材に対しても入社後のフォロー体制をしっかり整えておきましょう。

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