新卒一括採用撤廃!?大学1年生で内定も!?内定早期化の背景や対応策を解説

少子高齢化や人材の流動化を背景に、新卒採用や中途採用に力を入れる企業が増加しています。新卒採用ではインターン制度の普及も影響しており、毎年のように内定の早期化が進んでいます。

また、コロナ禍の2022年に経済産業省が「新卒一括採用」制度について変化を予見する発言をしたことも話題となりました。「新卒一括採用 撤廃」についての発信や議論はここ数年で増加の一途を辿っています。「新卒」という概念にとらわれず、学生を「ポテンシャルビジネスパーソン」として、これまで以上に柔軟に獲得に臨んでいく必要があります。

参考:【経済産業省】「未来人材ビジョン」
参考:【人事ZINE】「新卒一括採用は廃止されるのか?見直しのポイントやデメリットを解説」

 

こうした環境において、企業は「新卒採用→ポテンシャルリクルーティング」にどう取り組めばよいのでしょうか。今回は内定早期化の現状や内定が早期化する理由、また企業が取り組むべき対策を解説します。

進む内定の早期化

学生の就職活動と企業の内定出しが早期化しています。2024年秋には内定の早期化を象徴するような企業の採用制度変更が報じられ反響を呼んだばかりです。

ここでは、内定早期化の現状とメリット・デメリットを説明します。

1.大学1年生から選考に参加できる企業も

星野リゾートが2024年10月1日に「学年問わず選考に参加できる通年採用を開始」と発表しました。大学1年生から応募できる採用活動として話題になっており、メディアは「大学1年でも内定」と報じてその意義を論じています。

星野リゾートはポテンシャルリクルーティングが企業側のスケジュールによって進むため、限られた期間で内定の獲得を目指さざるを得ない学生との関係が非対等であると指摘し問題視しています。そのため、学生と企業が対等な関係を構築できる採用活動として学年を問わず参加できる通年採用を開始したと説明。

新しいポテンシャルリクルーティングは大学1年生から学年を問わず選考に参加できるといい、学生が選考に参加したいと考えたタイミングで応募できる制度となっています。星野リゾート側ではセミナーやインターンシップを通じて学生に対し企業理解を深めるための機会を数多く用意し、働き方や価値観がマッチするかどうか確かめて欲しいと述べています。

今回の発表を報じたメディアは学生や企業担当者からの評価を紹介していますが、星野リゾートの新しい採用制度に対しては否定的な評価が多いようです。学生からは「4年間ずっと就活するの?」、企業担当者からは「採用活動の費用対効果が悪化する」などの声が紹介されており、「星野リゾートの新制度が大きく広がることはなさそうです」と結論付けています。

とは言え、採用担当者は星野リゾートの施策を内定早期化の象徴と感じて危機感を強めており、自社の学生獲得活動のあり方を考える契機にもなっているようです。

引用:【星野リゾート】観光業界初!学年問わず選考に参加できる通年採用を開始、「学生主体の就活」へ
引用:【東洋経済ONLINE】星野リゾート、総スカン「大学1年でも内定」の意義

2.内定早期化の現状

企業の採用担当者なら感じているであろう内定早期化の進展ですが、現状はどうなっているのでしょうか。株式会社リクルート「就職みらい研究所」が、新卒学生の内定率を「就職プロセス調査」として毎月発表しています。

2025年卒を対象とした2024年の内定率は以下の通りで、前年との比較も掲載されています。

2月1日時点 23.9%(+4.0ポイント)
3月1日時点 40.3%(+10.0ポイント)
4月1日時点 58.1%(+9.7ポイント)
5月1日時点 72.4%(+7.3ポイント)
6月1日時点 82.4%(+2.8ポイント)

広報解禁日である3月1日の段階で4割の学生が内定を獲得しており、前年よりも10ポイント高くなっている点が内定の早期化を示しています。

2024年3月1日にはNHKも就職活動の本格的なスタートを「早期化の傾向強まる」と報じていました。記事では内定の早期化とともに内定を受けた学生のうち半数近くが複数社から受けている点も指摘しています。

ポテンシャルリクルーティング活動を取り巻く環境は大きく変化しており、採用担当者は内定早期化への対応を迫られています。

引用:【就職みらい研究所】就職状況調査 2025年卒
引用:【NHK】大学生の就職活動 本格的スタート “早期化の傾向強まる”

3.内定早期化のメリット・デメリット

内定の早期化は企業にとってどのようなメリット・デメリットをもたらすのでしょうか。メリットとしてはまず、採用活動の時期が前倒しされるため優秀な学生に出会うチャンスの広がりがあげられます。

多くの学生は、希望する企業からの内定を獲得した段階で就職活動を終了してしまいます。そのため、採用活動を他社より遅く開始した企業の場合、優秀な学生との接触機会は限られてしまうのです。

採用活動と内定出しの早期化は企業にとって優秀な学生と出会えるチャンスとなりますが、一方で入社までの期間が長期化するデメリットも考えねばなりません。内定期間が長くなる分、従来より内定者へのサポートに工数やコストが必要となるためです。

優秀な学生にはダイレクトスカウトなどによって内定期間中にも他社からアプローチが寄せられます。また、内定期間中の経験や価値観の変化によって別の業界や企業に興味を持ってしまうかもしれません。

したがって、学生が内定を承諾した場合でも企業にはさまざまな形による内定者フォローの継続が求められます。こうした施策やサポートにかかる工数やコストが、内定早期化のもたらすデメリットとなります。

内定が早期化する理由

内定の早期化が進展する要因はどこにあるのでしょうか。3つの点から説明します。

1.人手不足による採用の難化

マイナビ企業新卒内定状況調査によると、2024年のポテンシャルリクルーティング活動における企業の採用充足率は75.8%でした。2022年新卒の83.6%に対して2023年新卒は81.3%、そして2024年新卒が80%割れと、ポテンシャルリクルーティング活動における企業の充足率は低下が続いています。

大卒の求人倍率も高まっています。リクルートワークス研究所の大卒求人倍率調査によると、2025年新卒の大卒求人倍率は1.75で、2024年新卒の1.71からやや上昇しました。

新型コロナ禍の影響を受けた2022年新卒の大卒求人倍率1.50から0.25ポイントのアップとなっています。

企業の採用活動は現状でも厳しさを増していますが、内定の早期化が加速しているのは日本国内の人口減少も要因を構成しています。人口の減少に伴って若年層も減っていくためです。

文部科学省の「大学への進学者数の将来推計について」によると、2017年の大学進学者数は629千名でしたが、2033年には569千名、2040年になると506千名にまで減少すると予測されています。

企業の発展に必要な人材を獲得するため長期的な視点で行われているポテンシャルリクルーティング活動においては、将来的な人口減少の影響を最小限にとどめるためにも、優秀な人材の確保が大きな課題となります。こうした心理的な危機感も、企業の採用活動と内定出しの早期化を招いています。

引用:【マイナビCAREER RESEARCH LAB】2024年卒企業新卒内定状況調査
引用:【リクルートワークス研究所】大卒求人倍率調査
引用:【文部科学省】大学への進学者数の将来推計について

2.就活スケジュールの形骸化

日本では従来、採用面接の解禁日などを定めたいわゆる「就活ルール」に沿った採用活動が一般的でした。就活ルールは学業への影響を最小限にとどめるため経団連が策定していた指針です。

しかし近年、IT関連企業や外資系企業など経団連に加入していない企業による採用活動の早期化が目立ちはじめ、経団連の会員企業では危機感が高まっていました。こうした現状から経団連は2018年に就活ルールの廃止を決定。

その後は政府が主導して「就職・採用活動に関する要請」が発表されてきました。政府が発表している2025年新卒の就職・採用活動日程は以下の通りとなっています。

広報活動開始  :卒業・修了年度に入る3月1日以降
採用選考活動開始:卒業・修了年度の6月1日以降
正式な内定日  :卒業・修了年度の10月1日以降

しかしながら、この日程も半ば形骸化しており、学生・企業ともに就職活動・採用活動を前倒しして実施するようになっています。内定の早期化は、従来の就活ルールが形骸化し企業が採用活動のスケジュールを柔軟に運用するようになっている点も影響しています。

引用:【内閣官房】就職・採用活動に関する要請

3.インターンシップの改正

インターンシップの取り扱い変更も内定の早期化に影響しています。従来、インターンシップは職業体験と位置づけられ、参加した学生への選考は認められていませんでした。

しかし、インターンシップを事実上の早期選考に利用する企業が増加したため、2022年6月に文部科学省・厚生労働省・経済産業省は「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」を改正。2025年新卒学生向けのインターンシップから以下の4つに類型化した上で、一定の基準を満たした場合に選考への利用を認めるよう見直しました。

「インターンシップ」とは称さない
   就業体験を必須とせず、「個社・業界の情報提供等」や「教育」が目的

     タイプ1:オープン・カンパニー
     タイプ2:キャリア教育

「インターンシップ」と称して実施
   就業体験が必須 「自身の能力の見極め」や「評価材料の取得」が目的

     タイプ3:汎用的能力・専門活用型インターンシップ
     タイプ4:高度専門型インターンシップ(試行)

こうした変更も、インターンシップを活用した採用活動の加速につながっており、内定の早期化に影響しています。

これからの企業の取組みは

内定の早期化が進む中で、企業はどのような点に注意しながら採用活動を進めればよいのでしょうか。3つの点から説明します。

1.採用のスタートラインを意識する

従来の採用活動は経団連の就活ルールに沿って行われる短期決戦が特徴でした。ヨーイドンで一斉にスタートし、求人メディアを利用するなど露出を増やして候補者を数多く確保、一気に選考し内定を出すスタイルです。

しかし、インターンの利用拡大など学生との早期接触が増加しているため、他社の動きにあわせた横並びの採用活動では優秀な人材を確保できなくなっています。

また、中途採用で転職潜在層へのアプローチが重要であるとの認識が広まり、ポテンシャルリクルーティングにも影響しています。まだ具体的に就職を考えていない、就職潜在層とも言える学生にとって気になる存在になれていれば、彼らが実際に就職活動を開始した段階で採用活動を有利に進められるからです。

優秀な学生を採用できている企業は、就職活動中であるか否かにかかわらずSNSなどのタッチポイントを有効活用してアプローチを進めています。

企業は採用活動を短期決戦ではなく長期戦であると認識する必要があります。採用活動のスタートラインは就活ルールの日程ではなく、年間を通じた学生へのアプローチと考えましょう。

2.選考プロセスを変える

内定の早期化に対応するには、選考プロセスに対する意識の改革も求められます。選考プロセスは従来、「自社に入りたいと思っている人」を集めてふるいにかける形で組み立てられていました。

しかし、人口が減り続けるこれからの日本では、採用活動における企業の立場はどんどん弱くなっていきます。「自社に入りたいと思っている人」を集める思考ではなく、「理想の候補者」にどうリーチしていくのかを考えるべきです。

そのために必要なのが、カジュアル面談に代表される間口を広げた選考プロセスの導入です。カジュアル面談は通常の採用面接とは異なり、履歴書やエントリーシートを必要としない気軽な意見交換を特徴としています。

間口が広い分、候補者にとってハードルが下がるため、企業には優秀な人材と出会えるメリットがあります。また、オンラインで実施すれば学生側に時間や労力、コストを強いるデメリットもありません。

気軽に参加できる選考プロセスを実現し、優秀な人材との接点として活用しましょう。

3.学生とのタッチポイントを強化する

従来の採用活動では企業にとって必須だった就活サイトの影響力が低下しています。

2022年10~12月に大学生を対象に実施された調査では、就活ナビサイトの利用が2021年の78.8%から2022年には67.4%に減少しているとの結果が発表されています。企業のタッチポイントが増えており、学生はさまざまな手段で企業情報を取得するようになっているためです。

同調査ではSNS上の就活関連広告から応募した経験も、2021年の17.5%に対し2022年には20.7%が「ある」と回答している結果が示されています。SNSはLINEやX、InstagramだけでなくYouTubeやTikTokなど幅広いメディアが活用されていますが、それだけではありません。

学生にダイレクトスカウトを送付してタッチポイントとして活用している企業も増加しています。また、自社に関心を持ってもらうための採用広報プラットフォームを利用するケースも増えており、就活サイトの影響力が相対的に低下しているのです。

内定の早期化に対応するためには、さまざまな手段でタッチポイントを強化する必要もあります。

引用:【PR TIMES】ナビサイトの利用率が減少中!?『大学生の就活に関するアンケート調査』を公開

学生採用力の強化にWantedlyが最適な理由

ポテンシャルリクルーティング活動に多彩なタッチポイントが求められる中、Wantedlyが採用活動に最適な理由を4つの点から説明します。

1.共感を醸成できる

ポテンシャルリクルーティング活動の対象となるZ世代学生は価値観の多様化や個性の尊重、社会貢献性の重視などの特徴を持っています。そのため、自社に興味を持ってもらうためには、従来のように企業の安定性や事業の魅力、ハイパフォーマー人材によるやりがいの訴求では十分とは言えません。

多様な価値観に応えるための制度・施策やワークライフバランスの充実を通じた個性重視、それに企業の社会貢献など多面的な訴求が求められます。Wantedlyなら企業が重んじる価値観を40以上の選択肢から選べ、学生が共感できる企業を選びやすくなっています。

またブログ形式でコンテンツを自由に発信できるストーリーはカルチャーや制度、個性的な社員など企業の魅力と素顔を伝え共感を生み出せるのが特徴です。

さらに募集ページは事業の「なぜ」を中心に構成されています。「なにをやっているのか」「なぜやるのか」「どうやっているか」の各項目で、共感の醸成を図れます。

Wantedlyなら、Z世代の学生から共感を獲得するための仕組みが揃っており、ポテンシャルリクルーティング活動に最適です。

2.優秀な学生にリーチできる

内定の早期化をはじめ採用競争が激化する中、企業は学生に対して積極的なリーチ手段を取り入れはじめています。優秀な学生に直接コンタクトできる採用手法の導入です。

Wantedlyも優秀な人材に直接アプローチできるダイレクトスカウトで企業のニーズに対応しています。ダイレクトスカウトは「攻めの採用」とも呼ばれ、求める人材に対して直接メッセージを送れるのが特徴です。

Wantedlyには400万名以上のユーザーが登録しており、学生も数多く含まれています。検索条件には職種や地域、最終ログインだけでなく新卒フィルターも用意されており、特定の学年だけに送信できます。

ダイレクトスカウトなら、まだ自社を認知していない優秀な学生にも直接アプローチが可能です。さらに、まだ就職活動に取り組んでいない学生も対象にできるため、就職潜在層へのリーチにも対応しています。

Wantedlyなら、就職活動前の学生にもいち早くアプローチでき採用活動を有利に展開できます。

3.インターンにも対応している

インターンシップの改正によって、就業体験を伴うインターンシップの重要性が増しています。学生にとっても、企業を内部から研究できる機会として不可欠とも言える制度です。

企業はさまざまな方法で学生を集めており、もちろんWantedlyもインターンの募集に対応しています。募集ページの就業形態に「学生インターン」が含まれているため、企業は機動的にインターンの告知を開始できます。

一般的な求人メディアでは掲載費がかかりますが、Wantedlyはインターンだけでなくポテンシャルリクルーティング、中途採用、パートタイム、副業などさまざまな形態の募集を自由に出稿できるのが特徴です。そのためインターンシップのプログラムが多様化してもコストパフォーマンスに優れた募集が可能であると企業から評価されています。

Wantedlyならインターンシップ募集にも臨機応変に対応でき、費用対効果の高い採用活動が可能です。

4.「性格診断」で入社前にオンボーディングできる

Wantedlyは自己理解を深め、強みを伸ばすツール「Wantedly Assessment」で「性格診断」を提供しています。「性格診断」は特定の質問に回答すると、仕事上における自身の「性格タイプ」と「個人傾向」が明らかになる仕組みです。

学生が自身の特性を把握することで、企業(もしくは配属予定部署)はタイプフィットする社員との適切な接続が可能となり、より最適なコミュニケーションが入社前から可能になります。また、承諾以降の離脱防止や入社後の早期活躍を見据えたオンボーディングを双方がストレスなく進めることができ、人事がこれまで割いていた離脱防止フォローの工数も削減可能となります。

性格タイプは全16種類用意されており、「リーダーシップのスタイル」「意思決定の姿勢」「人間関係の構築スタイル」「意思決定の根拠」の組みあわせから決定されます。

また、個人傾向は性格タイプだけでは確認しきれない、個人ごとの性格や資質に関する詳細で「コミュニケーション傾向」「働き方の傾向」「ストレスの傾向」「理想の働き方」を把握できます。

Wantedlyの「性格診断」はオンボーディングツールとしても利用されているのが特徴です。オンボーディングは新入社員にはやく会社・組織に慣れてもらうための施策であり、適性検査などを利用して入社前から行われる場合もあります。

「性格診断」は楽しみながら活用できるオンボーディングツールとして注目を集めており、学生の適性を見極めるのにも最適です。Wantedlyなら「性格診断」で入社前にオンボーディングが可能であり、入社した学生の早期定着と戦力化にも貢献できます。

「性格診断」の詳細はこちらの記事からご覧ください。

性格傾向からひもとく、活躍の可能性。Wantedlyに「性格診断」が登場

まとめ

今回は内定の早期化について大学1年生から選考に参加できる企業の例から内定早期化の現状とメリット・デメリット、また背景を解説しました。

短期決戦型だった従来の採用活動から、企業の採用担当者は採用活動の長期化に向けた意識の変革が求められています。間口を広げた選考プロセスの導入や学生とのタッチポイント強化を通じて、採用活動を成功させましょう。

そのためには、内定の早期化にも対応しているWantedlyが最適です。Wantedlyのサービス資料はこちらから無料でダウンロードできます。

Wantedlyのサービス資料を無料ダウンロードする

Wantedlyのサービス資料を見る
タイトルとURLをコピーしました