ワークエンゲージメントとは?高める方法についても解説!

ワークエンゲージメントとは従業員のメンタル面の健康度を表すものです。ワークエンゲージメントが高い従業員は、主体的に仕事に取り組む傾向にあります。企業が発展してより多くの利益を生み出すために、ワークエンゲージメントの向上が欠かせません。今回は、ワークエンゲージメントを高める方法について解説します。

▶︎ワークエンゲージメント向上に!福利厚生サービスPerkとは?

ワークエンゲージメントとは

ワークエンゲージメントは、下記の3つの要素から構成されています。

  • 活力
  • 熱意
  • 没頭

それぞれ詳しく解説します。

活力

活力とは業務に対するエネルギーのことです。活力が多ければ多いほど、精力的に業務に取り組めるようになります。

業務に対する意欲だけではなく、心理的な回復力にも活力は影響しています。仕事中にミスをして上司に怒られてしまったり、トラブルが発生してストレスを受けたりしても、活力が十分にあれば早く回復するため業務に支障をきたしにくいのです。

逆に活力が低いと、上司に怒られた際に仕事をするのが怖くなり、会社に出社できなくなったりパフォーマンスが低下したりしてしまいます。従業員が楽しみながら前向きに仕事に取り組むうえで、活力は非常に重要です。

熱意

熱意とは業務内容に対するやりがいやキャリアに対する誇りなどを指します。従業員が仕事に対して熱意を持っていると、より効率良く業務を行おうと努力したり、新しい商品の開発に向けて自発的に行動したりしてくれます。

仕事以外の時間も新しい知識を吸収しようと行動をしてくれるため、個人のスキルアップだけでなく会社の業績アップにもつながるでしょう。

没頭

没頭とは業務に集中して取り組む力のことです。没頭した状態で仕事に取り組むと、ケアレスミスが起こりづらくなり正確性が高まります。

少ない工数で多くの業務に取り組めるようになるため、生産性の向上も期待できます。

ワークエンゲージメントの測定方法

ワークエンゲージメントを測定する方法としては、以下の3つがあげられます。

  • UWES(Utrecht Work Engagement Scales)
  • MBI-GS(Maslach Burnout Inventory-General Survey)
  • OLBI(Oldenburg Burnout Inventory)

UWES(Utrecht Work Engagement Scales)

UWES(Utrecht Work Engagement Scales)はワークエンゲージメントの測定に最も利用されている方法です。ワークエンゲージメントを構成する3つの要素(活力、熱意、没頭)を17項目の質問で測定します。

質問は「仕事をしていると時間が経つのが早いと感じる」「仕事をしていると、つい夢中になる」といった内容です。これらの質問に対して「いつも感じる〜まったく感じない」の5段階(7段階の場合もある)どの部分に自分が該当するかを回答してもらいます。

回答結果から3要素ごとに平均値を算出し、ワークエンゲージメントの尺度としてスコア化します。質問項目が9項目の短縮版や3項目の超短縮版も開発されており、短時間でもワークエンゲージメントの調査が可能です。

MBI-GS(Maslach Burnout Inventory-General Survey)

MBI-GS(Maslach Burnout Inventory-General Survey)はワークエンゲージメントの対極に位置するバーンアウトを測定する方法です。バーンアウトとは今まで仕事熱心だった人が、急に労働意欲をなくして燃え尽きたように無気力な状態になることです。

バーンアウトが高い人は、ワークエンゲージメントが低い傾向にあります。MBI-GSを行うと、従業員がどれくらいバーンアウトに近い状態にあるかを調べることができるため、間接的にワークエンゲージメントを測定可能です。

UWESと同様に質問に回答する形で、バーンアウトを測定します。質問は16項目あり「消耗感(疲労感)」「冷笑的態度(シニシズム)」「職務効力感」の3つの尺度に基づいてバーンアウトの測定を行います。

OLBI(Oldenburg Burnout Inventory)

OLBI(Oldenburg Burnout Inventory)もMBI-GSと同様に、バーンアウトを測定して間接的にワークエンゲージメントを測定する方法です。MBI-GSとは異なり、「疲弊」「離脱」のふたつの要因について質問を行い、ワークエンゲージメントの測定をします。

ワークエンゲージメントを高める方法

ワークエンゲージメントを高める方法は下記の3つです。

  • 職場のコミュニケーションの促進
  • 業務裁量権の拡大
  • 労働時間の短縮・働き方の柔軟化

それぞれ詳しく解説します。

職場のコミュニケーションの促進

ワークエンゲージメントを高めるうえで重要なのが、職場内でのコミュニケーションです。コミュニケーションが活発に行われている組織であれば、仕事で困った際に上司や同僚に相談しやすいです。

仕事について相談できずに、自分で何とかしなければならないと思い込んでしまって、ストレスを抱えてしまう人は少なくありません。仕事が精神的な負担になると、ワークエンゲージメントは下がってしまいます。

職場のコミュニケーションを促進するための施策としては、1on1ミーティングの実施があげられます。1on1ミーティングとは、上司と部下が1対1で行うミーティングのことです。一般的には部下の仕事ぶりをフィードバックして、成長を促進する目的で行われます。

ほかには社内イベントの実施も職場のコミュニケーションの促進につながります。社内イベントについては、労働時間外に行ってしまうと従業員のストレスになる場合があります。あらかじめ社内イベントの実施に関するアンケートを取ったうえで、希望者のみが参加する形にすると良いでしょう。

業務裁量権の拡大

厚生労働省が実施した調査によると、役職が変化して業務裁量権が増えるほど、ワークエンゲージメントのスコアは高くなる傾向にあることがわかっています。従業員に仕事を与えるだけではなく、自分で考えて仕事に取り組める環境を構築できれば、ワークエンゲージメントの向上が期待できるでしょう。

実際に中規模のマーケティング企業において、従業員全員が企画できるワークショップを実施して、最優秀賞に選ばれたプロジェクトを新規事業として採用する取り組みをした結果、ワークエンゲージメントが改善した事例があります。

上司が従業員に対して業務裁量権を与えることは、従業員を信頼している証明でもあります。業務裁量権が与えられた従業員は「より責任を持って仕事に取り組まなければいけない」「上司からの信頼に応えたい」と思い、行動してくれるでしょう。

従業員に業務裁量権を与えると、トラブルに繋がるのではと不安に感じている方もいるかもしれません。トラブルを防止するためには、業務裁量権を与える従業員に対して一定の水準を設けるのがおすすめです。

特定の業務を1人でこなせるようになったら業務裁量権を与えると定めておけば、従業員のスキル不足によるトラブルは少なくなるでしょう。従業員も業務裁量権が与えられることを目指して既存の業務に注力できるため、企業内で業務裁量権に関するルールを定めるのはおすすめです。

出典:「「働きがい」をもって働くことのできる環境の実現に向けて」(厚生労働省)

労働時間の短縮・働き方の柔軟化

ワークエンゲージメントを高めるうえで、仕事への満足感や充実度は重要です。しかし、仕事だけではなく生活もワークエンゲージメントに大きく関与しています。

魅力的な業務であっても、残業時間が長く休日も仕事をしなければいけない状態だと、従業員の身体的・精神的な負担は大きくなってしまいます。意欲的に仕事に取り組んでいた従業員が、急に会社に来なくなってしまう可能性もあるでしょう。

ワークエンゲージメントを高めるうえで、従業員のプライベートを確保してリラックスしてもらうことは重要です。実際にとあるIT企業では、夏に連続3日間の休暇を取得するチャージ休暇制度を導入しました。従業員の9割以上がこの制度を利用した結果、気分転換の効果が得られ、ワークエンゲージメントの改善につながりました。

ほかにもテレワークを促進した結果、従業員の身体的・精神的な負担が軽減された事例もあります。テレワークの促進は会社の電気代や通勤手当などの削減にも効果があります。

従来の働き方にこだわるのではなく、なるべく短時間かつ多様な働き方を認めることも、ワークエンゲージメントの向上においては重要といえるでしょう。

Wantedlyの提供する福利厚生「Perk」

多様な属性の従業員が集まる企業の福利厚生の導入には多くのリソースがかかりがちです。そんな課題を解決するためには福利厚生のアウトソーシング化。代行サービスを利用することは有効な手段となります。

福利厚生サービス「Perk」は、各企業に代わって充実した福利厚生を提供するサービスです。ライフスタイル・グルメ・子育て・ファッション・旅行・など豊富な福利厚生メニューを初期費用無料、おひとり様月額350円〜ご利用いただけます。

無料資料をダウンロード

エンゲージメント向上が組織に与える効果

ワークエンゲージメントが組織に与える効果は以下のとおりです。

  • 労働生産性が高まる
  • 離職率が低下する
  • ストレスが軽減する

それぞれ詳しく解説します。

労働生産性が高まる

ワークエンゲージメントが高い従業員は、仕事に対して意欲的に取り組む傾向にあります。企業の抱えている課題を解決するために自発的に行動したり、今までなかったようなアイデアを提案したりしてくれるようになります。

結果として、企業の労働生産性が高まり、利益の向上につながるでしょう。企業の利益が向上すれば、従業員の給与も増やせます。効率良く利益を生み出せるようになれば、労働時間の短縮にも繋がるかもしれません。

従業員の中には「労働時間の短縮」と「給与アップ」を望んでいる人も多いでしょう。従業員1人ひとりの労働生産性が高まると、従業員にとって理想的な企業を作りやすくなるのです。

離職率が低下する

厚生労働省が行った調査によると、ワークエンゲージメントが高いと新入社員の定着率も高いことがわかっています。ワークエンゲージメントが高いと離職率も低い傾向にあることもわかっているため、従業員に長く会社で働いてもらうためには、ワークエンゲージメントの向上が欠かせないといえるでしょう。

従業員の離職率が低下すれば、人手不足も解消します。採用にかかるコストも減少も期待できるでしょう。

出典:「「働きがい」をもって働くことのできる環境の実現に向けて」(厚生労働省)

ストレスが軽減する

厚生労働省が行った調査によると、ワークエンゲージメントが向上することで、公私ともに感じるストレスや疲労感が低下する傾向にあることがわかっています。

今までは従業員がストレスを抱えた際に、産業医によるメンタルケアや休職などで対策をするなどストレスが発生した後に対策を施すケースが一般的でした。

ワークエンゲージメントを向上させれば、ストレスの発生そのものを予防できます。より従業員にとって働きやすく、健康的な企業作りにつながるでしょう。

まずは従業員に対してストレスチェックを行ってみてください。企業側が知らないだけで、従業員がさまざまなストレスを抱えているケースがあります。もし、ストレスを抱えている従業員が多くいるのであれば、ワークエンゲージメントが低い状態かもしれません。

今回紹介した方法を参考にして、ワークエンゲージメントの向上を目指してみてください。

出典:「「働きがい」をもって働くことのできる環境の実現に向けて」(厚生労働省)

まとめ

ワークエンゲージメントは企業を発展させるうえで欠かせない要素です。従業員の離職率が高く、労働生産性が低いなどの問題を抱えている企業は、ぜひワークエンゲージメントの向上を目指してみてください。

タイトルとURLをコピーしました